第 5074回の「安定した正規雇用が必要」や第 5160回の「日本再生は無理かも」で取り上げたトッテンさんが非正規雇用について又書いてく れています。
この非正規雇用の増加は日本の再生どころがますます日本をアメリカのような悲惨な社会にすることに早く 気が付いて手を打たないと大変なことになりそうです。
それが日本の家庭を壊す のは、第5166回の「男女雇用機会均等法の罠」で取り上げたように男が女 子供を養えずに共働きしなければならないような社会を取り戻すことが日本再生の要だと思います。
安倍さんは、そのあたりには全く気が付いてないようなのが気がかりです。
耕助のブログより 2013年11月15日
No.1053 非正規雇用の増加
政府が10 月1日に公表した労働力調査で、8月の就業者数は6310万人と前年同月に比べ29万人の増加、雇用者数も5562万人で51万人増加し、完全失業者は 271万人で6万人の減少であったという。完全失業率は前月から0.3%増えて4.1%だったが、有効求人 倍率は改善したので景気は回復基調にあるとし、 消費税を増税しても問題ない、ということらしい。
消 費税増税という全国民に重い負担となる政策決断を、安倍首相は雇用が増えているという都合の良いデータを提示しておこなった。しかし完全失業率には仕事が 見つからず求職を諦めた人や、数時間でもアルバイトをしている人はカウントされない。そしてパートや派遣社員の ように、期間を定めた雇用契約で働く人の多 くは正社員の仕事に就きたいと思っている人が少なくない。
それもそのはずだ。国税庁の調査によれば、正規雇用のサラリーマンの平均年収は468 万円、非正規は168万円と300万円もの開きがある。正規雇用者は3317万人、非正規は1881万人と、3人に1人以上が非正規で働いている。学校を 卒業してから就職できずアルバイトをする若者や、一家の稼ぎ手でありながら給与が低く、昇進など将来性もな い非正規雇用で働く人々が増えたのは、80年代 後半から進められた労働の規制緩和による。小泉政権の構造改革はそれをさらに広げ、禁止されていた製造業への派遣労働も解禁され「日雇い派遣」など、さま ざまな非正規労働が可能となった。保障がないだけでなく、不況になると真っ先に首を切られるのも非正規で働 く人々だ。
政府が労働者派遣の規制緩和を進めたのは、人件費を削減したい財界の意向による。そ していま、政府は「ライフスタイルや価値観の多様化に合わせて」、さらに雇用形態を柔軟にすることを提唱してい る。それによって企業はさらに柔軟に社員を解雇できるようになる。1930 年代初頭、経済学者のジョン・メイナード・ケインズは、技術革新と生産性の向上によって99年には先進国の 労働者の労働時間は15時間程度になり、それで も生活水準の向上を享受できるだろうと予測した。技術的にはそれは可能だったかもしれない。しかし予測が実現することはなく、むしろ、技術進歩によって 人々はより長く働くようになった。機械化や、賃金の安い国へ製造業や農業が移転したことで、工場や家庭の使 用人などの職は激減したが、セールスやサービス 業、事務職などの仕事が増えた。それらの職の多くがいま非正規雇用の仕事となった。
ほ とんどの人は生計を立てるために働き、多くの雇用は民間企業が提供する。企業が正社員ではなく非正規社員を雇用するのは、市場資本主義社会においては利益 を出すことが第一の目標だからだ。かつて日本は国民の大部分が「中流階層」を自負する国だった。それを可能にし たのは高度経済成長と終身雇用、年功序列賃 金といった日本の雇用慣行だった。
国内消費が支える日本経済は、消費税増税により落ち込み、収益が悪化すれば企業は正 社員を減らし、派遣社員に置き換えるだろう。非正規雇用の増加は貧困層の増加であり、さらに個人消費は落ち込む という悪循環しかもたらさない。
あの総中流時代には日本人の能天気さを半ばあきれる思いでいたのですが、あの後、自 分の負け組転落で、やっと目が覚めました。あの時代の世界の非常識と言われていた日本の雇用体系がどれほど素晴 らしいものだったに気が付いたときはもう手遅れでした。
小泉・竹中コンビと経済界の陰謀によって壊された日本の雇用体系を元に戻さない限り、日本の昔の家庭の 団欒は戻ってこないでしょう。安倍さんが気が付いてくれることを期待するのはどうも無理のような気がしま す。
やはり、自衛しかなさそう!