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宮本武蔵(1961)

2013年11月04日 03時11分43秒 | 邦画1961~1970年

 ◇宮本武蔵(1961年 日本 110分)

 英題 Zen and Sword/The Sword and Zen

 staff 原作/吉川英治 監督/内田吐夢 脚色/成澤昌茂 鈴木尚之 企画/坪井与 辻野公晴 小川貴也 撮影/坪井誠 美術/鈴木孝俊 進行主任/植木良作 助監督/山下耕作 富田義治 杉野清史 音楽/伊福部昭

 cast 中村錦之助 風見章子 入江若葉 木村功 三國連太郎 木暮実千代 丘さとみ

 

 ◇慶長5年9月、関ヶ原

 宮本武蔵ほど映画の主役となった歴史上の人物はいないんじゃないだろか?少なくとも、上位5人には入るとおもうんだけど、どうなんだろ?

 戦国時代を描いたり、幕末を描いたりした映画は多いけど、どうしても綺羅星のごとく人間が横溢してるから、焦点が絞りにくいし、さらにいえば、モブシーンに予算が掛かりすぎる分、映像化しにくい。

 ところが、宮本武蔵の場合は侍大将ではなくて剣豪だから、歴史上の人物とはいえ、看板を背負える役者さえいれば、成り立つ。

 そうした武蔵物の中では、この作品はまちがいなく最高傑作だろう。ことに、この第一作は音楽が伊福部昭という凄さで、5作中、突出してる。と、ぼくなんかはおもったりする。内容の面白さというのではなくて、ある種、記念すべき映画なんじゃないかと。

 大映に『大菩薩峠』があるように、東映にはこの『宮本武蔵』がある。そういう映画だ。ちなみに、この映画でデビューしたのが入江若葉さんなんだけど、若葉さんのお母さんの入江たか子さんは東宝の専属だった女優さんだ『椿三十郎』の撮影のときには、まだ若葉さんはデビュー前で、たか子さんにくっついて撮影を見学に行ったらしい。けど、若葉さんは東映に入社してデビューした。なぜかっていえば、たか子さんをデビューさせたのが内田吐夢だからで、母子そろってひとりの監督の手によってデビューするってのは珍しい。要するに鳴り物入りでデビューしたわけだけど、映画っていうのは、当時、そんな感じで作られてた。

 邦画のいちばんいい時代の傑作なんだよね、この『宮本武蔵』全5部作は。

 しかし進行主任、植木良作か~。なるほど、そういう時代なんだね。

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