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フッテージ

2013年11月12日 00時09分43秒 | 洋画2012年

 ◇フッテージ(2012年 アメリカ 110分)

 原題 SINISTER

 staff 製作総指揮・監督・脚本/スコット・デリクソン

     脚本/C・ロバート・カーギル 撮影/クリストファー・ノア

     美術/デヴィッド・ブリスビン 衣装デザイン/アビー・オサリヴァン

     音楽/クリストファー・ヤング

 cast イーサン・ホーク ジェームズ・ランソン ヴィンセント・ドノフリオ

 

 ◇8ミリ物のホラー

 イーサン・ホークって、西村友彦に似てない?

 とかっておもってるのはぼくだけかもしれないけど、

 そんなことは、この映画とはなんの関係もない。

 8ミリの持っている要素のひとつは、なんといっても手軽さだ。

 同時に、こんなにちゃちいものでも、いちおうフィルムだっていう自負だ。

 さらにいえば、なんでか知らないけど、8ミリはふしぎな夢感覚がある。

 もっとも身近な存在だったかもしれない。

 その昔、ブルーフィルムは8ミリだった。

 だから、謎の8ミリフィルムとくれば、これはもうイカガワシイものに違いない。

 てなことから、8ミリに何かが映ってた、という手出しはとっても好きだし、

 その8ミリを観てしまったがために死にそうな窮地に追い込まれる、

 っていう展開は、どんなものを何度観てもぞくぞくする。

 そこへもって、引っ越し先の古い屋敷の天井裏に、

「Pool Party '66」「BBQ '79」「Lawn Work '86」

「Sleepy Time '98」「Family Hanging Out '11」

 とかいうタイトルの8ミリフィルムがあったりしたら、

 こりゃもう、

「愉しそうな題名とは裏腹のとてつもなくイカガワシイものがあるにちがいない」

 ってことになるだろうし、

 それがもとで大変な目に遭うんだろな~っていう想像はつく。

 すべてがお決まりどおりの展開で、

 ホラーかサスペンスかってのは味付けだけで、要はおんなじだ。

 この映画の場合、宗教的儀式による殺人らしく、

 血で描かれた記号は、

「バビロニア王朝で行われていた邪教崇拝に通じる」

 とかって設定になってるんだけど、あまりにも遠すぎて、ちょっと興醒めする。

 でもまあ、10年前にヒットを飛ばしただけの売れない作家っていう、

 ハリウッドが大好きな設定は、事件に溺れる人間には最適なものだし、

 全体的に小品ながら、つくりは悪くなかった。

 ちなみに、原題のSINISTERってのは「不吉な」とかいう意味なんだけど、

 邦題のフッテージってのは「素材」って意味だ。

 でも、撮影して編集してない素材を「ストック・フッテージ」っていうのは、

 一般人にはなかなか馴染みがないから、

 どちらの題名も、ちょっと、ね。

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