◇ブリジット(2002年 フランス、日本 90分)
原題 Bridget
staff 監督・脚本/アモス・コレック 製作/フレデリック・ロブ
プロデューサー/エイヴラム・ルドウィグ、山岸留奈、沖田敦、堀越謙三
撮影/エド・タラヴェラ 音楽/ジョー・デリア
cast アンナ・トムソン デヴィッド・ウィック ジュリー・ハガティ アーサー・ストーチ
◇ジェットコースターのような
あまりにもめまぐるしい展開で、なかなかペースに乗りにくい。
ともかく、夫婦して銀行強盗までしてのけたのに、
赤ん坊を抱えて警察に通報しようとしてたら交通事故でふいになり、
親権も取られて、子供をとりかえすためには50万ドル要る。
で、その50万ドルをもとめて、
スーパーのレジ打ち、ポルノショップのストリッパー、コカインの買付人まで、
ありとあらゆる仕事をして世界を回り、
やがて、獣の仮面をかぶって自分を素っ裸にして辱めた爺に復讐してのけるという、
なんともめまぐるしすぎる破天荒な物語なんだけど、
妙に説得力があるのは、やはり、冷めて突っ放した感じの演出にあるのかもしれない。
それと、ふしぎなくらい共感できそうな独白も用意されてる。
「私の人生は波乱万丈、頂上からどん底までたった3分でおちた」
「テキーラは今の私の燃料、落ち込んでなんていられない」
「人生は何もかも失うとツイてくるけど、何もかも手に入れると失う痛みが始まる。
それが人生、みじめなものよ」
いやまったく、そのとおりだ。
主演のアンナ・トムソンがなんとも中東的な顔立ちなのは、
監督のアモス・コレックがエルサレムの出身ってこともあるんだろか?
まあ、なんとも得体の知れないながらもタフな面構えな感じは悪くない。
ただ、これだけ感情が多いのか少ないのかわからない47歳の女性が、
なんの取り柄もないにもかかわらず、
ただひたすら子供と一緒に暮らしたいという一心だけで、
つぎつぎに男運が好いのか悪いのかぎりぎりの線で潜り抜けて、
しかもちょっぷり知恵遅れではあるけど、
超金持ちの息子から「世界一綺麗な青い瞳だ」とかって、
ひと目惚れされちゃうっていうのも、
あんまり見たことのない展開ではあったけどね。