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☆=☆☆☆☆☆
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Dearフランキー

2014年11月06日 00時30分14秒 | 洋画2004年

 ☆Dearフランキー(2004年 イギリス 102分)

 原題 Dear Frankie

 staff 監督/ショーナ・オーバック 脚本/アンドレア・ギブ

     撮影/ショーナ・オーバック 美術/ジェニファー・カーンキ

     衣装デザイン/キャロル・ケー・ミラー 音楽/アレックス・ヘッフェス

 cast ジェラルド・バトラー エミリー・モーティマー メアリー・リガンズ シャロン・スモール

 

 ☆スコットランド、グラスゴー

 ちょっと驚いたのは物語とはまるきり関係のないことで、

 ジェラルド・バトラーが舞台になってるグラスゴーの生まれだってことだ。

 でも、生後半年でカナダに移住したものの、

 両親が離婚したことで母親とスコットランドに戻り、ペイズリーで育ったらしい。

 ところが、グラスゴー大学を首席で卒業して弁護士になった。

 それも英王室の事務をとりあつかう弁護士で、エリート中のエリートだ。

 ただ、その間に父親を亡くしたらしく、自身もたいそう苦労して結局俳優になった。

 で、ここまで見てくると、なんとなく物語のフランキーに重なってくるものがある。

 フランキーは父親の暴力によって聴覚障害者になり、

 そのDVから逃れるために母親と居場所を転々とし、最後に祖母を頼ってきた。

 でも、母親は父親を悪くはいわず、船乗りだと偽り、偽の手紙のやりとりをしてる。

 ところがその船が実際にグラスゴーにやってくることで物語の本題になる。

 こうした物語の作り方は小さな話であるが故に丁寧で、

 偽の父親役を演じるジェラルド・バトラーの正体が最後までわからないんだけど、

 結局は、母親の相談していた親友の弟だってことがわかったときに、

 ああ、よかった、これでフランキーは偽だとわかってても幸せになれるんだ、

 てなことをおもわずおもっちゃうくらい、身を入れて観ちゃった。

 ジェラルド・バトラーがどういう気持ちで役に臨んだのかはわからないけど、

 でも、ちょっぴり自分の幼い頃の思い出がよぎったのかもしれないな、

 とかって想像したりしてる。

 ぼくはジェラルド・バトラーの映画はそんなに観てなくて、

『300スリーハンドレット』の印象はあんまりよくなくて、

 ようやく『エンド・オブ・ホワイトハウス』で、すげーとおもったくらいだから、

 こういう家族の小さな幸せを願った小品とはどうも結びつかなった。

 ところが、好いんだよね、意外に。

 赤の他人がいきなり偽の父親役をやらせられ、

 それで、その子のことがいとおしくなるだけじゃなく、

 さらに、その子の母親のことも気になったりしてくるところが、

 たしかに予定調和な展開ではあるんだけど、妙にはらはらしつつも幸せな気分になれる。

 いや~、ぼく、この映画、好きだわ。

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