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ラビット・ホール

2014年11月07日 12時22分49秒 | 洋画2010年

 ◇ラビット・ホール(2010年 アメリカ 92分)

 原題 Rabbit Hole

 staff 監督/ジョン・キャメロン・ミッチェル

     原作・脚本/デヴィッド・リンゼイ=アベアー

     製作/ニコール・キッドマン 、 レスリー・ウルダング 、

        ギギ・プリツカー 、 パー・サーリ 、 ディーン・ヴェネック

     撮影/フランク・デマルコ 音楽/アントン・サンコ

 cast ニコール・キッドマン アーロン・エッカート ダイアン・ウィースト サンドラ・オー

 

 ◇並行宇宙をつなぐもの

 もともとは舞台で、ピューリッツァー賞を獲った同名戯曲が原作らしい。

 たしかに舞台劇のような展開だな~って感じはあったけど、

 特に家庭劇の場合、舞台から映画にはしやすいのかもしれないね。

 たしかに、

 たった8歳の子供が交通事故に遭って他界でもしようものなら、

 その喪失感は埋めようがなく、夫婦の仲にも深い溝ができるだろう。

 なぜなら、子供の死によって家族という名の集合体はもう無くなっているからだ。

 とはいえ、

 ニコール・キッドマンがふと見かけた犯人の青年をつけ、

 図書館で青年の借りた『並行宇宙パラレルワールド』を自分も借りる気持ち、

 また、それがきっかけで会話を交わすようになるっていう展開は、

 たしかに微妙だ。

 けど、

 その本にに触発された青年が『ラビット・ホール』っていう、

 科学者の父親を亡くした少年が、

 パラレル・ワールドにいるであろうもうひとりの父親を探すために

「ウサギの穴」を通り抜けていくっていう漫画を描いていることで、

 おたがいとも、心の傷を癒そうとしていることを知るとともに、

 これまた微妙な、親子とも恋人とも親友ともつかぬ微妙な、

 まるで予想もしていなかった関係が生まれていくのは、好い展開だ。

 また一方で、

 アーロン・エッカートが、

 身近な者に先立たれた人達のグループセラピーに参加していたサンドラ・オーと、

 なんとなく好い仲に発展していっちゃうのも、これまた現実味のある話だ。

 夫婦なんてものはもろい。

 子はかすがいとはよくいったものだ。

 そういう人間の持ってる心の脆さを、丁寧に描いてる。

 ただ、ちょっとおもうのは、

 案外「ラビット・ホール」が生かされていないような気がするんだよね。

 パラレルワールドを考えたとき、自分もいれば夫もいるとかっておもうより前に、

 たぶん亡くした子供の存在をおもい、漫画の主人公のように、

 どこかにある「うさぎの穴」を探しもとめて彷徨するんじゃないだろうかと。

 そうした方が、

 均衡を失いつつある神経症のような女性の姿が見えてくるような、

 そんな気がするんだけど、まあこんなことをいっても仕方ないか。

 でも、さすがにこういう役は、キッドマンはほんとよく嵌まるね。

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