◇タワーリング・インフェルノ(The Towering Inferno)
中学生のとき、この映画が封切られた。
ぼくの住んでいた田舎では、すべての封切り作品が上映されるわけじゃなく、この作品もずいぶん経ってから唯一ある洋画専門の映画館で観ることができたんじゃなかったかな。でも、当時はさほどおもしろいともおもわず、数年経ってテレビで放映されたときも似たような感想だった。
まあ、ポール・ニューマンもスティーブ・マックウィーンもどちらも渋好みの役者で、違いといえばポール・ニューマンの方が知的な印象があり、マックウィーンは野性的な印象があったくらいで、中学生のぼくにはどちらも単なるおっさんでしかなかった。
ただ、主題歌だけは濃厚に頭に残った。なんでなのかわからないんだけど、そうだった。
その後、結局のところ、何回観たのかわからないけど、マックウィーンが登場するまではちょっとだれる。マックウィーンが消火作業をはじめてもエピソードの積み重ねで、ちょっと厭きる。さらにいうと、ナポレオン・ソロのロバート・ボーンはぼくのヒーローだったのに、市長として登場したのはいいとしても知り切れ蜻蛉のような役柄で、ちょっと悲しかった。
ま、そんなところだけど、ひとつだけ、プロムナードの間の2階上のタンクを爆破して380万リットルの 水を流すというのを提案するのが誰かわからんし、構造計算技師がマ ックイーンに話すんだけど、これはポール・ ニューマンが発案しないとだめだよね。こういう重要な発案は主役の役割で、それをポール・ニューマンがいったら、マックウィーンは最初は否定しつつも、ふたりで協力しないと不可能な作戦になっていくっていう筋書きにしないと面白くならない。
ジョン・ギラーミンって、そういうところ、ちょっと大雑把な監督だったのかなあ。