◇シノーラ(Joe Kidd)
この映画が封切られたときの記憶はない。ただ、クリント・イーストウッドの存在を意識して、その作品歴を見ていったときに『シノーラ』という映画があることを知ったんだけど、実をいうと、そのときシノーラというのは女の人の名前だとおもってた。村の名前だなんて想像の端にも想いうかべなかったし、いまだにその印象は変わらない。
まあ、監督ジョン・スタージェスにとっては晩年のちからの抜けた一本って感じだったのかもしれないけど、なんだか印象の薄い映画ではあったかな。ヒロインのステラ・ガルシアの印象も薄いのは、結局のところ、イーストウッドと濃厚な仲になっていかない設定だったからかもしれない。
この脚本のまずいところは、ロバート・デュバルの本拠地のメキシコ国境の町で、ひとりひとり倒していくというくだりと、ラストのシノーラでの銃撃戦とが別々に分かれてるってことで、それが分裂して間延びした感じにさせてるんじゃないかって気がするんだよね。