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ポンペイ

2022年02月10日 16時06分15秒 | 洋画2014年

 ◇ポンペイ(Pompeii)

 

 わからないのは、紀元79年のロンドニウムの闘技場に紙の傘をさした観客がいたことで、こんな古代ローマには不似合いな傘は作れないんじゃないかっておもうんだけど、それはぼくの歴史認識が乏しいってことなんだろう、たぶん。

 ま、それはそれとして、物語はほぼ常道だ。定番といってもいいんだけど『グラデュエータ―』と『スパルタカス』を足して割ったような筋立てで、ケルトの騎馬民族が叛乱をおこして鎮圧されたときにたったひとりだけ生き残った子供が17年後に奴隷あがりの戦士になるっていうのは、つまり、英語を話してもおかしくない設定ってことからなんだろうか。

 監督のポール・W・S・アンダーソンは『バイオハザード』から一連のCG活劇を撮ってきたから、なるほど、古代ローマの物語もびんびんCGが入るんだね。ただ、ありきたりで、どことなく思慮深さが足りないように感じるのは、なんでなんだろう?

 総じて役者は若いね。ローマの元老院議員を演じたキーファー・サザーランドがぎりぎり壮年で、キット・ハリントンもエミリー・ブラウニングも若さばかりが先行して古代劇にはちょっと似合わない。

 この題材はどうしてもベスビオス火山が噴火してポンペイが埋もれていくところが佳境になるわけで、観客もそれだけを観に行くようなもので、となれば、この噴火を臍にして物語を作ればいいのに、なんか剣闘士の恋物語になっちゃってるのはどうもね。拍子抜けしちゃうのかもしれないね。

 あ、それと、津波が起こるんだけど、ベスビオス火山のせいで津波って起きたんだろうか。考古学的な裏づけがあるならいいんだけど、でも津波が起こったらポンペイの中のものは根こそぎ持っていかれちゃわないんだろうかって気もするんだけどなあ。

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