◎マッドマックス 怒りのデス・ロード
ちから、入ったわ~。
前半というより前編、フェード・アウトするまで「砦」から「緑の地」を求めて逃げるってだけの話で、この追撃戦の迫力といってらない。
独裁者ヒュー・キース・バーンの愛人5人をつれて脱走するのがかつてさらわれてきたシャーリーズ・セロンなんだけど、いや、ほんと、彼女は凄いね。色気からいえば、女優というよりモデルの愛人5人の方が遙かにあるんだけど、いや、演技はもちろん、貫禄といい、知的さといい、申し分ないところへ、なんといっても運動神経の凄さといったらない。ただ、なんといっても凄いなっておもうところは、登場したときの隈塗りもさることながら、丸坊主にして左手はターミネーターみたいな義手にしてて、義手が外れたら片腕でも戦うっていう根性だ。邦画で、彼女に匹敵するのは誰なんだろう?
ジョージ・ミラーはもはや『マッドマックス』のシリーズを撮るために監督稼業を続けてるような感じだけど、まあどうだろう、2作目あたりから英雄譚に傾斜していくんだよね。でも、それは『サンダードーム』で完結したんじゃないかっておもってたら、なんとまあ、ここではマックスは脇役だな。トム・ハーディは上手に役をこなしてて、佳境、環境汚染で失われた「緑の地」から「砦」へ引き返し、奴隷の解放と理想の国づくりに入るのは、シャーリーズ・セロンなんだよね。物語としてはそうなっていくよりほかになくて、マックスは単なる通りすがりの用心棒でしかないわけで、だから、最後も「あばよ」って感じで去らないといけない。マックスの内面はもう語られちゃってるから、こうなるよりほかになんだろうなあ。