Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

ザ・ランドロマット パナマ文書流出

2022年12月10日 00時31分39秒 | 洋画2019年

 △ザ・ランドロマット パナマ文書流出(The Laundromat)

 

 スティーヴン・ソダーバーグは引退してた方が良かったんじゃないか?

 というくらい、つまらない映画だった。ていうか、完全にキャストと宣伝にしてやられた。これは、メリル・ストリープを起用したことと、邦題の勝利としかおもえない。狂言回しにゲイリー・オールドマンとアントニオ・バンデラスを使っているのがなんといっても贅沢で、ぴちぴち服の不動産屋になったシャロン・ストーンもそうだけど、もはや、観客をだまくらかして金儲けをしたとしか考えられない。まあ、詐欺まがいの節税とかで太平洋の島のどこかにトンネル会社を作って儲ける連中の映画だから、それでいいのか。

 ともあれ、なんにしても、ソダーバーグ、脚本が完全に間違ってる。実際に起きた事件がもとになってるならなおさら、ニューヨーク州ジョージ湖の観光船の転覆事故の和解金うんぬんの話から始めるよりも、実際に巨大違法取引が明るみになっていく過程を追いかけた方が明らかにおもしろかったろう。

コメント

ウルフ・アワー

2022年12月09日 00時15分14秒 | 洋画2019年

 △ウルフ・アワー(The Wolf Hour)

 

 題名の意味がよくわからない。狼の時間ってなんだ?ラジオ番組の名前ってだけじゃないよね?

 デビッド・バーコウィッツこと「サムの息子」事件が絡んでるのかとおもいきや、まるで関係ない。つか、熱さとスラムの暴力沙汰と喧騒にノイローゼになってる女流作家ナオミ・ワッツのスランプと欲求不満の自慰と宅配セックスと復活っていう一連の日常を描いてるだけで、作家だったら誰もが経験する日々でしかないっておもうんだよなあ。

コメント

ピータールー マンチェスターの悲劇

2022年12月08日 00時22分56秒 | 洋画2018年

 ◇ピータールー マンチェスターの悲劇(Peterloo)

 

 なんか新宿西口広場で警官隊や機動隊に追われたフォーク・ゲリラと参加者たちみたいだ。

 マイク・リーの演出がそんなに珍しいのかどうかはわからなかったけど、まあ、冗漫だったなあ。ただ、絵づくりはたいしたもので、当時の雰囲気は濃厚に伝わってくる。下着まで当時のものにしてるような現実味があるし、すべてのカットが当時の絵かあるいは時間跳躍して撮影してきたんじゃないかって気になっちゃう。まあ、種明かしはあったものの、それにしてもパインウッドの絵づくりの技術はたいしたもんだな。

コメント

嵐の中で

2022年12月07日 23時59分22秒 | 洋画2018年

 ◇嵐の中で(Mientras dure la tormenta)

 

 アドリアーナ・ウガルテのための映画みたいだけど、とにかく、どうして嵐の中で25年前と通じるんだろう?磁気嵐みたいなものが覆って、そこで時空をゆがませて25年前の電波をとらえて交叉させちゃうっていうんだけど、なんで常に25年前なのかはわからない。理由が見えないまま、物語は進んじゃうんだけど、まあ、なんとなく面白かったからいいか。

 ただ、自分と25年前の少年が繋がってしまったことで、その少年が事故にあわず、つまり生きちゃったために事件がそのまま未解決なまま続行し、やがて巡り合うべき青年っていうか、刑事になって現れるんだけど、これはなんとなく想像がつくね。最後までどうやって処理するんだろうっておもってたのは、娘のことで、少年が生きたことで別なパラレルワールドに入り込んじゃうんだけど、そこでは娘が生まれてない。てことは、どんだけ事件が解決しようとも、かぎりなく最初の設定に近いところへ戻らないと娘が存在しているところへは戻れない。これが味噌で、刑事をとるか、娘をとるか、でもその娘の父親は自分を裏切って看護婦とずっとつきあってるっていう設定になってて、どこで妥協できるのかって話になってくる。なるほど、上手だね。

コメント

その瞳に映るのは

2022年12月06日 23時42分46秒 | 洋画2022年

 ◇その瞳に映るのは(Skyggen i mit oje)

 

 カルタゴ作戦っていう英空軍によるコペンハーゲンのレジスタンス救出作戦があったことも知らなかったんだけど、これって救出っていうよりコペンハーゲン市内のナチスの司令部に対する空爆作戦といった方がいいんじゃないかっておもうんだけど、なるほど、筋立てはよくできてる。

 英空襲舞台が看護婦を運んでいるタクシーをまちがえて空襲してしまったとき、それをまのあたりにして失語症になってしまった少年が、疎開していった先のコペンハーゲンでまたもや誤爆に見舞われ、そのときの献身的な行動によって声をとりもどす物語が中心になりながらも、修道院でみずからの素肌を鞭打って神の存在を知ろうとする修道女がナチス直率の警察に志願していた若者の心を開かせつつも誤爆のせいで水に飲まれた生徒のために飛び込んでゆくっていう物語とが交錯して描かれてるんだけど、う~ん、だからどうなんだ、なにがいいたいんだ?って気にさせちゃうのは、ちょっとね。

コメント

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

2022年12月03日 23時53分06秒 | 洋画2003年

 ◇キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(Catch Me If You Can)

 

 アメリカ人はこういうドタバタの追いかけっこが好きなんだろうけど、ださい昔気質の日本人の僕はどうにもこういうバタ臭い喜劇はお好みじゃない。1968年の16歳の高校生に翻弄されるFBIや社会人や女の子たちの滑稽さを笑い飛ばすのがどうにも苦手なんだよね。とはいえ、フランク・W・アバグネイル・Jrっていう今では経営コンサルタントになってる人物の実話っていうんだから、すごいわ。

 ただまあ、なんていうか、ディカプリオはさておき、スピルバークの往年をとっても朗らかに感じさせるっていうか、トム・ハンクスと組むのが彼の場合はちょうどいい息抜きみたいになってるんだろうか?

コメント

新感染 ファイナル・エクスプレス

2022年12月02日 21時21分43秒 | 洋画2016年

 ◇新感染 ファイナル・エクスプレス(부산행 釜山行)

 

 新感染って、まさか新幹線と掛けてる?だとしたら、邦題、ダサ過ぎないか?

 冒頭、父コン・ユと娘キム・スアンの説明が長いんじゃないかって感じるけど、KTXが発車してからは調子よく展開していくし、チョン・ユミ(鄭裕美)の地味な感じがほっとさせてくれるね。それにしても、人海戦術の凄さには舌を巻くわ。CGの多用もあるっておもうんだけど、いやまあ、そこらじゅうで餓鬼の人間ピラミッドが崩れたり、団子状態で機関車にひっぱられたり、人間の圧でガラスが割れて飛び出してくるのは数え切れない。すごいな~この物量は。

 それにしても、韓国のおばはんも飴玉もっとんねんな。

 なるほど、トンネルの中で、生存者かどうか視認できずに機関銃を向けたときに、アロハ・オエか。なるほどね。

コメント

プライベート・ライアン

2022年12月01日 17時28分46秒 | 洋画1998年

 ◇プライベート・ライアン(Saving Private Ryan)

 

 封切り当時、予告編で感動した。アメリカ人ってのは、なんて素敵なことを考えるんだろうとおもった。ノルマンディー上陸作戦の際、行方知れずになっているライアン二等兵を探し出し、故郷で待っている両親に返してやれっていう命令のことだ。ライアンは4人兄弟で3人がすでに亡くなっているから親をそれ以上悲しませてはならないっていう大義名分だった。なるほど~と、ぼくは予告編でお腹いっぱいだった。

 で、こんなことを知った。アメリカには戦後3年経ってからひとつの法律ができて、多人数の兄弟が出征した場合、その兄弟がつぎつぎに戦死したら末子を任務から外して帰還させるということにしたと。ほおっとおもった。ところが、映画を観たとき、おもったよりも感動してないなっていう自分に気がついた。トム・ハンクスがジョン・ウェインに見えてきちゃったせいじゃなくて、水中に打ち込まれた砲弾は弾道を描かずに浮力に負けちゃうはずなのに水の中でもそのままの威力で死傷させるんか!?っていう細かいいちゃもんのせいじゃなくて、ライアンひとりを救うためにどんだけ人間殺せば気が済むんだっていう単純な疑問からだった。

 死んでいく兵士はもちろんマット・ディモン演じるライアンだけじゃなく、ほかの死んでいった兵士にも兄弟がいてみんな死んじゃってるかもしれないし、もしかしたらひとりっ子の兵士だっているかもしれない。乳飲み子を祖国に残してきた兵士だっているかもしれない。兵士の命はどのような境遇であれ平等のはずで、ライアンだけが贔屓されるのはおかしいし、そもそもそんな命令を出すというのは、なんだか政治家の人気取りのような矛盾した見せかけの善意に過ぎないんじゃないかっていう気持ちが、まあ、映画の中でも語られてたことではあるけれど、むくむくと湧き上がってきちゃったからだ。

 まあそんなこともあって、ずっとこの作品は、明確に説明できない疑問を抱えてるんだよね。

コメント