この画像にある三国町に出かけたのが2月13日であるから、もう一月ほど出歩いていないことになる。この時期は撮影していても一番面白くない季節であり、京都も相変わらず観光客はいるが、風景としてはバッチリ地方都市の顔であると私は感じている。
この時期の行事はあるが、一番のお奨めはは奈良二月堂のお水取りだろう。今日が最終日だから、大松明が並ぶ姿が見られるなと思いながら、人混みも多いから、パスしようという気分である。この行事が終われば、春である。
何故か今年は、もう少し雪の風景が見たかったと思いながら、次第に街は春の暖かさに近づいてきている。冬の寒さへの未練が大いに残る位に、今年は変化の乏しい冬であった。それだけ、春が来てもあまり嬉しくないのである。そんな冬を体験しそびれた気分を、暖冬憂鬱症とでも呼んでおこうか。
振り返ってみると、底冷えする京都を体感したのは、お正月の頃と、節分あけの頃位だった。その頃は、大いに寒いとはしゃいでいたのだが、長続きはしなかった。寒いけど中途半端な暖冬だったから、どこか気分もしまらない。
その頃に実は北海道の小樽へ行こうと企てていた。舞鶴からフェリーで20時間、最も安い席が9,000円、冬の日本海を体寒しながら雪に埋もれた小樽は、面白いだろうと考えていた。だが、小樽は通俗的すぎるし、それに仕事が断続的に入ってきたので結局まとまった時間が取れずに行きそびれた。これも暖冬憂鬱症の一因かも知れない(笑)。
やはりこれだけ京都の街も暖冬が続くと、本来の底冷えがする冬の時間が貴重になってくる。このブログでも、2008年1月28日に壬生寺の節分祭で行われる狂言をアップさせていた。屋根や観客の頭が白くなっているのは、三脚を立てて撮影していたときに雪が舞っていたのである。もの凄く寒く、そして雪の中での狂言というのは、なかなか思い出深かった。今では雪も降らないし、撮影もできない。風情がなくなるとともに、次第につまらない時代になってきた。
我々は、風情がないつまらない時代をつくるために、頑張って仕事をしてきたのだろうかと、つくづく疑問に思う。だからこそ私は、観光地でもなく、また観光ガイドに載らないほどに多くの人に注目されない、マイナーな面白い古い街を捜しているわけだ。
そして付け加えれば、そうした古いマイナーな街は、雪が降る酷寒のときが大変美しいのであるということを、フォクグラファー瀬尾明男氏の作品が教えてくれたのである。
福井県,三国町,撮影日2010年2月13日
FUJI S5pro,AF-S Nikkor16-85mm/F3.5-5.6ED,VR
シャッター:1/9,絞りf5.3,焦点距離62mm,ISO1600.
この時期の行事はあるが、一番のお奨めはは奈良二月堂のお水取りだろう。今日が最終日だから、大松明が並ぶ姿が見られるなと思いながら、人混みも多いから、パスしようという気分である。この行事が終われば、春である。
何故か今年は、もう少し雪の風景が見たかったと思いながら、次第に街は春の暖かさに近づいてきている。冬の寒さへの未練が大いに残る位に、今年は変化の乏しい冬であった。それだけ、春が来てもあまり嬉しくないのである。そんな冬を体験しそびれた気分を、暖冬憂鬱症とでも呼んでおこうか。
振り返ってみると、底冷えする京都を体感したのは、お正月の頃と、節分あけの頃位だった。その頃は、大いに寒いとはしゃいでいたのだが、長続きはしなかった。寒いけど中途半端な暖冬だったから、どこか気分もしまらない。
その頃に実は北海道の小樽へ行こうと企てていた。舞鶴からフェリーで20時間、最も安い席が9,000円、冬の日本海を体寒しながら雪に埋もれた小樽は、面白いだろうと考えていた。だが、小樽は通俗的すぎるし、それに仕事が断続的に入ってきたので結局まとまった時間が取れずに行きそびれた。これも暖冬憂鬱症の一因かも知れない(笑)。
やはりこれだけ京都の街も暖冬が続くと、本来の底冷えがする冬の時間が貴重になってくる。このブログでも、2008年1月28日に壬生寺の節分祭で行われる狂言をアップさせていた。屋根や観客の頭が白くなっているのは、三脚を立てて撮影していたときに雪が舞っていたのである。もの凄く寒く、そして雪の中での狂言というのは、なかなか思い出深かった。今では雪も降らないし、撮影もできない。風情がなくなるとともに、次第につまらない時代になってきた。
我々は、風情がないつまらない時代をつくるために、頑張って仕事をしてきたのだろうかと、つくづく疑問に思う。だからこそ私は、観光地でもなく、また観光ガイドに載らないほどに多くの人に注目されない、マイナーな面白い古い街を捜しているわけだ。
そして付け加えれば、そうした古いマイナーな街は、雪が降る酷寒のときが大変美しいのであるということを、フォクグラファー瀬尾明男氏の作品が教えてくれたのである。
福井県,三国町,撮影日2010年2月13日
FUJI S5pro,AF-S Nikkor16-85mm/F3.5-5.6ED,VR
シャッター:1/9,絞りf5.3,焦点距離62mm,ISO1600.