Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし263. 冬の小さな旅35.

2010年03月21日 | Aomori city

 青森市内から常に眺めることが出来る雲谷峠という小さな山がある。 私が青森市に関わったのは、この山麓に展開するスキー場の全面再生事業であった。画像は事業完成後に撮影したものだが、これだけ大きな空間規模になると、どこを整備したのかわからないぐらいである。それだけ環境の空間スケールは大きく、人間がこだわる喜怒哀楽のスケールが微少であることがわかろう。
 画面をよく見ると、スキーコースは新たに増設されており、夏期のオートキャンプ場や画面中央やや左下側のゲレンデフロントに微かに列状に見える陰のような建築群は、今回の事業で新築されたものである。環境を壊すなという発想で整備したこともあり、自然の中に静かに埋まっている。これが私の仕事としている環境デザインのスケールである。こうした環境のなかで自然保護と人間の活動との兼ね合いを土地利用に反映させ、施設の骨格やデザインガイドラインなどをつくり、これにそって事業を統括的な立場から進めてゆくプロデュースが私の仕事である。
 もちろん私の仕事としては、この事業は小さい方なのだが、それでもこれ位の規模でデザインを考えてゆくと、もう建築の個別的なデザインなどは過小な話になってくる。日常私達がいかに小さな狭い限られた視界でものごとにこだわり、認識し、考え、議論しているかがよくわかるだろう。
 私が扱う環境デザインのスケールというのは、これ以上の事が多い。建築や人間の存在は画面の些細な点にすらならないときが多い。

モヤヒルズ:2000年日本デザイン学会年間作品賞受賞

青森市,雲谷峠,撮影日2006年3月3日
EOS Kiss Digital ,SIGMA18-125mm/f3.5-5.6.
シャッター:1/1000,絞りf116,焦点距離109mm,ISO400.

コメント
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