Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

一寸スケッチ 新緑が始まる上高地16.

2011年06月06日 | field work
 梓川である。水量が増えれば川幅一杯に水が流れ、少なければ河床を歩くこともできる。
 そして都会のように、堤防の先がいきなり川というのではなく、ここでは川と陸地の間に、川の支流が流れ込んだ曖昧な領域があって、そこには動植物が多く生育する生態環境が形成されており、風景としても面白い。そんな曖昧な環境があってこそ自然のあるいは本来の川の姿なのである。そんな曖昧な環境の中に、新緑が垣間みえるようだ。
 登山路のところどころで、こうした梓川の姿が眺められる。今日は背後の北アルプスの山々は、霧のなかである。もうこの路を何十回と通ったことだろう。右岸の新緑の先に徳沢園がある。
 よく考えると、私は、北アルプス以外の日本の土地にあまり出かけるといったことが少ない。色々歩き回るよりは、上高地-涸沢の風景で満ち足りているようだ。涸沢のナナカマドの紅葉は、日本の紅葉のトップクラスだし、三千メートル級の山々が連なる風景は、日本では北アルプスしかない。ここで堪能すると、日本では他を徘徊しようという気分にはならない。
 人によってお気に入りのところが、あると思われる。お気に入りには、何回でも訪れるだろう。それがリゾート本来の姿である。リゾートとは、「リ=繰り返し、ゾルト=人々がいる」、つまり「たびたび人々が訪れる場所」というのがリゾート本来の語義であるからだ。
 北アルプス、とりわけ上高地-涸沢は、すこししんどい登山ができて、高原で静養でき、温泉もある、私のお気に入りのリゾート環境なのである。
 
上高地-徳沢園,2011年5月22日
OLYMPUS PEN E-P2,LUMIX G 20mm,f1.7
ISO200,20mm,露出補正-1/3,f5,1/640,iFinish
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