21世紀美術館から小さな水路のある住宅街の裏道をとおり竪町商店街を抜け香林坊まで歩いてきたら、古いビルの3階に純喫茶ローレンスという看板がみえた。
あそこならば煙草が吸えるだろう。複雑な階段を上がり店に入るとドライフラワー状態の植物だらけのタイムスリップしたような古い喫茶店。WEB情報だと作家の五木寛之氏が足繁く通った店とあり、直木賞受賞の連絡もこの店の黒電話で受けたという話だが。店内は、気だるい北陸の冬の光が射し込んでいた。
金沢は、まもなく北陸新幹線が開業するので、その前に訪れようという気分の方が強かった。東京から2時間半というのが微妙な距離。私ならば東京からだったら飛行機で1時間15分を選択するけど。だが金沢は小松航空だから市内からは距離があるか。そんな気分で少し気が抜けた金沢の町を歩き抜けて家路についた。JR特急サンダーバードは、途中福井にだけ停車し京都まで2時間10分でついた。金沢は関東からも関西からも同じ位の所要時間なんだ。
それにしてもJR特急料金は高い。そこで車ならば高速道路を使ってみてたらどうなるかと思い調べたらJRよりは少し安いぐらいか。北陸というのは、結構交通費のかかる行きにくい場所だと思った。つまり鉄道屋と道路屋が儲かる都市というわけだ。
そういえば、大分前に石川県珠洲市から東京へ出るのに2日がかりだった。日本で一番遠い都市であったことを思い出した。現在では、高速道路があるのでなんとか1日圏内になったようだ。北陸は、それ位僻地なんだという認識がいまだに消えないところである。
金沢市
OLYMPUS E-M5,M.ZUIKO.DG9-14mm/F4-5.6
ISO6400,焦点距離9mm,露出補正-1/3,f/4,1/60