アラン・ドロン、アル・パチーノ、ダスティン・ホフマン、ブルース・ウィリス・・・さて共通するのは何だろう?先月亡くなられた声優界の大御所の一人、野沢那智さんが吹き替えを担当した俳優だ。「声優の前に俳優であれ」という信念に基づいた声の演技は、ときに字幕スーパーで映画を観るより迫力がある。ドロンやパチーノ自身の声は知らなくても、日曜洋画劇場で放映された多くの作品で野沢さんの声を思い出すかたもあろう。
日曜洋画劇場は淀川長治さんの映画の面白さを伝える軽妙な解説で知られるが、次週予告の「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」に続いて流れるエンディング・テーマをご存知だろうか。数あるコール・ポーターの作品でも、おそらく日本人が最も多く聴いていると思われる「ソー・イン・ラヴ」だ。番組ではモートン・グールド楽団の曲を使用していたが、映画の余韻にいつまでも浸れるような哀愁を帯びたメロディは、曲名こそ知らなくても洋画をテレビで愉しんだ人の脳裏に焼きついており、ジャズファンと自認する小生でもエラ・フィッツジェラルドの名唱やアート・ペッパーの名演よりも先に思い出す。
詞と曲が一体になった曲のせいかヴォーカルが圧倒的に多いが、インストも少ないながら粒よりの作品が揃っている。最も新しい録音といえば2010年のテッド・ローゼンタールで、植田典子の繊細なベースと、正確なビートを刻むクインシー・デイヴィスのドラムをバックに流麗なタッチで鍵盤を刻む。セロニアス・モンク・コンペティションで優勝した実力の持ち主で、ヘレン・メリルの歌伴を長らく務めただけあり歌心にも富んでいる。マンフレッド・クヌープによる録音の素晴らしさもあり叙情的な旋律が大きなスクリーンから飛び出すような錯覚さえ覚えるし、テンポを変化させ一気にクライマックスに持っていく劇的な演奏は一本の大作を観るようだ。
中高生のころ日曜日の夜はテレビで洋画を観る楽しみと、もうひとつラジオでジャズ番組を聞く楽しみがあり、そのふたつが週明けからの活力になっていたのは確かだったし、そのラジオ番組で聞いたジャズは今でも活力になっている。「ミッドナイト・ジャズ・レポート」という日曜深夜番組のディスクジョッキーを担当していたのは成瀬麗子さんで、お姉様のハスキーな声にときめいた。憧れの女性、成瀬麗子さんの旦那様は野沢那智さんである。
日曜洋画劇場は淀川長治さんの映画の面白さを伝える軽妙な解説で知られるが、次週予告の「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」に続いて流れるエンディング・テーマをご存知だろうか。数あるコール・ポーターの作品でも、おそらく日本人が最も多く聴いていると思われる「ソー・イン・ラヴ」だ。番組ではモートン・グールド楽団の曲を使用していたが、映画の余韻にいつまでも浸れるような哀愁を帯びたメロディは、曲名こそ知らなくても洋画をテレビで愉しんだ人の脳裏に焼きついており、ジャズファンと自認する小生でもエラ・フィッツジェラルドの名唱やアート・ペッパーの名演よりも先に思い出す。
詞と曲が一体になった曲のせいかヴォーカルが圧倒的に多いが、インストも少ないながら粒よりの作品が揃っている。最も新しい録音といえば2010年のテッド・ローゼンタールで、植田典子の繊細なベースと、正確なビートを刻むクインシー・デイヴィスのドラムをバックに流麗なタッチで鍵盤を刻む。セロニアス・モンク・コンペティションで優勝した実力の持ち主で、ヘレン・メリルの歌伴を長らく務めただけあり歌心にも富んでいる。マンフレッド・クヌープによる録音の素晴らしさもあり叙情的な旋律が大きなスクリーンから飛び出すような錯覚さえ覚えるし、テンポを変化させ一気にクライマックスに持っていく劇的な演奏は一本の大作を観るようだ。
中高生のころ日曜日の夜はテレビで洋画を観る楽しみと、もうひとつラジオでジャズ番組を聞く楽しみがあり、そのふたつが週明けからの活力になっていたのは確かだったし、そのラジオ番組で聞いたジャズは今でも活力になっている。「ミッドナイト・ジャズ・レポート」という日曜深夜番組のディスクジョッキーを担当していたのは成瀬麗子さんで、お姉様のハスキーな声にときめいた。憧れの女性、成瀬麗子さんの旦那様は野沢那智さんである。
So in Love Best 3
Art Pepper / So in Love (Artist House)
Hampton Hawes / Trio Vol.1 (Contemporary)
Illinois Jacquet / Bosses of The Ballad (Argo)
ペッパーとホーズが人気でした。他にも多くのバージョンが挙げられましたが、どの演奏もポーターの美をさらに美しく表現したものばかりです。
今宵はお好みのソー・イン・ラヴをお愉しみください。
bassclef さんも日曜の夜はやはりご覧になっておりましたか。高尚なメロディは週明けからの意欲を高揚させましたが、一方日曜が終わりブルーマンデーの切なさもありました。12時からは「ミッドナイト・ジャズ・レポート」ですので、月曜日にテストのときは憂鬱でした。(笑)
ペッパーがトップとは嬉しいですね。欲をいえばセシル・マクビーですが、かつての翳りの美を取り戻し、立ち直ったペッパーの人生の深淵をみるようです。
ハロルド・ランドがありましたか。ジャズランドの笑顔ランド盤ですね。(笑)久しく聴いておりませんが、ドーハムとランドのコンビは悪くありませんし、ハードバップから抜け出せなかった不器用な男の哀愁さえ感じます。この二人にはモートン・グールド楽団のソー・イン・ラヴが似合いそうです。
皆さん、bassclef さんの「夢見るレコード」でチェット・ベイカーを話題にされております。「抑制の美学」と題されたベイカー論はファン必見です。
「五線譜のラヴレター」は私も見ましたよ。ポーターの伝記映画では「夜も昼も」がありましたが、前者はかなり奥まで描いておりました。
ボブ・ロックウェルのピアノレス・トリオがありましたか。残念ながらこちらは聴いておりませんが、「イッツ・オーライト・ウィズ・ミー」を聴いた限りでは デクスター・ゴードンに似ておりよく歌いますね。
ジーン・ディノヴィはいい内容でした。こちらは日本録音ですが、92年にハービー・スチュワードと来日したときのアルバムもジーンときました。
so in love・・・僕も日曜の夜、あのTV映画番組が終る時に流れるあのメロディが脳髄に沁み込んでおります(笑)
あの自己陶酔的な甘美なメロディ・・・あれはまるでラフマニノフみたいじゃないか(笑)という感じで、コールポーターの曲はどれも高尚すぎて、いわゆるジャズっぽい演奏には実は不向きじゃないかな・・・だから、わりと端正に弾くピアノ演奏が多いのかも・・・などと思ってます。
そこをあえて管楽器で挑んだテイクは~
1.アート・ペッパー/So In Love(artist house)
2.ハロルド・ランド/In New Youk(jazzland)
1のペッパーは・・・これはもう文句なしでしょう。いや、こういう曲には、ベースはロン・カーターよりセシル・マクビーに弾いてほしかったなあ(笑)
2.これはさっき偶然にもハロルド・ランドのレコードを聴こうと思って何気なく取り出したIn New Yorkに入ってるじゃありませんか!件(くだん)の曲が!てなわけで聴いてみたら・・・曲の持つ格調とかとはまた別の、ゴリゴリの黒っぽいノリの演奏で、まあ出来はあまりいいとは言えません(笑)しかし・・・ドーハム、ランドのソロは悪くないし、マイナー調のハードバップ風に演ってしまおうという気概に一票というわけです!
映画「五線譜のラヴレター」を見ました。効果的な場面で使われていたのが、「イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト」と今回の御題「ソー・イン・ラヴ」でした。
・ボブ・ロックウェル「トリオ」(スティープルチェイス)
ルーファス・リード、ヴィクター・ルイスとのピアノレス・トリオです。
・ジーン・ディノヴィ「スマイル」(ファイヴスターズレコード)
ニール・スウェインソンとのデュオです。
比較的最近の盤から2枚選んでみました。
このアルバムのリリースはSSJですが、プロデューサーは藤原さんですので三具さんは気遣いされているのでは。
今週はパスということで、しかし、このジャケットを出してサンチャンが参戦してこないのは、不気味ですね。(笑)
フランク・ヘインズは無名に近い存在ですが、ハンク・モブレイに似た感じがします。デイブ・ベイリーと仲が良かったらしく、ベイリーのエピック盤やリーチング・アウトにも参加しておりました。
日曜洋画劇場をご覧になっていたようですね。私も映画が好きでして毎週観ておりました。今のようにレンタルビデオがなかった時代ですので貴重な番組でした。今でもエイゼンシュタインのモンタージュ理論を説明できるほど一時期かなり映画に夢中でした。
ペッパーにホーズ、そしてジャケーときましたか。ジャケーは、25-25 さんも挙げられましたが、コール・ポーター集ではベストに入れたくなるような心地よい演奏ですね。JATPの勝つか負けるかの派手なブローも聴き応えがありますが、抑えた演奏も魅力があります。
D・フリードマン、R・ブライアント等、ピアノが多い曲ですが、それぞれに個性が出ております。チック・コリアや、話題にしたテッド・ローゼンタールも最近のものではいい内容です。
>ライク・サムワンの個人的ベストとして
トミフラのデイブ・ベイリーのトリオ
「Bash!」ですね。
とても好きなアルバム、フラナガン・ファンで
このアルバムが好きだという人も多いですね。
フラー~フラナガン~ベイリーの組み合わせでは、
「South American Cookin' / Curtis Fuller」も、そうでした。
「Bash!」に参加している、Frank Haynes というテナー、
僕は他では知りません。
聴いた感じでは、今ひとつ強烈な個性に乏しい印象ですが。
日曜洋画劇場は懐かしいです。コール・ポーターの名曲だけに、多くあるかと思ったら意外に少なく手元には6枚だけでした。チック・コリアのものを聴いてみたいのですが、あいにく持っていません。皆さんと同じものが挙がりました。
Art Pepper / So in Love (Artist House)
Hampton Hawes / Trio Vol.1 (Contemporary)
Illinois Jacquet / Bosses of The Ballad (Argo)
この他には、M・ジャクソン、D・フリードマン、R・ブライアント(Little Susie)がありました。I・ジャケーのストリングスバックのコール・ポーター集は、一般には顧みられませんが、カデンツァ風の出だしが素晴らしいこの「So in Love」や1曲目の「I Love You」などはいいのではないかと。ペッパー、ホーズのものは、昔からの愛聴盤です。
やはりミルトと同期のピアニストでしたか。ランスの経歴は知りませんがキャブ・キャロウェイ楽団にいたのでしょうかねぇ。怖いタイトルの“killing Me Softly”を探してみましょう。
ジャズに独断と偏見と謬見と妄想は付き物ですのでどのような聴き方でもかまいませんが、差別と区別は幅広くジャズを愉しむうえで妨げになります。黒と白、東と西、古と今、同じジャズと思います。ヴォーカルでは淑女と熟女、どちらも好きです。(笑)
つい定番等と書いてしまい失礼しました
私は差別的なので気を付けます
おっしゃるとおりランスはミルトと同期のニューヨーク座頭ピアニストです“killing Me Softly”はよい作品です
レイ・ブライアントが挙がりましたか。まだ初日ですので多くの投票はありませんが、「リトル・スージー」も出てくると思いますよ。ただ定番と呼べるかどうかですね。25-25 さんがご指摘されていますように菅は少なくピアノ物が中心ですが、そのピアノ物の定番といえばホーズと思われます。
ランス・ヘイワードは聴いておりませんが、ミルト・ヒントンと共演したピアニストでしょうか。
ライク・サムワンもいい曲ですね。近いうちに話題にしますのでまた遊びにきてください。
トップにコリアがきましたか。予想しておりましたが、まさか 25-25 さんから挙がるとは思いませんでした。(笑)決定的名演がないと言われて久しいインストですが、コリアは上手く料理しておりますね。コリアのエレピに慣れた耳には確かに新鮮でした。紆余曲折してスタンダードに帰ったコリアを、コリずに聴こうとした人もいるでしょう。
ジャケーもいいですね。評価が相変わらず低い人ですが、歌いはなかなかのものです。垂れ流しフレーズの印象で敬遠されますが、ジャケンにしないでほしいものです。
パック・イン・ミュージックをお聞きでしたか。懐かしいですね。私も聞いておりました。声優をよくご存知ですね。映画館よりテレビの吹き替えで観ている世代にはこちらの声のほうが馴染めます。最近は吹き替えの映画が少なくなりましたのであまり声を聞きませんが、挙げられた皆さんはご健在のようです。
時々楽しく読ませていただいてます
ソー・イン・ラブ
定番のレイ・ブライアントがでてないようなので…
個人的にはランス・ヘイワードのトリオ・プレイが雰囲気的に大好きです
ここに書く事ではないですけれどライク・サムワンの個人的ベストとしてトミフラのデイブ・ベイリーのトリオかハーマン・フォスターの解釈が好きです
アート・ペッパーと馬さんに賛同いただきありがとうございます。ジャズで最初に聴いたのは私も馬さんでした。テレビで聴いた曲に似ているなぁ、と思いました。(笑)そのときに曲名を知った次第です。
リチャード・デイヴィスとジョン・ヒックスがありましたか。多分持っておりますので聴き直してみます。
インストですか・・・。
ホーズ・トリオVol.1 は、かつて鬼聴きしたアイテムですし、
バグスの「Ballads & Blues」はオープニングがお題の曲だったので、
よく覚えておりますが、他はとんと思いつきません。
持ってるつもりだったペッパーの「So In Love」は、
どうやら持ってないようだし(笑)。
というわけで、検索かけて調べたところ、
挙がっているもの以外で手持ちは、
「Circle Waltz / Don Friedman」
「Chick Corea Acoustic Band」
「Joe Bushkin 1947-1950」
「Bosses og the Ballad / Illiois Jacquet」
メロディアスな曲なのにピアノが多く、菅が少ないのが意外ですね。
順位は、
1)コリア、2)ホーズ、3)ジャケー かなあ。
この曲に関しては、コリアは圧倒的でした。
溢れ出るアドリブ・フレーズの洪水に、
ただただ驚嘆しています。
イリノイ・ジャケーのテナーも、朗々たる歌いっぷりでいいです。
ブシュキンのシンプルnピアノも、悪くない。
それにしても、城達也、山田康雄に続いて、野沢那智も
鬼籍に入られましたか!寂しいですね。
ナッチャコのパック・イン・ミュージックは、
我々世代にとって青春そのものでもありました。
シナトラの家弓家正、クーパーの黒沢良、サンダース軍曹の田中信夫、
ヘンリー少尉の納谷悟朗、リチャード・ウィドマークの大塚周夫各氏は
まだご健在なんでしょうか?
今週は、So In Loveですか。
一番最初に聴いたのは、馬さんのアルバムだったと思います。
お気に入りは、
アート・ペッパーと馬さんは、外せませんね。duke大先生に賛成です。(笑)
問題は3枚目、
So In Love/Richard Davisを挙げたいと思います。リチャード・デイヴィスとジョン・ヒックスが、語り合うように演奏する。気に入っています。
So in Love はジョニー・ソマーズを思い出されましたか。ヴォーカルでも取り上げたい曲ですね。タイトル「白目のジョニー、黒にソマーる」
ヒルの「So in Love」がオリジナル・ジャケで Fresh Sound から復刻されたのは知っておりましたが、ワーウィック盤をあきらめることができず買いませんでした。このオリジナルを入手できたらアンドすることでしょう。(笑)
Joanie Sommersの歌の合間のArt Pepperのソロがたまりませんな。(ヴォーカルネタか...)
SO IN LOVE / ANDREW HILL TRIOは、Fresh Sound が
LPで復刻したときはオリジナル・ジャケでしたね。
LPTIMEで復刻してもおかしくないジャケットですな。
ミュージカル「キス・ミー・ケイト」の挿入曲の「ソー・イン・ラヴ」をモートン・グールド楽団で聴いたかたが多いと思われますが、今週はインストでお好みをお寄せください。
管理人 So in Love Best 3
Art Pepper / So in Love (Artist House)
Hampton Hawes / Trio Vol.1 (Contemporary)
Milt Jackson / Ballads & Blues (Atlantic)
次点 Morton Gould / Curtain Time (Columbia)
探しているレコードにアンドリュー・ヒルのワーウィック盤「So in Love」があります。Fresh Sound から再発されておりますが、ジャケはオリジナル盤と比べると雲泥の差です。一度は部屋に飾りたいレコードです。
インストは多くの録音はありませんが、個性が反映された演奏ばかりですので何が挙げられるのか楽しみです。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。