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「音とリズムの原則」、「ジャズのリズムとインプロヴァイズライン」、「スウィングと初期のプログレッシヴ・ピアノスタイル」、「現代のピアノスタイル」、並んだタイトルから今年はジャズ理論の講義でも開くのかい?と問われそうな仰々しいものだが、これは「ジャズ・インプロビゼイション」全4巻のサブタイトルだ。プロのジャズプレイヤーを志す人、特にピアニストなら一度は手に取り学んだことがあるかもしれない。
著者はジョン・ミーガンで、ピアニストよりもジュリアード音楽院やイェール大学の音楽教師としてその名は知られている。ケニー・ドーハムと共演した「Casual Affair」やサヴォイ盤数枚しか残されていないこともありピアニストとしての知名度は著しく低い。サヴォイに残した55年の「リフレクションズ」は、ソロ5曲とデュオ5曲という構成でデュオの相手は驚くことにケニー・クラークだ。ピアノ・デュオで考えられる楽器はベースで、そのリズムはピアノのメロディラインを壊さないで、且つハーモニーを際立たせる相乗効果があるが、ビートを強調するドラムではピアノの左手のリズムに控え目に合わせるか、或いはドラムが歌うかである。
そこは名手クラーク、ピアノの左手に同調するとともにメロディを膨らます繊細なドラミングで、曲にアクセントを付け、変則的なデュオでも怯むことはない。ミーガンのソロは理論が先走りした感じで「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」や「ナイト・アンド・デイ」というスタンダードでもクラシックの演奏タッチだが、ドラムが入ると、まるでクラークがかけたジャズマジックに掛かったように俄然とスウィングする。圧巻は「ザ・ソング・イズ・ユー」で、パウエルを彷彿させる起伏に富んだアドリブと、ミーガンが助手として仕事をしたテディ・ウィルソンのように歌い、理論を越え歌物が持つロマンとドラマを表現したといえるだろう。
ジャズ理論だけではジャズを演奏できなければ、ジャズ理論なくしてもジャズは演奏できない。独学でピアノを学んだミーガンは、ニューヨークというジャズが生きているその場所でそれを肌で感じ取ったのだろう。現役で活躍しているジャズプレイヤーは現在たくさんいるが、次に担うプレイヤーが育っているだろうか。ミーガンがピアニストよりも教師の道を選んだのはジャズの次の世代を育てるためであったろう。ミーガンを師とするプレイヤーは多い。
著者はジョン・ミーガンで、ピアニストよりもジュリアード音楽院やイェール大学の音楽教師としてその名は知られている。ケニー・ドーハムと共演した「Casual Affair」やサヴォイ盤数枚しか残されていないこともありピアニストとしての知名度は著しく低い。サヴォイに残した55年の「リフレクションズ」は、ソロ5曲とデュオ5曲という構成でデュオの相手は驚くことにケニー・クラークだ。ピアノ・デュオで考えられる楽器はベースで、そのリズムはピアノのメロディラインを壊さないで、且つハーモニーを際立たせる相乗効果があるが、ビートを強調するドラムではピアノの左手のリズムに控え目に合わせるか、或いはドラムが歌うかである。
そこは名手クラーク、ピアノの左手に同調するとともにメロディを膨らます繊細なドラミングで、曲にアクセントを付け、変則的なデュオでも怯むことはない。ミーガンのソロは理論が先走りした感じで「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」や「ナイト・アンド・デイ」というスタンダードでもクラシックの演奏タッチだが、ドラムが入ると、まるでクラークがかけたジャズマジックに掛かったように俄然とスウィングする。圧巻は「ザ・ソング・イズ・ユー」で、パウエルを彷彿させる起伏に富んだアドリブと、ミーガンが助手として仕事をしたテディ・ウィルソンのように歌い、理論を越え歌物が持つロマンとドラマを表現したといえるだろう。
ジャズ理論だけではジャズを演奏できなければ、ジャズ理論なくしてもジャズは演奏できない。独学でピアノを学んだミーガンは、ニューヨークというジャズが生きているその場所でそれを肌で感じ取ったのだろう。現役で活躍しているジャズプレイヤーは現在たくさんいるが、次に担うプレイヤーが育っているだろうか。ミーガンがピアニストよりも教師の道を選んだのはジャズの次の世代を育てるためであったろう。ミーガンを師とするプレイヤーは多い。
ジェローム・カーンの名曲「ザ・ソング・イズ・ユー」はシナトラの十八番として有名ですが、今週はインストでお好みをお寄せください。
管理人 The Song Is You Best 3
Charlie Parker / Now's The Time (Verve)
Sonny Rollins / Contemporary Leaders (Contemporary)
Claude Williamson / Round Midnight (Bethlehem)
当初ピアノベストを考えたのですが、挙げたウィリアムソンの他にはブルーベックとジャレットしか思いつかなく、拡大してインスト全般にしました。パーカーが吹いたことで一躍モダンジャズのスタンダードになったせいか管楽器の名演が多いように思われます。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
ビリーにしろ、ホテップにしろアビー、ジェームズ、みんなジャズを大学と最前線で教育伝道してましたね、活きのいい若手を聞くのは内容関係なく楽しくなります、彼らのジャズの血は意外に薄まってはいないです、ルー・ソロフなんか私はさっぱりですが若手は全員お世話になってるし、尊敬されていますよね、なるほどなぁと思う次第で…
バードが出てしまうと(笑)
あのいきなりの疾走の正しさの前には分が悪すぎますが
ブラウニーの名前だけ挙げておいて(イン・パリ)
頭の中ではコンボ的なサウンドが鳴っているのですが…出てこない…イライラします
もはやこの曲のベストというより大好きなミュージシャンが演っているベスト(笑)です、勿論どれもいい解釈してます
Joe Bonner/The Lost Melody(ste-cha)
サイドと管がよくないですが彼のタッチとこの曲は意外に相性がいいです、ハロルドをブームにしてしまった日本なら彼もブームにできるはず…
Eddie Harris/There Was A Time-Echo Of Harlem(enja)
大好きなサウンド!しかもケニーにセシルにベンと、本人的には余計なオールスターですがエディにこんな優等生なアルバムがあってもいいでしょう、彼を軽く片付けてしまう優等生なジャズファンは次代を担えません
Steve Nelson/Communications(cri-cro)
このアルバムは全曲素晴らしいです、匂いがします、若手?の中では優等生一派でサイドもマルグ-、レイ、トニーと仲良しですが、トニーのタイコが素晴らしく匂ってます、若手の早死には悔し過ぎます
次点にTana-Reid/Yours And mine(conc)を
道産子にも縁がある田名 照さん、ルーファスの深く芯のあるベースにジェシーの色気とラルフの軽快さが気持ちいいThe Song Is Youです
キースの解釈も素敵ですね、ジャックのシンバルがエクセレント!
The Song Is You を初めて聴いたのは、パーカーでした。強烈な印象を受けた事を思い出します。
dukeさんの挙げられた2枚は、私も大好きです。
と言うわけで・・・・
パーカーの Now's The Time
好きで、店でも週に一回はかけています。
ロリンズの Contemporary Leaders
こちらは、一時期毎日聴いておりました。
これで、2枚は決まりだ!(笑)
問題は、3枚目・・・マルサリスは嫌いだし、キースは(実力は認めているのだが)何故か、あまり好きではない・・・・。
少し悩む事にしよう。
いい曲ですね。
カーン&ハマースタインⅡのコンビは、
R&H,G&Iガーシュウィン、Mゴードン&Hウォレン
などと並んで、歴史に残る作詞・作曲チームですね。
この曲は、個人的にEyes For You とカブってしまって、
よく間違ったものです。
理由はduke さんならお察しのことと思います(笑)。
さて、ベスト3ですが、
1)「Peace / Chet Baker」(Enja)
おそらくはduke さんには読まれてるかと思いつつ、
やはりこれを挙げてしまいます。
Sensitive なチェットのラッパと、温もりのある
フリードマンのマリンバのコラボレーションは堪りません。
バスターのベースもいい。
2)「'Round Midnight / Claude Williamson」(Bethlehem)
ピアノでは、やはりこれでしょうか。
ていうか、他に知らない(汗;
アル・ヘイグを、「バド・パウエルに対抗し得る
唯一の白人カウンター・パンチ」と評した人がいましたが、
クロードもお忘れなく、と言いたいですね。
3)「Julian 'Cannonball' Adderley」(EmArcy)
有名な「Presenting Cannonball」に続いてリリースされた
2nd アルバムで、意外と話題に上りませんが、
これのSong Is You は、いいですね。
6管のアンサンブルを心地よくキープしながら、
キャノンボールのショウケースもしっかりと
お膳立てする、若きクインシーのアレンジが
素晴らしい。
次点に、「Now's The Time / Charlie Parker」。
「Commonwealth Blues / Tabby Hayes」を
入れるかどうか、迷いましたが、ベース、ドラムが
やや陳腐で残念だったので、選外としました。
宵闇散歩さんが挙げられた、ネルソンのクリスクロス盤は
ちょっと忘れておりました。
全体に悪くなかったな、という記憶です。
歌こそは君、アルバムの最後を飾るケース多くないですか?
ウィリアムソン、ロリンズ、「Lee Konitz Meets Jimmy Giufre」、
「Virtuoso / joe Pass」でエンディングに、
キャノンボールのはA面の最後です。
ウィントン以降、多くの若手が育っておりますが、ずば抜けたプレイヤーはおりませんね。バードやマイルスのようなカリスマは望むべくもありませんが、テクやマナーは完璧であっても足りないものがあります。ジャズが上品になってきたのでしょうか。
ジャズ教育の基本は理論とテクですので、ミーガンのような教育者が必要なわけですが、感動云々は指導を受けたプレイヤーがいかに表現するかにかかっております。層が厚いので歌えるプレイヤーがそのうち出てくるかもしれません。次世代に期待しましょう。
トップにジョー・ボナーがきましたか。日本人好みの選曲で馴染みやすいアルバムですが、印象は弱いですね。ボナーはトリオで威力を発揮するタイプでしょうか。
そしてエディ・ハリスとは嬉しいですね。エンヤのハーレムもエンヤコラで頑張っておりますが、私は電気サックスのあのフワフワしたサウンドが大好きです。ハイ・ヴォルテージで何度ハイになったことか。(笑)
スティーブ・ ネルソンも取り上げていましたね。勢いのある好アルバムです。管よし、ピアノよし、ヴァイブよし、楽器を選ばない曲です。
Yours And mine はジャケからして楽しいですね。アップテンポで体が揺れます。
私も初めて聴いたのはパーカーでした。トラックトップでしたので、しばらくの間、この曲がナウズ・ザ・タイムと思っておりました。(笑)
パーカー、ロリンズは外せませんが、意外なプレイヤーが好演しておりますのでベストは予想がつきません。3枚目で順位が大きく変動するかもしれませんので、週末までお悩みください。
やはり Eyes For You とカブリましたか。そろそろエニス登場させましょうか。(笑)
パーカーを外してベイカーは予想しておりましたが、トップにきましたか。フリードマンとの相性が良いのか80年代前半とは思えないほどの張り切りようです。バスターの刻みとチェンバースのオカズも聴き所でしょう。バランスよくペットもと思ったのですが、次に挙げられたウィリアムソンとロリンズは外せない悩みのベストでした。
何かとヘイグと比べられるウィリアムソンですが、洗練されたピアノは格調が高いですね。クリスティの歌伴を務めていた時は、毎晩酒豪の彼女に付き合わされてクロウしたそうです。(笑)ついでに酒が強いのはヘイグでして、毎晩スコッチを空けるとか・・・銘柄は・・・ヘイグ(シ刑)
キャノンボールがありましたか。忘れておりましたよ。パーカー直系ラインは聴いていて心地良いですね。
タビー・ヘイズをお持ちでしたか。なかなか揃えられずフォンタナ時代のベスト盤しか持っておりません。数枚気になるアルバムがありますのでこれから集めます。
>歌こそは君、アルバムの最後を飾るケース多くないですか?
お得意のトラック分析ですね。なるほど言われてみるとアルバムの最後が多いようです。アルバムを締めくくるタイトルなのかもしれません。
カーンのいい曲なので、ヴォーカルはたくさん挙がるのですが、インストは決定的な演奏があるので、選択肢は限られてものにならざるを得ません。まあ、僕なりきにですが、
Charlie Parker / Now's The Time (Verve)
Sonny Rollins / Contemporary Leaders (Contemporary)
このワンツーは動かせないでしょう。パーカーは珍しくメロディをきちんと吹いているし、ロリンズも絶頂時かと。
次が困りました。アダレイ、ジャレット、ウィリアムソン、C・パーシップなどもあったのですが、どうせならサックスでいくかと
Stan Getz / The Complete Roost Session Vol.2 (1951年録音)
こういう歌ものは、ゲッツも得意のはずなので、まああまり賛同は得られないかもしれませんが(笑)。古い録音で短いしちょっと食い足りないですが、ジミー・レイニー(g)との絡みも面白いので挙げてみました。
順当にワンツーがきたところで3枚目が迷うとは正統派ベスト選出の鬼には珍しいですね。
パーカーの立て板に水のフレーズ、ロリンズ節に唸る抑揚、これぞスタンダード解釈は堪りません。
そして困ったところでゲッツがきましたか。短い演奏ですが、そこはゲッツ、ツボを外さない凝縮された内容と思います。ゲッツを語ればきりがありませんが、ルーストセッションはどこからこのエネルギーが生まれるのかと思うほど力に漲っております。活力は牛乳でしょうか。(笑)
The Song Is You・・・なんというか、心の底からワクワクしてくるようなメロディに華のある曲ですね。
その明るさに一抹の翳りをまぶしたような、渋みと重みのあるアルトの音色がたまりません~
1.やっぱり、パーカーです!(now's the time)
そのパーカー的暗さとは対極の~
2.リー・コニッツmeetsジミー・ジェフリ(verver) コニッツ、H.マクージックのアルトにW.マーシュのテナー、ジェフリのバリトンという管楽器のハーモニー、鳴り様が理屈ぬきに気持ちいい!
管楽器ばかりじゃつまらんので(笑)~
3.グラント・グリーン/complete quartets with Sonny Clark(bluenote) これ、正規盤では出なかったテイクを集めたCDです。管の代わりにグリーンのギターが歌うという感じか。ギターのキンキンした音色には好みが分かれるかも。僕はひたすらピアノを聴く。このソニー・クラークのソロゆえに、第3位に推します。
パーカーは1位というより順不同特別なので、あとひとつ~
4.アート・ブレイキー/ジャズ・メッセージ(impulse)
このsong is youは悪くない。ストレートな4ビートをブレイキーがグワングワンととシンバル鳴らす中、ソニー・スティットがちょっと上ずったような音色で、しかし堂々とゆったり吹く。マッコイタイナーのピアノソロも実にいい。