絶滅危惧種のテナーコンビを2週に亘って話題にしてきたが、どっこい21世紀にも生きていた。ハリー・アレンが尊敬するスコット・ハミルトンに呼びかけて結成したチームだ。2003年に名門ジャズクラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードに出演して大成功を収めたのを機に数枚のアルバムを作っている。バトルというより協調性重視のアル&ズートに近い。
ハミルトンがコールマン・ホーキンスを彷彿させるスタイルでデビューしたのは右も左もフュージョンの1970年代中ごろだ。当時、ハミルトンは20代前半だったこともありそのオールドスタイルに違和感があったが、歳を重ねるにつれ音楽が付いてきた印象がある。一方、アレンが日本に紹介されたのは20世紀も終わりに近い1999年にジョン・ピザレリと組んだ日本タイトル「Dear Old Stockholm」だった。曲名からもスタイルからもスタン・ゲッツ、フレーズによりレスター、時々ズートという感じだ。そんな二人の組み合わせは程よくバランスが取れている。
タイトルもジャケットもイカしている「Swing Brothers」は、今は廃刊になったスイングジャーナル誌のリーダーズ・リクエストによる作品だ。この類の企画はスタンダード・オン・パレードになりがちだが、ブローテナーの定番「Flying Home」が選ばれているのに感心した。ライオネル・ハンプトン楽団の十八番で、1942年にイリノイ・ジャケーをフューチャーしたバージョンは古典中の古典である。ここではともにペースを守りながらも次第に熱を帯びていく展開が面白い。この曲を吹くとどうしてもジャケーや後任のアーネット・コブを意識するようだ。
このアルバムには日本盤だけのボーナストラックという形で「見上げてごらん夜の星を」が収められている。坂本九の大ヒット曲だ。さすがに軽くフェイクさせるだけでアドリブの発展はみられないが、いずみたくが作ったメロディーは各段に美しい。今やテナーコンビはかろうじて肉眼で見える6等星ほどに暗いが、ジャズの伝統が消えぬよう願うばかりである。
ハミルトンがコールマン・ホーキンスを彷彿させるスタイルでデビューしたのは右も左もフュージョンの1970年代中ごろだ。当時、ハミルトンは20代前半だったこともありそのオールドスタイルに違和感があったが、歳を重ねるにつれ音楽が付いてきた印象がある。一方、アレンが日本に紹介されたのは20世紀も終わりに近い1999年にジョン・ピザレリと組んだ日本タイトル「Dear Old Stockholm」だった。曲名からもスタイルからもスタン・ゲッツ、フレーズによりレスター、時々ズートという感じだ。そんな二人の組み合わせは程よくバランスが取れている。
タイトルもジャケットもイカしている「Swing Brothers」は、今は廃刊になったスイングジャーナル誌のリーダーズ・リクエストによる作品だ。この類の企画はスタンダード・オン・パレードになりがちだが、ブローテナーの定番「Flying Home」が選ばれているのに感心した。ライオネル・ハンプトン楽団の十八番で、1942年にイリノイ・ジャケーをフューチャーしたバージョンは古典中の古典である。ここではともにペースを守りながらも次第に熱を帯びていく展開が面白い。この曲を吹くとどうしてもジャケーや後任のアーネット・コブを意識するようだ。
このアルバムには日本盤だけのボーナストラックという形で「見上げてごらん夜の星を」が収められている。坂本九の大ヒット曲だ。さすがに軽くフェイクさせるだけでアドリブの発展はみられないが、いずみたくが作ったメロディーは各段に美しい。今やテナーコンビはかろうじて肉眼で見える6等星ほどに暗いが、ジャズの伝統が消えぬよう願うばかりである。
フライング・ホームは、ベニー・グッドマン、エディー・デ・ランゲ、ハンプトンの共作です。1939年の楽曲です。歌詞はシド・ロビンが書いております。最近はあまり演奏されませんが、スウィング期には盛んに取り上げられていた曲です。今週はこの曲のお気に入りをインストでお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 Flying Home Best 3
Lionel Hampton / Newport Uproar ! (RCA)
Teddy Charles / Salute To Hamp (Bethlehem)
Herbie Mann-Sam Most Quintet (Bethlehem)
トップに挙げたハンプトンは1967年のニューポー・ジャズフェスのライブですが、この曲だけイリノイ・ジャケーが参加しております。1942年にジャケーをフューチャーしたバージョンはハンプトンのベスト盤や、ジャケー名義のベスト盤等に収録されております。当然ですがハンプトンは何度も録音しております。
他にもベニー・グッドマンをはじめチャリー・クリスチャン、エリントン、アーネット・コブ、ゲイリー・バートン等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Lionel Hampton - Flying Home (1957)
https://www.youtube.com/watch?v=R_rTICMVXQQ
跳ねておりますね。ライオネル・ハネルトン。
ノリノリのベーシストは誰でしょう?ジョニー・ミラーかな?ご存知の方はご教示ください。
このアルバムがお勧め!
1947年のパサデナ公会堂で,あのジャストジャズコンサートで、L・ハンプトンはこの曲『Flying Home 』を演ってます。あのスター・ダスト盤の同日同公演盤でCD化されてます。
Lionel Hampton and the Just Jazz All Stars (GNPcrescendo)
*L・ハンプトンが乗りに乗ってます・・・そしてC・シェイバーズが好演!ハンプトンの飛んで跳ねてのジャンプは見えませんが、只おっさんの唸りが煩い! G・ノーマンはスター・ダスト販売権はdeccaに売った様ですが、残り物曲は自分のレーベルで、とても美味しい残り物盤です!
*御紹介の1957年ハンプトン・バンドのベース弾きは《ミルト・ヒントン》だと思うのですが?
大変ご無沙汰しておりまた・・・又お時々邪魔致しますので宜しくお願いいたします。
ジャスト・ジャズ・コンサートのこのCDは残念ながら持っておりません。スターダストの同日同公演盤なら悪かろうわけがありません。ピアノはミルト・バックナーですね。ブロックコードを発明した人です。ハンプトンは1957年の動画のように飛んで跳ねているのでしょう。観客の熱狂もうなずけます。
ノリノリのベーシストはミルト・ミントンでしたか。ありがとうございました。よく見るとヒントンですね。
これは僕にとっては難しいお題です。スイング系は嫌いではありませんが、ライオネル・ハンプトンのプレイをそう聴く気にはならずに、手持ちがないのです。というわけで、今回は2枚だけです。
Benny Goodman Sextet / From Spirituals To Swing (Vangurd)
Arnett Cobb / Party Time (Prestige)
グッドマンの演奏は、定評あるものです。このアルバムは、学生時代、よく聴きました。ブルーズの名演から、ブギウギなどいろいろですが、チャーリー・クリスチャンやレスター・ヤングのプレイは今聴いても色あせないと思います。
本命はジャケーなのでしょうが、もっていないので、コブのものを挙げておきます。曲の引用などやりたい放題の豪快な演奏ですが、こういったプレイをする人も現代ではいなくなっているのかもしれません。
モダン期ではほとんど演奏されない曲ですので、難しいお題かもしれませんね。私もお祭り騒ぎはあまり好みではありませんが、トップに挙げたハンプトンにはやられました。ジャケーが股を割ったり、ステージに寝そべって吹いている様子が伝わってきます。一種のパーフォーマンスですが、それが求められていたジャズのいい時代だったのでしょう。この1曲を聴くだけでドッと疲れます(笑)
グッドマンのは1938年のカーネギーですね。チャーリー・クリスチャンが光ります。キングから出た2枚組LPの所有ですが、SJゴールドディスクに値する内容です。
そして、アーネット・コブもこの曲を得意としておりますね。「Party Time」はブライアントが参加しており、テキサステナーが苦手な方も聴きやすいアルバムです。楽しいばかりがジャズではありませんが、この演奏を聴くと楽しいのがジャズと思います。
Flying Home Best 3
Lionel Hampton / Newport Uproar ! (RCA)
Lionel Hampton and the Just Jazz All Stars (GNPcrescendo)
Benny Goodman Sextet / From Spirituals To Swing (Vangurd)
今はほとんど演奏されない曲のせいか多くのアルバムは挙がりませんでしたが、やはり本家が人気のようです。フライング・ホームを聴くときの参考にしていただければ幸いです。