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ジョン・クルース著「ローランド・カーク伝 溢れ出る涙」(河出書房新社刊)は、カーク本人の発言はもとよりカークと交流があった多くの人たちの貴重なインタビューを元に盲目のリード奏者の素顔を浮き彫りにしている。著書からはジャズ・プレイヤーは勿論、ロック・ミュージシャンにも注目されていたことがわかり興味深い。カークと共演を望んでいた人は多く、ギタリストのジミ・ヘンドリックスもそのひとりだった。
そのヘンドリックスが擦り切れるほど聴いたレコードがあるという。「リップ・リグ&パニック」である。ジャッキ・バイヤード、リチャード・デイヴィス、そしてエルヴィン・ジョーンズという曲者をバックに得意の多重奏法を駆使した65年の作品で、針飛びでもして同じ部分をトレースしているのかと錯覚する息継ぎなしのロングソロが圧巻だ。サイレンやホイッスル等、カークの演奏にはどんな音が入っていても驚かないが、タイトル曲はグラスが割れる音が入っているので印象が強い。著書にはそのグラス音にも触れているが、カークの指示で実際に割ったのはプロデューサーのジャック・トレイシーで、完璧なクライマックスを創り出すためだったという。
このアルバムはほとんどがカークのオリジナル曲で占められているが、スタンダードからはトミー・ドーシーの十八番「ワンス・イン・ア・ホワイル」が選曲されている。クリフォード・ブラウンを聴いて一度は演奏したいとカークが語った曲だ。レコードではA面2曲目のトラックで、オリジナル曲に挿まれた収録になるが、これが違和感がないどころか、レコード片面がひとつの組曲かとさえ思えるほど馴染んでいる。珠玉のスタンダードをそこに配することでオリジナル曲を同化させ、またそのスタンダードを引き立てる効果はアルバム構成の手法として持ち入れられるが、当然、カークのように美しい曲を書くというのが前提だ。
「ワンス・イン・ア・ホワイル」の前と後には、「No Tonic Press」と「From Bechet, Byas, And Fats」が収められている。プレスとはレスター・ヤングで、後者はシドニー・ベシェ、ドン・バイアス、そしてファッツ・ナヴァロ、カークが敬愛する偉大な先輩たちだ。グロテスクジャズとも言われたカークの原点はタイトルにまでした巨人であり、ワイルドマンと呼ばれたジミ・ヘンドリックスも基本はブルースである。伝統を尊重する音楽は常に新しい。
そのヘンドリックスが擦り切れるほど聴いたレコードがあるという。「リップ・リグ&パニック」である。ジャッキ・バイヤード、リチャード・デイヴィス、そしてエルヴィン・ジョーンズという曲者をバックに得意の多重奏法を駆使した65年の作品で、針飛びでもして同じ部分をトレースしているのかと錯覚する息継ぎなしのロングソロが圧巻だ。サイレンやホイッスル等、カークの演奏にはどんな音が入っていても驚かないが、タイトル曲はグラスが割れる音が入っているので印象が強い。著書にはそのグラス音にも触れているが、カークの指示で実際に割ったのはプロデューサーのジャック・トレイシーで、完璧なクライマックスを創り出すためだったという。
このアルバムはほとんどがカークのオリジナル曲で占められているが、スタンダードからはトミー・ドーシーの十八番「ワンス・イン・ア・ホワイル」が選曲されている。クリフォード・ブラウンを聴いて一度は演奏したいとカークが語った曲だ。レコードではA面2曲目のトラックで、オリジナル曲に挿まれた収録になるが、これが違和感がないどころか、レコード片面がひとつの組曲かとさえ思えるほど馴染んでいる。珠玉のスタンダードをそこに配することでオリジナル曲を同化させ、またそのスタンダードを引き立てる効果はアルバム構成の手法として持ち入れられるが、当然、カークのように美しい曲を書くというのが前提だ。
「ワンス・イン・ア・ホワイル」の前と後には、「No Tonic Press」と「From Bechet, Byas, And Fats」が収められている。プレスとはレスター・ヤングで、後者はシドニー・ベシェ、ドン・バイアス、そしてファッツ・ナヴァロ、カークが敬愛する偉大な先輩たちだ。グロテスクジャズとも言われたカークの原点はタイトルにまでした巨人であり、ワイルドマンと呼ばれたジミ・ヘンドリックスも基本はブルースである。伝統を尊重する音楽は常に新しい。
ローランド・カークとジミ・ヘンドリックスは、ロンドンのロニー・スコット・クラブで共演しておりますが、テープは存在していないようです。凄まじい演奏だったことでしょう。今週は「ワンス・イン・ア・ホワイル」のお気に入りをインストでお寄せください。ヴォーカルは別の機会に話題にします。
管理人 Once in a While Best 3
Art Blakey / Night At Birdland Vol.1 (Blue Note)
Roland Kirk / Rip Rig & Panic (Limelight)
Lem Winchester and the Ramsey Lewis Trio (Argo)
他にもズート・シムズをはじめチェット・ベイカー、ディジー・リース、ソニー・クリス、 ジュリアン・プリースター、ロイ・ハーグローヴ等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Once in a While-La Portena Jazz band
http://www.youtube.com/watch?v=tL1xGfiM87Q&feature=related
洗濯板のような楽器はウォッシュボード、奏者の額の汗を拭いたハンカチを洗うのもウォッシュボード。(笑)
てか、手持ちが少ない!
挙がってる以外には、マーシャル・ソラールの
Vogue のコンピ盤ぐらいしか持ってません。
これも、大したヴァージョンじゃないし・・・。
レムのは、ブラウニーへの追悼盤ですから、
当然といえば当然の選曲ですよね。
そういや、曲順は
ブレイキー、カーク、リースはA麵2曲目です。
A面2曲目です。
スウィング期からの曲ですので多くのヴァージョンがあると思っておりましたが、案外少ないですね。モダン期ではカークがこの曲を演奏するきっかけはブラウニーですし、レムもブラウニーへの追悼盤ですので、もしブラウニーが取り上げなかったら忘れられた曲かもしれません。
マーシャル・ソラールもありましたね。ピアノ・トリオは少ないようですので貴重です。
お得意の収録トラック分析が出ましたね。トップの曲はブレイキーはスプリット・キック、カークはオリジナル、リースはゴースト・オブ・ア・チャンス、何れも印象強い曲を持ってきていますので、一息付くという選曲でしょうか。
○アート・ブレイキー(というよりブラウニーの)「バードランドの夜」
○レッド・ミッチェル「ハッピー・マイナー」(B面2曲目)
○レム・ウィンチェスターとラムゼイ・ルイス・トリオ
次点:右近茂「ウコン・アット・イーズ」(これもA面2曲目!)
こんなんでどうでしょ?(^^;
そうか、Ukon At Ease があったねぇ!
元々は、トミーさんに教わって買ったCD.
1月に新宿「J]で右近さんのライブを聴き、
その折にこのCDにサイン頂きました。
右近さんとは、Facebookでもお友達です。
以前25-25プレゼンツにもご出演いただいた
岸ミツアキさんがピアノ。
ここ数年は右近~岸の共演はなかったようですが、
6月に銀座スイングで久々にリユニオンなさってからは、
またよく共演なさっているようですね。
レッド・ミッチェルのハッピー・マイナーがありましたね。豪華メンバーの顔合わせセッションの印象ですが、なかなかどうして内容が濃いですし、ミッチェルのソロも楽しめます。タイトル通りハッピーにしてくれる演奏です。収録はA面3曲目ではなかったでしょうか。10吋オリジナルだと、とでも言えるといいのですが、再発盤です。(笑)どちらにしてもトップに持ってくる曲ではないようです。
右近さんは残念ながら聴いておりません。25-25 さんもお気に入りのようですので探してみましょう。
上位3チームは確定かな? 面白くなってきました。
『Once in a While』はブラウニーですね、
カークとレムも文句なし! 僕の大好物です。
他を持ってないだけですが(笑)
カークのこのレコードは好きな盤です。
カークのマーキュリー時代はジャズ色が濃い頃ですね。 カークに関しては後半のR&Bぽいものも何でも好きなんですが(笑)
以前中古レコード店の店長がカークはロック好きにも人気があるので直ぐ売れちゃうと言ってました。
Roland Kirk / Rip Rig & Panic (Limelight)
この二作は同意ですね。
この有名なスタンダード、自分でもよく分からずに弾いていた時代がありました。
この曲を如何に表現するか、それを開眼させてくれたのは、酔いどれピアニストの世良譲さんでした。
だから、第三位は、世良譲の「バッカススイング」と言うことに・・・・。
しかし、カークとジミヘンとはまたゲテモノ好きですな。
カークはビデオホールで、ジミヘンはウッドストックで観ています。
カークは全盲かと思っていたのですが、実は見えていたと言うことを共演した日本人ミュージシャンに聞き、裏切られた気がしました。
カークはリーダー作では無いですが、やはり「OUT OF THE AFTERNOON」が好きですね。
上位3チームはほぼ決まりと思われますが、僅差ですので最後まで行方はわかりませんね。楽しみましょう。
ブラウニーは決定打、そしてそれに次ぐのはカークとレムですね。
カークはジェスロ・タルの前座をやっておりましたし、ジェスロ・タルはカークのカッコー・セレナードをカヴァーしておりますのでロック・ファンにも知られているようです。カッコー・セレナードは美しい曲ですので、そのイメージでカークを聴くとロック・ファンは間違いなく別人だと思うでしょう。(笑)