昨年の暮れに馴染みのジャズクラブで、ジャズ批評誌にも寄稿されている札幌在住のライター、川田貞家さんにお会いする機会があった。何度もアメリカのジャズクラブを訪れている方で、たまたま持ち合わせていた出演者のメモ書きを見ながら毎夜熱いアドリブが聴けるスポットをご説明いただいた。そのなかにトップ・オブ・ザ・ゲイトがあり、初めて知ったのだが、ヴィレッジ・ゲイトの二階だという。
ヴィレッジ・ゲイトはハービー・マンやクリス・コナーのライブ盤でよく知られたクラブだが、トップ・オブ・ザ・ゲイトとなるとライブ盤も少ないことから知名度が低い。ようやく見つけたのは秋吉敏子の68年のアルバムで、日本のジャズ専門レーベルの草分けとして知られるタクトからリリースされたものだ。ケニー・ドーハム、ロン・カーター、ミッキー・ロカー、そして後に夫となるルー・タバキンが参加したクインテットで、メンバー紹介とともに当時の秋吉人気が窺える大きな拍手が沸く。演奏された曲はほとんど自作曲だが、ライブらしくボサ・ロック調のリズムを用いた「黒いオルフェ」で盛り上げている。
女性の年齢に触れるのは甚だ失礼とは思うが、アメリカというジャズの本場に単身で渡った勇気ある女性を称えるという観点でお許し願おう。秋吉がバークリー音楽院に留学のため渡米したのは56年のことで、卒業後もニューヨークに留まり演奏活動を続けている。このライブのとき、秋吉は39歳で、渡米してから12年経っている。年齢的には人生観がくっきり現れ、生活的にはアメリカのジャズ状況を知り尽くし、音楽的には自身のスタイルも完成したころだ。ライブとはいえ「黒いオルフェ」というバップ一筋の秋吉には似合わない選曲も余裕の表れだろう。アメリカで自立した音楽家の演奏はとても眩しい。
川田さんは小生よりも一回りも年上の大先輩だが、矍鑠とされていて件のジャズクラブではアドリブが決まると大きな拍手を送っていた。そしてプレイヤーにかける声も一際大きい。今年いただいた年賀状には今年もアメリカのジャズスポットを巡ると書かれていた。またお会いしたときのレポートが楽しみだし、何といっても秋吉や渡辺貞夫が勉強を重ねていた日本のジャズ黎明期を知る方の体験は貴重だ。
敬称略
ヴィレッジ・ゲイトはハービー・マンやクリス・コナーのライブ盤でよく知られたクラブだが、トップ・オブ・ザ・ゲイトとなるとライブ盤も少ないことから知名度が低い。ようやく見つけたのは秋吉敏子の68年のアルバムで、日本のジャズ専門レーベルの草分けとして知られるタクトからリリースされたものだ。ケニー・ドーハム、ロン・カーター、ミッキー・ロカー、そして後に夫となるルー・タバキンが参加したクインテットで、メンバー紹介とともに当時の秋吉人気が窺える大きな拍手が沸く。演奏された曲はほとんど自作曲だが、ライブらしくボサ・ロック調のリズムを用いた「黒いオルフェ」で盛り上げている。
女性の年齢に触れるのは甚だ失礼とは思うが、アメリカというジャズの本場に単身で渡った勇気ある女性を称えるという観点でお許し願おう。秋吉がバークリー音楽院に留学のため渡米したのは56年のことで、卒業後もニューヨークに留まり演奏活動を続けている。このライブのとき、秋吉は39歳で、渡米してから12年経っている。年齢的には人生観がくっきり現れ、生活的にはアメリカのジャズ状況を知り尽くし、音楽的には自身のスタイルも完成したころだ。ライブとはいえ「黒いオルフェ」というバップ一筋の秋吉には似合わない選曲も余裕の表れだろう。アメリカで自立した音楽家の演奏はとても眩しい。
川田さんは小生よりも一回りも年上の大先輩だが、矍鑠とされていて件のジャズクラブではアドリブが決まると大きな拍手を送っていた。そしてプレイヤーにかける声も一際大きい。今年いただいた年賀状には今年もアメリカのジャズスポットを巡ると書かれていた。またお会いしたときのレポートが楽しみだし、何といっても秋吉や渡辺貞夫が勉強を重ねていた日本のジャズ黎明期を知る方の体験は貴重だ。
敬称略
「黒いオルフェ」は同タイトルの映画のために特異な奏法を持つギタリスト、ルイス・ボンファが書いたボサノヴァの名曲ですが、多くのジャズメンがレパートリーにしております。今週は「カーニヴァルの朝」のタイトルでも知られる「黒いオルフェ」のお気に入りをインストでお寄せください。
管理人 Black Orpheus (Manha De Carnaval) Best 3
Dexter Gordon / Gettin' Around (Blue Note)
Gerry Mulligan / Night Lights (Philips)
Art Farmer / The Summer Knows (East Wind)
他にもスタン・ゲッツをはじめウェイン・ショーター、ポール・デスモンド、レイ・ブラウン、渡辺貞夫、日野皓正等々、多くの名演があります。
Black Orpheus by Karin Kopp
http://www.youtube.com/watch?v=Buqbf0Mb2SE
1、Art Farmer / The Summer Knows (East Wind)
2、Gerry Mulligan / Night Lights (Philips)
3、ポールデスモンド
次点:菅野邦彦
という順だな・・・
この曲は出だしはボッケと、徐々に良くなる法華の太鼓という盛り上げが好きだな・・。
しかし、先日秋吉さんを見たけど歳をとったな。
もう色気というより枯山水の境地とみた。
菅野邦彦さんの好きそうな曲ですね。ライブでは間違いなく盛り上がります。
ポール・デスモンドはテイク・テンですね。ジム・ホールがさすがというプレイです。
トップにファーマー、そしてマリガン、私と重なりますが、落ち着いた演奏で曲の本来の美しさを引き出しているように思います。
秋吉さんはしばらく見ておりませんが、お歳を召されましたか。サッポロ・シティ・ジャズには何度か出演しておりますが、今年はないようです。従って昨年と同じでジャズプレイヤーはほとんどおりません。そろそろジャズの冠を外してほしいですね。
お互いに連勝ですね! 良い気分です。
随分昔の話ですが、高田馬場のイントロに行った時にこれをリクエスト、大いに盛り上がりました。
Dexter Gordon / Gettin' Around
オーナーの茂串さんは良い人でしたねー!これを聴くとあの高田馬場の夜を思い出します。
僕は2曲目が好きなんですが(笑)
今回はこれに一票でお願いします。
今日もお互い良い勝ち方ですね。こちらは巨人に2つ勝って、今日、そして明日は大谷クンが先発です。常勝気流、いや上昇気流に乗れそうな気がします。
高田馬場のイントロは何度か行ったことがありますが、いい店ですね。茂串さんは中野のクレッセントにいたころからジャズには一家言ある方でした。
自転車泥棒と呼ばれているゴードンのこのアルバムですが、ジャケよし、メンツよし、内容よし、で文句なしの1枚です。2曲目はエヴァンスを思い出しますが、こちらもいいですね。
黒いオルフェですが、マイナー調でメロディーがあくまで美しいので、繊細にこのメロディーを奏でてくれる演奏が好みです。そういう点でいくと、
①Paul Desmond / Take Ten (RCA)
②Gerry Mulligan / Night Lights (Philips)
③Wayne shorter / Wayning Moments (Vee Jay)
①、②は順当ですが、③はショーター若かりし頃のハードバップでハバードがつきあっています。よく聴いたヴィージェーレーベルの一枚。デクスター・ゴードンでも良かったのですが、刷り込みもあるので(笑)。
せっかく暖かくなったと喜んでいたのに今夜は風も強く冷え込んで暖房が欲しいくらいです。いったいどうなっているのやら。
どういう分けかこの曲のタイトルを聞くと、Vincent Guaraldi Trio の ”Cast Your Fate To Wind” 盤がすぐに頭に浮かんできます。この盤自体がとても気にいっているからなのですが曲のアレンジメントは、とても控え目なのですが、何故か私の脳裏というか耳に焼き付いています。Vincent Guaraldi はもっと評価されてもよいピアニストだと思うのですけど・・・ピーナッツが売れすぎたせいで損をしているような感じですね。
「美しく陰りのあるメロディ」とは言い得て妙ですね。その言葉をお借りすると美しいのはデスモンドとマリガンで、陰りはショーターでしょうか。ショーターが選曲したとは思えない曲です。おそらく売るためのヴィージェーの方針なのでしょうが、オリジナル曲にみるショーターらしさはありますね。このときヒギンズは、後に日本でブームなるとは思わなかったでしょう。
貴サイトで話題にしたデクスター・ゴードンからこの曲を取り上げましたが、美しさと翳りを持つのはこのゴードンのように思います。
こちらも似たような気候でして、未だに冬物のコートを仕舞えません。
ヴィンス・ガラルディがありましたね。ほのぼのとした良いピアノですが、日本でも評価は低いようです。ピーナッツは大ヒットしましたが、おっしゃるようにヒット曲イコール、コマーシャルという図式が根強いようです。モブレイのリカード・ボサノヴァを批判する輩が、こっそり聴いているようなもので、案外ファンがいるのかもしれません。
Black Orpheus (Manha De Carnaval) Best 3
Dexter Gordon / Gettin' Around (Blue Note)
Gerry Mulligan / Night Lights (Philips)
Art Farmer / The Summer Knows (East Wind)
多くの投票はいただけませんでしたが、ブルーノートの名盤、デクスター・ゴードンが人気でした。そしてマリガンとファーマーは柔らかい演奏ですが、ソロの美しさは格別です。他にもポール・デスモンド、菅野邦彦、ウェイン・ショーター、ヴィンス・ガラルディ等々、多くの名演が挙がりました。それぞれ、個性あふれる演奏です。
今宵はお気に入りの黒いオルフェをお楽しみください。