コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

ピーター・バラカン

2013-01-02 01:39:00 | 音楽


2012年の音楽業界を振り返って 業界関係者が今年の音楽産業を総括

2012年の各チャートに関して

悲惨です。これでも音楽と呼べるのでしょうか (ピーター・バラカン)

紅白歌合戦はチラ見したくらいだが、知らない歌手と歌ばかり。知っているのは、まだやっているのかと思うばかり。「歌は世につれ」るものなら、つまらない世の中なのだな。

その時間は、BSで放映していた高倉健の「駅-STATION」をつい観てしまった。

この映画は、昭和55年の大晦日がクライマックスで、北海道の雪深い「風待駅」前の小料理屋のTVには、日本レコード大賞の舞台で歌う八代亜紀の「舟歌」が中継されていた。聴き惚れているのは倍賞千恵子の女将、厚い胸を貸しているのが高倉健の刑事。

倉本聡脚本らしい、ご都合主義だらけの展開に、いちいち突っ込みを入れながら、竜雷太は昔からなかなか知的な俳優なんだな、烏丸せつ子の肉感的な表情が光っていたなと思い、企画や脚本、演出のぜんぶがダメでも、俳優とカメラ(木村大作)が尊敬に値する仕事をしているかぎり、それなりの映画になるものだなと感心した。

しかし、「舟歌」はけっして昭和50年代の「世につれ」ていたのではなく、すでにレトロとして歌われたのだがな。

美輪明宏 ヨイトマケの唄 -第63回NHK紅白歌合戦 2012.12.31
http://www.youtube.com/watch?v=p3WTKaaL7nI&feature=youtu.be

紅白歌合戦では、丸山明宏の「ヨイトマケの唄」が評判をとったそうだ。こうなるとアナクロを通り越してユニクロとでもいえようか。お涙ちょうだい貧乏話のユニバーサルデザイン。背筋を走る悪寒にくしゃみを催さないのならば、君はピーター・バラカンの言葉を読み損なっている。

悲惨です。これでも音楽と呼べるのでしょうか。

これは歌手や楽曲についての感想ではない。観客、聴衆について述べたのだ。

(敬称略)