コタツ評論

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尖閣問題は沈静化するかも

2013-01-28 00:40:00 | 政治
習近平総書記と公明党の山口那津男会談の画像が、なかなかおもしろかった。



習近平は微動だにせず無表情なのに、山口の腰の低さと追従めいた笑みはなんだ。習近平の重厚にくらべて、山口の軽躁とみるのは早とちり。習近平はあきらかに苦渋の表情だった。

会談前日に、中国側の日本窓口である王家瑞中央対外連絡部長から「棚上げ論」を聴いたことが、山口軽躁の理由だろう。尖閣(釣魚島)を「核心的利益」と位置づけている中国側から、「棚上げ論」が出されたのは望外のことだったはず。

もちろん、その背景は、オバマ、クリントンの相次ぐ「中国は尖閣に触るな」発言だろう。習近平の苦渋の表情は、アメリカの恫喝におびえ、軍部の交戦派を抑えきれない、政権内部の不安定さを露呈したものと思える。

苦しい立場が顔に出ることは、権力者としては弱いが、対話の相手としては信頼できる場合が多い。とりあえず、中国は降りた。当面、尖閣の日中軍事衝突は避けられた。そう考えてよいのかもしれない。もちろん、その逆ゆえに苦渋の表情もあり得るが。


(敬称略)