アメリカマサチューセッツ州のジャネル・ホフマンさんは、昨年のクリスマスプレゼントとして、13歳の息子グレゴリー君にiPhoneを贈りました。ただし、このプレゼントは契約書付き。守るべき18項目の契約内容が適切かつ、愛情に溢れたすばらしい文章だと話題になっています。
Mom Has Son Sign 18-point Agreement for iPhone Christmas Gift!
13歳の息子へ、新しいiPhoneと使用契約書です。愛を込めて。母より
http://hana.bi/2013/01/13sai-iphonekeiyaku/
グレゴリーへ、
メリークリスマス!あなたは今日からiPhoneの所有権を持つことができます。やったね!責任感のあるお利口な13歳なので、このプレゼントはあなたに相応しい。しかし、このプレゼントと受理すると同時にルールや規則が付いてきます。以下の使用契約をゆっくり読んでください。私の親としての仕事も分かって欲しい。あなたを健康で豊かな人間性を持った、現代のテクノロジーうまく活用していける大人に育てなければならないといことを。以下の規則を守ることができなかった場合、あなたのiPhone所有権も無くなります。あなたが大好きでたまりません。あなたと何百万個ものメッセージ交換をするのが楽しみです。
1. これは私の携帯です。私が買いました。月々の支払いも私がします。あなたに貸しているものです。私ってやさしいでしょ?
2. パスワードはかならず私に報告すること。
3. これは「電話」です、鳴ったら必ず出ること。礼儀正しく「こんにちは」と言いなさい。発信者が「ママ」か「パパ」だったら必ず出ること。絶対に。
4. 学校がある日は7:30pmに携帯を私に返却します。週末は9:00pmに返却します。携帯は次の朝の7:30amまで電源オフになります。友達の親が直接出る固定電話に電話出来ないような相手ならその人には電話もSMSもしないこと。自分の直感を信じて、他の家族も尊重しなさい。
5. iPhoneはあなたと一緒に学校には行けません。SMSをする子とは直接お話しなさい。人生のスキルです。注:半日登校、修学旅行や学校外活動は各自検討します。
6. 万が一トイレや床に落としたり、無くしたり、破損させた場合はの修理費用は自己負担です。家の芝生を刈ったり、ベビーシッターをしたり、お小遣いでカバーしてください。こういうことは起こります、準備していてください。
7. このテクノロジーを使って嘘をついたり、人を馬鹿にしたりしないこと。人を傷つけるような会話に参加しないこと。人のためになることを第一に考え、喧嘩に参加しないこと。
8. 人に面と向かって言えないようなことをこの携帯を使ってSMSやメールでしないこと。
9. 友達の親の前で言えないようなことをSMSやメールでしないこと。自己規制してください。
10. ポルノ禁止。私とシェアできるような情報をウェブで検索してください。質問などがあれば誰かに聞きなさい。なるべく私かお父さんに聞いてね。
11. 公共の場では消すなり、サイレントモードにすること。特にレストラン、映画館や他の人間と話す時はそうしてください。あなたは失礼なことをしない子です、iPhoneがそれを変えてはいけません。
12. 他の人にあなたの大事な所の写真を送ったり、貰ったりしては行けません。笑わないで。あなたの高知能でもそういうことがしたくなる時期がやってきます。とてもリスキーなことだし、あなたの青春時代・大学時代・社会人時代を壊してしまう可能性だってあるのよ。よくない考えです。インターネットはあなたより巨大で強いのよ。これほどの規模のものを消すのは難しいし、風評を消すのも尚更難しい。
13. 写真やビデオを膨大に撮らないこと。すべてを収録する必要はありません。人生経験を肌身で体験してください。すべてはあなたの記憶に収録されます。
14. ときどき家に携帯を置いて出かけてください。そしてその選択に自信を持ってください。携帯は生きものじゃないし、あなたの一部でもありません。携帯なしで生活することを覚えてください。流行に流されない、FOMO(自分だけが取り残されるていると思ってしまう不安感)を気にしない器の男になってください。
15. 新しい音楽、クラシック音楽、あるいは全員が聞いている音楽とは違う音楽をダウンロードしてください。あなたの世代は史上もっとも音楽にアクセスできる世代なのよ。この特別な時代を活用してください。あなたの視野を広げてください。
16. ときどきワードゲームやパズルや知能ゲームで遊んでください。
17. 上を向いて歩いてください。あなたの周りの世界を良く見てください。窓から外を覗いてください。鳥の鳴き声を聞いてください。知らない人と会話をもってみてください。グーグル検索なしで考えてみてください
18. あなたは失敗する。そのときはこの携帯をあなたから奪います。その失敗について私と話し合います。また一からスタートします。あなたと私はいつも何かを学んでいる。私はあなたのチームメイトです。一緒に答えを出して行きましょう。
この条件を合意してくれることを願っているよ。ここにリストしてあるほとんどの条件は人生をうまく生きるための条件にも当てはまるものだから。あなたは常に激変していく世の中で成長しています。とてもエキサイティングで気を引く体験だと思う。できるだけシンプルに物事を考えて行ってください。どんな機械やガジェットよりも自分のパワフルな考え方と大きな心を信じてください。あなたが大好きなのよ。あなたの素晴らしいiPhoneを楽しんでね。
母より。
(翻訳 打村明)
一読すればわかるとおり、これはiPhone(日本ではスマートホン)に関する家族間の取扱契約書にとどまらず、ネットリテラシーの要点を説き、そのマナーやルールに注意をうながすだけでなく、それらが「人生をうまく生きるための条件」と重なることを諭すものです。母から息子へ、少年期という人生の取扱説明書になっているところに感心します。
ところで、ホフマン家ではパパはどうなっているのでしょうか。この契約書にパパの関与はあったのでしょうか。しかし、お父さんにはこれほど肌身にしみる説諭はできない気がします。お得意のビジネス契約書を援用するわけにはいかず、かといって、「君を信頼している。裏切らないでくれ」では契約書になりません。
賞賛される手本として話題になることなど思わずとも、すでにスマホを買い与えた後だとしても、息子や娘の顔を思い浮かべながら、「私ならどう書くか」と一考してみれば、もっとも書くのが難しいのはどこか、すぐにわかるはずです。18項目を案出するのは、援用もできますから、それほど難しくはありません。
しかし、18項目をプリントアウトして、子どもに手渡せば済むというわけにはいきません。問題は、「グレゴリーへ」という前文と、最後のまとめです。ここを「私ならどう書くか」と考えてみる。つまり親として、どのような思いや考えを我が子に伝えたいのか、みずからの心の裡をはかってみるのです。すると、ここが「家庭教育の条件」であることに気づくでしょう。
えっ、それ以前に、18項目が何を注意しているのか、よくわからない? ガラケーでスマホ使ったことがないから、ネットはやらないし、やっとメールに返信できるくらい、そのメールさえ、同報メールは何度教わってもできない? そういうお父さんは、会津流でいくしかありませんな。「ならぬものはならぬのです !」。それで通じりゃ、いいけどね。
Mom Has Son Sign 18-point Agreement for iPhone Christmas Gift!
13歳の息子へ、新しいiPhoneと使用契約書です。愛を込めて。母より
http://hana.bi/2013/01/13sai-iphonekeiyaku/
グレゴリーへ、
メリークリスマス!あなたは今日からiPhoneの所有権を持つことができます。やったね!責任感のあるお利口な13歳なので、このプレゼントはあなたに相応しい。しかし、このプレゼントと受理すると同時にルールや規則が付いてきます。以下の使用契約をゆっくり読んでください。私の親としての仕事も分かって欲しい。あなたを健康で豊かな人間性を持った、現代のテクノロジーうまく活用していける大人に育てなければならないといことを。以下の規則を守ることができなかった場合、あなたのiPhone所有権も無くなります。あなたが大好きでたまりません。あなたと何百万個ものメッセージ交換をするのが楽しみです。
1. これは私の携帯です。私が買いました。月々の支払いも私がします。あなたに貸しているものです。私ってやさしいでしょ?
2. パスワードはかならず私に報告すること。
3. これは「電話」です、鳴ったら必ず出ること。礼儀正しく「こんにちは」と言いなさい。発信者が「ママ」か「パパ」だったら必ず出ること。絶対に。
4. 学校がある日は7:30pmに携帯を私に返却します。週末は9:00pmに返却します。携帯は次の朝の7:30amまで電源オフになります。友達の親が直接出る固定電話に電話出来ないような相手ならその人には電話もSMSもしないこと。自分の直感を信じて、他の家族も尊重しなさい。
5. iPhoneはあなたと一緒に学校には行けません。SMSをする子とは直接お話しなさい。人生のスキルです。注:半日登校、修学旅行や学校外活動は各自検討します。
6. 万が一トイレや床に落としたり、無くしたり、破損させた場合はの修理費用は自己負担です。家の芝生を刈ったり、ベビーシッターをしたり、お小遣いでカバーしてください。こういうことは起こります、準備していてください。
7. このテクノロジーを使って嘘をついたり、人を馬鹿にしたりしないこと。人を傷つけるような会話に参加しないこと。人のためになることを第一に考え、喧嘩に参加しないこと。
8. 人に面と向かって言えないようなことをこの携帯を使ってSMSやメールでしないこと。
9. 友達の親の前で言えないようなことをSMSやメールでしないこと。自己規制してください。
10. ポルノ禁止。私とシェアできるような情報をウェブで検索してください。質問などがあれば誰かに聞きなさい。なるべく私かお父さんに聞いてね。
11. 公共の場では消すなり、サイレントモードにすること。特にレストラン、映画館や他の人間と話す時はそうしてください。あなたは失礼なことをしない子です、iPhoneがそれを変えてはいけません。
12. 他の人にあなたの大事な所の写真を送ったり、貰ったりしては行けません。笑わないで。あなたの高知能でもそういうことがしたくなる時期がやってきます。とてもリスキーなことだし、あなたの青春時代・大学時代・社会人時代を壊してしまう可能性だってあるのよ。よくない考えです。インターネットはあなたより巨大で強いのよ。これほどの規模のものを消すのは難しいし、風評を消すのも尚更難しい。
13. 写真やビデオを膨大に撮らないこと。すべてを収録する必要はありません。人生経験を肌身で体験してください。すべてはあなたの記憶に収録されます。
14. ときどき家に携帯を置いて出かけてください。そしてその選択に自信を持ってください。携帯は生きものじゃないし、あなたの一部でもありません。携帯なしで生活することを覚えてください。流行に流されない、FOMO(自分だけが取り残されるていると思ってしまう不安感)を気にしない器の男になってください。
15. 新しい音楽、クラシック音楽、あるいは全員が聞いている音楽とは違う音楽をダウンロードしてください。あなたの世代は史上もっとも音楽にアクセスできる世代なのよ。この特別な時代を活用してください。あなたの視野を広げてください。
16. ときどきワードゲームやパズルや知能ゲームで遊んでください。
17. 上を向いて歩いてください。あなたの周りの世界を良く見てください。窓から外を覗いてください。鳥の鳴き声を聞いてください。知らない人と会話をもってみてください。グーグル検索なしで考えてみてください
18. あなたは失敗する。そのときはこの携帯をあなたから奪います。その失敗について私と話し合います。また一からスタートします。あなたと私はいつも何かを学んでいる。私はあなたのチームメイトです。一緒に答えを出して行きましょう。
この条件を合意してくれることを願っているよ。ここにリストしてあるほとんどの条件は人生をうまく生きるための条件にも当てはまるものだから。あなたは常に激変していく世の中で成長しています。とてもエキサイティングで気を引く体験だと思う。できるだけシンプルに物事を考えて行ってください。どんな機械やガジェットよりも自分のパワフルな考え方と大きな心を信じてください。あなたが大好きなのよ。あなたの素晴らしいiPhoneを楽しんでね。
母より。
(翻訳 打村明)
一読すればわかるとおり、これはiPhone(日本ではスマートホン)に関する家族間の取扱契約書にとどまらず、ネットリテラシーの要点を説き、そのマナーやルールに注意をうながすだけでなく、それらが「人生をうまく生きるための条件」と重なることを諭すものです。母から息子へ、少年期という人生の取扱説明書になっているところに感心します。
ところで、ホフマン家ではパパはどうなっているのでしょうか。この契約書にパパの関与はあったのでしょうか。しかし、お父さんにはこれほど肌身にしみる説諭はできない気がします。お得意のビジネス契約書を援用するわけにはいかず、かといって、「君を信頼している。裏切らないでくれ」では契約書になりません。
賞賛される手本として話題になることなど思わずとも、すでにスマホを買い与えた後だとしても、息子や娘の顔を思い浮かべながら、「私ならどう書くか」と一考してみれば、もっとも書くのが難しいのはどこか、すぐにわかるはずです。18項目を案出するのは、援用もできますから、それほど難しくはありません。
しかし、18項目をプリントアウトして、子どもに手渡せば済むというわけにはいきません。問題は、「グレゴリーへ」という前文と、最後のまとめです。ここを「私ならどう書くか」と考えてみる。つまり親として、どのような思いや考えを我が子に伝えたいのか、みずからの心の裡をはかってみるのです。すると、ここが「家庭教育の条件」であることに気づくでしょう。
えっ、それ以前に、18項目が何を注意しているのか、よくわからない? ガラケーでスマホ使ったことがないから、ネットはやらないし、やっとメールに返信できるくらい、そのメールさえ、同報メールは何度教わってもできない? そういうお父さんは、会津流でいくしかありませんな。「ならぬものはならぬのです !」。それで通じりゃ、いいけどね。