西日本心理劇学会のシンポジウムのタイトルは「心理劇における成長モデルと治療モデル」でした。
西日本心理劇学会や日本心理劇学会にそれぞれ数百人の会員が所属していますが、サイコドラマを純粋な意味で治療に使っている人はわりと少なく、様々な分野に心理劇を応用しています。一方で、心理劇とは別の入り口からドラマを使っている人は大勢居ます。ドラマの世界で、医療と教育の分野が交差するようになってきたといえるでしょう。
そういう時期に、このようなテーマが話し合われたのは、必然のようでもありますが、画期的なことでもあります。
いまや、心理劇(実は、この言葉の定義が私にはよくわかりません)を含めて、ドラマを使っている人の世界が広がっています。方法としてのドラマは、治療にせよ、教育にせよ、それ自体が目的ではないはずです。であるならば、色々な方法をあることを知った上で、自分が使う方法を目的に応じて選ぶということになるでしょう。そのとき、分野が違うことによって、言葉の意味がまったく違っているとしたら、とても混乱することになります。
私は、治療に関しては門外漢です。だから心理劇学会に参加している自分をいつも不思議に思うのです。ですが、世界が急速に狭くなってきている現代は、分野を超えて交流したり、ネットワークをつくったりする時代なのだと思います。