ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

『その場しのぎの男たち』

2024-12-09 07:27:40 | 芸術およびコミュニケーション
笑った!大いに笑った!

何度も再演されているとのことだったが、さもありなん。

まず第一に台本が秀逸。
駐日ロシア公使シェービチによる情報遮断の状況を作りだす。その中での閣僚たちの右往左往はまったく架空なのに「さもありなん」と思える。
ぎゃはぎゃは笑いながら、「日本国のため」という大義名分で(実際は保身のため)一市民を暗殺したり、法を曲げて死刑にしたりを平気でやりかねない政治家に空恐ろしさを感じる。そして、「あんたたちそれでも政治家か」という問いに「いや、普通の人間だよ」とは。
策士の陸奥宗光(佐藤B作)、尊大な伊藤博文(石倉三郎)、存在感抜群。今年のお芝居見納めにふさわしい舞台だった。

(台詞が一部スピーカーから聞こえて、マイク装着まるわかりなのが残念でした。)

観ていて不愉快だった『サンシャインボーイズ』と何が違うのだろうと考えてしまう。
『サンシャインボーイズ』は女性の胸をのぞき込んだりお尻を触ったりで笑いを取ろうとする
そんなショー自体を笑い飛ばすという風でもないのが不愉快だった。
笑いの発想が古いというか。

でも、政治家批判を込めた笑いが古くならないのは、社会の不幸かもしれないね。
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