バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

いや、そういうつもりじゃ…

2015年03月02日 17時40分39秒 | バス運転士
バスは定刻で走っていた。終点の某JR駅前の3つ手前のバス停に接近中… 一瞬「ここは通過かな?」と思ったのだが、よぉ~く見たら1つの黒い人影が動いていた。それは、手を上げたまま急いで歩いているお爺さんであった。


私は「もうすぐ前方の交差点の信号が青になるなぁ~ そうだ、ここはガードレールがないから… お爺さんがサッと乗ってくれれば!」と思って、まだバス停まで2~3mのところを歩いていたお爺さんに前扉を合わせるようにバスを止めた。


すると、お爺さんは「わざわざすまんねぇ~ 合わせてもらっちゃって… ありがとうねぇ~」と言ってくれたのだが… いや、ただ青信号に間に合わせようかと思っただけで… 結局、お爺さんの動きが予想以上にゆっくりだったので、青信号には間に合わなかった…。。。


その帰り、バスは片側一車線の道路を定刻で走っていた。そして、あるバス停に接近中… 私は、バス停に人影がないことを確認して「○○停、通過します」と言いながら“バス停表示送りボタン”を押せば良かったのだが…


なぜか、左ウインカーを出して減速してしまった… すぐ後ろからトラックが来ていたので「とりあえず止まろう」と思い、「○○停、止まります」と言いながらバス停で止まって前扉を開けると、トラックは追い越して行った。


私もすぐに前扉を閉めて行こう… と、その時! 左ミラーに走って来るお婆さんの姿が映ったのである。一体、いつ・何処から・どのように現れたのか分からないけれど… 見つけてしまった以上、私は待つしかなかった。


お婆さんは「どうも… すいま… せん… ありが… とう…」と息を切らしながら乗ってきた。いや、最初から待つつもりで止まったわけじゃないんだけど… まぁ、良しとしよう。で、結局… そのお婆さんは“すぐ次のバス停”で降りたのだった…。。。