老婆の末脚（すえあし）

あるバス停で約１分の時間調整停車をしていたら、７０～８０ｍ後方を歩いている一人のお婆さんが左ミラーに映った。発車時刻まで１５秒を切った頃、私は「何となく乗客のような気がするけど…　ここでエンジンを掛けて走り出したら乗客、歩き続けていたら乗客ではないと判断しよう」と思って、ブレーキを踏んでからエンジンを掛けた。

しかし、お婆さんの動きに変化が見られなかったので、私は「主演の乗客ではなく、単なる通行人Ａだったのかぁ～」と思いながら前扉を閉めて「お待たせしました。発車します」と言って…　と、その時！　左ミラーに“猛然と迫り来る新たな人影”が映ったのである。

その姿を見て脅威を感じた私は、逃げるようにバスを発車させ…　ないないない！　再び前扉を開けて待つことにした。その人影は、アッという間にお婆さんを追い抜き、一着でゴール！　バスに飛び乗ってフリーパスを提示したのは…　元気な牝馬、推定６０～７０歳であった。

その“牝馬”が着席するのを待っている間に、歩いていたお婆さんもバス停に到着…　フリーパスを提示して乗って、めでたしめでたし…　今週末の競馬は、高齢の牝馬が活躍したりして！？　ハハハ…