バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

何も言えな… 言わなかった

2018年09月10日 16時35分40秒 | バス運転士
先日、あるバス停で“推定3歳の男子、お母さん、ベビーカーに乗っている子供”の3人が乗った。男の子が中扉付近の席に座り、お母さんも立ち止まったので、私は“ベビーカー固定用ベルト”を持って運転席を立とうとしたのだが… その時、男の子が助手席へ移動してきて… お母さんもベビーカーを押して前へ戻って来たのである。

そこで私が「ベビーカーを固定…」と声を掛けたところ、お母さんが「持っているからいいです」と言ったので、固定するのをやめたのだが… お母さんが“後ろ向きに立っている”ことが気掛かりだった。案の定、その直後の信号が嫌なタイミングで変わり… 私はブレーキペダルを強く踏めず、バスはスゥ~ッと横断歩道の上で停止… 右から一人のお爺さんが渡ってきたので、私は「すいません」と頭を下げた。

また、もう一つ気掛かりだったのは… 助手席と背後席の間の狭い場所に、ベビーカーとお母さんがいるということである。当然、バス停で止まる度に乗客が通るので邪魔だったのだが… お母さんは、“面倒なこと(固定ベルト)をしなくていい”と気を遣ってくれたし、乗客一人一人に「すいません」と謝っていたので、私は何も言えな… 言わなかった。

そう、昨日の話ではないけれど、その時の私は「これで他の乗客から苦情が入っても、上司から何か言われても… 悔いはない」と思ったのである。(ふ~ん… 気を遣ってくれたとか、謝っていたとか… それっぽい理由を並べているけれど… 本当は… ただ単に、お母さんが“好みのタイプ”だったから、悪者になりたくなかったんじゃないの? ハハハ…)