バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

「次だった」と言ったお婆さん

2018年12月25日 22時04分42秒 | バス運転士
あるバス停へ向かって走行中、「ピンポ~ン!」と降車ブザーが鳴ったので、「次とまります」と答えたところ… 車内から「ごめん、次だった」というお婆さんの声が聞こえた。そのような場合、私は「他に降りられる方がいらっしゃるかもしれないので、とりあえず止まりますね」と言って、点灯している降車ランプをそのままにしておくことが多い。

しかし、その時は珍しく「それじゃあ、消しますね」と言ってから、運転席の左前にある“取消ボタン”を押して降車ランプを消したのである。すると、すぐに「ピンポ~ン!」と再び降車ブザーが鳴った&降車ランプが点灯したので、私は「あ、やっぱり… 他に降りる人がいたのかぁ~ ちょっと後悔…」と思いながら、次のバス停で止まって中扉を開けた。

そこで私は“バスから降りる3~4人のお婆さんたち”を車内ミラーで見ていたのだが… なんと! さっき「ごめん、次だった」と言ったお婆さんも降りてしまったのである。「えっ!? ちょっと! ここじゃなくて次なんでしょ?」と驚いた私は、お婆さんに声を掛けようとしたのだが… 他のお婆さんと楽しそうに話しながら歩いていたので、「ま、いっか」と思ってバスを発車させたのだった。

そのお婆さん… もう一つ先のバス停で降りて真っ直ぐ自宅へ帰ろうと思っていたけれど、顔見知りのお婆さんに誘われて予定変更… 一緒にスーパーへ行ったか、喫茶店へ行ったか、病院へ行ったか、銀行へ行ったか、公園へ行ったか、トイレへ行ったか、墓地へ帰ったか…(おいおい…)