大きく立派な洗面台

手術を終えた医師が手を洗うための大きく立派な洗面台は、手術室フロアに複数あり…　それらの清掃なども我々の作業の一つに入っている。洗面台の汚れを拭き取るのはもちろんのこと…　医師が手洗いで使ったブラシの回収、洗った手を拭くために使ったペーパーの回収、消毒剤＆洗剤およびペーパーの補充、滅菌から一カ月が経過した期限切れブラシの交換なども行う。

洗面台の汚れというのは“手洗い時に飛び散った消毒剤や洗剤”がほとんどで、ちょろっと垂れているだけの場合もあれば、あっちゃこっちゃへ派手に飛び散っている場合もある。そんな様々な汚れを拭き取りながら「几帳面な性格の医師なのかな？」」とか「大変な手術だったのかもしれない」とか「私に仕事の遣り甲斐を感じさせるため、わざと汚してくれているのかも！？」などと勝手な想像をして楽しんでいる。

さて、人工大理石だと思われる素材の洗面台を、水に濡れても破れにくいペーパーを使って擦るのだが…　ツルツルした表面が気持ち良く、最後は素手で擦りながら「プールの滑り台みたいだなぁ～　ん？　この洗面台一つの大きさ…　ちょっと膝を曲げれば、私一人くらい入れそうだなぁ～　ベッドとして使ったら冷たくて気持ちよさそうだ」などと考える私であった。（オマエが入っていると、ベッドというよりも棺桶に見えるんじゃないのか？　ハハハ…）