極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

桑の花と中国脅威論

2009年10月08日 | 時事書評

台風に 前に倒して 労ありて 行き交う人と 桑の木と雨   


アル・ゴア Albert Arnold "Al" Gore, Jr

旧聞になるが、08年11月18日、アル・ゴア元米副大統
領が来日。慶應義塾創立150年記念シンポジウム「デ
ジタル情報革命から環境エネルギー革命へ」で記念講
演。学生との質疑応答で「100年後にも私たち人類が
生きているのは可能ですか?」との問いに対し「人類
の存続の脅威は核と気象変化のもたらす危機の2つ
り、後者については 10 年以内に大きな変革を実現し
なければ" Point of No Return " (後戻りすることのでき
ない点)を越えてしまう」と訴えた。翌日は、早稲田
大学では、地球環境グローバルサミット2008で基調講
演。「不都合な真実」とのテーマで、同タイトルの映
画でのプレゼンを最新版にアップデートした講演を行
った。金融不安の問題。講演冒頭からその点について
触れ、信用収縮は長引かずに収束が可能であるとの見
方を示した。特徴的だったのは、世界的な不況期への
対策として、グリーンインフラへの投資による雇用創
出が有効だと強く訴えたという。


 An Inconvenient Truth - I Need To Wake Up


誇大誇張癖?のアルゴアの評価についてはノーベル平
和賞受賞で帳消しと、「情報スーパーハイウェイ構想」
「不都合の真実」などの政策推進や啓蒙活動の業績は
誰しも認めるところだが、石油ショック→反インフレ
闘争→政治経済の世界的幻想的基軸の戦略的想定→「
地下化石燃料本位制」→成長戦略として「先端技術本
位制」→『デジタル革命』現在進行中(この時、日本
の政権は過剰流動性から一時的に「土地本位制」に反
動する)→生産力膨張の反動→気候変動問題→「環境
リスク本位制」を想定したわたし(たち)との認識の
ズレは小さく、アル・ゴアの時代を先取りする意欲は
感得でき注目に価する。



【二つの中国脅威論】

中国の二酸化炭素排出量が米国を抜き世界一となった。
中国に対する脅威は大きく2つある。1つは紛争解決
手段として軍事力の突出と広大な領土に抱える生産力
の膨張の環境に与える影響力だ。



【エコロジカル・フットプリント】

ひとり当たりの生産力に対しひとり当たりの環境負荷
量から再生産に必要な面積とした環境許容量(或いは
環境収容力)をEF、つまり、エコロジカル・フット
プリント(「
人間活動が地球環境を踏みつけにした足
跡」という比喩
)という。「ある特定の地域の経済活
動、またはある特定の物質水準の生活を営む人々の消
費活動を永続的に支えるために必要とされる生産可能
な土地および水域面積の合計」と定義されている。




具体的な計算方法は「エコロジカル・フットプリント
ジャパン」に掲載されている(「
わたしの暮らしは地
球何コ分?
」)。日本全体の人間活動によるEF(1990
/1991年)は、実際の国土よりも15.4倍も広くオーバー
シュートしているというが、問題も多く投げかけられ
ている。その1つが生物生産力(性)が地政学的に異
なるため補正修正する必要がある。これを「グローバ
ルヘクタール」とし「ある国の特定種類の土地の生物
生産力総計」(単位:gha)=「その国の特定種類の土地の
総面積」x「その国のその土地の収量ファクター」x「
等価ファクター」として計算する。



『生きている地球レポート2006』では、世界全領域で
のEFが生物生産力を上回るオーバーシュート状態は、
1980年代に起こったと記載している。2003年時点では、
1人当たりのEF・生物生産力は、2.2(gha/人)と1.8(gha
/人)であり、EFが生物生産力を20% 強も上回る状態と
なっていると指摘している。これに対し、「日本÷中
国」の1人当たりのグローバルヘクタール比較(2003
年)すると、4.4(gha/p)÷1.6=2.75倍に対し、総グロ
ーバルヘクタールは、631(×10^4gha)÷2,152≒0.29 倍と
生活水準を日本に合わせると5,918(×10^4gha)と米国の
約2倍となる。従って、成長戦略の重要課題として、
『中国との環境工学技術レベル向上の相互体制構築』
が重要(ボーダレス政策)となる。






【戦略空母建御雷】

戦略空母建御雷(たけみかずち)は架空戦記
紺碧の
艦隊
』に登場する大型航空母艦である。 艦名の由来
は日本神話
に登場する
建御雷からきている。


ファイル:USS Saratoga (CVA-60), F-14 on catapult.jpg

さて、国際紛争を武力で解決することの無効性はブッ
シュの単独行動でイラク、アフガニスタンで明白だろ
う。解決手段は急がば回れの外交、経済支援、草の根
運動などが有効であることを21世紀初頭に明確にし
た。また、宇宙ステーションで活動できる時代に、使
えない核兵器をいくら保有しても無駄であることぐら
い権力の中枢は知っている(はずだ)。




それでも武力を背景にパワーゲームが動くとなれば戦
略的に(わたしは、<ネゴ殺ぎ収奪性>を本質とする欧
米戦略思考は嫌いなのだが)抑止力を保有しておくこ
とは「戸締まり論」の必要悪として存立すると考える。
それではどうすれば良いのかとの苛立った声も聞こえ
そうだ。


緒方貞子 

環太平洋(この範囲を逸脱する場合は国連軍に編入)
を高速で移動でき、出来ることならカメレオンステル
(映画の見過ぎ?)
で、多目的安全保障衛星及び海
洋監視ロボットと連動した多層着発艦デッキを持ち機
動性をもった戦略空母を1基だけ建造し、北朝鮮等の
国際的規律を破る活動をこの先端技術の塊の戦略空母
で牽制し、国際連合軍及び自然災害対策の
平和活動
編入し軍事・警察行動をとるだけで、わが国の技術力
をもってして、中国の軍事力の脅威も無化できると考
える。但し、専守防衛も技術論の限界もこえるもので
はないことを自明であると思っているが。


 


なかなかに人とあらずは桑子にも ならましものを玉の緒(を)ばかり
                     
                      万葉集/作者不詳


桑はクワ科クワ属の総称。カイコの餌として古来重要
な作物であり、また果樹としても利用される。落葉性
の高木で、大きいものは 15mに達するが、普段見かけ
るのは数m程度のものが多い。樹皮は灰色を帯びる。
葉は薄く、つやのある黄緑色で、縁にはあらい鋸歯が
ある。大きい木では、葉の形はハート形に近い楕円形
だが、若い木では、葉にあらい切れ込みが入る場合が
ある。雌雄異株だが同株ものもがある。春に開花する。




雄花は茎の先端から房状に垂れ下がり、雌花は枝の基
部の方につく。果実は初夏に熟す。キイチゴのような、
柔らかい粒が集まった形で、やや長くなる。熟すと赤
黒くなり、甘くて美味しい。台風18号に備え、朝か
ら家と神社回りの雨仕舞いで忙しい、神社では予定を
早め改修工事が始まっていた。そんな気忙しさと雨の
中に佇む桑のコントラを読む。「かえって人ではなく
蚕にでも生まれたらよかった、ほんのしばらくの間で
も」と万葉集で読まれる。
葉はカイコの飼料の「クワ」。
花言葉は「奉仕」「知恵」。




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