10月25日(ブルームバーグ):ギリシャのデフォルトを回避しつつ、
同国の救済を画策する欧州当局に対し、銀行は保有するギリシャ国
債の損失の棒引き規模をめぐり、欧州の指導者らの要求に抵抗して。
また、ギリシャ支援を行う国際金融協会(IIF)のダラーラ専務
理事は、24日「投資家やより広範な市場参加者にとって、自発的と
考えることができる範囲」には限界があると指摘。「協調的な話し
合いに基づかない一方的なアプローチは、デフォルトに等しい」と
訴えている。
非公式情報によれば、IIFが代表する金融業界は、ギリシャ国債
について銀行が 40%の損失を受け入れ案を提案。一方、ユーロ圏
財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首
相兼国庫相)は24日、ギリシャの第2次支援策への民間セクターの
関与についての協議で、50~60%の損失受け入れを軸に話し合いが
行われているという。
50%棒引き合意(2011.10.27)
ギリシャ危機の主な原因は、EUの加盟基準の平均経済水準化促進の
のための支援基金(補助金)により公務員を労働人口の半数が公務
員(25%という数字もある)という異常な総員をし急激な赤字を出
したことによるとに加え、全く増税や歳出削減を行わず通貨スワッ
プという不正な粉飾会計処理でユーロに参加したことによる。それ
に比較すれば、公務員の占有率は15%と低い。尤も、税収に占める
給料比率は日本では75%、ギリシャは90%超とかなり高い比率とな
っている。
その意味では、日本の国家会計は、ギリシャは債務国に対し債権国
で、貿易収支は黒字基調を維持、徴税規律はギリシャは脱税が横行
しているが、日本は消費税の完全捕捉の問題はあるもののまずは堅
調だ。ところで、米議会予算局は25日、米国人口の1%とされる最
富裕層の収入が、1979~2007年の期間にほぼ3倍となり、他の所得
層の収入伸び率ペースをはるかに上回ったとの報告書を発表してい
る。このリポートによると「人口の1%に当たる最高所得層につい
ては、納税後の平均実質家計収入が、1979~2007年の期間に 275%
増加。2番目の高収入層(人口の19%)の収入の伸び率は65%、中
間所得層(同60%)は40%以下、最低所得層(同20%)は18%にと
どまった」としている。
こうしてみると、この世界経済の混乱を招いている本質とは「身の
丈を考えない強欲-それも民主的な仮面を装った強欲」であること
が誰の目に見えてくるではないだろうか。そして、その問題解決も
見えているようではないだろうか。
最近の1ドル77~76円という"超円高"の為替水準について、製造業
の大半が「経営上マイナスの影響がある」と感じている。輸出中心
の一般機械や精密機器製造業では、全社が「既にマイナスの影響が
出ている」「今後マイナスの影響が出る」と回答。「経営努力も限
界に近づいており、このままでは業界が萎縮する」という悲鳴の声
も上がっているというが迅速で有効な「緩衝政策」の実施を必要と
している。この泥鰌政権下でそれができるか不安が尽きない。
省エネ実践記の新たな課題としてダイソン社の熱風か岩谷社のガス
ストーブで迷っていたが後者のガスストーブに決定(『秋深し寒い
朝』)。それと併行して開発企画「チーム・アロマコンフォート」
の1つとして、機能性衣料品「アロマ・インナー(芳香下着)」の
下調べを行った。 現在考えられる衣料品の付加価値化として次の
ようなものが想定されている。
・癒し健康分野:マイナスイオン加工、ビタミン加工、アミノ酸加
工、安眠加工、電磁波加工
・高齢福祉分野:抗菌防臭・制菌加工、消臭加工、保湿加工
・環境分野:UV カット加工、花粉付着防止加工、天然物加工
・抗アレルギー分野:防ダニ加工、天然物加工
・抗ウイルス分野:抗SARS 加工、抗ウイルス加工
・その他:抗菌防臭加工、防蚊・防虫加工、温感加工、涼感加工、
吸水速乾加工、芳香加工、汗じみ防止加工 など
【いかに付加価値をつくるか】
二酸化炭素等の超臨界流体中で繊維にスクワラン、スクワレン、ミ
リスチン酸アルキルエステル、ミグリオール、パーセリン油、γー
オキザノール、蜜蝋、セラミド、キトサン、ビタミンE等の親油性
保湿剤(特にスクアラン)を付与できるという(特開2008-38258/
繊維製品の加工方法及び加工された繊維)。
従来、繊維に親油性保湿剤等を用いて機能性を付与する機能加工で
は、繊維の染色と同時に機能剤を吸尽させる方法やバインダーを用
いてパディングする方法が行われてきたが、地球環境への配慮から、
加工後の廃液を高度に浄化することが必要となり、その浄化処理に
要するケミカルコスト及び設備コストがかさむ。これを超臨界流体
(超臨界二酸化炭素)中で、繊維と親油性保湿剤を処理することで、
効果的に繊維に親油性保湿剤を付与でき、高い耐久性も備わるとい
うのだ。例えば、現代社会はストレス社会と言われており、様々な
精神的または肉体的ストレスにより自律神経のバランスが崩れて、
不眠、高血圧、頭痛、肩こり、のぼせ、イライラなど、自律神経失
調による様々な症状に悩む人が増加しているといわれるが、マツリ
カ(茉莉花、jasmin sambac)の抽出物、3-メチルオクタノ-4-ラク
トン、ボルニルアセテート、およびタイム(thymus vulgaris)の水
蒸気蒸留物から選ばれる1種又は2種以上を有効成分として配合す
る自律神経調整剤は副作用がなく、また個体の感受性や嗜好性に左
右されずに自律神経を鎮静的に調整でき、自律神経のバランスが
崩れて交感神経が過度に優位な状態にある人たちに対して、不眠、
高血圧、頭痛、肩こり、のぼせ、イライラなど、自律神経失調によ
る様々な症状を安全かつ効果的に改善する薬剤(特開2009-235015
「自律神経調整剤」)をインナーに付加すれば快適に生活できるこ
とが期待できるだろう(下図参照)。
また、間伐されるマツ科モミ属に属する植物の圧搾液、抽出物また
は蒸留物を有効成分とする抗ウイルス剤、特にインフルエンザウイ
ルスに対する抗ウイルス剤(特開 2011-173805「抗ウィルス剤」)
を付加することも可能だ。
【符号の説明】
1 マイクロ波蒸留装置 2 蒸留槽 3 マイクロ波加熱装置 4
撹拌はね 5 気流流入管 6 蒸留物流出管 7 冷却装置 8 加
熱制御装置 9 減圧ポンプ 10 圧力調整弁 11 圧力制御装置
12 蒸留対象物 13 蒸留物
【符号の説明】
1:溶融部 2:スピンブロック 3:口金 4:集束給油ガイド
5:第1引き取りローラー 6:第2引き取りローラー
また、機能性物質の耐久性が飛躍的に向上し、機能性物質の効果発
現に優れた、平均単繊維直径が10~200nmであり、単繊維直径200nm
以上の面積比率が3%以下で、繊維直径のばらつきの小さいナノフ
ァイバーに機能性物質が含まれる、機能性繊維構造物(特開2005-
36376「ナノファイバーの機能加工品」)に添加、付与すれば多量
の機能性物質の付与および耐久性の向上が実現できるものと期待さ
れる。
以上のインナー被服衣類への高付加価値化市場は拡大の一途をたど
るだけでなく、例えば、木質に同様な付加価値を加えることも可能
なことを意味している。もっとも、これは圧縮バットなどで、既に
実例があるが、これを大規模化すればいいわけで、超臨界若しくは
高圧処理により、鋼のような木質やシロアリが寄りつかない防腐・
防湿・防虫木質材の生産販売の事業化が可能であるとわたし(たち)
は考えている。後は決断だけだ。時間があればこの事業計画の素案
を掲載してみたい。