<金曜は本の紹介>
「コワ~い不動産の話」の購入はコチラ
この「コワ~い不動産の話」という本は、新築住宅・中古住宅・新築マンション・中古マンション・タワーマンション・住宅ローンについて、それぞれの注意点についてまとめたもので、今後それぞれの不動産購入を考えている初心者の方に対してとても参考になる本だと思います。
特に以下については、コワ~いと思いましたね^_^;)
とても参考になりました。
<新築住宅>
・雨漏りなど水のトラブルが多い
・1階が駐車場の3階建て住宅は倒れやすい、燃えやすい
・地名に「谷」や「沼」がある地名は集中豪雨に注意
・土地探しは陽当たりの悪い冬に限る
<中古住宅>
・検査済証の確認が必要
・シロアリに注意(シロアリビジネスがあるので注意)
<新築マンション>
・3月8月竣工物件は欠陥・不具合が多い
・機械式駐車場はメンテナンスと補修にとても費用がかかる
・マンション最上階が泥棒にもっとも狙われる
<中古マンション>
・既存不適格物件に注意
・リノベーションできないマンションに注意
・屋上に携帯基地局には注意
<タワーマンション>
・高層階に住む女性の流産・早産率が高い
・欧州諸国では高層マンションを規制
・高層階は船酔い状態になる
・こどもはひきこもりがちになる
・固定資産税は6年目以降に約倍となる
<住宅ローン>
・ゆとりローンに注意
・変動金利に注意
「コワ~い不動産の話(宝島編集部編)」という本は、不動産購入をするにあたって、そのリスク等についてわかりやすく理解でき、とてもオススメですね!
以下はこの本のポイント等です。
・一番多いのは水のトラブルなんです。屋根やバルコニーの防水が不足している、壁内の防水シートに連続性がないなどの理由で雨漏りが起きます。雨漏りで補修をしてもなかなか直らない場合、なんらかの根本的な原因があり、第三者の検査機関や建築士に検査を依頼して、本当の原因をつきとめるべきでしょう。ニーズの高い外断熱工法が正しく施工されていないための結露も多い。結露を甘く見ている方が多いですが、雨漏りのダメージは一部ですが、結露は壁一面を内側から浸食します。壁紙が浮いてきたことに住人が気付いたことには時すでに遅し。もはや、家全体がカビに汚染されているということになります
・湿った家の末路は悲惨だ。家全体にカビが回るまで、新築からたった2~3年。通常木造の壁や柱は含水率20%でカビを生じ、キノコなども生えてきますが、水分はシロアリなどの虫も呼びます。実際、含水率メーターが表示不能(35%以上)になってしまう物件もある。これは「生木」(自然に植生した状態)の含水率ですよ
・都内の建売木造3階建ては、9割が欠陥を抱えていると言っていい。3階建てとなると、建築基準法では、建物の強さを確認するための構造計算を行う必要がある。また、耐震構造が厳しく条件付けられており、すべて守っているとかなりのコスト高になります。しかし、手の届く価格にするためには、こうしたコストをできるだけ少なくしたい。可能な限り、物件を安く造るために、あらゆる裏手口が使われているんもが木造3階建てなんです。構造的に1階に最も多くの耐力壁を組み込まなければならないのですが、耐震の要である耐力壁を省略する。都内の3階建ての多くは1階部分は正面には壁がないカーポートにしている。こうした3階建ては、実に不安定な建物です。
・一戸建て住宅希望者に欲しい広さを聞くと「30坪」と口をそろえる。しかし、この30坪の土地、もはや都内ではサラリーマンの手が届く金額ではなくなっている。「何気なく、計算したんですが、1坪3.3平方mなので、30坪は99平方mなんです。99平方mとなると、23区だと土地だけで4000万円はくだらない。さらに建物で1500万円ともなったら、5500万円。もう私たちには、手が届きませんよね」このため、早く売りたい業者の手によって、より細かく区分けされて分譲されることになる。
・異常気象のせいで年々多くなっているゲリラ豪雨。国土交通省は河川、下水の氾濫を防げるように管理を進めているが、いざ、豪雨になればその雨水を前に打つ手なし、といった状態だ。やはり、氾濫が予想される窪地には住まないというのが対策の基本だ。各市区町村で発行している洪水ハザードマップをチェックすることからはじめたい。この洪水ハザードマップは万が一の水害時に地域の住民が安全に避難できることを目的に作成されるもので、想定浸水深、避難所の位置および一覧などを見ることができる。
・「まずは地名に高低を表す単語が入っていないかどうか。渋谷や四谷といったところは、”谷”となっているだけあって、豪雨のときに水が流れ込む場所がある可能性が高い」たしかに、実際に、数年前のゲリラ豪雨では渋谷の道玄坂から流れてきた大量の雨水が渋谷駅の地下街に流れ込んでいる。こうしたところはもちろん、下水処理を進めているが、地形上、避けられないリスクであることはたしかだ。「やはり危険があるのは、世田谷。世田谷は田圃の”田”に”谷”ですから、区内には水が集中する地域がいくつもあるということです。実際に池尻、三軒茶屋、用賀といった地域は08年の豪雨で浸水被害がでました」「沼」のつく地名も注意したい。「○沼」「○○沼」という地名の地域はかつて沼だったところが多い。多くの専門家が指摘するのは、こうした地域では、いくら地盤改良をしていても、やがては地盤沈下を起こすおそれが高いということだ。他にも中川といった地名なら、その昔、川が氾濫したことが地名の由来である可能性がある。自らの住むエリアの地名の由来を調べておきたいものだ。
・検査済証とは、工事完了時に建築主事や指定確認検査機関の担当者が、確認申請書通りに建築されているかどうかをチェックするもので、その完了検査ののちに発行されるのが検査済証だ。役所が確認申請書の図面通りに建物が完成したことを証明する「違反のない建築物」としての証明になるのだ。この検査済証がないと、売買の際に資産価値が大きく下がり、相場の2~3割安く買い叩かれたり、役所の許可が必要なリフォームができないなどという事態が起こり得るために注意が必要だ。
・「検査済証のための完了検査は外見が図面通りかを確認するだけで、5~10分程度で終わってしまう。基礎の鉄筋や耐力壁、さらには防火のための石膏ボードや外壁モルタルの厚さの基準が守られているかどうかは、検査どころか、目視もしていない」つまり、検査済証があるからといって、安心できないのだ。
・シロアリに関する知識がなければ、中古物件は買わない方がいい。シロアリの巣食う中古物件を買ったが最後、購入者側がいくらクレームを言っても、販売した側は「現況有姿」で逃げきろうとするはずだ。「現況有姿」とは、現在のあるがままの状態を優先して取引するという業界の慣例。契約書にもよく「現況有姿で引き渡すものとする」と書かれているからだ。「20年も経過すえばいろいろなところに不具合は出てくるもの。現況を見て契約したということは、不具合も含めて、納得して購入したということ。この慣例がなければ、不具合のすべてにかし担保責任が発生して、あそこも直せ、ここも直せで、中古物件は流通しなくなりますよ」と語るのは、匿名を条件にした不動産業者。売り主が個人の場合、中古住宅で築20年以上というような物件の取引ならば、そのかし担保責任を免除する設定が契約書につけられていることが多い。築20年までいかない場合は、引き渡しから3ヶ月程度いないに「雨漏り」「シロアリの害虫」「木部の腐食」「給排水設備の故障」に限定して、売り主側が費用負担をして修復する、というのが通例だ。
・シロアリ物件ビジネスとは、シロアリによる食害のある物件を安く買いたたき、外見だけはリフォームして、高く売抜けてしまうビジネスのことだ。「もともとは廃屋状態の物件を500万円ほどで購入し、300万円ぐらいで内外装の見える部分だけ小綺麗にリフォーム。それを2100万円で売るなんていうビジネスです。シロアリに食われた柱は交換せず、駆除業者を1回入れて防虫耐水処理をしただけです。その段階で「シロアリはいたが、駆除をした」とだけ説明すればシロアリの習性を知らない買い主は安心して契約する。かし担保の期間が過ぎたところにシロアリが再び巣食いはじめて、買い主は「だまされた!」となるけど、もう遅い」シロアリの出た中古物件はシロアリに食われた部分だけ処理しても意味がない。シロアリの巣は土の中や、回りの樹木の中にある。防虫耐水加工をしてもその効き目は最大で5年といわれ、効果がなくなったころに、再び、シロアリが巣食いはじめるのだ。「シロアリが出たような物件は、それだけ湿っちゃう環境を改善する必要があるんです。それこそ、建て替えに匹敵するようなリフォームが必要になってくる。だからわれわれ業者はシロアリが出そうな物件には手を出しませんよ。出すとしたら、シロアリもコミコミでのシロアリもコミコミでのシロアリ物件ビジネスですよ」物件探しの前にシロアリの習性を勉強する必要がありそうだ。
・業界関係者が、恐ろしさのあまり、口を堅く閉ざしているのが、「実は欠陥・不具合は3月と8月の竣工物件に偏っている」という話だ。「買い主の多い引越しシーズンにあわせた3月期完成マンションは、無理な工期設定を組むことが多い。また、多くのデベロッパーは決算期にあわせて売り上げの計上を図る。そこで、作業員が不足したり、材料や製品の納入遅れが出る。売り主側の検査員も不足しがちで、このため欠陥・不具合が続出するのです」「また、買い主の検査の場である内覧会になんとか間に合わせようと、共用部分は後回しで専有部分を優先する。そのため、入居後に共用部分の欠陥・不具合が判明することが多い」
・「実は8月竣工物件も問題を抱えています。8月は盆休みが入ることで、引き渡し直前の行政庁の検査業務も休みに入ってしまう。タイミングによっては2週間ほど遅れてしまう。8月最後の週になってしまうケースもある。建設会社はお盆を避けようと、スケジュールを前倒しする。すると、今度は「梅雨による工期の圧迫」という問題が生じるのです」つまり、7月の梅雨で作業は滞りがち、8月は遅れを取り戻そうと突貫工事を行う。その間に挟まれた現場がとにかく急がされるという悪循環から、結果として手抜き、チェックミスという「悪意のショートカット」が多発する危険性を秘めているのだ。
・「実は、機械式駐車場はメンテナンスと補修にとても費用がかかる。また、15年から20年で機械を入れ替える必要があるのですが、この費用が、1台あたり100万円前後の改修資金がかかります。こうしたコストは本来なら受益者負担として機械式駐車場利用者に負担してもらうべきなのですが、「機械式駐車場は無料にして、マンションを完売させたい」という販売会社の思惑があって負担を決めなかった。それだけでなく、ローンの負担を減らせるように外部への駐車場貸し出しもOKとしているのです」Hさんのマンションの場合、修繕積立金は数年後の外壁改修に向けて貯めているものだが、さらに、機械式駐車場のメンテナンスのための修繕積立金も必要になると、Hさんのマンションの管理組合は判断。修繕積立金の値上げに踏み切ったのだ。このケースでは、チェックすべき管理会社も販売会社の子会社だったために、いわば見て見ぬふりをしていたことが背景にある。
・ディンプルキーのある住戸の場合には、住戸の玄関ではなく施錠率が低いバルコニー側から泥棒は侵入するのだという。また、マンション最上階がもっとも安心だと思っている人も注意が必要だ。警察庁が行った統計では、マンションの場合、「最上階住戸」が侵入盗犯にもっともねらわれる物件だということだ。通常3階建て以下の低層マンションでの侵入盗は1階の「窓破り」が多いが、それ以上の高層になると最上階が狙われる。「屋上は共用部分で、カギがかかっていますが、最近の泥棒はこの程度のカギは簡単にピッキングができる。屋上の外周に近い部分には「丸環」という輪っか「リング」がついています。本来、この「丸環」はロープをつけて重い荷物を引き上げるために使うものですが、泥棒はこれを屋上から下に降りる際の道具に使うのです。」これを使えば、屋上からバルコニー経由で簡単に最上階に入り込める。最上階だt「泥棒が入ってこない」と無防備で、夏場など窓を開けたまま外出することも多く施錠率が低くなる。また屋上からの侵入が困難でも、最上階ともなれば、付近の建物からの見通しも悪い。人の通行も少ないといった事情から時間をかけて、ピッキングして、堂々と玄関から侵入することも可能だ。金目のものがありそうな最上階は泥棒にとっては有利な状況が用意されているのだ。
・実物だけを見ていてもわからない中古マンションの恐るべき注意点がある。それが「既存不適格」だ。「既存不適格」物件とは、建築当時は適法だったものの、法改正や新法成立、条例変更などによって、現在は”違法マンション”になってしまった物件のことだ。不動産業界の推定によれば、こうした”違法マンション”は全国のマンションストック500万戸のうちの5分の1の100万戸に及ぶとみられている。「たとえば、1981年の新耐震基準が定められる以前の、旧基準で建てられた建築物はほとんどが「既存不適格建物」です。これは耐震補強をすれば、なんとかなるが、問題は日影規制が導入される76年より前に建てられたマンションや、立地するエリアの用途地域の種類が変更になった場合です」日影規制とは、周辺の建物の日照時間確保するための規制で、大規模なマンションは制限される。またエリアが厳しい制限のある用途地域に変更になった場合は、高さや容積率が制限されて、それまでの規模では建てることができない。つまり既存不適格で問題になるのは、現状でのマンションの生活にはなんの支障もないが、現状と同じ大きさや広さには建て替えができないことだ。建て替えるとしたら、マンションの規模が縮小してしまう。現在は8階建て63戸ですが、このうちの半分の戸数しか確保できない。
・リノベーションに向いた中古マンションと、リフォームしかできない中古マンションの2種類があるという。「マンションには柱・梁構造と、壁式構造の2種類があります。柱・梁構造で二重床・二重天井だと、PS(パイプスペース)以外は大きく間取りを変えるリノベーション向きです。一方で、壁式構造だと、主要な壁を抜くことができないので、間取りを変えることができないリフォーム向きなのです」専門家が見れば、竣工図と目視チェックで判断が可能だという。
・電磁波と健康との関係は、いまだハッキリしないのが実情だ。月々数百円の管理費負担と引き換えに自分の家族が実験台になるばかりか、将来の資産価値に影響を及ぼす可能性もある。マンションの屋上を見上げて携帯基地局がないかどうか。これも大切なチェックポイントだ。
・都市生活の中で、タワーマンションの上層階に住むというのは、若い夫婦世帯にとっては一つのステイタスではある。しかし、この衝撃のデータを見たらどうだろう。「10階以上の高層階に住む緊張しやすい女性のうち63.7%が流産・早産をした経験がある」-。この驚きのデータを発表したのは、東海大学医学部公衆衛生学・逢坂文夫氏。長く「日本の家族の在り方」を探ってきた逢坂氏は、1990年代から高層マンションと出生率の関係を研究してきた。今回の衝撃のデータは、2005年に発表されたもので、建設業界を震撼させた内容だ。
・逢坂氏の研究をまとめてみると、10階以上に住む女性の4割近く(38.9%)が流産・死産の経験があり、他の階層よりもその数値の違いが明らかだ。さらに、「緊張しやすい女性」と条件を限定した場合には、10階以上に住む3人に2人(63.7%)が流産・早産の経験があるという、より衝撃的な数値になる。また、10階以上の階層に5年以上の居住となると、42.9%の女性が流産を経験することになる。こうして見ると、高ければ高いほど、長ければ長いほど、なんらなかの影響が母胎に出るということが間違いないようだ。
・タワーマンションに関しては、マスコミが報じないもう一つの事実がある。それは、欧州諸国では、高層マンションを規制しているという事実だ。
・高層住宅居住の主婦の精神的疾患が多い
・子供は呼吸器系疾患が増える。
・・・などといった公衆衛生的な配慮などから、欧州諸国では、建設の中止や禁止が進んでいるというのだ。たとえばイギリスでは1970年代から子育て世帯の低層住宅居住を自治体主導で推進している。スウェーデンでも高層住宅は子育てに向かないという価値観が浸透しているのだ。
・「タワーマンションは地震が起きても柳のごとくしなやかに揺れて、地震のエネルギーを吸収する。いわゆる柔構造になっています。これは強い風が吹いても同様です。最上階になればなるほど、ちょっとした風でも揺れるので、”船酔い”状態になる」「タワーマンションの上階付近の住人はどんどん出ていく」という話をよく聞くようになったという。「最上階になればなるほど、1億や2億円という物件で、住人の多くは経済的な成功をおさめた中高年層。日頃のストレスが、”船酔い”の自宅で、不眠症や倦怠感、めまいや自律神経失調症という形になって現れるようです。経済的な成功をおさめた中高年層なだけに見切りをつけるのも早い。賃貸や分譲に出して、すぐさま低層、高級マンションに引っ越しをしてしまうのです」
・「これまでも高層階ではぜんそくに似たぜんそく様症状を持つ児童の割合が高く、アレルギー性鼻炎に悩まされる児童の割合も高いことが明らかでしたが、基礎代謝、免疫力が著しく低下しているのです」この原因は体力の低下ではないかと、逢坂氏は見ている。「高層階に住む母子の外出回数は少ない。3歳児の外遊びの時間を調査したことがありますが、1、2階が一日平均175分だったのに対し、6,7階では163分、8階以上では133分と高層階になればなるほど短くなったのです。5階以上居住の母親の一日の外出回数が一回というのが9割を占めます。家に母親は閉じこもっているのですから子供の外遊びの時間が少なくなってしまうのです。ほかの子供とのふれあう機会が少なくなる高層階の幼児は社会性や自立の面でも大きなハンデを背負うことになる」高層住宅と母子の生活問題に取り組む東京大学大学院の織田正昭教官も「外出がおっくうになり、とじこもりがちになる高層マンションでは子供はひきこもりや不登校など社会的不適応者になる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。織田教官の研究によれば、「高層階に住めば住むほど、生活習慣行動の自立が遅い」という結果も出ている。
・固定資産税・都市計画税とは所有する不動産にかかる税金。毎年1月1日時点の現況をもとに、市町村(東京23区の場合は都税事務所)が請求する仕組みだ。税率は固定資産税1.4%、都市計画税0.3%のため、購入時にはさほど気にならないのだが、課税標準によって大きく税額が異なってくる。とくに、木造の住宅と異なり、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造といったタワーマンションでは資産価値が高くなってしまい、思わぬ金額を納税せざるをえなくなってしまうのだ。「タワーマンションに住み始めて1年後、都税事務所から固定資産税・都市計画税の納税通知書が届いたんですが、年に10万円もかかるというんです。そのうえに6年目には、なんと倍になると聞いて、驚いています・・・」「倍になる」というのは、「新築住宅の固定資産税の減額」措置により、一定の条件下で、3階建て以上の耐火・準耐火建築物は5年分(それ以外は3年分)の固定資産税が2分の1になるためだ。5年経過後はこの減額措置がなくなるために、「倍になる」のだ。(東京23区の場合はさらに土地にかかる都市計画税が一定の条件の下で2分の1になる。こちらは1年ごとの措置)
・特にマンションで注意したいのは、「売主」「設計・施工」「販売代理」の項目だ。「売主」とはマンションを実際に建設する事業主(デベロッパー)のことだ。「売主」は建設会社(ゼネコン)に「設計・施工」を依頼し、建設させる。さらに、販売業者に「販売代理」を依頼する。ここでは「売主」が重要であることは言うまでもない。ポッと出の事業主(デベロッパー)でも、「設計・施工」(ゼネコン)と「販売代理」(販売会社)に一流の名前を使えば、それらしく見せることができるため、注意が必要だ。
・住宅ローンをアドバイスするいっぽうで、住宅ローンを組んだ人々がその後、返済できずに、自己破産、自殺など悲惨な結末にいたったケースを数多く見てきたとA氏は言う。「このデフレの時期に借金するなんてバカ以外の何ものでもないですよ。資産価値は減り続けるのに、支払う住宅ローンは不変、もしくは支払い額が上がることだってある。下がり続ける価値のものに借金してまでお金を払う理由を私は聞きたい」高度成長期から続く「マイホーム神話」を引きずるサラリーマンに警告を発する。
・「住宅ローンを払えなくなったと相談に来る人たちの特徴を統計化すると、30歳ぐらいで住宅ローンを組んで、ご結婚もして10~15年の働き盛り世代ということになります」と言うのは住宅ローン問題専門に年間3000件以上の相談を行っている「任意売却119番」代表コンサルタントの富永順三氏。富永氏は数字から見える顕著な傾向を、こう指摘する。「年収が下がった人がほとんどです。ただ、相談時でも約400万円前後と、すごく底辺に落ちてしまった、という感じではない人々が多い。しかし、住宅ローンをかかえつつ、子どもの教育費などを払い始めると、あっという間に破綻を迎えるケースが多い。この約400万円前後という年収は、ひとつのボーダーラインかもしれません」そして、ローンを払い続けた年数から見える破たんの傾向がある。「ゆとりローンの破たんは、あまりにも顕著な傾向ですね。政府が景気の底上げ策として推し進めたゆとりローンは売る側も買う側もあまりに楽観的な見通しだった。そのツケが今になって出てきています」「ゆとりローン」とは、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)が98年よりはじめた住宅ローンのこと。当初の10年間は金利2%だが、11年目より金利が4%にアップする仕組みで、返済額も見直しがなされアップする。このローンは、当初の返済額が抑えられることで、多くの人がゆとりローンを選択した。各金融機関も追随して同様の住宅ローンを開発した。このゆとりローンはたしかに、当初の返済額が抑えられる。11年目の金利アップまでに、返済額アップに対応した分だけ、収入が伸びていればなんの問題もなかった。いずれ収入が伸びるものと楽観視していたところに、11年目の金利アップがやってきた。
・将来的な変動金利破たん者続出の危惧をするのはファイナンシャルプランナーのM氏。「いま、住宅ローンを組む人も、組ませる金融機関の側も、低金利時代しか知らない世代が中心になっています。このために金融機関の側も変動型のリスクを知らせないし、利用者も平気で住宅ローンは変動型を選んでしまう。でも、金利が1%アップするだけで、借入金額3000万円だと返済額は500万円増加してしまうんです。そのときに、もう払えない、という人が続出するのではないか」変動金利型は適用金利を原則として半年ごとに見直す住宅ローン。固定金利型は当初から一定期間か全期間の適用金利があらかじめ決まっている住宅ローンだ。固定金利は割高になる。というのも、固定型は長期金利の影響を受けるが、変動型は日本銀行の政策金利の影響を大きく受けるからだ。日銀の低金利政策が今後も長期化するとの見通しから、金利の低さを重視した変動型の利用者は大きく増えている。住宅金融支援機構の全国調査では、09年8月に変動型を選んだ人が全体の55%を初めて5割を突破したほどだ。
<目次>
はじめに
第1章 コワ~い新築住宅の話
実録 雨漏り 新築住宅の6割は重大な欠陥を抱えている!
実録 3階建て住宅 3階建て住宅は9割が欠陥住宅だ!
実録 コストカット ローコスト化という手抜きが横行する!
実録 ローコスト住宅 数字のマジックにだまされた!
実録 建ぺい率 憧れの30坪の土地はもう出てこない!
実録 建築条件付物件 思い通りの家が建てられない!?
実録 地盤調査 数年で壁や基礎にひびが入った!
実録 水害 地名が語る 水害、地盤沈下の過去
実録 現地調査 気がつけば南側に大規模マンションが!
実録 土地探し 夏の陽当たりにだまされた!
第2章 コワ~い中古住宅の話
実録 中古住宅 見落としやすい中古の死角とは!?
実録 検査済証 検査済証のないババ抜き物件をつかまされた!
実録 建築制限付物件 いくら老朽化しても再建築できない!
実録 害獣物件 増加する「害獣」パニック
実録 現況有姿 中古物件はだましあいだ!
実録 殺人事件 殺人事件があった家の跡地を買わされた!
ルポ 急増する電柱広告に電話をかけてみた!
第3章 コワ~い新築マンションの話
実録 会社倒産 買ったとたんにデベロッパーが倒産した!
実録 内覧会 内覧会同行チェックでは何もチェックできない!
実録 欠陥マンション 3月と8月竣工物件に欠陥・不具合が続出!
実録 地下付マンション メゾネットにゲリラ豪雨が流れ込む!
実録 無料駐車場 無料駐車場のツケをいったい誰が払うんだ?
実録 セキュリティ 最上階 もっとも泥棒にねらわれる!
実録 子どもの落下 この3年間で162人が墜落!
ルポ 破たんマンションルート・国道17号線をゆく
マンション価格で診断する「買って得した、損した」場所
第4章 コワ~い中古マンションの話
実録 既存不適格 買ったのは、”違法マンション”だった!
実録 リノベーション リフォーム・リノベーションができない!
実録 管理会社 管理会社が逃げていく!
実録 ランニングコスト 管理費・修繕積立金は物件価格の2割!
実録 修繕積立金 こんなマンションがスラム化する!
実録 暴力団 マンションにヤクザの事務所ができてしまった!
実録 コンビニ 1階のコンビニが閉店で不良のたまり場に!
実録 飛び降り自殺 共用部分は告知義務の対象外だった!
ルポ マンション屋上に立つ「携帯基地局」に気をつけろ!
マンション資産価値が上がったエリア、下がったエリア
第5章 コワ~いタワーマンションの話
実録 流産・死産率 高層階に住む女性の3分の2は流産・早産をする!
実録 マスコミタブー 欧州諸国では、高層マンションを規制している!
実録 揺れ タワーマンションの揺れがうつ状態をつくりだす!
実録 異常な低体温 タワーマンションはひきこもりの子どもをつくる!
実録 税金 高い固定資産税が払えない!
第6章 コワ~い住宅ローンの話
実録 住宅ローン離婚 サラリーマンはローンを組んではいけない
実録 ゆとりローン 返済額アップで住宅ローンが払えない!
実録 住宅ローン控除 お金持ちだけ優遇の住宅ローン
実録 変動型金利 1%のアップで返済額は500万円増加する!
実録 年収倍率 安心して住宅ローンが組める県 組めない県
実録 親子ローン 親子二代でローン地獄のワナにはまった!
実録 銀行の甘い審査 低年収の契約社員なのにローン審査が通過した!
実録 夫婦共有名義 結婚が怖くなる新時代のトラブルが!
実録 リスケ リスケジュールは1回だけ!
実録 任意売却 サラリーマンの悲鳴のような電話が殺到している!
実録 差し押さえ 一番怖いのは税金の取り立て!
実録 地方銀行 地方銀行にドーカツされた日
今後人口が伸びていくエリアはここだ!
面白かった本まとめ(2014年上半期)
<今日の独り言>
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・雨漏りなど水のトラブルが多い
・1階が駐車場の3階建て住宅は倒れやすい、燃えやすい
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・土地探しは陽当たりの悪い冬に限る
<中古住宅>
・検査済証の確認が必要
・シロアリに注意(シロアリビジネスがあるので注意)
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・3月8月竣工物件は欠陥・不具合が多い
・機械式駐車場はメンテナンスと補修にとても費用がかかる
・マンション最上階が泥棒にもっとも狙われる
<中古マンション>
・既存不適格物件に注意
・リノベーションできないマンションに注意
・屋上に携帯基地局には注意
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・高層階に住む女性の流産・早産率が高い
・欧州諸国では高層マンションを規制
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・固定資産税は6年目以降に約倍となる
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以下はこの本のポイント等です。
・一番多いのは水のトラブルなんです。屋根やバルコニーの防水が不足している、壁内の防水シートに連続性がないなどの理由で雨漏りが起きます。雨漏りで補修をしてもなかなか直らない場合、なんらかの根本的な原因があり、第三者の検査機関や建築士に検査を依頼して、本当の原因をつきとめるべきでしょう。ニーズの高い外断熱工法が正しく施工されていないための結露も多い。結露を甘く見ている方が多いですが、雨漏りのダメージは一部ですが、結露は壁一面を内側から浸食します。壁紙が浮いてきたことに住人が気付いたことには時すでに遅し。もはや、家全体がカビに汚染されているということになります
・湿った家の末路は悲惨だ。家全体にカビが回るまで、新築からたった2~3年。通常木造の壁や柱は含水率20%でカビを生じ、キノコなども生えてきますが、水分はシロアリなどの虫も呼びます。実際、含水率メーターが表示不能(35%以上)になってしまう物件もある。これは「生木」(自然に植生した状態)の含水率ですよ
・都内の建売木造3階建ては、9割が欠陥を抱えていると言っていい。3階建てとなると、建築基準法では、建物の強さを確認するための構造計算を行う必要がある。また、耐震構造が厳しく条件付けられており、すべて守っているとかなりのコスト高になります。しかし、手の届く価格にするためには、こうしたコストをできるだけ少なくしたい。可能な限り、物件を安く造るために、あらゆる裏手口が使われているんもが木造3階建てなんです。構造的に1階に最も多くの耐力壁を組み込まなければならないのですが、耐震の要である耐力壁を省略する。都内の3階建ての多くは1階部分は正面には壁がないカーポートにしている。こうした3階建ては、実に不安定な建物です。
・一戸建て住宅希望者に欲しい広さを聞くと「30坪」と口をそろえる。しかし、この30坪の土地、もはや都内ではサラリーマンの手が届く金額ではなくなっている。「何気なく、計算したんですが、1坪3.3平方mなので、30坪は99平方mなんです。99平方mとなると、23区だと土地だけで4000万円はくだらない。さらに建物で1500万円ともなったら、5500万円。もう私たちには、手が届きませんよね」このため、早く売りたい業者の手によって、より細かく区分けされて分譲されることになる。
・異常気象のせいで年々多くなっているゲリラ豪雨。国土交通省は河川、下水の氾濫を防げるように管理を進めているが、いざ、豪雨になればその雨水を前に打つ手なし、といった状態だ。やはり、氾濫が予想される窪地には住まないというのが対策の基本だ。各市区町村で発行している洪水ハザードマップをチェックすることからはじめたい。この洪水ハザードマップは万が一の水害時に地域の住民が安全に避難できることを目的に作成されるもので、想定浸水深、避難所の位置および一覧などを見ることができる。
・「まずは地名に高低を表す単語が入っていないかどうか。渋谷や四谷といったところは、”谷”となっているだけあって、豪雨のときに水が流れ込む場所がある可能性が高い」たしかに、実際に、数年前のゲリラ豪雨では渋谷の道玄坂から流れてきた大量の雨水が渋谷駅の地下街に流れ込んでいる。こうしたところはもちろん、下水処理を進めているが、地形上、避けられないリスクであることはたしかだ。「やはり危険があるのは、世田谷。世田谷は田圃の”田”に”谷”ですから、区内には水が集中する地域がいくつもあるということです。実際に池尻、三軒茶屋、用賀といった地域は08年の豪雨で浸水被害がでました」「沼」のつく地名も注意したい。「○沼」「○○沼」という地名の地域はかつて沼だったところが多い。多くの専門家が指摘するのは、こうした地域では、いくら地盤改良をしていても、やがては地盤沈下を起こすおそれが高いということだ。他にも中川といった地名なら、その昔、川が氾濫したことが地名の由来である可能性がある。自らの住むエリアの地名の由来を調べておきたいものだ。
・検査済証とは、工事完了時に建築主事や指定確認検査機関の担当者が、確認申請書通りに建築されているかどうかをチェックするもので、その完了検査ののちに発行されるのが検査済証だ。役所が確認申請書の図面通りに建物が完成したことを証明する「違反のない建築物」としての証明になるのだ。この検査済証がないと、売買の際に資産価値が大きく下がり、相場の2~3割安く買い叩かれたり、役所の許可が必要なリフォームができないなどという事態が起こり得るために注意が必要だ。
・「検査済証のための完了検査は外見が図面通りかを確認するだけで、5~10分程度で終わってしまう。基礎の鉄筋や耐力壁、さらには防火のための石膏ボードや外壁モルタルの厚さの基準が守られているかどうかは、検査どころか、目視もしていない」つまり、検査済証があるからといって、安心できないのだ。
・シロアリに関する知識がなければ、中古物件は買わない方がいい。シロアリの巣食う中古物件を買ったが最後、購入者側がいくらクレームを言っても、販売した側は「現況有姿」で逃げきろうとするはずだ。「現況有姿」とは、現在のあるがままの状態を優先して取引するという業界の慣例。契約書にもよく「現況有姿で引き渡すものとする」と書かれているからだ。「20年も経過すえばいろいろなところに不具合は出てくるもの。現況を見て契約したということは、不具合も含めて、納得して購入したということ。この慣例がなければ、不具合のすべてにかし担保責任が発生して、あそこも直せ、ここも直せで、中古物件は流通しなくなりますよ」と語るのは、匿名を条件にした不動産業者。売り主が個人の場合、中古住宅で築20年以上というような物件の取引ならば、そのかし担保責任を免除する設定が契約書につけられていることが多い。築20年までいかない場合は、引き渡しから3ヶ月程度いないに「雨漏り」「シロアリの害虫」「木部の腐食」「給排水設備の故障」に限定して、売り主側が費用負担をして修復する、というのが通例だ。
・シロアリ物件ビジネスとは、シロアリによる食害のある物件を安く買いたたき、外見だけはリフォームして、高く売抜けてしまうビジネスのことだ。「もともとは廃屋状態の物件を500万円ほどで購入し、300万円ぐらいで内外装の見える部分だけ小綺麗にリフォーム。それを2100万円で売るなんていうビジネスです。シロアリに食われた柱は交換せず、駆除業者を1回入れて防虫耐水処理をしただけです。その段階で「シロアリはいたが、駆除をした」とだけ説明すればシロアリの習性を知らない買い主は安心して契約する。かし担保の期間が過ぎたところにシロアリが再び巣食いはじめて、買い主は「だまされた!」となるけど、もう遅い」シロアリの出た中古物件はシロアリに食われた部分だけ処理しても意味がない。シロアリの巣は土の中や、回りの樹木の中にある。防虫耐水加工をしてもその効き目は最大で5年といわれ、効果がなくなったころに、再び、シロアリが巣食いはじめるのだ。「シロアリが出たような物件は、それだけ湿っちゃう環境を改善する必要があるんです。それこそ、建て替えに匹敵するようなリフォームが必要になってくる。だからわれわれ業者はシロアリが出そうな物件には手を出しませんよ。出すとしたら、シロアリもコミコミでのシロアリもコミコミでのシロアリ物件ビジネスですよ」物件探しの前にシロアリの習性を勉強する必要がありそうだ。
・業界関係者が、恐ろしさのあまり、口を堅く閉ざしているのが、「実は欠陥・不具合は3月と8月の竣工物件に偏っている」という話だ。「買い主の多い引越しシーズンにあわせた3月期完成マンションは、無理な工期設定を組むことが多い。また、多くのデベロッパーは決算期にあわせて売り上げの計上を図る。そこで、作業員が不足したり、材料や製品の納入遅れが出る。売り主側の検査員も不足しがちで、このため欠陥・不具合が続出するのです」「また、買い主の検査の場である内覧会になんとか間に合わせようと、共用部分は後回しで専有部分を優先する。そのため、入居後に共用部分の欠陥・不具合が判明することが多い」
・「実は8月竣工物件も問題を抱えています。8月は盆休みが入ることで、引き渡し直前の行政庁の検査業務も休みに入ってしまう。タイミングによっては2週間ほど遅れてしまう。8月最後の週になってしまうケースもある。建設会社はお盆を避けようと、スケジュールを前倒しする。すると、今度は「梅雨による工期の圧迫」という問題が生じるのです」つまり、7月の梅雨で作業は滞りがち、8月は遅れを取り戻そうと突貫工事を行う。その間に挟まれた現場がとにかく急がされるという悪循環から、結果として手抜き、チェックミスという「悪意のショートカット」が多発する危険性を秘めているのだ。
・「実は、機械式駐車場はメンテナンスと補修にとても費用がかかる。また、15年から20年で機械を入れ替える必要があるのですが、この費用が、1台あたり100万円前後の改修資金がかかります。こうしたコストは本来なら受益者負担として機械式駐車場利用者に負担してもらうべきなのですが、「機械式駐車場は無料にして、マンションを完売させたい」という販売会社の思惑があって負担を決めなかった。それだけでなく、ローンの負担を減らせるように外部への駐車場貸し出しもOKとしているのです」Hさんのマンションの場合、修繕積立金は数年後の外壁改修に向けて貯めているものだが、さらに、機械式駐車場のメンテナンスのための修繕積立金も必要になると、Hさんのマンションの管理組合は判断。修繕積立金の値上げに踏み切ったのだ。このケースでは、チェックすべき管理会社も販売会社の子会社だったために、いわば見て見ぬふりをしていたことが背景にある。
・ディンプルキーのある住戸の場合には、住戸の玄関ではなく施錠率が低いバルコニー側から泥棒は侵入するのだという。また、マンション最上階がもっとも安心だと思っている人も注意が必要だ。警察庁が行った統計では、マンションの場合、「最上階住戸」が侵入盗犯にもっともねらわれる物件だということだ。通常3階建て以下の低層マンションでの侵入盗は1階の「窓破り」が多いが、それ以上の高層になると最上階が狙われる。「屋上は共用部分で、カギがかかっていますが、最近の泥棒はこの程度のカギは簡単にピッキングができる。屋上の外周に近い部分には「丸環」という輪っか「リング」がついています。本来、この「丸環」はロープをつけて重い荷物を引き上げるために使うものですが、泥棒はこれを屋上から下に降りる際の道具に使うのです。」これを使えば、屋上からバルコニー経由で簡単に最上階に入り込める。最上階だt「泥棒が入ってこない」と無防備で、夏場など窓を開けたまま外出することも多く施錠率が低くなる。また屋上からの侵入が困難でも、最上階ともなれば、付近の建物からの見通しも悪い。人の通行も少ないといった事情から時間をかけて、ピッキングして、堂々と玄関から侵入することも可能だ。金目のものがありそうな最上階は泥棒にとっては有利な状況が用意されているのだ。
・実物だけを見ていてもわからない中古マンションの恐るべき注意点がある。それが「既存不適格」だ。「既存不適格」物件とは、建築当時は適法だったものの、法改正や新法成立、条例変更などによって、現在は”違法マンション”になってしまった物件のことだ。不動産業界の推定によれば、こうした”違法マンション”は全国のマンションストック500万戸のうちの5分の1の100万戸に及ぶとみられている。「たとえば、1981年の新耐震基準が定められる以前の、旧基準で建てられた建築物はほとんどが「既存不適格建物」です。これは耐震補強をすれば、なんとかなるが、問題は日影規制が導入される76年より前に建てられたマンションや、立地するエリアの用途地域の種類が変更になった場合です」日影規制とは、周辺の建物の日照時間確保するための規制で、大規模なマンションは制限される。またエリアが厳しい制限のある用途地域に変更になった場合は、高さや容積率が制限されて、それまでの規模では建てることができない。つまり既存不適格で問題になるのは、現状でのマンションの生活にはなんの支障もないが、現状と同じ大きさや広さには建て替えができないことだ。建て替えるとしたら、マンションの規模が縮小してしまう。現在は8階建て63戸ですが、このうちの半分の戸数しか確保できない。
・リノベーションに向いた中古マンションと、リフォームしかできない中古マンションの2種類があるという。「マンションには柱・梁構造と、壁式構造の2種類があります。柱・梁構造で二重床・二重天井だと、PS(パイプスペース)以外は大きく間取りを変えるリノベーション向きです。一方で、壁式構造だと、主要な壁を抜くことができないので、間取りを変えることができないリフォーム向きなのです」専門家が見れば、竣工図と目視チェックで判断が可能だという。
・電磁波と健康との関係は、いまだハッキリしないのが実情だ。月々数百円の管理費負担と引き換えに自分の家族が実験台になるばかりか、将来の資産価値に影響を及ぼす可能性もある。マンションの屋上を見上げて携帯基地局がないかどうか。これも大切なチェックポイントだ。
・都市生活の中で、タワーマンションの上層階に住むというのは、若い夫婦世帯にとっては一つのステイタスではある。しかし、この衝撃のデータを見たらどうだろう。「10階以上の高層階に住む緊張しやすい女性のうち63.7%が流産・早産をした経験がある」-。この驚きのデータを発表したのは、東海大学医学部公衆衛生学・逢坂文夫氏。長く「日本の家族の在り方」を探ってきた逢坂氏は、1990年代から高層マンションと出生率の関係を研究してきた。今回の衝撃のデータは、2005年に発表されたもので、建設業界を震撼させた内容だ。
・逢坂氏の研究をまとめてみると、10階以上に住む女性の4割近く(38.9%)が流産・死産の経験があり、他の階層よりもその数値の違いが明らかだ。さらに、「緊張しやすい女性」と条件を限定した場合には、10階以上に住む3人に2人(63.7%)が流産・早産の経験があるという、より衝撃的な数値になる。また、10階以上の階層に5年以上の居住となると、42.9%の女性が流産を経験することになる。こうして見ると、高ければ高いほど、長ければ長いほど、なんらなかの影響が母胎に出るということが間違いないようだ。
・タワーマンションに関しては、マスコミが報じないもう一つの事実がある。それは、欧州諸国では、高層マンションを規制しているという事実だ。
・高層住宅居住の主婦の精神的疾患が多い
・子供は呼吸器系疾患が増える。
・・・などといった公衆衛生的な配慮などから、欧州諸国では、建設の中止や禁止が進んでいるというのだ。たとえばイギリスでは1970年代から子育て世帯の低層住宅居住を自治体主導で推進している。スウェーデンでも高層住宅は子育てに向かないという価値観が浸透しているのだ。
・「タワーマンションは地震が起きても柳のごとくしなやかに揺れて、地震のエネルギーを吸収する。いわゆる柔構造になっています。これは強い風が吹いても同様です。最上階になればなるほど、ちょっとした風でも揺れるので、”船酔い”状態になる」「タワーマンションの上階付近の住人はどんどん出ていく」という話をよく聞くようになったという。「最上階になればなるほど、1億や2億円という物件で、住人の多くは経済的な成功をおさめた中高年層。日頃のストレスが、”船酔い”の自宅で、不眠症や倦怠感、めまいや自律神経失調症という形になって現れるようです。経済的な成功をおさめた中高年層なだけに見切りをつけるのも早い。賃貸や分譲に出して、すぐさま低層、高級マンションに引っ越しをしてしまうのです」
・「これまでも高層階ではぜんそくに似たぜんそく様症状を持つ児童の割合が高く、アレルギー性鼻炎に悩まされる児童の割合も高いことが明らかでしたが、基礎代謝、免疫力が著しく低下しているのです」この原因は体力の低下ではないかと、逢坂氏は見ている。「高層階に住む母子の外出回数は少ない。3歳児の外遊びの時間を調査したことがありますが、1、2階が一日平均175分だったのに対し、6,7階では163分、8階以上では133分と高層階になればなるほど短くなったのです。5階以上居住の母親の一日の外出回数が一回というのが9割を占めます。家に母親は閉じこもっているのですから子供の外遊びの時間が少なくなってしまうのです。ほかの子供とのふれあう機会が少なくなる高層階の幼児は社会性や自立の面でも大きなハンデを背負うことになる」高層住宅と母子の生活問題に取り組む東京大学大学院の織田正昭教官も「外出がおっくうになり、とじこもりがちになる高層マンションでは子供はひきこもりや不登校など社会的不適応者になる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。織田教官の研究によれば、「高層階に住めば住むほど、生活習慣行動の自立が遅い」という結果も出ている。
・固定資産税・都市計画税とは所有する不動産にかかる税金。毎年1月1日時点の現況をもとに、市町村(東京23区の場合は都税事務所)が請求する仕組みだ。税率は固定資産税1.4%、都市計画税0.3%のため、購入時にはさほど気にならないのだが、課税標準によって大きく税額が異なってくる。とくに、木造の住宅と異なり、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造といったタワーマンションでは資産価値が高くなってしまい、思わぬ金額を納税せざるをえなくなってしまうのだ。「タワーマンションに住み始めて1年後、都税事務所から固定資産税・都市計画税の納税通知書が届いたんですが、年に10万円もかかるというんです。そのうえに6年目には、なんと倍になると聞いて、驚いています・・・」「倍になる」というのは、「新築住宅の固定資産税の減額」措置により、一定の条件下で、3階建て以上の耐火・準耐火建築物は5年分(それ以外は3年分)の固定資産税が2分の1になるためだ。5年経過後はこの減額措置がなくなるために、「倍になる」のだ。(東京23区の場合はさらに土地にかかる都市計画税が一定の条件の下で2分の1になる。こちらは1年ごとの措置)
・特にマンションで注意したいのは、「売主」「設計・施工」「販売代理」の項目だ。「売主」とはマンションを実際に建設する事業主(デベロッパー)のことだ。「売主」は建設会社(ゼネコン)に「設計・施工」を依頼し、建設させる。さらに、販売業者に「販売代理」を依頼する。ここでは「売主」が重要であることは言うまでもない。ポッと出の事業主(デベロッパー)でも、「設計・施工」(ゼネコン)と「販売代理」(販売会社)に一流の名前を使えば、それらしく見せることができるため、注意が必要だ。
・住宅ローンをアドバイスするいっぽうで、住宅ローンを組んだ人々がその後、返済できずに、自己破産、自殺など悲惨な結末にいたったケースを数多く見てきたとA氏は言う。「このデフレの時期に借金するなんてバカ以外の何ものでもないですよ。資産価値は減り続けるのに、支払う住宅ローンは不変、もしくは支払い額が上がることだってある。下がり続ける価値のものに借金してまでお金を払う理由を私は聞きたい」高度成長期から続く「マイホーム神話」を引きずるサラリーマンに警告を発する。
・「住宅ローンを払えなくなったと相談に来る人たちの特徴を統計化すると、30歳ぐらいで住宅ローンを組んで、ご結婚もして10~15年の働き盛り世代ということになります」と言うのは住宅ローン問題専門に年間3000件以上の相談を行っている「任意売却119番」代表コンサルタントの富永順三氏。富永氏は数字から見える顕著な傾向を、こう指摘する。「年収が下がった人がほとんどです。ただ、相談時でも約400万円前後と、すごく底辺に落ちてしまった、という感じではない人々が多い。しかし、住宅ローンをかかえつつ、子どもの教育費などを払い始めると、あっという間に破綻を迎えるケースが多い。この約400万円前後という年収は、ひとつのボーダーラインかもしれません」そして、ローンを払い続けた年数から見える破たんの傾向がある。「ゆとりローンの破たんは、あまりにも顕著な傾向ですね。政府が景気の底上げ策として推し進めたゆとりローンは売る側も買う側もあまりに楽観的な見通しだった。そのツケが今になって出てきています」「ゆとりローン」とは、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)が98年よりはじめた住宅ローンのこと。当初の10年間は金利2%だが、11年目より金利が4%にアップする仕組みで、返済額も見直しがなされアップする。このローンは、当初の返済額が抑えられることで、多くの人がゆとりローンを選択した。各金融機関も追随して同様の住宅ローンを開発した。このゆとりローンはたしかに、当初の返済額が抑えられる。11年目の金利アップまでに、返済額アップに対応した分だけ、収入が伸びていればなんの問題もなかった。いずれ収入が伸びるものと楽観視していたところに、11年目の金利アップがやってきた。
・将来的な変動金利破たん者続出の危惧をするのはファイナンシャルプランナーのM氏。「いま、住宅ローンを組む人も、組ませる金融機関の側も、低金利時代しか知らない世代が中心になっています。このために金融機関の側も変動型のリスクを知らせないし、利用者も平気で住宅ローンは変動型を選んでしまう。でも、金利が1%アップするだけで、借入金額3000万円だと返済額は500万円増加してしまうんです。そのときに、もう払えない、という人が続出するのではないか」変動金利型は適用金利を原則として半年ごとに見直す住宅ローン。固定金利型は当初から一定期間か全期間の適用金利があらかじめ決まっている住宅ローンだ。固定金利は割高になる。というのも、固定型は長期金利の影響を受けるが、変動型は日本銀行の政策金利の影響を大きく受けるからだ。日銀の低金利政策が今後も長期化するとの見通しから、金利の低さを重視した変動型の利用者は大きく増えている。住宅金融支援機構の全国調査では、09年8月に変動型を選んだ人が全体の55%を初めて5割を突破したほどだ。
<目次>
はじめに
第1章 コワ~い新築住宅の話
実録 雨漏り 新築住宅の6割は重大な欠陥を抱えている!
実録 3階建て住宅 3階建て住宅は9割が欠陥住宅だ!
実録 コストカット ローコスト化という手抜きが横行する!
実録 ローコスト住宅 数字のマジックにだまされた!
実録 建ぺい率 憧れの30坪の土地はもう出てこない!
実録 建築条件付物件 思い通りの家が建てられない!?
実録 地盤調査 数年で壁や基礎にひびが入った!
実録 水害 地名が語る 水害、地盤沈下の過去
実録 現地調査 気がつけば南側に大規模マンションが!
実録 土地探し 夏の陽当たりにだまされた!
第2章 コワ~い中古住宅の話
実録 中古住宅 見落としやすい中古の死角とは!?
実録 検査済証 検査済証のないババ抜き物件をつかまされた!
実録 建築制限付物件 いくら老朽化しても再建築できない!
実録 害獣物件 増加する「害獣」パニック
実録 現況有姿 中古物件はだましあいだ!
実録 殺人事件 殺人事件があった家の跡地を買わされた!
ルポ 急増する電柱広告に電話をかけてみた!
第3章 コワ~い新築マンションの話
実録 会社倒産 買ったとたんにデベロッパーが倒産した!
実録 内覧会 内覧会同行チェックでは何もチェックできない!
実録 欠陥マンション 3月と8月竣工物件に欠陥・不具合が続出!
実録 地下付マンション メゾネットにゲリラ豪雨が流れ込む!
実録 無料駐車場 無料駐車場のツケをいったい誰が払うんだ?
実録 セキュリティ 最上階 もっとも泥棒にねらわれる!
実録 子どもの落下 この3年間で162人が墜落!
ルポ 破たんマンションルート・国道17号線をゆく
マンション価格で診断する「買って得した、損した」場所
第4章 コワ~い中古マンションの話
実録 既存不適格 買ったのは、”違法マンション”だった!
実録 リノベーション リフォーム・リノベーションができない!
実録 管理会社 管理会社が逃げていく!
実録 ランニングコスト 管理費・修繕積立金は物件価格の2割!
実録 修繕積立金 こんなマンションがスラム化する!
実録 暴力団 マンションにヤクザの事務所ができてしまった!
実録 コンビニ 1階のコンビニが閉店で不良のたまり場に!
実録 飛び降り自殺 共用部分は告知義務の対象外だった!
ルポ マンション屋上に立つ「携帯基地局」に気をつけろ!
マンション資産価値が上がったエリア、下がったエリア
第5章 コワ~いタワーマンションの話
実録 流産・死産率 高層階に住む女性の3分の2は流産・早産をする!
実録 マスコミタブー 欧州諸国では、高層マンションを規制している!
実録 揺れ タワーマンションの揺れがうつ状態をつくりだす!
実録 異常な低体温 タワーマンションはひきこもりの子どもをつくる!
実録 税金 高い固定資産税が払えない!
第6章 コワ~い住宅ローンの話
実録 住宅ローン離婚 サラリーマンはローンを組んではいけない
実録 ゆとりローン 返済額アップで住宅ローンが払えない!
実録 住宅ローン控除 お金持ちだけ優遇の住宅ローン
実録 変動型金利 1%のアップで返済額は500万円増加する!
実録 年収倍率 安心して住宅ローンが組める県 組めない県
実録 親子ローン 親子二代でローン地獄のワナにはまった!
実録 銀行の甘い審査 低年収の契約社員なのにローン審査が通過した!
実録 夫婦共有名義 結婚が怖くなる新時代のトラブルが!
実録 リスケ リスケジュールは1回だけ!
実録 任意売却 サラリーマンの悲鳴のような電話が殺到している!
実録 差し押さえ 一番怖いのは税金の取り立て!
実録 地方銀行 地方銀行にドーカツされた日
今後人口が伸びていくエリアはここだ!
面白かった本まとめ(2014年上半期)
<今日の独り言>
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