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「医者のかかり方完全マニュアル」という本は、これまで2万2千件以上の患者や多くの医者の相談に乗ってきた著者が、患者の医者とのコミュニケーションのすれ違いを経験したことから、医者とのコミュニケーションのコツをまとめたものです。
つまり、本書は患者が医者にかかるときに心得ておきたいマニュアル集となります。
具体的には以下の内容となります。
・医者とのコミュニケーションについて
・自分に合った病院の選び方
・病院に行く前に必ずしておきたいこと
・病院に着いたら必ずしたい医者をその気にさせる7つのスイッチ
・こんなトークをするお医者から嫌われる
・患者としてのOK?NG?
・今後の医療について
どれも基本的なことかもしれませんが、より良い医療を受けるための医者とのコミュニケーションや病院の選び方、準備など分かりやすく書かれていて、「医者のかかり方完全マニュアル」という本は、とてもオススメです!
以下はこの本のポイント等です。
・医療の場合は、コミュニケーション力の有無が、命にかかわる場合さえあります。これだけ多くの疾患があり、治療方法にもたくさんの洗濯しがある中で、ちょっとしたコミュニケーションのすれ違いが、治療方針の間違いを生み、取り返しのつかないことにつながる場合もあるのです。
・大切な場面では、相手の目を見て話すこと。知ったかぶりや「わかったふり」をできるだけしないこと。これら基本的なことが、医療現場のコミュニケーションではとても大事になります。医者に対して素直な確認や質問をためらわずにできるココロの準備ができていることも大切です。
・患者には「あなたは健康ですよ」と医者に保証されたい」という願望があります。しかし医者からすると、いくらその人が健康そうに見えても、「異常なし」とは言えますが、「あなたは健康」とは言えないものなのです。医者は病気を見つけるプロであり、健康を見つけるプロではないからです。どんなに元気に見える人にでも、何かしら異常を見つける目を持って接する・・・それが医者としての立場なのです。逆に、不安を抱えて来院する患者の身としては、ひとこと「大丈夫、健康ですよ」と安心させてもらいたいものです。一方は病気を見つけようとし、一方は健康を求めようとする・・・ここにまず”第一の溝”があります。
・またもう一つ、何かしらの不調を抱える患者の願望としては、「自分の抱える心身の不調に、納得のいく”特別な”理由を与えてもらいたい」という欲求があります。一方、医者にとっては、診察は日常の”業務”であう。そうである以上、「大きな間違いはせずに、早く診察をこなしたい」という考えと、薬を処方するには疾患名が必要ですから「無難に治療方針を決めたい」という欲求があります。そこで医者は、長めの詳しい説明で患者に納得してもらうよりも、迅速に無難な説明をしたくなりrます。ここに”第二の溝”があります。
・診断を急いでいると、医者もしゃべり方がぶっきらぼうになったり、駆け足の説明になってしまうものです。すると、患者側には「私はしかり診てもらっているのだろうか?」という疑念が生じます。そうして医者の態度に不満を感じたり、不信感を抱いたりします。両者の溝はだんだんと深まってしまうのです。不満があるゆえに、患者はつい医者を追い詰めるような口調になってしまうことがあります。すると、医者のほうもクレームとして受け止め、治療方針そのものまで消極的になってしまうことがあります。あるいは「上から目線」になって「患者に口を一切挟ませない」という態度をつくってしまうことも・・・。このようにお互いに溝のある状況では、「病気になった原因や理由」まで顧みられる余裕がなくなってしまいます。本当はそれこそが大事な問題であるにもかかわらず、両者とも「責任をとることを避ける」ような態度になってしまうのです。医者は「あなたの問題だから」、患者は「医者でしょ。ちゃんと治してよ」と・・・。このように、”患者と医者との溝”は、あなたを本当に健康にすることから、どんどん遠ざけてしまいます。病気を治すことよりも、お互いが責任回避に力を注いでしまう状況こそ、回避したいものです。そこでまず、患者であるあなたが、医者の立場に少し思いを馳せてみてほしいのです。相手の立場に立つことは、回り回ってあなたのためになるはずですから。
・私の知人に、パイロットに転職した、元・医者がいます。パイロットという職業は、「長時間フライトをしたら、そのあと必ず48時間休まなければならない」という職務規定があります。集中力のいる業務であり、何百人という単位の命を預かる仕事ですから当然かもしれません。しかし考えてみると、日本の医者はパイロットと同じくらい、もしくはそれ以上の「業務量」です。なのに、なかなか休みをとることが許されません。連続で何日間も働かされている状況を、ある知り合いの医者は、言葉は悪いですが「奴隷制度」と評していました。どんなにタフな精神力を持った人でも、十分な休息がとれないと、心身ともに疲れるものです。ピリピリした医療の現場で、休みもとれず、精神的にギリギリまで追い込まれているところに、患者からの無理な要望やクレームが相次ぐ・・・。少しもココロが休まらない”極限状況”にいる医者に、積極的な”ヤル気”を期待することは、ある意味、とても酷なことかもしれません。
・医者は対話のプロとしては教育されていないのです。医学部教育6年間の中では、もっぱら病理学、解剖学、生理学が優先され、カウンセリングや心理相談の訓練があるわけではないのです。どんな医者も高度なコミュニケーション能力を持っていると考えるのは、過度な期待なのです。なお、初診では、診察に10分以上かけていることも頻繁です。ただ、再診になると必要なやりとりも減ってきて、診察は短くなるのです。大きな病院になると、外来を担当する医師には最低限診なければならない患者数があって、1日に80人~100人という場合もあります。実質3分間でないと全員を診きれないのが実情なのです。私が患者や医者から見聞きした経験で考えますと、9割以上の診療では、診療時間が長かろうと短かろうと、必要なやりとりは行われています。私が思うのは、結果として医者がやるべきことをしてくれたのであれば、3分でも1分でも問題はありません。診療時間の長いか短いかよりも、どんな診察、治療をしたのかという中身こそ大事だということです。
・私がおすすめしたいのは、その病院に「専門医がいるかどうかを確認する」こと。特にがんの場合、がんの進行度を判定する「病理専門医」や抗がん剤投与の専門的教育を受けた「抗がん剤専門医」がいるかどうかは、一つのじゅうような「ものさし」になります。というのも、がんは思ったほど、精微に機械的に診断と治療が行われているわけではないからです。がんは一人一人非常に個性的な病気ですから、診断も、治療法もマニュアル通りではなく、患者の体質や個性をよく見極めてくれる専門医と出会えるのなら、それに越したことはありません。
・「地域医療支援病院」が核となって、地域内の病院がうまく連携し合うことを「病診連携」と呼びます。町の医院やクリニックでは手に負えないとき、ふさわしい医療が受けられるところに、患者を紹介するという仕組みです。一方で、より高度な医療を受けて、病状のよくなった患者は、再び町の医院やクリニックで治療を続けることができるという効率のよい仕組みも兼ね備えています。したがって、適切な医療機関に紹介状を書いてくれる「ご近所のかかりつけ医」を見つけておくことが重要になってくるのです。
・2007年から「医療機能情報提供制度」というものが導入されました。厚生労働省により、病院や診療所、助産所、薬局などに対し、情報の提出を義務付けるという制度です。これによりほぼすべての都道府県で医療機能情報を提供するホームページが運営されています。また民間企業のサービスにも「病院らしんばん」のような優れた情報提供サービスもあります。今は、さまざまな条件から医療機関を検索して詳しい情報を得られるようになっていまs。これらは、病院選びの際の強力な「助っ人」になるはずです。そして、病院の公式サイトを見れば、住所やアクセス、診療時間といった基本的なことから、医者の経歴、スタッフや院内の様子、治療方針まで掲載されていまs。通院前にはぜひチェックしましょう。逆に言えば、公式サイトの内容が乏しかったり、わかりにくい内容が多い場合は、実際に訪れても、「十分な配慮」という点で「?」がつくかもしれないということです。とはいえ、クチコミ情報と同様、書籍やインターネットの量情報も「他人」というフィルターを通した「二次情報」です。あくまで判断材料の一つでしかありません。最終判断にはあなたの目で確かめた「一次情報」を大切にしてください。
・病気の中には、何科に行けばよいのか迷うものがあります。「頭と胃が痛い」など症状が2つ以上あることもあるでしょう。その場合、大きな病院なら、まず総合案内で聞きましょう。大人の場合は「内科」、子供の場合は「小児科」をいったん受診して、そこで判断してもらうのが普通ですが、女性特有のデリケートな症状なら、最初に「婦人科」に行くのが安心でしょう。最近は「総合診療科(部)」という看板を掲げる医療機関も増えました。総合医が幅広い視野から、患者を全体的に診ることを専門としています。複数の科に通院しながらも効果が表れなかったり、不満がある場合は「総合診療科」のある病院を探してかかるとよいでしょう。
・大学病院というのは、細分化された専門医が集まるところです。メリットは、専門性が高く、最先端の治療を受けたいときに適していることです。しかし、デメリットもあります。大学病院の医者は、論文執筆や研究も並行して行うため、「一般の病院の医者よりも臨床経験の少ない医者が多い」という現実があります。また、大学病院は「診療・研究・教育」という3つが目的であるため、学生のための「実習の見本」になったり、さらには患者自身が研究対象となることもありえます。そのため検査の数も多くなります。そして、「病気を治す」ということが最優先されますので、患者の癒しやココロのケア、高齢者のリハビリテーションといった部門が後回しにされることもあります。
・近年、特定の症状に詳しい医者が最新治療を行う「専門外来」を設置する医療機関が増えています。「更年期外来」「物忘れ外来」「禁煙外来」「肥満外来」「スポーツ外来」などの看板を街で見かけたことはないでしょうか。ココロに留めておかないといけないのは、こっらは法律で規定されているものではなく、各医療機関がそれぞれ独自に命名して運営しているものだということです。しかし症状の名前が外来の名前となっているという点で、どの診療科に行けばわからない場合の目安にするにはよいものです。また担当医はその領域を専門としていることが多いので、最新の治療法に通じているというメリットもあります。
・地域の病院の夜間緊急時の連絡先をあらかじめ調べておくことは大切です。市区町村や、市区町村の医師会のホームぺージなどに、休日当番医や夜間救急医療センターなどの情報が掲載されています。それでも受診先が見つからない場合は、救急車を呼ぶことです。
・まず知っておいていただきたいのは、医学の世界では「医者と歯医者は別の職業」くらいに分類されているということです。患者からすれば、医者の中の耳鼻科や眼科の延長に歯科があると思われているかもしれませんが、医者と歯医者の違いは、大学の学部に始まります。医学部と歯学部では学んできた分野も内容もかなり異なります。また歯科の現場では、保険の利かない自由診療との組み合わせもより多く生じるため、同じようなキャリアの歯科医同士でも、治療に対する考え方で、その技量に大きな差が生まれることが多いのです。「どの歯科にかかるか」「どの歯科医をかかりつけ医にするか」というのは、特に事前によく調べておく必要があります。
・病院に行く前の持ち物と準備
・緊急に病院へ行く場合は、なるべく事前に連絡をすること
・初診に適した時間帯は、「なるべく早い時間帯」
・病院の予約時間は守ること!遅れる場合は連絡をする
・診療時、患者としてのデータは隠さずに提供したほうがよい
・飲んでいる薬など「ちりょうに関係するもの」や誤飲したものなど「診断に影響するもの」は「現物」があれば、医者に見てもらうのがベスト
・病気を回復させていく過程では、医者を「いい意味」であなたの人生に巻き込みましょう。「病気を治さなければいけない理由」や「病気が治った後にやりたいこと」を、医者に何度も伝えるのです。何度も伝えるうち、自分でもその気がどんどん湧いてきます。回復の過程とゴール以後の人生のイメージを医者が共有してくれることは、強いココロの支えとなります。なにより医者が備えている「医者としての本気」にスイッチが入ります。
・実際に医療現場でそのような質問を受けることはないでしょうが、意外なことに「病気が治ってからやりたいことは何ですか?」と聞かれたときに、ハッキリと答えられる人は少ないものです。しかし患者の姿勢として、これはとても大事な心構えで、治療効果を左右するとさえ、私は考えています。私のカウンセリングでも、「病気が治った後にしたいことは?」という質問に「病気が治ってから考えます」と答える人がいます。しかしこれは、自分でも気づかないうちに生じる「病気を治したくない深層心理」の現れ、と私はとらえることがあります。これは非常に心理的で複雑なココロの仕組みなので、それがいいとか悪いとか、早計に判断はできないのですが、「病気が治るためのココロの奥深いところでの準備」ができているかどうかというのは、患者のふとした言動に表れるものなのです。「あなたにとっての幸せとは?」と尋ねられたときに「病気が治ること」を挙げる患者も同様です。「病気である状態」が自分自身の「アイデンティティ」の一部になっている可能性させあります。このような場合は、医者が最大限手を尽くしても、患者本人のヤル気スイッチが入っていない状態自体が最大のブレーキになりかねません。
・医者を”その気”にさせるスイッチとは?
・できるだけ大きな声で、あいさつすること
・感謝の気持ちを、しっかり言葉で伝えること
・大事なときは、医者の目を見たり、視線を交わす
・積極的にメモをとろうとする姿勢を見せる
・病院のスタッフへの丁寧な態度や、気遣いを忘れない
・「病気を治さなければいけない物語」を語る
・行きつけの病院・かかりつけ医者をつくっておく
・こんな話し方では、病気は治らない!医者に嫌われる10のトーク
①「悲観型」トーク
②「付け足し」トーク
③「主症状以外の」トーク
④「だらだら」トーク
⑤「詰問」トーク
⑥「警戒心丸だし」トーク
⑦「不信感抱き」トーク
⑧「症状決めつけ」トーク
⑨「知識振りかざし」トーク
⑩「先生に丸投げ」トーク
・治療費については、勇気を出してぜひ聞いてみてください。逆に言うと「治療費のことさえ聞きづらい先生」とは長い付き合いは難しいかもしれません。特に、生活習慣病のような治療の場合は、長期間の通院も予想されますから。「治療費を聞けるかどうか」という基準は、あなたにとって「その医者との信頼関係」のバロメーターでさえあるのです。さらに言えば、治療費について患者がしっかり把握すること(医療コストの意識)と、そえを医療機関に求めることは、今後の医療を考える上で、極めて大事な習慣となります。そのような医療習慣を根付かせていくためにも、「治療費を確認すること」は、むしろ必要なことです。ただ、治療方針によっては、治療費そのものの変動があることは承知しておきましょう。
・セカンド・オピニオンとは、「2番目の意見」という意味です。現在診てもらっている医者以外に、診断や治療法についての意見を求めることです。軽い病気ならともかく、重い病気であったり、治療の選択肢が複数あるようなばあいは、「一人の医者だけではなく、ほかの医者の意見も聞いてみたい」という気持ちが湧いても当然でしょう。その結果、医者を変えることになってもよいならば、セカンド・オピニオンをとる価値があります。中でもセカンド・オピニオンをとるケースが多いのは、がん治療です。がんの進行具合や部位によっては、ごく標準的な治療をするにしても、切除、放射線、抗がん剤という3大療法があります。その組み合わせだけでもさまざまあり、どのような治療プランがあるのかで、多くの「プロ」の意見を求めたくなるのも無理はないでしょう。また、治療の前に、成功率や副作用、想定されるリスクなど、あらゆることをできるだけ知っておきたいものです。たとえ同じ治療をするにしても、「より丁寧に説明してくれる医者にかかりたい」というのが本当でしょう。セカンド・オピニオンというシステムは、日本ではまだ一般的ではありません。「担当医に失礼なのでは?」「プライドを傷つけてしまうのでは?」と気遣う人もいるでしょうが、医者は患者がセカンド・オピニオンをとることも、その結果よそへ移ることも「織り込み済み」です。医者に気兼ねせずに、セカンド・オピニオンという患者の大事な「権利」を意識してほしいと思います。もちろん、セカンド・オピニオンにも注意すべき点はあります。まず、誰にセカンド・オピニオンをもらうかという問題です。現主治医から紹介された医者の場合、同じ系列の病院や、同じ学会に所属する医者であることが多いです。そうなると、同じ治療をすすめられる可能性がとても高く、結局は同じ診断、同じ治療法になってしまいます。こうした関係に束縛されない医者を自分で探してセカンド・オピニオンをとることが、意味のあるセカンド・オピニオンと言えるでしょう。
・そこでも治療を続けるか、別に転院するかの目安は3カ月と考えましょう。治療を始めて3カ月経っても改善が見られなかったり悪化しているような場合は、治療法を変えてもらったり医者を選び直してもよいかもしれません。もしかすると、治療がうまくいっていないことを、当の担当医が一番悩んでいるかもしれませんから。そういう場合は、患者側から転院を切り出されてホッとする医者もいるでしょう。高度医療でもない限り、医者からは「うちでは成果が出ないので、ほかへ行ってください」とは絶対に言えないのです。医療は相性でもありますから、ある患者とある医者ではどうしても結果が出ないケースというのはあるのです。
良かった本まとめ(2015年上半期)
<今日の独り言>
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