「厳選日本酒手帖 日本酒を識る」の購入はコチラ
「厳選日本酒手帖 日本酒を識る」という本は、日本を7つのエリアに分けて、地域別に酒蔵や123もの日本酒をカラーで紹介しているだけでなく、以下のコラムもあって充実していて、日本酒について楽しく学べる本です♪
・杉がおいしく醸す
・純米酒を1升造るのに必要な玄米と田んぼの面積は?
・米で味が変わる
・自然派の日本酒
・COOLで楽しむ酒器
・「十四代」で考える酒の価格
・HOTで楽しむ酒器
・酒は純米、澗ならなおよし
・バラエティに富む日本酒
・スパークリングsake
・日本酒に残る日本のモノサシ
・樽酒の醍醐味は、静かさとのどかさ
・復活する原生種の酒米・強力
・純米酒の梅酒
・SAKEおつまみ
・ジャケ買いコレクション
・エイジングを味わう
・もしも、お酒が残ったら
・日本酒の保管について
・IWC世界チャンピオンの酒
特に原材料が米と米麹だけの純米酒等の全国の美味しいお酒を楽しみたいと思いましたね。
また、スパークリングsakeやIWCで受賞しているお酒にも興味を持ちました^_^)
飲んでみたいです!
(ただ、酒に弱く、ほとんど飲めないのが残念です^_^;))
そのほか、1升の純米酒を造るのに2畳分の田んぼが必要なこと、日本酒用の4大米、日本酒にアルコールが添加されたのは第二次世界大戦中にマイナス20度でも凍らないことが必要だった、お澗をおいしくつける方法、日本酒の種類は11種類あることには興味を持ちましたね。
「厳選日本酒手帖 日本酒を識る」という本は、特に純米酒について楽しく理解を深めることができて、とてもオススメです!!
以下はこの本のポイント等です。
・日本酒の種類は多すぎる。困っちゃうニホンシュがありすぎる。酒売り場では玉石混交で並ぶので誤解を招きやすい。純米酒の原材料は「米・米麹」とシンプル。合成清酒になると「醸造アルコール、米、米麹、糖類、調味料(アミノ酸)、酸味料」と複雑。中には、醸造アルコールに酒粕を加えた(米・米麹を使っていない!?)トンデモ合成清酒まである。安さを追求した酒と、丁寧に時間をかけて醸された米だけの酒は、まるで違う飲み物。選ぶ時は「米・米麹」=コメ・コメコージと覚えてほしい。
・本来の日本酒は米だけの酒。それが、流通している8割もの酒にアルコールが加えられている。添加されるアルコールは「醸造アルコール」で、一見、醸造酒んほような名前だが、蒸留酒である。醸造酒に蒸留酒が入っているわけだ。アメリカでは醸造アルコールを添加した日本酒はリキュール扱いになるため税額が上がる。そのためアメリカへ輸出される日本酒はほとんどが純米酒なのだ。純米酒の仲間は大きくわけて種類が3つ。50%以上米を磨いて醸す最高クラスの純米大吟醸、40%以上磨く純米吟醸、そして純米酒。どれも米・米麹と水が原料であり、使用する米は、等級検査を受けたものだけという決まりがある。
・酒の心臓部をつくる麹。自動製麹機があう現代に、おいしさを追求する蔵がこだわって使っているのが「麹蓋」と、それより大きな「箱麹」という杉の木箱。最上の麹を目指す蔵はこれこそが命と絶対譲らない。上質な麹造りに欠かせない「麹蓋」。一見、シンプル極まりない木箱が、ひと箱3万円以上する。だが「これでも見合わない」と秋田県大館市・沓澤製材所の沓澤俊和さんはため息をつく。杉加工品もいろいろあれど、これほどハードに使われる杉はない。高温の麹室で、麹をのせて2昼夜。清潔を保つため使用後に熱い蒸気をかける蔵もあるという。「普通の杉材では、すぐ隙間ができ、そって使い物にならない」。年輪の幅が狭く、強度に優れ狂いが少ない天然杉の目を使う。しかも、機械製材では表面がツルっと滑ってしまうため、微妙なひっかかりを要する麹造りには適さず、手斧で薄く切るというのだ。1枚たりとも失敗が許されない高級材、この道50年近くのベテラン職人が、1枚ずつ慎重に行う。この麹蓋を作ることで、様々な技術の継承が行われる。
・1石(いっこく)とはその昔、大人一人が1年間に食べる米の量だった。つまり加賀百万石は100万人が食べていける国を意味する。そして1石がとれる田んぼの面積を1反(いったん)と呼ぶ。(妖怪の”一反”木綿とは別単位)。生活に密着したわかりやすい単位が日本にあったのだ。2018年度に廃止が決まった減反政策だが、今なお100万ha以上の田んぼで米が栽培されていない。反数にしたら1000万反、つまり1000万人が食べていける面積が遊んでいる。もったいない。ここでちょっと酒を計算してみよう。
米(米麹)+水=もろみ=酒+酒粕
純米酒=米+水ー酒粕
純米酒造りで、米と水からもろみを造り、もろみを絞って酒粕を除くと純米酒の出来上がりだ。純米酒造りだと、水は米の約1.4倍、「粕歩合」という酒粕の比率は約0.3倍。そこから計算すると仕込んだ米の約2.5倍の純米酒ができる。逆に計算すると、1升の純米酒は1kgの玄米から造られる。農薬化学肥料に頼らずスカスカと間隔を空けて育てる田んぼでは、平均一反あたり6俵(360kg)という。すなわち純米酒360本分だ。一反は約1000平方メートルだから、360で割ると、純米酒1本造るのに必要な田んぼは約3平方メートル、つまり1坪・2畳分!
・お酒になる米はひとつじゃない!酒米とは、日本酒の原料に適した米のことで、正式名称は酒造好適米または醸造用玄米。新品種が次々に誕生し、その数は100種近く。酒米の特徴は醸造用適性が高いこと。粒が大きく軟らかで、心白(米粒の中心にある白く不透明な部分)が大きく、タンパク質や脂肪分が少ないことが特徴。
・山田錦:最も有名で「酒米の王」と呼ばれる。味にボリュームがあり、バランスのよい酒になる。全国新酒鑑評会で金賞を獲得する大半の酒がこの山田錦だ。東北の米どころの酒蔵でも、上級クラスの大吟醸酒は、山田錦を磨いて造ることが多い。心白の大きさがほどよく、大吟醸のように高精米しても砕けにくい。タンパク質、脂質の含有量が少なく、80%という低精米酒に挑戦する蔵もある。現在、作付けNo.1の人気米。兵庫県が主産地。親=山田穂+短悍渡船
・五百万石:米どころ新潟で開発されたロングセラーの酒米。名前の由来は、育成年の昭和32年に生産量が五百万石を突破したことを記念して命名された。40年もの長きにわたり日本一の生産量を誇ったが、2001年に山田錦に抜かれた。心白が大きいが、50%以上磨くと割れやすくなり大吟醸には不向き。淡麗できれいな酒質に定評があり、全国各地で栽培される。早生品種。耐冷性あり。親=菊水+新200号
・美山錦:長野県で開発された酒米。たかね錦に代わる大粒で心白発現率が高いことを目指し1978年に育成された。長野が誇る雄大な自然、北アルプス山頂の雪のような心白があることから美山錦と命名。山田錦、五百万石に続く第3位の生産量。爽やかでキレがよく軽快な味。耐冷性に強い品種で、岩手県から東北一帯、関東、北陸で生産されている。たかね錦(親=北陸12号、農林17号)に放射線処理
・雄町:山田錦の先祖にあたうと言われる古い品種で原生種の酒米。晩稲品種。岡山が主産地だが鳥取県大山山麓で発見。当初「日本草」と名付けられるが発見者の出身地に因み「雄町」に改名。交配種には改良雄町、兵庫雄町、広島雄町、こいおまちなどがある。やわらかな軟質米で、米が溶けやすく、味幅が出るフルボディータイプ。余韻も長く続く酒になる。原生種
・幻の酒とよくいうが、今、一般人が最も買うことが難しいのは山形県の「十四代」だろう。十五代目当主、高木顕統さんが杜氏を務め、デビュー作の「本丸」は美味しさと価格が衝撃的だった。フルーティで清涼感ある香り、品のいい甘みで誰もが吟醸か大吟醸と勘違いした本醸造酒。十四代がきっかけで日本酒に目覚めた人も多い。十四代目の蔵元、高木辰五郎さんは酒米の育種に力を注ぎ、「龍の落とし子」「酒未来」など優れた酒米を育てた。「十四代 中取純吟」は備前雄町、播州山田錦、播州愛山など酒米違いが、純米大吟醸は「七垂二十貫」「龍泉」「龍月」「双虹」がある。十四代に限らず、生か一度火入れというデリケートな酒を造る蔵は、問屋を介さず酒販店と取引するケースが多い。その店は「特約店」と呼ばれ、正規販売店。インターネットの店は特約店から定価で購入し、法外な価格で販売。どのような流通をたどったか解明できず、酒が劣化している恐れが大。
十四代 本丸 2000円(1.8l)
十四代 中取純米 2800円(1.8l)
十四代 純吟 龍の落とし子 3210円(1.8l)
十四代 純米大吟醸 七垂二十貫 10000円(1.8l)
十四代 純米大吟醸 龍月 10000円(1.8l)
十四代 純米大吟醸 龍泉 14000円(1.8l)
・Q.どうして日本酒にアルコールが添加されたのですか?
A.凍らない日本酒と米不足のためです。第二次世界大戦の最中、満州に進出を決めた日本軍。兵士のために、マイナス20度でも凍らない日本酒が必要になりました。ウオッカやウイスキーなどの蒸留酒と違い、アルコール度数の低い醸造酒、日本酒は厳寒の地では凍ってしまいます。そこで、別の蒸留アルコールを添加することが国で認められました。また、戦争で米不足となり、水増しする技術も必要だったのです。薄めただけでは、ただ味が薄くて辛いだけの酒になるため、味調節のための糖類、酸類、アミノ酸類を加えた増醸酒が生まれたのです。
・Q.なぜ純米酒がいいのですか?
A.米を食べてるのと同じことだから
日本の優れた出汁文化は、米を食べ、米の酒を飲むことでバランスよく成り立ちます。日本が抱える健康問題や環境問題にも和食は大きく貢献します。醸造用アルコールを添加した日本酒から、純米酒に切り替えることで、より多くの上質な田んぼが必要になります。農薬や化学肥料に頼らない酒米を育てていくには信頼関係です。そして譲ってもらった貴重な米を丁寧に時間をかけて、精魂こめて醸し、出汁がきいた和食にあう酒にする。豊かな田んぼを一緒に育むのが純米酒なのです。
・お燗をおいしくつける3step
step-1 徳利に熱湯を通す。中のホコリや、匂いを取り、器を温める効果がある。(これをするとしないじゃ大違い)
step-2 徳利に首部分まで酒を注ぐ。この時、首の上まで注がない。温めると酒は膨張するので、溢れてしまう。この現象を利用して温度計代わりに使うのだ。酒が増える分で、酒の温度がわかる。
step-3 口径が狭い鍋かヤカンに、徳利が肩までつかる水を入れて沸騰させ、火を止める。そこへ首まで酒を注いだ徳利を入れ、2~5分待つ。液面が3mmほど上がるとぬる燗。1cm~上がれば熱燗だ。
・日本酒の種類
(1)活性にごり酒(瓶内2次発酵=シャンパンタイプ。酵母ば瓶内で生きたまま)
(2)にごり酒(もろみを粗ごしした酒)
(3)生酒または本生(一度も火入れをしていない生の酒。生々ともいう)
(4)生貯蔵酒(生で保管し、出荷時に一度火入れをした酒)
(5)生詰め=ひやおろし(一度火入れをしてそのまま瓶につめて出荷する酒。ひやおろしは秋まで保存して出荷したもの)
(6)2回火入れの酒=通常の酒
(7)原酒(水を加えていない酒)
(8)加水した酒(水を加えた酒)
(9)新酒(できたての酒)
(10)古酒(1年以上、熟成した酒)
(11)貴醸酒(酒で酒を仕込んだ濃くて甘くて茶色い酒)
・普通酒の定義とは、酒税法で決められた「特定名称酒」以外の清酒のこと。「米・米麹・醸造アルコール」以外の糖類や酸類など、副原料が添加され、安い酒に多い。その一方で、全量純米蔵なのに「普通酒」を造る蔵もある。その理由はなぜか。実は「特定名称酒」を名乗るには、農産物検査法による検査基準、等級検査を受けた米で造らなくてはならない。規格外米は粒が小さいなどの理由で落ちたもの。味が悪いわけではない。そこで、等級外になった米と米麹で酒を造る蔵もあるのだ。米と米麹だけで造った酒でも、普通酒に分類されるが、普通酒は表示義務がないため、それぞれの蔵で工夫を凝らした商品名がついている。「飛良泉35」は毎年9月に発売される35%精米の純米大吟醸クラスの酒。毎年、待ってましたという客で、即完売する人気商品。だっ祭では「等外」、初亀では「PREMIUM PURE」辣天娘は「青ラベル」という名前で販売している。いずれも原材料は米・米麹だけ。知る人ぞ知るお得な米だけの普通酒なのである。
・これが日本酒?まるでシャンパンのように炭酸ガスが弾ける泡タイプの日本酒が大人気。炭酸ガスを注入せず、瓶内2次発酵の本物をセレクトした。爽やかでのど越しがよく、はじめの一杯やお祝い酒にもおすすめ。フレッシュ、ドライ、クリーミィと酒蔵によって、泡の味にも違いがある。新鮮な香りと味は、料理も引き立てる。
・獅子の里 活性純米吟醸生酒 鮮(せん)
・Kaishun Sparkling 純米 発泡生
・だっ祭 発泡にごり酒スパークリング50
・ゆきの美人 純米吟醸酒 活性にごり生
・千代むすび 微発泡純米吟醸 しゅわっと空 生
・酒を料理に使う効果は、素材の味を引き出す。魚介類の臭みを消す。味を整え、風味をつけるなどがある。大さじ1杯が決め手となる料理酒は”飲んでおいしい”が基本!味が濃い目の純米酒を料理に使うのがおすすめだ。また、日本酒蔵が料理専用に醸造した酒もある。全量純米酒の杜の蔵が考えた料理酒の原材料は「米・米麹」のみ。糖類、塩、化学調味料は不使用。米は農薬を使わず育てた福岡県糸島産・山田錦。コクが出るよう四段仕込みで熟成している。芳醇なコクと豊かな酸味たっぷりで、うまみ成分が濃い。色はべっこう飴のよう。実は燗して飲んでもうまいのだ。とある居酒屋さんは熱燗で提供している。
・ワイン以上に日本酒はデリケートと思った方が良い。生酒タイプは冷蔵で保管するのが必須だが、その他の日本酒も温度の高いところや、直射日光、人工照明など紫外線の影響を受ける場所では、色や香り、味が著しく劣化する。特に透明瓶はもっとも注意が必要。保管は光の当たらない涼しいところが鉄則。
・アルコール分を含む日本酒は、未開栓であれば、腐ることはない。光と温度を遮断し、いい状態で貯蔵すれば10年、20年の長期熟成酒も楽しめる。
・IWCは1984年に英国ロンドンで創設され、出品数では世界最大のワインコンペティションです。(ワインの出品は全世界kら約1万2000銘柄)2007年から同大会にSAKE部門が誕生。若手蔵元の全国組織「日本酒造青年協議会」が2006年より始めた酒サムライ叙任式(国内外の日本酒大使の任命式)でIWCの最高審査責任者サム・ハロップ氏が酒サムライに叙任された事がきっかけでした。グローバルなワインの檜舞台に、生産量のたった2%しか輸出されていない日本酒がしっかりとした発信の場を得ることができたのです。出品酒は市販酒ということで海外市場への訴求という面で2011年からIWC上位受賞酒は外務省の在外公館にも採用されています。同大会のワインの出品数とは比べようがありませんが、SAKE部門も海外の大会では最大で、2014年度は725銘柄の出品がありました。毎年、出品酒の頂点となった歴代チャンピオンの銘柄は、その素晴らしい品質で日本酒の魅力と共に蔵の地域の名前も世界に発信、地元の誇りとなっています。2011年のチャンピオンとなった佐賀県鹿島市の「鍋島 大吟醸」は「鍋島の栄誉を地域で活かそう」という流れになり、鹿島酒蔵ツーリズム推進協議会が誕生。新酒ができるころの蔵開きのお祭りを地域が合同で行って、3万人の町に5万人が訪れるという実績を生みました。そして観光庁の酒蔵ツーリズム推進協議会の成功モデルとしても紹介されました。日本酒の世界発信となるIWCのSAKE部門から海外のみならず日本人自身にも日本酒の魅力や可能性を感じていただきたいと思います。
<歴代チャンピオン・サケ>
2007年:菊姫 鶴乃里
2008年:出羽桜 一路
2009年:金紋秋田酒造 山吹
2010年:純米酒 梵 吟撰
純米吟醸 根知男山
本醸造 本洲一
大吟醸 澤姫
古酒 華鳩
2011年:鍋島
2012年:福小町
2013年:喜多屋
2014年:酔翁
・特定名称の清酒とは、吟醸酒、純米酒、本醸造酒をいい、それぞれ所定の要件に該当するものにその名称を表示することができる。特別名称は、原料、製造方法の違いで8種類に分類される。
特定名称(使用料)精米歩合 ※いずれも麹米使用割合は15%以上
吟醸酒(米、米麹、醸造アルコール)60%以下
大吟醸酒(米、米麹、醸造アルコール)50%以下
純米酒(米、米麹)
純米吟醸酒(米、米麹)60%以下
純米大吟醸酒(米、米麹)50%以下
特別純米酒(米、米麹)60%以下又は特別な製造方法
本醸造酒(米、米麹、醸造アルコール)70%以下
特別本醸造酒(米、米麹、醸造アルコール)60%以下又は特別な製造方法
良かった本まとめ(2015年下半期)
<今日の独り言>
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「厳選日本酒手帖 日本酒を識る」という本は、日本を7つのエリアに分けて、地域別に酒蔵や123もの日本酒をカラーで紹介しているだけでなく、以下のコラムもあって充実していて、日本酒について楽しく学べる本です♪
・杉がおいしく醸す
・純米酒を1升造るのに必要な玄米と田んぼの面積は?
・米で味が変わる
・自然派の日本酒
・COOLで楽しむ酒器
・「十四代」で考える酒の価格
・HOTで楽しむ酒器
・酒は純米、澗ならなおよし
・バラエティに富む日本酒
・スパークリングsake
・日本酒に残る日本のモノサシ
・樽酒の醍醐味は、静かさとのどかさ
・復活する原生種の酒米・強力
・純米酒の梅酒
・SAKEおつまみ
・ジャケ買いコレクション
・エイジングを味わう
・もしも、お酒が残ったら
・日本酒の保管について
・IWC世界チャンピオンの酒
特に原材料が米と米麹だけの純米酒等の全国の美味しいお酒を楽しみたいと思いましたね。
また、スパークリングsakeやIWCで受賞しているお酒にも興味を持ちました^_^)
飲んでみたいです!
(ただ、酒に弱く、ほとんど飲めないのが残念です^_^;))
そのほか、1升の純米酒を造るのに2畳分の田んぼが必要なこと、日本酒用の4大米、日本酒にアルコールが添加されたのは第二次世界大戦中にマイナス20度でも凍らないことが必要だった、お澗をおいしくつける方法、日本酒の種類は11種類あることには興味を持ちましたね。
「厳選日本酒手帖 日本酒を識る」という本は、特に純米酒について楽しく理解を深めることができて、とてもオススメです!!
以下はこの本のポイント等です。
・日本酒の種類は多すぎる。困っちゃうニホンシュがありすぎる。酒売り場では玉石混交で並ぶので誤解を招きやすい。純米酒の原材料は「米・米麹」とシンプル。合成清酒になると「醸造アルコール、米、米麹、糖類、調味料(アミノ酸)、酸味料」と複雑。中には、醸造アルコールに酒粕を加えた(米・米麹を使っていない!?)トンデモ合成清酒まである。安さを追求した酒と、丁寧に時間をかけて醸された米だけの酒は、まるで違う飲み物。選ぶ時は「米・米麹」=コメ・コメコージと覚えてほしい。
・本来の日本酒は米だけの酒。それが、流通している8割もの酒にアルコールが加えられている。添加されるアルコールは「醸造アルコール」で、一見、醸造酒んほような名前だが、蒸留酒である。醸造酒に蒸留酒が入っているわけだ。アメリカでは醸造アルコールを添加した日本酒はリキュール扱いになるため税額が上がる。そのためアメリカへ輸出される日本酒はほとんどが純米酒なのだ。純米酒の仲間は大きくわけて種類が3つ。50%以上米を磨いて醸す最高クラスの純米大吟醸、40%以上磨く純米吟醸、そして純米酒。どれも米・米麹と水が原料であり、使用する米は、等級検査を受けたものだけという決まりがある。
・酒の心臓部をつくる麹。自動製麹機があう現代に、おいしさを追求する蔵がこだわって使っているのが「麹蓋」と、それより大きな「箱麹」という杉の木箱。最上の麹を目指す蔵はこれこそが命と絶対譲らない。上質な麹造りに欠かせない「麹蓋」。一見、シンプル極まりない木箱が、ひと箱3万円以上する。だが「これでも見合わない」と秋田県大館市・沓澤製材所の沓澤俊和さんはため息をつく。杉加工品もいろいろあれど、これほどハードに使われる杉はない。高温の麹室で、麹をのせて2昼夜。清潔を保つため使用後に熱い蒸気をかける蔵もあるという。「普通の杉材では、すぐ隙間ができ、そって使い物にならない」。年輪の幅が狭く、強度に優れ狂いが少ない天然杉の目を使う。しかも、機械製材では表面がツルっと滑ってしまうため、微妙なひっかかりを要する麹造りには適さず、手斧で薄く切るというのだ。1枚たりとも失敗が許されない高級材、この道50年近くのベテラン職人が、1枚ずつ慎重に行う。この麹蓋を作ることで、様々な技術の継承が行われる。
・1石(いっこく)とはその昔、大人一人が1年間に食べる米の量だった。つまり加賀百万石は100万人が食べていける国を意味する。そして1石がとれる田んぼの面積を1反(いったん)と呼ぶ。(妖怪の”一反”木綿とは別単位)。生活に密着したわかりやすい単位が日本にあったのだ。2018年度に廃止が決まった減反政策だが、今なお100万ha以上の田んぼで米が栽培されていない。反数にしたら1000万反、つまり1000万人が食べていける面積が遊んでいる。もったいない。ここでちょっと酒を計算してみよう。
米(米麹)+水=もろみ=酒+酒粕
純米酒=米+水ー酒粕
純米酒造りで、米と水からもろみを造り、もろみを絞って酒粕を除くと純米酒の出来上がりだ。純米酒造りだと、水は米の約1.4倍、「粕歩合」という酒粕の比率は約0.3倍。そこから計算すると仕込んだ米の約2.5倍の純米酒ができる。逆に計算すると、1升の純米酒は1kgの玄米から造られる。農薬化学肥料に頼らずスカスカと間隔を空けて育てる田んぼでは、平均一反あたり6俵(360kg)という。すなわち純米酒360本分だ。一反は約1000平方メートルだから、360で割ると、純米酒1本造るのに必要な田んぼは約3平方メートル、つまり1坪・2畳分!
・お酒になる米はひとつじゃない!酒米とは、日本酒の原料に適した米のことで、正式名称は酒造好適米または醸造用玄米。新品種が次々に誕生し、その数は100種近く。酒米の特徴は醸造用適性が高いこと。粒が大きく軟らかで、心白(米粒の中心にある白く不透明な部分)が大きく、タンパク質や脂肪分が少ないことが特徴。
・山田錦:最も有名で「酒米の王」と呼ばれる。味にボリュームがあり、バランスのよい酒になる。全国新酒鑑評会で金賞を獲得する大半の酒がこの山田錦だ。東北の米どころの酒蔵でも、上級クラスの大吟醸酒は、山田錦を磨いて造ることが多い。心白の大きさがほどよく、大吟醸のように高精米しても砕けにくい。タンパク質、脂質の含有量が少なく、80%という低精米酒に挑戦する蔵もある。現在、作付けNo.1の人気米。兵庫県が主産地。親=山田穂+短悍渡船
・五百万石:米どころ新潟で開発されたロングセラーの酒米。名前の由来は、育成年の昭和32年に生産量が五百万石を突破したことを記念して命名された。40年もの長きにわたり日本一の生産量を誇ったが、2001年に山田錦に抜かれた。心白が大きいが、50%以上磨くと割れやすくなり大吟醸には不向き。淡麗できれいな酒質に定評があり、全国各地で栽培される。早生品種。耐冷性あり。親=菊水+新200号
・美山錦:長野県で開発された酒米。たかね錦に代わる大粒で心白発現率が高いことを目指し1978年に育成された。長野が誇る雄大な自然、北アルプス山頂の雪のような心白があることから美山錦と命名。山田錦、五百万石に続く第3位の生産量。爽やかでキレがよく軽快な味。耐冷性に強い品種で、岩手県から東北一帯、関東、北陸で生産されている。たかね錦(親=北陸12号、農林17号)に放射線処理
・雄町:山田錦の先祖にあたうと言われる古い品種で原生種の酒米。晩稲品種。岡山が主産地だが鳥取県大山山麓で発見。当初「日本草」と名付けられるが発見者の出身地に因み「雄町」に改名。交配種には改良雄町、兵庫雄町、広島雄町、こいおまちなどがある。やわらかな軟質米で、米が溶けやすく、味幅が出るフルボディータイプ。余韻も長く続く酒になる。原生種
・幻の酒とよくいうが、今、一般人が最も買うことが難しいのは山形県の「十四代」だろう。十五代目当主、高木顕統さんが杜氏を務め、デビュー作の「本丸」は美味しさと価格が衝撃的だった。フルーティで清涼感ある香り、品のいい甘みで誰もが吟醸か大吟醸と勘違いした本醸造酒。十四代がきっかけで日本酒に目覚めた人も多い。十四代目の蔵元、高木辰五郎さんは酒米の育種に力を注ぎ、「龍の落とし子」「酒未来」など優れた酒米を育てた。「十四代 中取純吟」は備前雄町、播州山田錦、播州愛山など酒米違いが、純米大吟醸は「七垂二十貫」「龍泉」「龍月」「双虹」がある。十四代に限らず、生か一度火入れというデリケートな酒を造る蔵は、問屋を介さず酒販店と取引するケースが多い。その店は「特約店」と呼ばれ、正規販売店。インターネットの店は特約店から定価で購入し、法外な価格で販売。どのような流通をたどったか解明できず、酒が劣化している恐れが大。
十四代 本丸 2000円(1.8l)
十四代 中取純米 2800円(1.8l)
十四代 純吟 龍の落とし子 3210円(1.8l)
十四代 純米大吟醸 七垂二十貫 10000円(1.8l)
十四代 純米大吟醸 龍月 10000円(1.8l)
十四代 純米大吟醸 龍泉 14000円(1.8l)
・Q.どうして日本酒にアルコールが添加されたのですか?
A.凍らない日本酒と米不足のためです。第二次世界大戦の最中、満州に進出を決めた日本軍。兵士のために、マイナス20度でも凍らない日本酒が必要になりました。ウオッカやウイスキーなどの蒸留酒と違い、アルコール度数の低い醸造酒、日本酒は厳寒の地では凍ってしまいます。そこで、別の蒸留アルコールを添加することが国で認められました。また、戦争で米不足となり、水増しする技術も必要だったのです。薄めただけでは、ただ味が薄くて辛いだけの酒になるため、味調節のための糖類、酸類、アミノ酸類を加えた増醸酒が生まれたのです。
・Q.なぜ純米酒がいいのですか?
A.米を食べてるのと同じことだから
日本の優れた出汁文化は、米を食べ、米の酒を飲むことでバランスよく成り立ちます。日本が抱える健康問題や環境問題にも和食は大きく貢献します。醸造用アルコールを添加した日本酒から、純米酒に切り替えることで、より多くの上質な田んぼが必要になります。農薬や化学肥料に頼らない酒米を育てていくには信頼関係です。そして譲ってもらった貴重な米を丁寧に時間をかけて、精魂こめて醸し、出汁がきいた和食にあう酒にする。豊かな田んぼを一緒に育むのが純米酒なのです。
・お燗をおいしくつける3step
step-1 徳利に熱湯を通す。中のホコリや、匂いを取り、器を温める効果がある。(これをするとしないじゃ大違い)
step-2 徳利に首部分まで酒を注ぐ。この時、首の上まで注がない。温めると酒は膨張するので、溢れてしまう。この現象を利用して温度計代わりに使うのだ。酒が増える分で、酒の温度がわかる。
step-3 口径が狭い鍋かヤカンに、徳利が肩までつかる水を入れて沸騰させ、火を止める。そこへ首まで酒を注いだ徳利を入れ、2~5分待つ。液面が3mmほど上がるとぬる燗。1cm~上がれば熱燗だ。
・日本酒の種類
(1)活性にごり酒(瓶内2次発酵=シャンパンタイプ。酵母ば瓶内で生きたまま)
(2)にごり酒(もろみを粗ごしした酒)
(3)生酒または本生(一度も火入れをしていない生の酒。生々ともいう)
(4)生貯蔵酒(生で保管し、出荷時に一度火入れをした酒)
(5)生詰め=ひやおろし(一度火入れをしてそのまま瓶につめて出荷する酒。ひやおろしは秋まで保存して出荷したもの)
(6)2回火入れの酒=通常の酒
(7)原酒(水を加えていない酒)
(8)加水した酒(水を加えた酒)
(9)新酒(できたての酒)
(10)古酒(1年以上、熟成した酒)
(11)貴醸酒(酒で酒を仕込んだ濃くて甘くて茶色い酒)
・普通酒の定義とは、酒税法で決められた「特定名称酒」以外の清酒のこと。「米・米麹・醸造アルコール」以外の糖類や酸類など、副原料が添加され、安い酒に多い。その一方で、全量純米蔵なのに「普通酒」を造る蔵もある。その理由はなぜか。実は「特定名称酒」を名乗るには、農産物検査法による検査基準、等級検査を受けた米で造らなくてはならない。規格外米は粒が小さいなどの理由で落ちたもの。味が悪いわけではない。そこで、等級外になった米と米麹で酒を造る蔵もあるのだ。米と米麹だけで造った酒でも、普通酒に分類されるが、普通酒は表示義務がないため、それぞれの蔵で工夫を凝らした商品名がついている。「飛良泉35」は毎年9月に発売される35%精米の純米大吟醸クラスの酒。毎年、待ってましたという客で、即完売する人気商品。だっ祭では「等外」、初亀では「PREMIUM PURE」辣天娘は「青ラベル」という名前で販売している。いずれも原材料は米・米麹だけ。知る人ぞ知るお得な米だけの普通酒なのである。
・これが日本酒?まるでシャンパンのように炭酸ガスが弾ける泡タイプの日本酒が大人気。炭酸ガスを注入せず、瓶内2次発酵の本物をセレクトした。爽やかでのど越しがよく、はじめの一杯やお祝い酒にもおすすめ。フレッシュ、ドライ、クリーミィと酒蔵によって、泡の味にも違いがある。新鮮な香りと味は、料理も引き立てる。
・獅子の里 活性純米吟醸生酒 鮮(せん)
・Kaishun Sparkling 純米 発泡生
・だっ祭 発泡にごり酒スパークリング50
・ゆきの美人 純米吟醸酒 活性にごり生
・千代むすび 微発泡純米吟醸 しゅわっと空 生
・酒を料理に使う効果は、素材の味を引き出す。魚介類の臭みを消す。味を整え、風味をつけるなどがある。大さじ1杯が決め手となる料理酒は”飲んでおいしい”が基本!味が濃い目の純米酒を料理に使うのがおすすめだ。また、日本酒蔵が料理専用に醸造した酒もある。全量純米酒の杜の蔵が考えた料理酒の原材料は「米・米麹」のみ。糖類、塩、化学調味料は不使用。米は農薬を使わず育てた福岡県糸島産・山田錦。コクが出るよう四段仕込みで熟成している。芳醇なコクと豊かな酸味たっぷりで、うまみ成分が濃い。色はべっこう飴のよう。実は燗して飲んでもうまいのだ。とある居酒屋さんは熱燗で提供している。
・ワイン以上に日本酒はデリケートと思った方が良い。生酒タイプは冷蔵で保管するのが必須だが、その他の日本酒も温度の高いところや、直射日光、人工照明など紫外線の影響を受ける場所では、色や香り、味が著しく劣化する。特に透明瓶はもっとも注意が必要。保管は光の当たらない涼しいところが鉄則。
・アルコール分を含む日本酒は、未開栓であれば、腐ることはない。光と温度を遮断し、いい状態で貯蔵すれば10年、20年の長期熟成酒も楽しめる。
・IWCは1984年に英国ロンドンで創設され、出品数では世界最大のワインコンペティションです。(ワインの出品は全世界kら約1万2000銘柄)2007年から同大会にSAKE部門が誕生。若手蔵元の全国組織「日本酒造青年協議会」が2006年より始めた酒サムライ叙任式(国内外の日本酒大使の任命式)でIWCの最高審査責任者サム・ハロップ氏が酒サムライに叙任された事がきっかけでした。グローバルなワインの檜舞台に、生産量のたった2%しか輸出されていない日本酒がしっかりとした発信の場を得ることができたのです。出品酒は市販酒ということで海外市場への訴求という面で2011年からIWC上位受賞酒は外務省の在外公館にも採用されています。同大会のワインの出品数とは比べようがありませんが、SAKE部門も海外の大会では最大で、2014年度は725銘柄の出品がありました。毎年、出品酒の頂点となった歴代チャンピオンの銘柄は、その素晴らしい品質で日本酒の魅力と共に蔵の地域の名前も世界に発信、地元の誇りとなっています。2011年のチャンピオンとなった佐賀県鹿島市の「鍋島 大吟醸」は「鍋島の栄誉を地域で活かそう」という流れになり、鹿島酒蔵ツーリズム推進協議会が誕生。新酒ができるころの蔵開きのお祭りを地域が合同で行って、3万人の町に5万人が訪れるという実績を生みました。そして観光庁の酒蔵ツーリズム推進協議会の成功モデルとしても紹介されました。日本酒の世界発信となるIWCのSAKE部門から海外のみならず日本人自身にも日本酒の魅力や可能性を感じていただきたいと思います。
<歴代チャンピオン・サケ>
2007年:菊姫 鶴乃里
2008年:出羽桜 一路
2009年:金紋秋田酒造 山吹
2010年:純米酒 梵 吟撰
純米吟醸 根知男山
本醸造 本洲一
大吟醸 澤姫
古酒 華鳩
2011年:鍋島
2012年:福小町
2013年:喜多屋
2014年:酔翁
・特定名称の清酒とは、吟醸酒、純米酒、本醸造酒をいい、それぞれ所定の要件に該当するものにその名称を表示することができる。特別名称は、原料、製造方法の違いで8種類に分類される。
特定名称(使用料)精米歩合 ※いずれも麹米使用割合は15%以上
吟醸酒(米、米麹、醸造アルコール)60%以下
大吟醸酒(米、米麹、醸造アルコール)50%以下
純米酒(米、米麹)
純米吟醸酒(米、米麹)60%以下
純米大吟醸酒(米、米麹)50%以下
特別純米酒(米、米麹)60%以下又は特別な製造方法
本醸造酒(米、米麹、醸造アルコール)70%以下
特別本醸造酒(米、米麹、醸造アルコール)60%以下又は特別な製造方法
良かった本まとめ(2015年下半期)
<今日の独り言>
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