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鉱物と宝石の魅力(松原聰・宮脇律郎)

2008年05月30日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この本は、鉱物(石)について、飽きない程度の科学的リテラシーとおもしろさについて紹介している本です。

第1章では、日常的な話題を織り込みながら、鉱物が自然界でどのようにできたのかを概略的に説明しています。

第2章では、鉱物の性質について詳しく説明し、第3章では、日本では実際にどのような鉱物が取れるかを紹介しています。

そして、第4章では、代表的な鉱物を図鑑的に解説しています。

 この本は鉱物について分かりやすく説明してあり、一家に1冊あれば、小中高生の勉強にも役立ちますし、宝石好きなお母さんにも、特にダイヤモンドやトパーズ、オパール等が分かり、とても良いと思います!

とてもオススメな本です。


 以下は、特に良かったポイントです。

・日本の国歌では、岩は巌(いわお)として、砂や小石は、さざれ石として歌われている。さざれ石が堆積して堅固な巌となるには、人間の想像を絶する長い時間がかかることを、昔の人も本能的に感じていたのだろう。ときどき、国歌のもとになった「さざれ石」と称する石が置かれていたりするが、それは根本的な誤りで、さざれ石は砂や小石そのものであるから、「さざれ石が巌となったもの」が正しい表現である。

・現在の鉱物は、国際鉱物学連合の中に設置されている新鉱物・命名・分類委員会で定義されている。その定義によるもっとも基本的な要素は、
(1)一定の化学組成
(2)一定の結晶構造
(3)地質学的な過程を経てつくられた
である。(1)と(2)については、鉱物のさまざまな物性、たとえば結晶系、硬度、密度、色、光沢、劈開、光学性などを決定付ける重要な要素である。こういった性質については、(1)と(2)だけであれば人工的につくった物質でも鉱物と同じである。そこで、(3)の要素が鉱物の決め手となってくる。

・1959年以降に発見された鉱物の名前は、原則的に国際的な審査で承認を受けている。その名前はほぼ英語表記であるが、フランス語やドイツ語などヨーロッパ言語で使われる文字も使用可能である。古い鉱物名では、なにから由来してつけられたのかが不明なものもあるが、だいたいは産地か研究者の名前である。あとは化学成分を読み込んだものや、ちょっとした「こじつけ」(典型的な例はモーツアルト没後200年のときにつけられたモーツアルト石)などがある。

・ビッカース硬度は、頂点の角度を136°にした正四角錘のダイヤモンドを測定試料に押しつけ、そのときの荷重と生じた窪みの対角線の長さから計算式【ビッカース硬度=1.854×(加重)÷(窪みの対角線の長さ)2】に従って算出したものである。一方、鉱物同士を擦り合わせたときの傷のつきやすさにより、相対順位で、硬さの尺度とする方法がある。ドイツの鉱物学者、モースにより提唱された10の指標鉱物を基準としたモース硬度は、指標鉱物が比較的手に入れやすいことや、特別の測定機器がいらない簡便な方法であるため、野外調査でも役立つ。モース硬度の指標鉱物は、やわらかいほうから、1:滑石、2:石膏(最初は岩塩)、3:方解石、4:蛍石、5:燐灰石、6:正長石、7:石英、8:トパーズ(黄玉)、9鋼玉(コランダム)、10:ダイヤモンド。石英で擦っても傷がつかないが、トパーズでは傷がつく場合には7と8の間、という意味で7 1/2と書くちなみに人間の爪のモース硬度は2から2 1/2である。

・鉱物は、構成される元素の比率と原子の並び方で種類を定義する。どちらかが同じでも、どちらかが違えば、別の種類として扱う。元素はいまのところ112種類知られているが、鉱物を構成する元素は70種類。特にその中の40種類が、鉱物のおもなものである。2007年4月末現在で、鉱物の種類はおよそ4200であり、日本でみつかっているのは1160ほどである。世界の新種(新鉱物)は毎年50種前後発見され、そのうち日本産が平均2種類含まれる。国土の狭いわりには、鉱物種は多いほうだ。これは、日本列島が小さいながらもいろいろな地質単位から成り立っていることによる。

・地球の地殻における元素の重量から見たトップテンは、1:酸素、2:ケイ素、3:アルミニウム、4:鉄、5:カルシウム、6:マグネシウム、7:ナトリウム、8:カリウム、9:チタン、10:マンガン、水素、リン(これらの3元素は近い値を持ち、研究者によって順位が変動する)であるが、酸素・ケイ素・アルミニウムのたった3元素で約80%も占めている。

・純粋なダイヤモンドは無色であるが、不純物である窒素の含有によって黄色味がつくことが多い。そのほか、ピンク・紫・緑・黄緑・橙・褐色などを帯びる。またホウ素の含有で青色にもなる。結晶形の基本は八面体であり、結晶を真横から見ると、菱形つまり、トランプのダイヤの形になる。六面体、12面体の結晶形にもなる。肉眼的な大きさのダイヤモンドは、地表から200±50kmの深さにある上部マントルで生成され、そこより深いところから上昇してきたマグマに取り込まれて地上に噴出した。このようなマグマからできた火山岩をキンバーライトあるいはランプロアイトという。キンバーライトやランプロアイトが存在する場所は、太古の大陸地殻のところで、インド、ブラジル、南アフリカのほか、オーストラリア、ロシア、カナダ、中国などが主産地である。ダイヤモンドはあらゆる物質中もっとも硬く、切削工具にはなくてはならない。熱をすばやく伝える性質も抜群で、放熱部品の材料として使われる。また、電気を通さない不導体であるが、ホウ素の入ったものは半導体の性質があり、半導体デバイスへの期待がもたれている。工業材料用のダイヤモンド合成は盛んに行われているが、合成宝石用ダイヤモンド、人工着色なども多いので注意したい。

<目次>
はじめに
第1章 鉱物が生まれるまで
 1 鉱物と宝石は同じもの?
 2 鉱物の定義
 3 地球が鉱物をつくる
 4 鉱物のできかた
 5 鉱物の名前
第2章 鉱物の性質
 1 化学組成式はなにを表している?
 2 もう1つの鉱物種の決め手、結晶構造
 3 鉱物のかたち
 4 色、電子のいたずら
 5 色の多様性
 6 条痕色と岩絵の具
 7 分散と干渉
 8 色の表現
 9 鉱物の光りかたを表す光沢とは?
10 鉱物の硬度はどのように測る?
11 割れやすい特定の方向、「へき開」を知る
12 鉱物の密度はどのように測る?
13 磁性と電気伝導率
14 溶ける鉱物
第3章 日本でどんな鉱物が取れるのか
 1 鉱物の種類
 2 日本の鉱物の特徴
第4章 いろいろな鉱物
自然金/自然銅/自然砒/自然硫黄/石墨/ダイヤモンド/斑銅鉱/針銀鉱/閃鉛鉱/黄銅鉱/硫砒鉄鉱/輝水鉛鉱/鶏冠石/赤銅鉱/コランダム/赤鉄鉱/ルチル/硯石/針銅鉱/スピネル/磁鉄鉱/ハウスマン鉱/クリソベリル/アタカマ石/蛍石/方解石/菱マンガン鉱/苦灰石/あられ石/白鉛鉱/藍銅鉱/孔雀石/逸見石/重晶石/石膏/青鉛鉱/燐灰石/緑鉛鉱/トルコ石/灰重石/手稲石/かんらん石/ジルコン/紅柱石/柘榴石(ガーネット)/トパーズ(黄玉)/異極鉱/斧石/糸魚川石/緑簾石/紅簾石/褐簾石/緑柱石/菫青石/大隈石/電気石/輝石/原田石/ばら輝石/角閃石/イネス石/わたつみ石/雲母/ぶどう石/魚眼石/オパール(蛋白石)/石英/長石/ラズライト/柱石/沸石
索引


面白かった本まとめ(2007年)
面白かった本まとめ(2006年)
面白かった本まとめ(~2006年)

<今日の独り言>
 目黒にある雅叙園へ行ってきたのですが、トイレに入って驚きました。橋を渡って行かなければいけません・・・。日本風というか中国風というか・・・^_^;)こんなゴージャスなトイレは初めてです!
Toilet
↑雅叙園のトイレ

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