図解 モチベーション大百科 | |
池田貴将 | |
サンクチュアリ出版 |
図解モチベーション大百科という本は、行動経済学、実験心理学を扱った国内外の文献から、人の心理・行動に関する実験とその結果を100個に分けて抜粋し編著者なりの解釈を加えたもので、人間の感情の不思議さや行動の不合理さを楽しみながら、動機付け・人材育成・目標設定・意思決定・人脈作り・自己管理・発想転換を学べ、今後のより良い人生のヒントになるものです♪
すべての結論にエビデンスがあるのが説得力があり素晴らしいですね♪
内容はどれも素晴らしいので、個人的にはこの本は一家に一冊あって良いのではと思います♪
図解モチベーション大百科という本はとてもオススメです!
以下は本書のポイント等です♪
・今、ゴールにどれくらい近づいているか、フィードバックを与えるだけで、達成度が上がる。つまりゴールに近づけば近づくほどモチベーションは上がる。
・「いい気分」を作ってから仕事に取りかかってもらった方が結果的に作業がはかどり、ミスも減る。チップや手土産は有効で、いい大人がキャンディ1つで嬉しくなって、仕事を素早く、正確に仕上げる。ですから私たちが朝一番に優先すべき仕事は、今日の予定を確認することでも、たまった書類にサインすることでもなく、メンバーの「いい気分」を作ること。最近の仕事ぶりをほめる、ちょっとした朗報を伝える、お菓子を分け与えるなど毎日なにか心くばりしましょう。
・私たちは命令されることが苦手です。「お願いいたします」と口調が丁寧だとしても、拒否したい気持ちが生まれます。ところが「お願いできますか?」と聞けば、相手に「いいえ」と答える余地があります。「はい、やります」という選択を、相手にチョイスさせることが重要なのです。面白いことにこの法則は、対人だけでなく自分に対してもすごくよく当てはまります。思考の中で「さあ、やるぞ!」「はじめるぞ!」という風に自分を動かそうとするよりも、「できるかな?」「はじめられそう?」という風にやさしく問いかけた方が、やる気になりやすいのです。
・自分の価値観を思い出すと、自信が強まり、まわりの人に対する愛情が深まります。「自分が今、大切にしたいこと」を明らかにする。そして、その「自分が今、大切にしたいこと」のために、具体的にどういう行動を取ったのかを日記に書く。たったそれだけのことで、日々ただ面倒に感じていたことも、意味のあることだったと認識を改めることができます。
・モチベーションを短期集中で上げたい時は「周囲と競争する」のもいいかもしれませんが、「自分自身の進歩」を評価した方がより仕事を楽しみ、継続的に成績を伸ばしていくことができます。
・人を動かすものはそれぞれ表面的には違えども、突き詰めれば次の6つのニーズしかないということになります。
ニーズ1安定感:今までと動揺に生きていたいというニーズ。生きていくために必要ですが、安定感を求めすぎると他人をコントロールしたがるようになります。
ニーズ2変化(不安定感):今までとは違う体験をしたいというニーズ。現状を変えるために必要ですが、変化を求めすぎると生命が危機にさらされていきます。
ニーズ3重要感:特別な存在でいたいというニーズ。競争に勝って満たそうとする人もいれば、他人を否定することで満たそうとする人もいます。
ニーズ4つながり:周囲と一体感を持ちたい、誰かに愛されたいというニーズ。根っこには家庭環境があり、共通項が少数派であるほど満たされます。
ニーズ5成長:自分のレベルを上げたいというニーズ
ニーズ6貢献:誰かの役に立ちたいというニーズ
ニーズ1安定感:今までと動揺に生きていたいというニーズ。生きていくために必要ですが、安定感を求めすぎると他人をコントロールしたがるようになります。
ニーズ2変化(不安定感):今までとは違う体験をしたいというニーズ。現状を変えるために必要ですが、変化を求めすぎると生命が危機にさらされていきます。
ニーズ3重要感:特別な存在でいたいというニーズ。競争に勝って満たそうとする人もいれば、他人を否定することで満たそうとする人もいます。
ニーズ4つながり:周囲と一体感を持ちたい、誰かに愛されたいというニーズ。根っこには家庭環境があり、共通項が少数派であるほど満たされます。
ニーズ5成長:自分のレベルを上げたいというニーズ
ニーズ6貢献:誰かの役に立ちたいというニーズ
・薦めたいものは右側に置く。つまり右にあるものをより重要なものだとしてとらえる傾向がある。私たちは物を見る時、あるいは文字を読むとき、左から右に向かって視線を動かすため、右のものが一番新しい記憶になります。最も新しく記憶に刻まれたものを重大だと思ったり、好ましいと思ったりする習性があるようです。
・相手の気持ちに寄り添うと、動いてもらいやすい。相手に「やりたい」「やらなきゃ」という気持ちになってもらうための3つの基本戦略が「理由」「同情」「選択」です。自分の意思としてうまく取り込んでもらうことができれば、自発的な行動も増えるでしょう。
・何かをやってもらいたい時は、相手の自主性を重んじた方が、望む結果が出やすい。相手に選択肢を与え、見守る立場を取るのが良いでしょう。
・一つの誘惑に勝てるということは、他のあらゆる誘惑に対しても自制心が働きやすいということ。反対に一つの誘惑に負ける人は、あらゆる誘惑に負ける。厚生労働省が発表した調査によると、所得が低い人ほど野菜や肉の摂取量が減り、米やパンなど穀類の摂取量が増え、喫煙する割合が高いそうです。また喫煙者ほど缶コーヒーの消費量が多いというデータもあります。
・ある人がポジティブな行いをした場合は「いいことをしましたね」「ラッキーだったね」など行動や運に結びつけて褒めるよりも「やっぱり〇〇さんはさすがだね」「運の強い人ですね」などと存在に結びつけてほめた方が意識の深いところに影響を与えます。「いつもおしゃれですね」「言葉選びの感覚が素晴らしいね」などのようにセンスをほめるのも、その人自身をほめることになります。反対に、ある人がネガティブな行いをした場合は「何をやってるんだ」「なんでそんなこともできないんだ」と人格に結びつけて叱るよりも「やり方がまずった。次はこうやってみよう」「タイミングが悪かった。また別の機会に試してみようか」など行動や環境と結びつけて叱った方が、行動をスムーズに修正してもらえるでしょう。
・今、自分が取り組んでいる仕事が、社会にどんな風に役立つかを考えると、モチベーションが上がる。何のために自分は今、この仕事をするのか。その仕事が社会でどんな風に役立つのか。そのイメージを確認してから着手することによって、モチベーションの浮き沈みを防ぐことができます。
・環境によって、人はいくらでも変化する。自分の持って生まれた才能に限界を感じているのだとしたら、いっそがらっと環境を変えてみればいいと思います。年齢も経験も関係なく、私たちは環境に合わせていくらでも成長できます。生物の環境適応能力は素晴らしいものなのです。
・他者との競争は過信を生みやすく、自分との競争は意欲を生みやすい。
・人は「期限が見えないと集中できない」ようにできています。期日を決めるということは、「いつ集中して取り組む時間を作るか」を決めることでもあります。ついつい怠けがちな私の場合は1日のピリオドを3時間ごとに設定しています。「今日1日何ができるか?」ではなく、「これから3時間で何ができるか?」という考え方をしているのです。そうすると脳の働きがアップテンポになるのが自分でもよくわかります。
・「今日1日忙しかったのに、何も仕事が進まなかった」という日もあるでしょう。朝一番に「今日やること」を紙に書き、デスクの一番目立つ場所に貼り出すといい理由はここにあります。紙に書いておきさえすれば、リアルタイムに次々と現れる新たな仕事にいちいち反応しにくくなり、自分のペースで仕事をしやすくなります。1日の作業リストだけではありません。私は「電車の移動中」「駅から家に着くまで」「夜、寝る前」「15分空いたとき」などシチュエーション別にやることリストを作っておくことの重要さを毎日実感しています。休日の何の予定もない日であっても、私はリストに従って行動しています。リストにあること1つひとつこなしているだけで、街やインターネットからの刺激に反応しにくくなり、充実した1日を過ごすことができます。
・助言はタイミングが大切です。すぐに正解を教えてしまうと、相手は思考を停止させる上に、まるで自分で選択したような錯覚を起こします。自分で考えて、自分で動ける人を育てるためには助言をする前に、まず自分なりに考えて、結論を出してもらいましょう。「どうしたらいいでしょうか?」とたずねられたら「どうしたらいいと思う?」とたずね返してみるのです。その人なりの結論を聞いて、自分と同じ考えならそのままやらせます。違っているようであれば、1案、2案、3案と他のやり方もあると説明しても良いでしょう。大事なことは、どうするべきかを相手に選ばせることです。このように答えを見つけるプロセスを自らたどることによって、その人は似たような問題に直面したとき、自分で対処できる力を得ていきます。
・最初に発言する人は、発言力が高まりやすく、リーダーにもなりやすい。「言い出しっぺ」がリーダーになりやすいというのは子供の頃から変わりません。人々は自信たっぷりな人を積極的に信頼し、従おうとします。でも、その人が一番能力があるとは限りません。
・企画書やプレゼン資料を提出するとき、1案しかないとするならば、その後の雲行きが怪しくなることは覚悟しなければいけません。見せられた側はイエスかノーかの判断を迫られ、あなたを傷つけまいとしてエネルギーを消耗するでしょう。面倒な注文や見当違いなダメだしをしてくるかもしれない。それはそもそも、誰かが悪いわけでもない。会議テーブルの上にたった1案しか存在しないことがまずいのです。企画書を見せる側、見せられる側、どちらにとっても平和をもたらすのは「渾身の1案」ではなく「おおざっぱな複数案」なのです。いくつか候補があれば「この案のここと、この案のここを組み合わせた感じがいい」とか「この案が一番イメージに近いけど、もう少しこうした方がいいかも」といった前向きな意見が生まれやすくなり、プロジェクトも気分良く進められるだけではなく、企画のクオリティも高まるでしょう。資料を作成するときも同じです。書いては消してを繰り返すよりも、労を惜しまず3案出してみて、比べてみた方が、最終的には良いものになります。
・最初に見せられた情報は、たとえ氷山の一角だとしても、全体の印象を相手に思い描かせます。たとえば一日や一年を振り返るとき、「良かったこと」から思い出すと、良い一日、良い一年の記憶として残りやすくなります。またPR文やプロフィールは、一番強調したいことを一番最初にもってくるのが鉄則です。
・あの人に嫌われたかもしれない、あの人を怒らせたかもしれない、と心配するのは時間の無駄です。特別好きな人でもない限り、自分ごとのように他人を気にするエネルギーはそもそも存在しないのです。どうせ誰も気にしてないんだから、やりたいことをやる。言いたいことを言う。そう決めると余計な不安がなくなり、目の前の仕事にエネルギーを注げるようになります。
・「緊張」という状態が生じたとき、その状態をどのようにとらえるかには個人差があります。リラックスしなければと、深呼吸をしてみたり、気をそらそうとしたり、肩や首を回したり、ストレッチをするのも一つの手です。ただベストな選択だとは言えません。なぜなら「落ち着こう」という意見は、「力を発揮しよう」という意思と反対方向に引っ張り合ってしまうからです。結果的にミスが誘発されたり、パフォーマンスが中途半端なものになったりします。緊張という状態は無理になくそうとせず、ポジティブな方向にどんどん盛り上げた方が恐怖を消しやすくなります。人に対しても、または自分の脳内においても「なんかすごいことが起こりそう!」「ワクワクしてきた!」などといった言葉を使うだけで、緊張が興奮に変換されるのです。その瞬間、意識のフォーカスが、失敗する不安から今やるべきことに向き、周囲があっと驚くような結果をもたらすのです。
・ある計画を練るときはまずデスクに向かいます。デスクでは気が散るときは、近所のカフェに行きます。カフェで隣の声が気になる時は、歩きながら考えます。最終的にはお風呂場に行き着きます。椅子を湯船に沈めて座り、風呂フタをデスク代わりにして計画をまとめるのです。はたから見ればおかしな光景かもしれませんが、私にとってはベストな環境なのです。風呂で計画を立てるという行動と、ワクワクするという感情がくっついているから自制心が減らないのです。
・実験よれば、偉そうな態度をとると雄性ホルモンが分泌されて、背中をまるめるとストレスのホルモンが分泌されるそうです。男女の差もありません。元気がいいと、堂々とする。堂々とすれば元気になる。この法則を意識するかしないかで、一日の中の「元気でいられる時間」が増減します。私はいつも赤いネクタイを締めて、あごをひき、胸を張り、そのままの姿勢でパソコンに向かい、人と話し、街を闊歩しています。朝一番に、野性的に「ウワオ!」と叫ぶこともあります。勢い余って、その場でどたばたと足踏みすることもあります。それは私の本来が弱きだからであり、少しでも強気を得たいからなのです。弱気になればなるほど胸を張るのですが、いつも「堂々としていていい」とお偉方からほめていただきます。
・集中学習は、目前のテストやプレゼンには効果を発揮したとしても、長期的には記憶に残りにくいということになります。この記憶のクセは、きっと読書にも当てはまるはずです。誰かに本の内容を話そうとしたけど、うまく伝えられなくて、自分の記憶にがっかりしたという経験はありませんか。しかし「飽きたらすぐ、他の本に手をつける」というルールを作って、並行読みをするようになってからは変わりました。読む本によって視点が変わるせいか、内容をより深く理解できるようになり、記憶に残るようになったのです。また「この本を読まなきゃ」という義務感からも解放されたので、読書がもっと好きになりました。楽しいと感じながら読んだ方が読書の効果はより高まるはずです。人生とは「これまでの記憶」でもあります。好きで集めるものだからこそ、自分の本当の財産になっていくのかもしれません。
・話のつかみがうまいセミナー講師は、よく「イエスセット」という話法を使います。これは「イエス」という反応が期待できる問いかけを3回ほど繰り返した上で、次のイエスを引き出すというテクニックです。「今日はいいお天気ですね」イエス。「ジャケットを着ていると暑いくらいです」イエス。「今回、初めてお越しいただいた方もいれば、2度目以上という方もいると思います。イエス。このように聴衆は頭の中で「イエス」という言葉を3回言わされると4回目は何を質問されても「イエス」と答えやすく、話し手に対して肯定的な印象を持つことになります。ここまで露骨にやらなくとも、商談はいきなり切り出さず、雑談の中でたくさん共感を得てからの方がスムーズにいくはずです。
・「自分で決める」という行為はエネルギーを消費する一方、生きがいを与えてくれるものです。そして健康を維持するためにも欠かせないものです。自由は生命活動の基本。仕事でも家庭でも自由を奪われていくと、どんどん生命力が低下してしまうのかもしれません。私たちはいつでもどこでも、楽とか便利を追い求めやすいものです。でもそれは自分でやらなくてもいい、自分で決めなくてもいいを増やしていく活動です。疲れているから任せたいと思う時もあります。でも自由意志を放棄することによって、さらなる不健康を招き、もっと疲れやすい体質になるという悪循環を生んでいたらどうでしょうか。健康的に幸せな気持ちで働くためには、多少面倒くさくても決められることは自分で決めて、やれることは自分でやろうという気持ちが必要なのです。締め切りにギリギリ間に合わせることには自由がありません。でも、締め切りより早く仕上げることには自由があります。朝、早く起きることにも自由があります。通勤路を変えてみたり、あいさつを自分からすることにも自由があります。今日、自分から獲得できる自由にはどんなことがあるでしょうか。
・ピアノなどの学習の初期段階で「他のやり方があるかもしれない」と認識すると創造性が増します。「練習とは辛いもの」という認識があると、練習をわざわざ退屈なものにしがちです。どうすればもっと楽しく練習できるか?どういう練習をしているときが楽しいと感じられるのか?問い続けることが重要です。
・笑顔で取り組むと、物事を楽しむことができる。顔の筋肉を使わず、道具を使って物理的に笑顔にしました。それでも私たちの脳は「楽しんでるんだ」と錯覚してくれるのです。なかなか笑顔になれないという人は、せめて顔の形だけでも笑顔にしてみませんか。
・みんなが積極的に動くためにはどうすればいいのでしょうか。そのためにはお互いに、相手が「自分はどう動くべきか?」を考えるきっかけを作ってあげることが大事です。「〇月〇日までにやってください」よりも「〇月〇日までに必要な書類なのですが、ご都合はいかがでしょうか」「〇〇さんにやってほしいという意見が多いのですが、いかがでしょうか」という風に相手に決定権を委ねれば、相手は自分自身の選択として動いてくれます。仕事ができる人ほど、先に相手の行動を決めたくもなると思いますが、相手の判断を待つことも大事な仕事の一つです。みんなが自分で考えながら動くことができれば、みんなでできる仕事がもっと増え、もっと大きくなっていくからです。
・自分が直面している問題よりも、他人が直面している問題の方が答えを見つけやすい。自分が追い込まれているとき、私ならばすぐにこう考えます。「そんな状況に追い込まれている」と自分できづくことができたのだから、それだけでラッキーじゃないかと。さらにこう私に質問します。「こういった状況に追い込まれているのが、もしも私ではなく他人で、その人がもし私の所に相談に来たらなんて答えてあげるだろうか」。つまり脳内で「大変だ!どうしよう」という疑問を繰り返していると、現実を見る視点が「大変だ!」のまま固定されてしまいますが、いったん今の状況を他人事のようにとらえ直して見ると、それはそもそも大変なのかどうかすら分からない冷静な目で、直面しているできごとを見ることができるというわけです。答えはシンプルなものです。もしその場で答えが出ないなら、後で調べるか、知っていそうな人に聞くだけです。今答えが出ないことは、今悩んでも仕方がないということにも気づけるかもしれません。どうしても他人の目で見直すことができないというときもあります。そんなときは今の状況を誰かに聞いてもらうか、パソコンに打ち込んでみるといいかもしれません。言葉やテキストにしてみただけで、解決してしまうこともあるでしょう。