<金曜は本の紹介>
「歴代総理の通信簿 間違いだらけの首相選び(八幡和郎)」の購入はコチラ
この本は、明治維新からの近代日本を率いた歴代総理がどうして選ばれてきたか、それぞれの業績はどう評価されるべきかを厳しい眼で論じている本です。すべての首相について解説があり歴史の勉強にとてもお勧めです!
この本では歴代総理をランク付けしていますが、評価は次の3つを踏まえています。あくまで首相在任中のランク付けとのことです。
(1)優先的に取り組むべき課題が何であるかを正しく把握したか。
(2)その課題を解決するための方策を正しく立てたか。
(3)それを実行する政治力を発揮したか
さらに、追加的に考慮すべき視点は次の4点とのことです。
(1)状況がどれだけ難しいものであったか
(2)いかに得難い才能や業績であったか
(3)後継者育成に力を尽くしたか
(4)外国や国内の各界にとって好ましいリーダーとしての手本となったか
以下が、そのランク付けです。首相在任が短い3人は評価不能となっております。
<Aランク>
初代 伊藤博文
第6代 桂太郎
第10代 原敬
第31代 幣原喜重郎
第32代 吉田茂
第38代 池田勇人
<Bランク>
第2代 黒田清隆
第3代 山県有朋
第7代 西園寺公望
第12代 加藤友三郎
第14代 加藤高明
第16代 田中義一
第18代 犬養毅
第29代 鈴木貫太郎
第30代 東久邇宮稔彦
第37代 岸信介
第39代 佐藤栄作
第41代 三木武夫
第42代 福田赳夫
第43代 大平正芳
第50代 細川護煕
第53代 橋本龍太郎
第54代 小渕恵三
<Cランク>
第4代 松方正義
第8代 山本権兵衛
第11代 高橋是清
第15代 若槻礼次郎
第17代 浜口雄幸
第19代 斎藤実
第20代 岡田啓介
第33代 片山哲
第35代 鳩山一郎
第45代 中曽根康弘
第48代 海部俊樹
第49代 宮沢喜一
第52代 村山富一
第55代 森喜朗
<Dランク>
第9代 寺内正毅
第13代 清浦奎吾
第21代 広田弘毅
第24代 平沼騏一郎
第25代 阿部信行
第26代 米内光政
第28代 小磯国昭
第34代 芦田均
第40代 田中角栄
第44代 鈴木善幸
第46代 竹下登
第56代 小泉純一郎
<Eランク>
第5代 大隈重信
第22代 林銑十郎
第23代 近衛文麿
第27代 東条英機
<評価不能>
第36代 石橋湛山
第47代 宇野宗佑
第51代 羽田孜
<目次>
はじめに
序章 忘れられた初代宰相・三条実美しい
第1章 元勲たちの時代
初代 伊藤博文-柔軟な頭脳と私心のなさが光る文明開化の申し子
第2代 黒田清隆-北海道開拓にみせた手腕を発揮できず
第3代 山県有朋-近代的軍隊と官僚制度の確立に業績
第4代 松方正義-背後に元勲がいる緞帳内閣と酷評されたが
第二次 伊藤博文内閣
第二次 松方正義内閣
第三次 伊藤博文内閣
第5代 大隈重信-野党政治家としては素晴らしいが史上最低の宰相の1人
第二次 山県有朋内閣
第四次 伊藤博文内閣
第2章 藩閥政治の全盛
第6代 桂太郎-第二世代のエースにふさわしい見識と行動力
第7代 西園寺公望-大勢に沿った方向でのみ良識を示せた調停者
第二次 桂太郎内閣
第二次 西園寺公望内閣
第三次 桂太郎内閣
第8代 山本権兵衛-日本海軍の父も二度とも短期政権に終わる
第二次 大隈重信内閣
第9代 寺内正毅-首尾一貫はするが大局観に欠け失敗を繰り返す
第3章 政党内閣の誕生
第10代 原敬-地方に基盤を置く保守政治の創始者
第11代 高橋是清-世界史に残る名蔵相だが宰相としては凡庸
第12代 加藤友三郎-海軍出身の首相のなかで抜群の見識と勇気
第二次 山本権兵衛内閣
第13代 清浦奎吾-大正デモクラシーに合わなかった司法官僚
第14代 加藤高明-憲政の常道を確立したが庶民的人気なし
第15代 若槻礼次郎-最高の見識もリーダーシップに欠ける
第16代 田中義一-若き昭和天皇の軽はずみで失脚した悲劇
第17代 浜口雄幸-自己陶酔で迷走した初代ライオン宰相
第二次 若槻礼次郎内閣
第18代 犬養毅-ジャーナリスト出身の首相に重すぎた宰相の椅子
第4章 軍人宰相の蹉跌
第19代 斎藤実-国際連盟脱退の大失敗を防げず
第20代 岡田啓介-「敗れても1つの国なのは幸い」と弁解
第21代 広田弘毅-軍部に安易な妥協を重ねた諦めの人
第22代 林銑十郎-想定外の大胆さで誰もが茫然自失
第23代 近衛文麿-あとになっていつも後悔する軽薄な貴公子
第24代 平沼騏一郎-「欧州の天地は複雑怪奇」の迷言を残す
第25代 阿部信行-派閥抗争の局外にいたことだけで起用されたが
第26代 米内光政-海軍善玉論の象徴になったものぐさおじさん
第ニ・三次 近衛文麿内閣
第27代 東条英機-この人だけが責められる理由がある最悪の宰相
第28代 小磯国昭-東条を追い出したものの小物すぎて展望開けず
第29代 鈴木貫太郎-「ポツダム宣言黙殺」が悔やまれる
第5章 戦前派の復活
第30代 東久邇宮稔彦-大日本帝国の葬儀委員長として得難い宮様
第31代 幣原喜重郎-平和憲法海の親か
第32代 吉田茂-「勤王」と「英米協調」を希求した外交官
第33代 片山哲-決断力に欠け社会党を万年野党にする
第34代 芦田均-新憲法を体現した議会人だが非力に泣く
第二・三・四・五次 吉田茂内閣
第35代 鳩山一郎-よみがえった戦前型政党政治家
第36代 石橋湛山-人気衰えぬ孤高の人
第37代 岸信介-よみがえったアジア主義
第6章 戦後派の官僚と党人
第38代 池田勇人-時代先取りだった「トランジスタの商人」
第39代 佐藤栄作-長期政権がゆえの功罪さまざま
第40代 田中角栄-人の心をつかむ魔術師
第41代 三木武夫-政治改革の殉教者
第42代 福田赳夫-世界に通用した昭和の黄門ちゃま
第43代 大平正芳-良質な保守本流を代表する最後の総理
第44代 鈴木善幸-自覚していたとおり力量に欠ける暗愚の宰相
第45代 中曽根康弘-外交は満点、経済は零点
第7章 地方政治家とジュニアの時代
第46代 竹下登-県議から初めて首相に
第47代 宇野宗佑-趣味多彩な才人にして演説の名手
第48代 海部俊樹-若武者の初々しさと危うさ
第49代 宮沢喜一-伝統的リベラル派のエース
第50代 細川護煕-「細川の殿様」というより「近衛文麿の孫」
第51代 羽田孜-政治改革の大儀に殉じて早期退陣
第52代 村山富一-政権獲得も党立て直しにつながらず
第53代 橋本龍太郎-史上最強の族議員だったが
第54代 小渕恵三-途中から評価が高まった「凡人」首相
第55代 森喜朗-体育会系政治家の代表選手
第56代 小泉純一郎-小説の登場人物のように非現実的だが格好良い
第8章 歴代総理をランク付けすれば-宰相候補の小粒化は日本の危機
古今東西に共通する名宰相の条件とは
どうして大隈重信が最低ランクなのか
時代によって良い総理かどうかは変わる
平成の宰相に望まれる能力は
与党の総理候補たちが克服すべきこと-世界からの眼に配慮を
野党の首相予備軍への危惧-「君子豹変」できない総理は危険
歴代総理の履歴分析からみる宰相の条件
①国際経験と語学力はいまや不可欠
②総理候補の学力低下を憂う
③ジュニアという前歴をわらう
④閣僚経験の軽視傾向への警鐘
⑤総理候補の幅を拡げよ
⑥政治家同士で将来の宰相候補を育てる
おわりに
主な参考文献
面白かった本まとめ(2006年)
面白かった本まとめ(~2006年)
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<今日の独り言>
トーマス電車セットの線路コースを大幅に変えてみました。2歳9ヶ月の息子は、興味深々で、色んな視点で電車が走るのを見ます^_^;)やはりコースに変化があった方が面白いようです・・・