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「マネーの正体(吉田繁治)」という本はとてもオススメ!

2014年01月17日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>


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 「マネーの正体(吉田繁治)」という本を読みましたが、この本はお金の本質を学ぶ意味ではイチ押しでオススメな本ですね!

 この本は現在流通している「お金」とは何かについて、わかりやすく丁寧に説明したものです。

 具体的には、信用貨幣の根源、中央銀行が独占するお金の発行、発行益(シーニョレッジ)、信用乗数、そして2019年のBISのバーゼルⅢによる銀行の資本規制の強化(8%→10.5%)とその影響、経済成長、ゴールド(金)とFRBの戦い、デリバティブの影響、日本の今後の財政、今後の金融資産の防衛等について分かりやすく説明があります。

 マネーに関して私自身疑問に思っていたことについても明確に書かれていましたし、知らなかったことや、関心を持ったことも数多く書かれてていて、かなり考えさせられそしてとても勉強になりました!

 またこの本は2012年に発行されたのですが、もっと早く読めばよかったなぁと反省しましたね。

 というのはこの本が執筆された当時は1ドル80円で、2013年から円安に向かうだろうと書かれていて、まさにその通りとなっていて、データに基づいているとはいえ、その眼力は凄いと思います。

 また今後については日米欧と金融緩和が進むなかで実質的にお金の価値は下がっていて、日本が財政破綻に向かえばもっと円安になるし、金(ゴールド)が莫大に発掘されない限り、金(ゴールド)を長期的に持っていたほうが良いのかなと思いましたね。

「マネーの正体(吉田繁治)」という本は、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・①08年からの米国のサブプライム・ローン危機、②そして1000兆円の住宅ローン債権の下落では、潜在的に500兆円くらいが失われているはずです。住宅価格が半分になっているからです。経済規模(GDP)が、14兆ドル(1120兆円と日本の2.2倍(1ドル80円で計算))の米国とほぼおなじ欧州も、1000兆円の住宅ローンがあるでしょう。欧州の潜在損も、南欧を中心に500兆円はあると推計できます。米欧の住宅ローン関連だけで、1000兆円の潜在損が、金融機関のバランス・シートに隠れているはずです。これが米欧の中央銀行が、500兆円のマネーを刷って、銀行に貸し、国債を買った理由でもあります。事実、米国のQE3では、FRBが、売買市場が消えているMBS(不動産ローン証券)を、全額無制限で買うと表明しています(12年9月14日)。なお、米国の住宅ローンでは、担保の住宅を手放せば、ローンの残債を支払う義務からも解放されます(1930年代の大恐慌のときつくられた制度)。このため、いったん住宅価格が下がると、売り物件が増え(抵当流れ:フォアクロージャー)、もっと下がる傾向を示します。このため、米欧では住宅価格の下落はそのまま金融機関の損になります。この点、住宅を手放しても残債がどこまでも個人追う日本とは異なります。AMEXの使用額無制限のクレジット・カードでも住宅が買えたのが米国です。

・ゴールド(金)は、ほぼ2000年からドルの反対通貨と認識されるようになって、高騰しました。FRBがつくられた1913年以降、ドルが過剰発行されたからこそ、金が上がっています。金の高騰の原因は、ドルの過剰発行(紙幣価値の低下)であり、単純です。

・2012年7月末の、日銀のマネー供給の総額は、全体で146兆円です。1998年の日本の銀行危機以後、銀行への資金供給によって約100兆円膨らんでいます。日本の金融機関の、バブル崩壊後の、銀行が抱えた担保不足の不良債権は、金融庁によって約100兆円とされました。この不良債権額に相当する分が、日銀から銀行部門に供給されています。日銀の印刷マネーの貸付によって、銀行の破産と預金のカットが防がれたと言っていい。信用乗数(12.5倍)が高まらない原因も、銀行に不良債権と、潜在的な不良債権が残っているからです。マネーはじゃぶじゃぶに供給したと言われながら、バブル期のようには世帯や企業にマネーがあふれないのは、銀行部門の潜在的な不良債権のためです。不良債権の上にかぶさった過剰流動性は、銀行システムのなかだけのことです。海外では、米国FRBが、07年の3.2倍の2.8兆ドル、欧州ECBでは2.6倍の3.1兆ユーロです。スイスも、ユーロからの買いで高騰するスイスフランをおさえる介入のため、中央銀行が4925億フラン(41兆円)に、マネー供給を4.1倍に増やしています。

・現在、1000兆円の国債残高で、1年に40兆円から50兆円の新規国債を発行せねばならない財務省の心理も同じです。日本は金利が2%上がって3%台になると、18世紀のジョン・ローが活躍したフランス政府のように利払いができず、国家破産に向かうからです。このため財務省は、消費税を10%にあげることで、税収のほぼ12兆円から13兆円の増加を図り、毎年40兆円から50兆円の新規国債発行を、30兆円から40兆円に下げて、国債の信用危機を避けようとしています。

・中央銀行は、自分が発行する紙幣で自己増資もできるため破産しません。国家も、「政府紙幣」を発行できる信用があれば、国家が、中央銀行や徳川幕府と同じように「シーニョレッジ」の利益を、国民の金融資産からかすめとって支払いにあてることができるので、国債の利払いがいくあっても破産はしません。ただし政府紙幣が多額なときは、半年から3年内には国民が受ける物価のインフレが起こります。中央銀行のマネー発行でも同じです。インフレは、その国の通貨価値の下落です。その通貨は外為市場で売られ、金利は上がって通貨安になります。インフレは通貨の信用が壊れることです。なお通貨とは、他国のお金との外為交換という意味でのお金です。

・BIS(国際決済銀行)は2012年からはじめて2019年には、08年以降、巨大な不良債権を抱え続けている世界の銀行に対し、バーゼルⅢ(自己資本比率10.5%)を課す予定です。このため信用不安から銀行の増資(世界で400兆円規模)ができないと、マネー・サプライ量(M3)で20~30%の縮小が想定されます。バーゼルⅢが実行されたあとの世界経済では、マネー・サプライ量の減少から、デフレ型の不況と信用危機が続く可能性が高いと見ています。金融資産が増えているため、デフレとインフレは紙一重になっています。なぜ、バーゼルⅢが実行予定なのか、不明です。公式には「世界金融の正常化」のためですが、バーゼルⅢを実行すると日本の銀行への1998年以降のバーゼルⅡ(自己資本比率の下限8%)の適用に似て、世界の金融危機は高まります。米欧の主要銀行の、本当の自己資本比率(合計自己資本は公称200兆円)は、リスク資産額(約4000から5000兆円)に対し、4%から6%しかないからです。これは、1929年から30年代前半に、米国FRBが、株価と不動産の暴落による不良債権で破産状態の銀行に、マネーを供給しなかったため実体経済が大恐慌(米国に失業率25%:GDPは50%に縮小)におちいった歴史に似ています。

・ドイツがもっていたユーロへの狙いは、日本に円をアジアの基軸通貨とする意思があるのなら、想像できるはずです。アジアが円を使うなら、日本は、あたかも金細工師のようにシーニョレッジとしての通貨発行益をタダで獲得できるからです。日銀が通貨を増発すれば、それで輸入商品が、日本に手に入れることができます。ただし、現在の日本にはこの意思も力もありません。英国ポンドは、小さな島国であっても、19世紀の基軸通貨でした。第二次世界大戦をはさむ20世紀の約50年で、次第に米ドルに替わっていったのです。

・2000年からのユーロ統一通貨は、米ドルに、基軸通貨特権を、独占させないことが真の目的でした。このため、南欧債での損害に対し、2012年8月までに3兆ユーロの紙幣を印刷しても、南欧をユーロから切り離さないというドイツとEU当局の姿勢が出ているのです。ドイツは、現在、自分の金融資産を注ぎ込んでも、南欧を救済しようとしています。2012年9月初旬に、ECBは、「PIIGS債を無限に買い取る」と言明していました。なおユーロの仕組み言えば、フランクフルトにあるECB本店(ドイツ)だけが、ユーロ印刷の権限を持っています。ギリシャやスペインにあるのはECBの支店です。支店は、ユーロを印刷できず、本店から借りるだけです。

・FRBへの資本への出資者は、これも不思議なことに米国政府ではなく、伝統の長い民間銀行です。FRB設立の経緯と本当の事業目的は、謎めいています。出資者の民間銀行の株主と、その株主への資金提供者をたどれば、確かに、英国債を売買してきたロスチャイルド家や、石油閥のロックフェラー家に行き着きます。

・イタリアの14世紀から16世紀(ルネサンス期)までの、フィレンツェ(トスカーナ公国)の政治と金融を全部支配していた、ゴールドのメジチ家のようなものが、ロスチャイルド家でしょう。マネーを貸し付けることによって相手を支配できるからです。お金がないか、借金超過なら、自分の意思で行動する自由がないからです。借金は、人から、行動の自由を奪います。

・米国FRBの資本は、民間銀行の持ち株を経て、確かに、ロスチャイルド家につながっています。しかしマネー印刷や金融政策は、FRBの株主ではなく、FRSの理事会が決めています。その前議長がグリーンスパン、現議長がバーナンキです。FRSは、任期14年の理事9人(空席もある)によって構成されています。FRBの株主(民間銀行)は、9人の理事のうち6名を選任できます。少し複雑ですが、FRSの議長は、株主ではない米国大統領が指名し、議会の承認を得て就任します。株主の意向は、理事の選任を通じて反映できますが、FRSの政策決定は、世界からモニターのなかにもあるため、金融政策は隠れた株主であるロスチャイルド家の意思である、とまでは言えないと感じています。その点で、ロスチャイルド陰謀説に加担しません。ただしFRBの本当のバランス・シートに、公表される数値以外に、隠れたドル印刷があるとすれば、若干は、話は別になります。FRBが、秘密裏にマネーを銀行や政府に出していると主張するのは、共和党の下院議員ロン・ポールです。こうしたことは、自分がとる金融政策を、あらかじめ言う義務がない中央銀行が行うことがあります。2012年6月の事例では、ECBが、ギリシャ政府と銀行に対し、公表する金額とは違うユーロを、隠れて供給していることが明らかになっています。

・BISは、国際金融マフィアの総本山であり、米国、英国、ユーロ(17カ国)、日本を含む各国政府の上にあります。マフィア(固有の倫理と論理をもつ集団の意味)というのは、当方の用語ではない。国際金融では普通に言われることです。BISも公的な機関ではなく、私的な金融資本だからです。米国のFRSには米国政府が関与していますが、BISに対してはどこの政府も関与できません。BISは、各国の中央銀行から預金を預かって、中央銀行やIMFに貸付けをしています。BISの資本はベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、英国、日本という6カ国の中央銀行が各1万6000株を出資し、米国の3つの民間銀行(JPモルガン、ファースト・ナショナル・バンク・オブ・NY、ファースト・ナショナル・バンク・オブ・シカゴ)の3銀行が、1万6000株ずつ合計で4万8000株を持ちます。BISの資本は、事実上、米国の民間3銀行が支配しているとも言えます。

・BISの役員と職員(約600名)には、外交官特権とおなじ「治外法権」が与えられ、金融国スイスの法も課税も及びません。各国の為替の最終決済ができないと、金融は動くことができません。仮にドル・円交換停止になったときを想像すれば、日本経済は奈落に落ちるのでわかります。BISが、よもやこれを発動することはありませんが、発動する権限はもっています。戦争となると、別でしょう。2012年に米国政府が、米銀やスイスの銀行へのイラン所有の預金に対し、封鎖(引き出し禁止)を命じ、日本を含む世界に協調を要請したようなことです(これが経済封鎖です)。商取引に必要なマネーをおさえれば、経済を封鎖できます。

・バーゼルⅢの自己資本比率10.5%が適用されると、世界の民間マネー・サプライは、「8.0%/10.5%=76%」へと、24%も減らざるを得ません。金額でいえば驚愕します。世界のマネー・サプライはGDP(5000兆円)の約3倍の1京5000兆円です。1京5000兆円の24%は、3600兆円分に相当するリスク資産(貸付金と有価証券)を、銀行が減らさねばならない。これは、強烈なデフレ型恐慌を招きます。日本の銀行も同じです。

・BISのバーゼルⅢ(2019年から適用予定)は、国債もリスク資産と見るような変更も含んでいます。国債がリスク資産とされれば、銀行が保有国債を売らねばならず、明確に政府の財政破産が起こります。

・21世紀に増える、物的な商品ではないサービス産業は、個人の知識と技術によるものであり、会社の組織的な知識・技術(例えば量産工場)ではないことです。不動産担保のない個人事業(1億2000万人)に、米国では、エンジェル投資家やファンドによって、資本が供給されています。米国は、1990年代からの情報とサービス業時代とともに、個人事業の時代になっています。日本も、同じ方向しかない。根本を言えば、個人化した情報システムが事業の設備です。パソコンとインターネットが促すのは、過去の、大規模な設備が必要だった加工機械(大資本)とは違う産業の革命です。サービス業も、まとめて言えば知識産業です。

・不動産が担保になって平均年率12%で値上がりしていた時代(1990年まで)は、日本経済は、企業融資の増加があり、成長していました。我が国の信用創造の制度は、金本位や信用貨幣ではなく、不動産本位でした。不動産本位から脱却せねば、21世紀の日本の実質経済成長と個人所得(=GDP)の増加はありません。断言できることです。

・人口減と高齢化で、全国の空き家は17%(住宅ストック5759万戸のうち757万戸:08年総務省)に増えています。2003年から100万戸も増加しました。高齢化と地域の人口減が、住宅への需要を減らしたからです。日本全国でいえば、30年後に現状の人口を維持(または若干の増加)するのは、東京、神奈川、沖縄、滋賀の4県だけです。その他の県は人口減です。このことは、不動産の値上がりがないため、不動産担保の融資では企業にマネーが増加供給されず経済成長ができないということです。

・1991年から2012年までの21年間、主に、ゼネコンや下請け企業群の損失補填や負債の返済に使われたため、建設業の、600万人の正社員や臨時雇用の賃金が上がる乗数効果は低く、その後のGDPを増やすことがなかった公共事業と公共投資が、650兆円です。その借金が政府に、1000兆円の国債と短期借入金の残として残っています。信用貨幣による信用乗数から、ここまでわかります。

・21世紀は、個人事業が全国に増え、数人の文殊の知恵型の個人事業が、経済を発展させる時代です。日本の30歳代、40歳代、50歳代のほぼ5%の人(250万人)には、ノウハウはあります。資本がないだけです。250万人のミニ企業予備群に、事業計画の審査をし、政府が100兆円を費やせば1社あたり2億5000万円です。日本には米国のような、個人金融資産が多額なエンジェル投資家がいないので、政府と銀行がこの役割を果たす必要があります。技術資源は、大組織からのリストラを受けた人や、早期退職制度で辞職した個人が中国、韓国、アジアの技術顧問になっているくらいで、まだ十分に残っています。しかしあと10年も後になると、65歳や70歳を超えて難しくなります。必要なのは、ノウハウをもち成長の可能性があるミニ企業への真正の、政府や自治体の資本での「投資銀行」です。現在、土地担保主義の日本にはこれがない。ここが、経済成長がない理由で最大の要因です。地方自治体も、20世紀型の空きだらけの無駄な工場団地、流通団地ではなく、21世紀型の個人事業の集合ビル、集合地帯を安い地代でつくる支援をすることです。販売では、インターネットで10億人の世界がマーケットになります。21世紀は、生産地はどこであってもいいのです。

・現在、成長できる企業寿命は10年と短い。30年以上続く会社は10%(25万社)、10年付近でしかないグループが50%(125万社)、10年以内に消える会社が40%(75万社)ということです(推計)。このため1990年代から、生涯賃金が2倍くらい高く、年金と福祉も厚い公務員人気が高いのです。

・過去を調べると国際的な金融の大きな変化は、多くが8月15日を中心に起こります。理由は、8月は、米欧のファンド・マネジャーが長期バカンスでリゾート地にいて、緊急の売買に遅れるからです。政府や中央銀行が相場を動かしやすくなるからです。15日は、第二次世界大戦終結のシンボルの日です。

・金の現物価格を決めているロンドン市場に言及します。金を売買する銀行がブリオン・バンクです。ブリオンは金の延べ棒の意味です。金は、ドル、ユーロ、円、人民元と同様、通貨と考えられています。ブリオン・バンクは欧州に多数です。日本でも1978年の金自由化以来、銀行で金現物を取り扱っています。日本の場合、銀行法によって貴金属取引の範囲が限定されブリオン・バンクはない。売買の代役は、商社が果たしています。国際的な金現物の取引における指標価格は、午前と午後の2回、ロンドン金市場(黄金の間)でフィクシング(値決め)されます。フィクシングにあたっている07年現在のメンバーは、①デル・バンコ系のスコシア・モカッタ銀行(ここがメインです)、②バークレイズ、③ドイツ銀行、④HSBC、⑤ソシエテ・ジェネラルの5社です。なお、金証券の売買である先物市場ではNYが中心です。現在、金でも差金決済の先物市場が、現物市場より何倍も大きくなっています。この先物市場(COMEX)は、欧州に金取引を独占させないため、米国がつくったものです。

・1999年、欧州15カ国の中央銀行(EU加盟国)がワシントンに集まり、不思議な決定が行われます。向こう5年間、中央銀行の金売却を400tまでに制限するという条約(ワシントン条約)です。1980年には、イランのイスラム革命の後、米銀へのドル預金を米政府に封鎖された中東の買いを原因に、1オンス850ドルまで高騰した金価格は、80年から90年代の20年間、欧州の中央銀行の協調による金売却で、1990年代は252ドルの底値をつけるくらい下がっていたからです。再び、金が高騰することはないと中央銀行が考えたためでしょう。ところがこの1999年の売却制限を機に、金価格は330ドルへ上昇したのです。奇妙なことに、ワシントン条約の最初の起草には、FRBは、日銀と同様に参加していません。欧州の中央銀行間の条約だったのです。参加15カ国の金保有は、1万5994tです。なおFRBと日銀は、このワシントン条約に従うという参加でした。ワシントン条約の条項は以下です。
1.金は今後も、世界各国の重要な準備資産であることを確認する。
2.署名した中央銀行は、決定済みの売却を除いて、売り手として参加しないこと
3.決定済みの金売却h、今後5年間にわたり協調プログラムのもとで実施されること。年間の売却量は400t以下、5年間の合計売却量は2000tを超えないこと(2000tには、売却決定済みの1715tが含まれている)
4.署名した中央銀行は金の貸出(リース)と、金のデリバティブ取引を拡大しないこと
5.協定は、5年後に見直されること
6.IMF、BIS、米国FRB、日本も同意を表明

・金の売却を制限するワシントン条約は、金が高騰したあとも2004年、2009年と2回更新され、現在の有効期限は2014年末です。これは、FRBを筆頭とする米欧の中央銀行の金がなくなっていることを証明するものに思えます。金が十分あるなら、史上最大の2000年代の高騰に対し、基軸通貨を発行するFRBが売りに出て、価格を下げるはずだからです。金価格は米ドルに対して1600ドル~1700ドル付近であり、1980年の最高値850ドルの2倍に高騰したからです。需要では、投資用が40%のシェアに増えています。推測では、1980年から1999年の20年、一貫して金現物を買い占めたのは、イタリアが本拠のデル・バンコ系のスコシア・モカッタ銀行とされています。なおデル・バンコは、BISの大株主です。もしデル・バンコなら、買い占めてきた金の5倍への高騰で現在、世界中で最大の純資産(最大資本)の銀行です。古来、長期投資の方法は、「羊は太らせて食え」です。

・金価格は、短期では資源と同じように、ヘッジ・ファンドによる先物の投機買いやオプションでの買い、あるいは先物売りやオプションの売りで動きます。ただし、ヘッジ・ファンドの売買は、基本が裁定売買(ヘッジ)であり、資源と同じ仮需です。金価格が下がるときは、ヘッジ・ファンドが他の証券や資源で損をし、投資家に対する3ヶ月サイクルの決算報告で利益が出ているものの、換金売りを迫られたときです。ヘッジ・ファンドも銀行と同じように損をすれば、投資の引き揚げが起こるからです。短期で上がるのは、その逆です。2008年以降、次第に、「ゴールドは、価値を下げる米ドルの反通貨」と認識されるように変わっています。このため、米ドルが上がるときは下がり、ドルが下がるときは金が上がる逆傾向を示しています。世界の準備通貨になっているのは、基軸通貨のドルです。中国を含む新興国の中央銀行には、価値を下げる米ドルの代わりにゴールドを買い増しする動きがあります。ここまで示せば十分でしょう。中期(3年スパン)で言えば、金価格はスイス・フランと同様に上昇するでしょう。短期では価格騰落を繰り返します。投資でいい方法は、買って忘れることです。そして毎月上がっても下がっても、可能な一定額を買い続ける定期積み立ての方法です。こうした投資は、失っても惜しくないマネーで行うことです。

・財政破産は、官僚経済の破産です。街と命を一瞬で消した3.11の津波のように恐れる必要はない。財政破産は、徳川幕府が明治維新に、敗戦が戦後になったような変化です。明治維新では、廃藩置県で幕府(中央政府)、大名(地方自治体)と、武士(官僚)が領土を失いました。ただし現代では、年金、医療の福祉の、ほぼ30%の必要額削減になるのが、痛いことです。しかし純金融資産を持たず、現在の社会福祉制度が続けば一人あたり1200万円の損をする30歳代、1660万円が損になる20歳代、4580万円がマイナスになる19歳以下、つまり合計5581万人の人たちにとって、現在の福祉と金融資産が約30%ご破産になるのは希望を与えることかもしれません。財政破産の結果は、政府が、払える範囲でしか払えなくなるということです。少なくとも30兆円くらいの支出を減らす必要があり、これが、年金と医療の福祉の30%削減と公務員人件費の30%カットです。財政破産になると、1513兆円の個人金融資産も、その実質額が30%は減る方向に向かいます。

・国家財政の破産がないとすれば、世界の金利は、2%台以上に上がることは想定できません。今後は、一時的、短期的(半年内)には、3%になることがあっても、それ以上になると、日米欧同時の、財政破産だからです。財政破産の可能性が100%ないのはドイツとスイスだけです。世界は、平均でGDPの3倍の負債(1京5000兆円)をかかえているからです。しかしドイツ債はユーロを解体しないかぎり、PIIGS債に引きずられたユーロ安があるため、選択肢にはなりません。今後の、個人金融資産の運用では、増やすのではなく、防衛を目的とすべきです。

<目次>

第1章 「お金」の実質と名目の価値
 1.「お金」とは何か
 2.将来への期待おいう不安定なものが、資産価格を決めてきた 今後も同じである
 3.金融危機後の世界は同時にマネタイゼーションだが、今はインフレはない
第2章 マネーの発行は、なぜ「秘密」と思われてきたのか
 1.金属貨幣の発行と、国家が得るシーニョレッジ
 2.「準備銀行制度」の発祥は、ベネチアの金細工師から
 3.持ち手にとっての金融資産、つまり金融機関にとってマネー・ストックがGDPの3倍と大きくなっていることが有む問題
 4.世界の総負債は1京5000兆円(GDPの3倍)だから、金融危機は連続する
第3章 中央銀行のマネー発行と、銀行システムによる信用乗数の効果がもたらすもの
 1.現金性があるマネーの範囲と経済成長
 2.中央銀行という紙幣の発行システムのはじまり
 3.日銀の設立と紙幣の発行
 4.紙幣の発行と、日銀と各国の中央銀行が得ているシーニョレッジ
 5.日銀券は、日銀の負債というパズルを解く
 6.シーニョレッジの発生を否定する日銀と学者たち 理由は何か?
 7.世界のGDPの3倍の金融資産という、新しい要素を考える
 8.基軸通貨を増発するFRB 当惑するパズルを解く
 9.BIS(国際決済銀行) 各国の中央銀行に君臨するスーパー・パワー
第4章 信用乗数と経済成長、人々の所得が増えるのはなぜか?
 1.信用乗数とは何か、経済と個人所得に何をもたらすのか?
 2.90年代以降のわが国の銀行融資の問題 有効な投資への貸付がファイナンス
 3.バブル経済崩壊後22年・・・日本経済の根底にあること
 4.所得が増える経済成長は創造的破壊がないと、いつまでも生まれない
 5.知識産業化とともに個人化する企業 今後の日本経済のために
第5章 ゴールドとFRBの40年戦争と最終勝者
 1.基軸通貨ドルの成立から
 2.ドルと金の戦争の歴史
 3.ワシントン条約での金の売却制限
第6章 21世紀の新しいマネー巨大デリバティブはどこへ向かうのか?
 1.5京円に膨らんだデリバティブの問題と行く末
 2.金融資産の未来価値を確定しようとする試みがデリバティブであるが
 3.デリバティブ証券の作成方法
   事例MBS(不動産ローンの、返済金と金利を担保にした証券)
 4.ヘッジ・ファンドの運用結果を考える この結果は、なんとしたことだ!
第7章 われわれのお金はどこへ、どう流れているのか
 1.世帯の金融資産、1513兆円とは言うが
 2.わが国の資金循環表で見る、マネー全体の流れ
 3.日本は対外純債権を263兆円もつから、ドル債を売れば国家財政は支えることができるという論について
 4.国家の財政を破産させないための、政府紙幣の発行はどうか?
終章 金融資産の防衛
 1.運用の前提になること
 2.今後の運用で肝心になる「実質実効利回り(金利)」という視点
 3.各国の通貨は各国のマクロ経済と、マネーの動きから見てどうなるか
 4.株式という選択肢
 5.資源とゴールドの価格
おわりに


面白かった本まとめ(2013年下半期)

<今日の独り言> 
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