今年の「年イチ(Once A Year)」トリオのSDLX公演の前座は2011年の同公演のサポートアクトを務めたカナダの美人音楽家クリス・コールにジョー・タリアとジェームス・ラシュフォードを加えたトリオが出演。ジェームスはやはりオーストラリアの若手でオーレンやジョーと共演経験がある作曲家/ピアニスト/バイオリニスト/即興演奏家。オーレン・アンバーチを核に豪州の新世代地下シーンが辿れそうだ。クリスは前回同様金属板を擦る音を電気増幅、ジョーはスネアやシンバルをスティックで擦った摩擦音、ジェームスはヴァイオリンによるトニー・コンラッドのようなドローンサウンドと三者三様の物音ノイズ。特に盛り上がりもなくガサガサゴソゴソいう音が続く演奏はオーレンのソロ作品に通じるアンビエント音響。先日のジムのアンビエントソロでは睡魔に悩まされたが今回はトリオなので飽きずに観られた。部屋でじっと耳を澄ませて聴く種類の音楽ではないと思うがライヴで観たりながら聴きするのは悪くない。
キース・ティペット日本ツアー東京二日目。キースはキング・クリムゾンの「ポセイドンのめざめ」「リザード」「アイランド」に参加したことで知られているが元々は前衛ジャズ・ピアニストでありクリムゾンにはゲストとしての参加である。昨年頭からキース・ティペット・グループの2ndアルバム「Dedicated To You, But You Weren't Listening」(1971)を愛聴していた。エルトン・ディーンやロバート・ワイアットといったソフト・マシーン人脈のミュージシャンが参加したこの作品はソフツ風のジャズロックとキースの出自であるフリージャズがバランス良く混在した英国ジャズの名盤。嘘つきバービーのライヴ会場で知り合ったふた回り年下のゆら帝好きの女性が好きだと言っていたから誰か最近人気のアーティストが紹介したのかもしれない。そもそもキースのことを知ったのはジュリー・ドリスコールがきっかけである。1960年代スウィンギングロンドンのアイドル歌手だったジュリーがより実験的な音楽を求めて出会ったのがキース。ジュリーは1stソロ・アルバム「1969」にゲスト参加したキースと恋に落ち結婚、以来二人は公私ともに良きパートナーとして活動する。
Keith & Julie Tippett live in Jazz à Luz 2007
今回の来日決定の報に最初に頭に浮かんだのは奥さんのジュリーも一緒に来るのか?ということだった。プロモーターの大沢さんに確認すると「今回はキースひとりだが次回考えたい」とのこと。大沢さんの主宰するReal&Trueはちょうど1年前ピーター・ハミルを招聘したプロモーターでアーティストとファンの両方の気持ちを充分理解した良心的な公演を企画する。前回は公演後ファン・ミーティングとしてピーター本人と交流する場を設けてくれた。今回は小規模の会場での公演なのでキースと話せるに違いないと思いサイン用のレコードを探す。「Dedicated~」は黒ジャケでサインしにくいのでレコード棚を捜索し1stアルバム「You Are Here ... I Am There」を発掘。ジャケが黄ばんでいるが経年を考えれば悪くない。ところが捜索中に大変なことを発見。窓際に置いた段ボールのCD棚下の絨毯が湿っぽいので調べたら段ボールがびしょ濡れでCDがすべて湿気と黴でダメになっている!怖くて全部は確認していないがグルグル、ポポル・ブー、ファウスト、CAN、ノイ!、クラウス・シュルツ、クラスター等のジャーマン・プログレが全滅。完全に凹む。引っ越して以来一度もチェックしなかったことを悔やんでも悔やみ切れない。。。
不失者をカバーするという無茶な試練に耐えられるのはロンドン仕込みのこの4人組だけだろう。しかも同じく長髪繋がりのジャックスのカバーのカバーという二重螺旋構造の不条理極まりない挑戦である。まさに苦行だが異国の波にもまれて育ったロック魂で運命を切り拓いて欲しい。早川義夫とも灰野敬二とも違う"壁を越える(Line The Wall)"新たなサイケデリックの指標を築き上げるだろう。
ノリの良さそうなヲタ系ファンとロック好きな女子が入り交じりWWWは一種異様な熱気に溢れている。出演順はマル秘だったがステージセットを見れば一目瞭然。トップはN’夙川BOYS。キノコホテルとの2マンに続き2か月連続のWWW。シンノスケBoyが黄色のヒラヒラシャツで登場しフライヤーを撒く。「行けるかーい!」とマーヤLOVE。リンダdadaの赤いリボンがキュート。観客の大歓声に迎えられロケンロー爆撃開始。お祭り騒ぎが身上の彼らだがこの日はいつも以上にハイテンポ。ホワイトデイに因んでキャンディーをばら撒き「Candy People」に突入。マーヤが客席にダイヴし最後列まで客の上を歩いてきて煽る煽る。会場全体が揺れる盛り上がり。イベント初っ端からこんなに盛り上がって大丈夫?と心配になるほどだが、この日のお客さんは元気が有り余っていた。♪タイゲン・ボーイ♪と歌っているように聴こえるのでBO NINGENのTaigenがお気に入りという「TRY AGAIN ~boys and girls~」も特別に演奏。45分のステージを熱狂度ピークのまま突っ走った。3月20日ベスト盤「THANK YOU!!」リリース。
<Set List>
01.プラネットマジック
02.24hour
03.FUN HOUSE
04.TRY AGAIN ~boys and girls~
05.Candy People
06.物語はちと?不安定
1980年代の一時期ジョン・ダンカンは東京在住で私がバイトしていた吉祥寺Gattyに何度も出演していた。当時はLAFMSとの関係もさることながらピナコテカ・レコードとの関わりが印象に残っている。ピナコテカ発行のフリーペーパー「アマルガム」にはしばしばジョンの活動・リリース情報が掲載され、実際ピナコテカ経由でカセット「Music You Finish」、クリス&コージーとの共演EP「憂国」、ソロLP「Riot」を出している。地下1Fの湿り気を帯びたGattyで取り憑かれたように短波ラジオをチューニングしている姿が記憶に焼き付いている。彫の深いゴツい顔にいつも不機嫌そうな表情を浮かべているので何を考えているのか計り知れない不気味さがあった。1990年代にはヨーロッパへ拠点を移し時々音楽雑誌やサイトに近況がレポートされた。G-Modern誌で1996年アムステルダムで行ったパフォーマンス(インスタレーション?)で参加者と共に全裸で真っ暗な地下室に一晩中閉じ込もったという記事を読みアクション派芸術家のジョンらしいなと思った。
世界のランジェリーシェアNo.1ながら日本ではワコールに水を開けられ2位に甘んじているトリンプは「カワイイ!を楽しむ女の子のための」ブランドAMO'S STYLE by Triumphのイメージキャラクターに若手女優の広瀬アリスを起用し王座獲得の闘いの狼煙を上げた。昨年のアモスタイル・キャラクターはトリンドル玲奈が務めカワイイ女の子を演じていたがイマイチ印象が薄いのは否めない。トリンプはアモスタイルとは別にトリンプ・イメージガールを毎年選出している。2013年度は渡辺アリサとALISAという二人のアリサでアモスタイルの広瀬"アリス"とゴッチャになり紛らわしいことこの上ない。トリンプとアモスタイルの違いも男性にはわかりにくいが女性はどう感じているのか?イメージを統一したほうがNo.1奪取の近道だと考えるのは半可通のおせっかいだろうか。
AMO'S STYLE by Triumph 2013年新イメージキャラクター広瀬アリスちゃん登場!