A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ@六本木スーパーデラックス 2013.3.17 (sun)

2013年03月19日 00時15分21秒 | 灰野敬二さんのこと


灰野・オルーク・アンバーチ
新作LP「まだ 温かい内の この今に 全ての謎を 注ぎ込んでしまおう」リリースライブ!

出演: 灰野敬二 + ジム・オルーク + オーレン・アンバーチ
前座: Crys Cole + Joe Talia + James Rushford

2010年以来新年恒例のオーストラリアの実験音楽家オーレン・アンバーチを迎えての灰野敬二スペシャル・トリオのスーパーデラックス(以下SDLX)公演、今年は少し春めいた3月の開催。そもそも2009年1月に福岡県の現代美術センター・CCA北九州のサウンド・ワークショップのためにオーレンが来日し灰野とジムと共演したのがトリオの誕生だった。その時の演奏はCD「Tima Formosa」で聴けるがオーレンがギター、ジムがピアノ、灰野がヴォイス&エレクトロニクスの編成でアンビエントな感触の実験音楽だった。翌年1月からオーレンの来日ツアーはCCA北九州イベントからSDLX出演という流れが恒例になった。SDLXでは灰野がヴォーカル&ギターetc.+ジムがベース、オーレンがドラムという編成でパワフルでダイナミックな演奏を展開している。ライヴ録音され翌年の公演でアルバムが会場発売されるのも定例。「またたくまに すべてが ひとつに なる だから 主語は いらない」(LPのみ/2010年録音/2011年リリース)、「いみくずし」(LP+CD/2011年録音/2012年リリース)、そして今年は「まだ 温かい内の この今に 全ての謎を 注ぎ込んでしまおう」(LP+CD/2012年録音)とリリース。どれもSUNN)))のスティーヴン・オマーリーによる芸術的なデザインでLPは限定プレス豪華内袋付見開きジャケット仕様という魅惑的な作品。毎年LPに3人のサインを貰うのが私の年中行事になっている。昨年夏にリリースされた灰野+オーレン+スティーヴン・オマーリー「なぞらない」(LP+CD/2011年パリ録音)も同様の装丁である。

▼「まだ 温かい内の この今に 全ての謎を 注ぎ込んでしまおう」ジャケット


今年CCA北九州のサウンド・ワークショップにはオーレンとジムに加えジョン・ダンカンが出演した。CCA北九州には世界各国の実験音楽家が来日・交流しユニークな企画が開催されているので九州在住の方は要チェック。今回オーストラリアの若手実験音楽家ジョー・タリア(Joe Talia)も来日し3月13日SDLXで「Oren Duos」と題して「オーレン+ジム」と「オーレン+ジョー」の組み合わせのライヴが開催されそこにジョン・ダンカンも飛び入り参加したそうだ。因みにFBで私の非常階段+ジョン・ダンカンのライヴレポをジョンに送ったところGoogle翻訳で英訳したらしく「シュールレアリスティック!」という感想だった。


今年の「年イチ(Once A Year)」トリオのSDLX公演の前座は2011年の同公演のサポートアクトを務めたカナダの美人音楽家クリス・コールにジョー・タリアとジェームス・ラシュフォードを加えたトリオが出演。ジェームスはやはりオーストラリアの若手でオーレンやジョーと共演経験がある作曲家/ピアニスト/バイオリニスト/即興演奏家。オーレン・アンバーチを核に豪州の新世代地下シーンが辿れそうだ。クリスは前回同様金属板を擦る音を電気増幅、ジョーはスネアやシンバルをスティックで擦った摩擦音、ジェームスはヴァイオリンによるトニー・コンラッドのようなドローンサウンドと三者三様の物音ノイズ。特に盛り上がりもなくガサガサゴソゴソいう音が続く演奏はオーレンのソロ作品に通じるアンビエント音響。先日のジムのアンビエントソロでは睡魔に悩まされたが今回はトリオなので飽きずに観られた。部屋でじっと耳を澄ませて聴く種類の音楽ではないと思うがライヴで観たりながら聴きするのは悪くない。


(写真・動画の撮影・掲載については主催者・出演者の許可を得ています。以下同)



年イチ・トリオの第1部はアコースティック・セット。ステージにフォークギターが置いてあり灰野のアコギはガットギターだし前座の誰かが弾くのかな?と思っていたらジムのギターだった。灰野のカンテレとジムのアコギ。オーレンがワイングラスを擦って音を出していて昨年のトリオのオープニングでのCCAイベントで来日中だったシャルルマーニュ・パレスタインと石橋英子を加え5人で披露したグラスハープ演奏を思い出した。ワイングラスの微弱な振動から流れる妙なる響きとパワフルな轟音プレイの両極端を兼ね備えるのが灰野ならでは。カンテレ→エアシンセ&発信器→笛に交えて聴かせるヴォーカルが印象的。先週のスガダイローとの共演でも感じたが灰野が「僕はヴォーカリストだ」と自ら語るのが紛れもない事実であることを実感する。





第2部はエレクトリック演奏。とはいっても轟音だけではなく静かな歌やフルートやを交えた起伏のある演奏で単なるロックトリオではないことは明らかだ。灰野の自由度の高いパフォーマンスがたっぷり楽しめるのは勿論だがこのトリオの肝はリズム担当の二人の演奏にあるといえる。ソロでは電子音楽家、石橋英子・前野健太・長谷川健一といったアーティストとの共演では冷静なプロデューサー/ギタリストであるジムが激しいグルーヴに身を任せてアグレッシヴなベースプレイを見せるのはこのトリオだけといってもいいと思うし、同じことがオーレンにも当てはまる。普段は思索的な求道家として知られる二人が年に一回だけ攻撃本能を解放する場がこのトリオなのではなかろうか?この場に立ち会った満員の観客は凶暴な獣と化し本性を剥き出したジムとオーレンのリビドー発散の目撃証人なのではないのか?それはともかく灰野の屹立する慈愛と対峙することでふたりの卓越した表現者の無意識が刺激されることは間違いない。それは立会人である聴衆も同じで三人の魂の交感に弄ばれるうちに心の奥深くに眠るエス(イド)が表層に沸き上がりと脳内シナプスの活性化を促し得も言わぬ快感に包まれるのである。




灰野の愛
年に一度の
浄化の夜

<灰野敬二ライヴ・スケジュール>

4.7(sun) 日比谷野外音楽堂 「カオスフェス2013
出演:BiS/cinema staff/でんぱ組.inc/不失者/旺福(Wonfu)/DJ:D-YAMA

4.23(tue) 渋谷WWW JOSEPHINE FOSTER & VICTOR HERRERO JAPAN TOUR APRIL 2013
出演:JOSEPHINE FOSTER & VICTOR HERRERO with 田中徳崇/灰野敬二

5.3(fri) 高円寺ShowBoat 「灰野敬二 ~生誕記念公演~」

5.17(fri) 国立地球屋 「ドラマー、サミーに捧ぐ」
出演:doronco (bass play)/灰野敬二+三浦真樹/ラピス/らりは/ヨシノトランス+川口雅巳

5.31 (fri)Mt.RAINIER HALL SHIBUYA  “真夜中のヘヴィロック・パーティー
出演:頭脳警察/外道/灰野敬二/ROLLY/非常階段/騒音寺/ザ・シャロウズ/キノコホテル

★当ブログの読者は4/7は女房(旦那・親・子供etc.)を質に入れても日比谷へ集合のこと。
コメント (2)
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キース・ティペット@中目黒 楽屋 2013.3.16 (sat)

2013年03月18日 00時39分56秒 | 素晴らしき変態音楽


Keith Tippett(グランドピアノ)

キース・ティペット日本ツアー東京二日目。キースはキング・クリムゾンの「ポセイドンのめざめ」「リザード」「アイランド」に参加したことで知られているが元々は前衛ジャズ・ピアニストでありクリムゾンにはゲストとしての参加である。昨年頭からキース・ティペット・グループの2ndアルバム「Dedicated To You, But You Weren't Listening」(1971)を愛聴していた。エルトン・ディーンやロバート・ワイアットといったソフト・マシーン人脈のミュージシャンが参加したこの作品はソフツ風のジャズロックとキースの出自であるフリージャズがバランス良く混在した英国ジャズの名盤。嘘つきバービーのライヴ会場で知り合ったふた回り年下のゆら帝好きの女性が好きだと言っていたから誰か最近人気のアーティストが紹介したのかもしれない。そもそもキースのことを知ったのはジュリー・ドリスコールがきっかけである。1960年代スウィンギングロンドンのアイドル歌手だったジュリーがより実験的な音楽を求めて出会ったのがキース。ジュリーは1stソロ・アルバム「1969」にゲスト参加したキースと恋に落ち結婚、以来二人は公私ともに良きパートナーとして活動する。

Keith & Julie Tippett live in Jazz à Luz 2007


今回の来日決定の報に最初に頭に浮かんだのは奥さんのジュリーも一緒に来るのか?ということだった。プロモーターの大沢さんに確認すると「今回はキースひとりだが次回考えたい」とのこと。大沢さんの主宰するReal&Trueはちょうど1年前ピーター・ハミルを招聘したプロモーターでアーティストとファンの両方の気持ちを充分理解した良心的な公演を企画する。前回は公演後ファン・ミーティングとしてピーター本人と交流する場を設けてくれた。今回は小規模の会場での公演なのでキースと話せるに違いないと思いサイン用のレコードを探す。「Dedicated~」は黒ジャケでサインしにくいのでレコード棚を捜索し1stアルバム「You Are Here ... I Am There」を発掘。ジャケが黄ばんでいるが経年を考えれば悪くない。ところが捜索中に大変なことを発見。窓際に置いた段ボールのCD棚下の絨毯が湿っぽいので調べたら段ボールがびしょ濡れでCDがすべて湿気と黴でダメになっている!怖くて全部は確認していないがグルグル、ポポル・ブー、ファウスト、CAN、ノイ!、クラウス・シュルツ、クラスター等のジャーマン・プログレが全滅。完全に凹む。引っ越して以来一度もチェックしなかったことを悔やんでも悔やみ切れない。。。

気分が堕ちたまま中目黒へ向かうとこの日東横線と副都心線が直通運転開始で渋谷駅が大混雑。迷路のような地下通路にいらだちが募りヤヴァな精神状態に。開場5分前に中目黒駅に辿り着き楽屋(らくや)へ。人だかりがしていた。プログレ系のライヴで見覚えのある顔が多い。銀髪率高し。整理番号1が早かったのでピアノの真横の良席を確保。ジャズクラブ風の暗い洞窟空間を想像していたら和風ピアノカフェといった風情の落ち着いた雰囲気だったので気分回復。バーカウンターの側で食事中のキース・ティペットがニコッと笑って「ハイ!」と手で合図するので「フレンドリーな人だな~」とアガる。65歳のキースは恰幅のいい大学教授または船乗りという風貌でちょっと日野日出志に似ている。お客は皆プログレやフリージャズ好きだと思われるがそれぞれひとりの世界に浸っている。

時間になるとキースがピアノの方へ歩いて登場。じっと精神統一し、おもむろにオルゴールを鳴らしピアノの中に何かを置く。誰でも知ってるショパンのメロディーに重ねてつま弾くとポコポコというパーカッシヴな音。プリペアドピアノと同じ原理だが「Prepared=準備された」ではなくその場でオブジェを置き動かしながらの演奏。オブジェの位置を変えるとガムランからチェンバロさらに電子音に似たクラスターへと音が変化する。細かく正確なフレーズが劇的な変拍子の早弾きで奏でられテクニックの素晴らしさに圧倒される。シェーベルク風現代音楽、ブルーノートのジャズピアノ、ミニマルなポリリズム、激烈なフリージャズ、サティ風アンビエントと目紛しく変化する。横から観るとキースがひたすら演奏に没頭している様子がひしひし伝わる。観客も一瞬たりとも気を抜けない緊張感を共有している。普通ピアノソロはどんなにいい演奏でも10分くらいすると眠気に襲われるものだが今回は完全覚醒状態。時々ドキッとする高音キーを叩いたりエフェクターを通したとしか思えない不思議な音響になったりする。圧巻だったのは左手でマラカスを振りながら延々と変拍子反復ポリリズムを弾き続けたパート。最後に再びオルゴールで今度は「ゴッドファーザーのテーマ」。息つく暇もなく休みなしの集中した演奏にまるで複雑に作曲されたチェンバーロック組曲を聴いたような興奮と心地よい疲労感を覚えた。「完璧な環境と熱心なオーディエンスの前で演奏出来て全力を出し尽くした。もうこれ以上何も演奏出来ない。アリガトウ」と挨拶してライヴ終了。1曲50分のPAを使わない生音ライヴに全員満足だったのは間違いない。

Keith Tippet Louis Moholo


▼ピアノの中のオブジェ。


声を掛けると「君は昨日も来ただろう?」とキース。なるほど開演前の愛想良さは前日のライヴの客と勘違いしてたのかと納得しつつ「いえ違います」と前置きして少し話をした。このような即興演奏は1980年代から「Mujician(ミュージシャン)」というプロジェクトで行っているとのこと。当初はソロで後にグループに発展。オブジェを使ったピアノによる完全即興を追求している。オブジェはすべてイギリスから持参した。ジュリーとは前回デュオで来日したとのこと。イギリスの田舎暮らしなので日本までドア・トゥ・ドアで20時間もかかる。ふたりとも歳なので長時間の飛行機旅行は辛い。次来る時はロシア・ツアーを挿んでロンドン~モスクワ~東京として時差ボケを抑えようとおっしゃる。

演奏の流れがプログレ組曲みたいだったと感想を言うと「それは面白いね。ロックの要素があるとは自分では気づかなかった」という反応。また最初のオルゴールはゴミ収集車の曲だねと言うと「ハハハその通り」と笑っていた。その夜ファン・イベントが予定されていたにも関わらずその場でサインと記念写真に応じてくれたキースとそれを許してくれた大沢さんに感謝したい。

Mujician - Spacetime, Parts 1, 2 & 3


▼キース・ティペットのサインGET。


プログレも
ジャズも音楽
区別しない

奇しくも川崎クラブチッタではエイドリアン・ブリューやトニー・レヴィンによるクリムゾン・プロジェクトの日本公演中。両者に交流があるのか聞きそびれた。。。。。たぶんないような気がする。
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大ヒット間違いなし!「インディーズの逆襲トリビュート」CD企画書

2013年03月17日 00時21分44秒 | 妄想狂の独り言


【CD企画書】
●タイトル:好き好き大好き80's!~インディーズの逆襲トリビュート

●企画意図:若手バンドが80年代ニューウェイヴのベテラン・アーティストと共演したり彼らの楽曲をカバーしたり、当時の伝説のバンドの再結成やベスト盤・未発表音源・BOXセット等がリリースされたり、若い音楽ファンから日本のパンク/ニューウェイヴのオリジネーターへの注目が高まっている。これまでバンド単位のトリビュートや洋楽ニューウェイヴのカバー集はあったが、80年代日本のインディーズシーン全体を俯瞰する作品はなかった。1980年代と2010年代の30年間のミッシングリンクを埋めるべく21世紀(2000年以降)にデビューしたアーティストに限定し当時の代表曲を厳選したこのトリビュート・アルバムは80年代に青春を過ごした世代(40-50代)と現在のJ-Rockファン(10-20代)の両方に大きくアピールできる作品である。また80年代インディーズ・ブームの火付け役の伝説的レーベル、キャプテンレコードの復活第1弾ということも大きな話題になるに違いない。

●商品仕様:CDディスク枚数: 1/定価2500円(税込)/レーベル:キャプテンレコード
●発売日:2013年7月4日
●総合プロデュース:佐藤薫(EP-4)/マスタリング:中村宗一郎(Peace Music)
●歌詞付き/楽曲解説:サエキけんぞう×大槻ケンヂ
●アートワーク:イラスト:荒木飛呂彦(「ジョジョの奇妙な冒険」作者)/デザイン:信藤三雄(Contemporary Production

●収録予定アーティスト/楽曲
1.きゃりーぱみゅぱみゅ/戸川純「好き好き大好き」


リード・トラックは原宿から世界へ飛び出した最注目のポップアイコンきゃりーぱみゅぱみゅ。80年代サブカルアイドル戸川純の代表曲を中田ヤスタカがどのように料理するかが楽しみ。PVの振り付けと衣装にも注目したい。



2.キノコホテル/アーントサリー「すべて売り物」


この企画のヒントになったカバー。戸川純と並ぶ80年代ニューウェイヴの歌姫PHEW率いる伝説のパンクバンド、アーントサリーを21世紀のカリスマ支配人マリアンヌ東雲率いる謎めいた女性集団キノコホテルがカバー。パンキッシュなビートと全員で叫ぶコーラスが聴きもの。キノコホテル5/1リリースのミニアルバム「マリアンヌの逆襲」に収録。



3.アーバンギャルド/プラスチックス「コピー」


トラウマ テクノポップバンド、アーバンギャルドはP-MODELがお似合いだが敢えてライバルのプラスチックスにトライ。ピコピココール&レスポンスを天馬がどのように病気に変身させるか興味深い。



4.神聖かまってちゃん/P-MODEL「ヘルスエンジェル」


の子よぉおめえがピンクのジャズマスで目ぇひん剥いて歌うのは平沢進の影響バレバレだってぇのマジで。ホントは認めたくねぇんだろー判ってんだよ。仕方ねぇから演らせてやるよ。思いっきりなりきってくれよってざけんな。アザーーーっす!



5.PLASTICZOOMS/オートモッド「デストピア」


以前ヴィジュアル系と書いたがゴス系と呼ぶべきだったPLASTICZOOMSには元祖ゴス=ジュネ率いるオートモッドをカバって欲しい。結成30周年で注目を浴びるBOOWYの布袋寅泰が参加したこの曲は今が旬。



6.でんぱ組.inc/ザ・スターリン「ロマンチスト」


アキバ系代表"ももクロの次はでんぱ組"の呼び声も高い6人組はアイドル界のスラッシュメタルと称される(私だけだが)ので過激なステージが伝説の遠藤ミチロウ率いるザ・スターリンのハードコアナンバーをカバー。切れ味抜群のダンスビートと萌え系アニメヴォイスで踊らせてくれ!



7.八十八ヶ所巡礼/筋肉少女帯「元祖高木ブー伝説」


こちらも謎の多いバンド八十八ヶ所巡礼によるニューウェイヴプログレメタル・カバー。変態性が共通する筋少と八八の相性はピッタリ。超絶ギターの見せどころもタップリ。



8.te'/グンジョーガクレヨン「Break」


残響レコード主宰kono(河野章宏)率いる人気インストロックバンドte’にはアヴァンロックの雄グンジョーガクレヨンをお願いしたい。ストイックなサウンドがポストロックに通じる。80年代の混沌を残響で再解体してほしい。



9.'N夙川BOYS/りえ&THE BLUE HEARTS「ボーイフレンド」


レコードならB面1曲目は最高に弾けたロケンローバンドによるロケンローカバー。90年代の楽曲だしインディーズでもないが、マーヤには王道ナンバーを思いっきりバタ臭いはっちゃけロックにして「まだまだ行けるかーーーっ!」と叫んでほしい。



10.嘘つきバービー/INU「メシ喰うな」


佐世保の変態3ピースバンド嘘つきバービーにはパンク詩人町田町蔵(康)の恫喝ロックナンバーを。メンバーの病気で休んでいたが半年ぶりに復活、精力的なライヴ活動を行う彼らの妖怪っぽさで飽食の時代への警鐘を打ち鳴らす。



11.下山(Gezan)/ボアダムズ「ANAL EAT」


関西アンダーグラウンド出身の下山(Gezan)の衝撃のステージを初めて観た時ボアダムズを思い出した。サウンドの隙間を埋める意味不明な電子音やサウンドコラージュに影響が濃い。ボアが最高にハングリーだった頃のジャンクナンバー。



12.トクマルシューゴ/EP-4「Coconut」


このアルバムの総合プロデューサー佐藤薫の曲をカバーするなら誰が適任かと考えたところ浮かんだのが彼の名前。アコギで歌うフォーク系シンガーだが宅録による打ち込みサウンドでEP-4のクールファンクをカバーすると面白い。



13.サイレントサイレン/アナーキー「ノット・サティスファイド」


きゃりーに続く青文字系読モバンド、サイサイには日本パンクの象徴、亜無亜危異のデビュー曲を思い切り弾けた女子力全開で歌ってほしい。腕を真上に上げて「ノット・サティスファイド!」とジャンプすればハピルン間違いなし。3番の歌詞はアナーキーが自粛した♪たった一本の~♪でお願いします(動画参照)。



14.コロボックルズ/フリクション「Crazy Dream」


まだライヴは観たことはないが「Girls Sazanami Beat Vol.5」のオープニングの怒濤のスピードナンバーに驚愕した大阪出身のトリオ、コロボックルズ。2作のミニアルバムで聴ける狂騒ビートと"小人"こと寺田恵子(vo.g)の突き抜けるヴォーカルが爽快極まりない。リズムのシャープな切れ味は初期フリクションのカミソリビートに通じる。今までになく狂おしい夢を見せてくれるだろう。



15.BO NINGEN/不失者「マリアンヌ」


不失者をカバーするという無茶な試練に耐えられるのはロンドン仕込みのこの4人組だけだろう。しかも同じく長髪繋がりのジャックスのカバーのカバーという二重螺旋構造の不条理極まりない挑戦である。まさに苦行だが異国の波にもまれて育ったロック魂で運命を切り拓いて欲しい。早川義夫とも灰野敬二とも違う"壁を越える(Line The Wall)"新たなサイケデリックの指標を築き上げるだろう。


(不失者「マリアンヌ」は58:40〜)

16.前野健太/ヒカシュー「20世紀の終わりに」


テクノ御三家と呼ばれるがヒカシューの曲には日本伝統のウェットな歌心が根付いている。それは巻上公一のカバー集ソロ「民族の祭典」「殺しのブルース」での朗々たる超歌唱で明らか。リリース当時には近未来だったが今や過去の郷愁を感じさせるデビュー曲は"ファックミー"マエケンにより骨格だけ剥き出しの歌謡フォークとして生まれ変わるに違いない。



●初回限定ボーナスCD(プロモーションにも活用)
-「好き好き大好き」リミックスヴァージョンCD:Remix by 小西康陽/Hair Stylistics(中原昌也)/ヒャダイン(前山田健一)

宣伝案
80年代サブカルアイコン戸川純と21世紀のファッション・モンスターきゃりーぱみゅぱみゅの組み合わせを最大限にアピール
J-POP系音楽専門誌を中心にしたパブリ展開/アーティスト稼働による一般誌展開/地上波TV出演/衛星放送・CATV・FMでの特集/連動イベントでの話題作り→TVワイドショー露出

<関連情報>
-発売日はアメリカ独立記念日=Independence Dayの7月4日に設定。インディーズ=Independent Labelとの駄洒落で話題作り。また「チャート対策のため新譜発売日は水曜日」という業界の常識を敢て無視したパンクな発売日設定こそインディーズ精神に基づいた姿勢であるとの主張(開き直り・自己満足)も可能。
-ニューウェイヴほぼ30周年祭(サエキけんぞう提唱)との連動。
-秋元康が満を持して送り出すHKT48のデビューシングルは「スキ!スキ!スキップ!」。この曲のヒットで「好き好き」が流行語になることは必至。

<紙媒体>
[音専誌・カルチャー誌]

-オリコンStyle:きゃりーぱみゅぱみゅ、アーバンギャルド、キノコホテル、でんぱ組.inc等サブカルアイドル特集
-Rockin' On Japan:マリアンヌ東雲(キノコホテル)+松永天馬(アーバンギャルド)対談・表紙
-音楽と人:の子(神聖かまってちゃん)+平沢進(P-MODEL)対談・表紙
-Rolling Stone Japan:前野健太+巻上公一(ヒカシュー)対談
-Marquee:トクマルシューゴが聴く80年代ニューウェイヴカタログ
-Music Magazine:インディーズ精神を現代に継承する新世代バンド特集
-レコードコレクターズ:80'sインディーズ特集
-Top Yell:タワーレコード嶺脇社長+でんぱ組.incの激突インディーズ対談(嶺脇社長は学生時代新宿ロフト通いをしていたと語っておりインディー系ロックにも造詣が深いと思われる)
-ギター・マガジン:Katzuya Shimizu(八十八ヶ所巡礼)+橘高文彦(筋肉少女帯)対談
-ベース・マガジン:マーガレット廣井(八十八ヶ所巡礼)+内田雄一郎(筋肉少女帯)対談
-ドラム・マガジン:賢三(八十八ヶ所巡礼)+美濃介(元筋肉少女帯)対談
-キーボード・マガジン:mono(神聖かまってちゃん)+井上誠(元ヒカシュー)対談
-サウンド&レコーディング・マガジン:中村宗一郎が分析する80年代サウンド特集
-プレイヤー:瀬々信(アーバンギャルド)+立花ハジメ(プラスチックス)対談
-Rooftop:浜崎容子(アーバンギャルド)+佐藤チカ(プラスチックス)巻頭対談
-チェリータイムズ:マヒト(下山)+EYE(ボアダムズ)対談

[一般誌・ファッション誌]
-少年ジャンプ、週刊文春、月刊テレビジョン:きゃりーぱみゅぱみゅ+戸川純 対談・巻頭グラビア&表紙狙い
-AERA:遠藤ミチロウ表紙狙い
-ZIPPER:きゃりーぱみゅぱみゅ+サイレントサイレン 80年代ファッショングラビア
-KERA:きゃりーぱみゅぱみゅ+戸川純 ロリータファッショングラビア
-ゴシック&ロリータバイブル:PLASTICZOOMS+ジュネ(オートモッド)対談&グラビア

<電波媒体>
[TV]

-テレビ朝日系「ミュージック・ステーション」:きゃりーぱみゅぱみゅ&戸川純デュエット出演
-NHK TV「インディーズの逆襲」再放送
-WOWOW、スペースシャワー、スカパーでのPVオンエア、ニューウェイヴ特集番組
-話題性(レコ発イベント、好き好きネタ、独立記念日ネタ)でワイドショー露出

[ラジオ]
-リードトラック「好き好き大好き」全国FMパワープレイ確保
-JFN系・JFL系両ネットワークでの強力オンエア施策「好き好きキャンペーン」

[インターネット]
-LINE,Twitter,Facebookでの口コミ話題作り
-独立記念日ネタで2チャンネル話題作り
-ネットラジオでのSNS連動キャンペーン展開
-DOMMUNEでトークイベントシリーズ配信

<イベント・タイアップ他>
[レコ発イベント]

-東京3DAYSイベント:参加アーティスト+オリジナル・アーティスト総出演=:ZEPP TOKYO Divercityまたは新木場STUDIO COAST(→TV収録・放送→DVD発売)
-大阪・名古屋:クアトロ2DAYS
-ロフトプラスワン:80年代カルチャートークショー
-ヴィレッジヴァンガード、まんだらけ:荒木飛呂彦サイン会

[クラブ・プロモーション]
-「好き好き大好き」リミックス12"アナログ盤を配布、クラブヒットを狙う。
-LONDON NITE(大貫憲章)、club snoozer(田中宗一郎)との連動イベント

[タイアップ]
きゃりーぱみゅぱみゅ「好き好き大好き」CM(携帯・自動車・化粧品etc.)タイアップ狙い/アニメ主題歌狙い

[海外メディア]
不失者×BO NINGENの2マン海外ツアーにより欧米メディアへの露出:WIRE(表紙)/NME/Q Magazine/UNCUT/Metal Hammer(以上UK)/Rolling Stone/SPIN/Billboard/Pitchfork(以上US)/インターネット音楽サイト

●販促案
<店頭展開>

チェーン店施策
-タワーレコード「インディーズの逆襲」キャンペーン:参加アーティストおよびオリジナル・アーティスト作品含め展開
-ディスクユニオン、ローカルインディー系チェーン:オリジナル特典施策
-HMV:ニューウェイヴほぼ30周年祭連動キャンペーン
-TSUTAYA、ローカルチェーン:共通特典施策
-アキバ系コミックショップ:でんぱ組.inc握手・チェキ会
-応募特典:レコ発イベントチケット/サイン入りグッズ

<連動企画・他社商品との共同キャンペーン>
-同じ曲順でオリジナル楽曲コンピレーションCD発売
-「好きよキャプテン21世紀」キャンペーン:キャプテンレコードカタログ紙ジャケ再発シリーズ
-オリジナル・アーティストのカタログ(紙ジャケ)アンコールプレス

企画案
妄想するのは
勝手です

業界関係者各位:実現可能性・採算度外視のトンでも妄想企画なのでご興味があれば自由に活用していただいて結構です。企画料など要求しません。万が一実現の暁にはレビュー用に白盤で結構ですので音資料とジャケット写真のjpgデータをお送りいただければ幸いです。よろしくお願いしますm(_ _)m



昨年10月SOLID RECORDSからリリースされた初音ミクのキャプテンレコードカバー集。
ミクのパンクカバー集、キャプテンレコードコンピも発売中。
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BO NINGEN/N'夙川BOYS/でんぱ組.inc@渋谷WWW 2013.3.14 (thu)

2013年03月16日 00時19分21秒 | ロッケンロール万歳!


『でんぱ NINGEN BOYS』supported by EYESCREAM
―BO NINGEN『Line The Wall』リリースパーティー ―
Line Up:BO NINGEN/N'夙川BOYS/でんぱ組.inc

ロンドンを拠点に活動する日本人男性4 人組サイケデリックロックバンド“BO NINGEN”。海外メディアやアーティストからの支持も厚い彼らの2ndアルバム『Line The Wall』の日本盤発売を記念して「ファッション・ミュージック・カルチャー」とクリエイティブなトピックを発信し続ける雑誌『EYESCREAM』サポートによる、リリース&来日ツアーの東京・大阪追加公演が決定!
3月9日(土)大阪JANUSはN`夙川BOYS、DOBERMANと共演する「犬 NINGEN BOYS」、3月14日(木)渋谷WWWはでんぱ組.inc、N`夙川BOYSと共演する「でんぱ NINGEN BOYS」と題したアルバムのリリースパーティー。『Line The Wall』(壁に線を引く)というアルバムタイトルから<壁を超える>をキーワードにそれぞれのジャンル/カルチャー/国内/海外/インディー/メジャーと常識の壁を突き破る3アーティストが共演する。

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アイドル+サイケ+ロケンローの異色の3マン・ライヴ。実はBO NINGENは2009年にロンドンでN’夙川BOYSと、2012年1月に原宿ででんぱ組.incと対バンしており、でんぱ組.incとN’夙川BOYSも今年の雛祭りイベントで共演したと知り深い縁が結実したトライアングル・イベントだと納得した。それぞれ各ジャンルの個性派揃いであり新進気鋭の若手というスタンスも共通している。「でんぱNINGEN BOYS」というネーミングは「原爆スター階段」みたいだがキャッチーでいい。当然発売と同時にソールドアウト。受付で例のお目当てのバンドさん調査があったが男性の殆どは「でんぱ組」と答えていた。

●N'夙川BOYS


ノリの良さそうなヲタ系ファンとロック好きな女子が入り交じりWWWは一種異様な熱気に溢れている。出演順はマル秘だったがステージセットを見れば一目瞭然。トップはN’夙川BOYS。キノコホテルとの2マンに続き2か月連続のWWW。シンノスケBoyが黄色のヒラヒラシャツで登場しフライヤーを撒く。「行けるかーい!」とマーヤLOVE。リンダdadaの赤いリボンがキュート。観客の大歓声に迎えられロケンロー爆撃開始。お祭り騒ぎが身上の彼らだがこの日はいつも以上にハイテンポ。ホワイトデイに因んでキャンディーをばら撒き「Candy People」に突入。マーヤが客席にダイヴし最後列まで客の上を歩いてきて煽る煽る。会場全体が揺れる盛り上がり。イベント初っ端からこんなに盛り上がって大丈夫?と心配になるほどだが、この日のお客さんは元気が有り余っていた。♪タイゲン・ボーイ♪と歌っているように聴こえるのでBO NINGENのTaigenがお気に入りという「TRY AGAIN ~boys and girls~」も特別に演奏。45分のステージを熱狂度ピークのまま突っ走った。3月20日ベスト盤「THANK YOU!!」リリース。


<Set List>
01.プラネットマジック
02.24hour
03.FUN HOUSE
04.TRY AGAIN ~boys and girls~
05.Candy People
06.物語はちと?不安定


●でんぱ組.inc


続いてでんぱ組.inc。1月のZepp Tokyoワンマンはチケットが取れず涙を飲んだので今回間近で観れるのが嬉しい。初めてのW.W.D.仕様のカラフル衣装が眩しい。推しメンのもがたんぺ(最上もが)をはじめ皆アニメから飛び出してきたようにキュートで可愛くって笑顔と元気いっぱいでさいこー!若いっていいな!サイリウムを振る女性ファンもいてこの場ではバンドもアイドルも関係なし。楽しんだ者勝ちである。セトリはヒット曲ばかりで改めて曲の良さ・アレンジの巧みさに舌を巻く。何より感動したのはばっちりきまる6人の踊りと振り。秋葉原ディアステージで数限りなくライヴをこなすエンターテインメントのプロだけあり飽きることがない。アニメ声のMCはやはり誰が話しているのか判別できないがそれも含めて完璧なライヴだった。5月29日ニュー・シングル「でんでんぱっしょん」リリース決定!


<Set List>
01.わっほい?お祭り.inc
02.でんぱれーどJAPAN
03.キラキラチューン
04.Sabotage
05.W.W.D
06.くちづけキボンヌ


●BO NINGEN


サイリウムが乱舞するでんぱ組.incのノリは予想通り素晴らしかった。終演と共に汗だくの男子軍団が一斉にホールの後ろへ移動したのでBO NINGENを近くで観るために前列へ。2月のClub Asiaでは前髪ぱっつん女子が目立ったがこの日はでんぱ組流れの男子が多い。バックスクリーンにサイケ映像を投射したのは元映画館の特性を活かしとても効果的。(いつもそうだが)Taigenがツイッターで「本当に楽しみでたまらないからこそ、絶対に良いライブにしてやる。良いイベントにする。覚悟はできています。」と宣言していた通り(いつもそうだが)手抜きなし超ハイテンションの演奏が炸裂。前列は激しいモッシュの嵐。(いつもそうだが)息も絶え絶えのTaigenのMCがさらにテンションを高める。未発表の新曲「Slider」でもオーディエンスの盛り上がりは変わらない。こういう広いステージで観るとBO NINGENがハードサイケだけではなくクラブミュージックの種子を宿していることが良く分かる。延々とワンコードで突き進むインタープレイはそのままクラブユースOKのサイケデリックトランス。ラストナンバー「Daikaisei」に幻惑されたまま楽器ブン投げの大団円を迎えた。


<Set List>
01.Henkan
02.Nichijyou
03.Slider
04.Koroshitai Kimochi
05.Chitei Ningen Mogura
06.Natsu No Nioi
07.Daikaisei Part II,III


●でんぱ NINGEN BOYS

夢眠ねむオフィシャルブログから無断転載)

しかしこの日はこれで終わりじゃない。イベントタイトルに偽りなし三つ巴のセッションが実現!まずはBO NINGEN+N'夙川BOYS=NINGEN BOYS。しんのすけboyは星形ギター。BO NINGENの「Jinseni Ichido kiri」をセッション。マーヤは「ホワイトデイも一度きり!」とシャウト。ヘヴィなリフに乗ってTaigenとマーヤとリンダが「人生一度きり!」と叫びまくる。大波を打つ客席にマーヤがダイヴ、さらにTaigenとディープキス。混乱と狂喜が爆発する10分間に続いて+でんぱ組.inc=でんぱ NINGEN BOYS!門限のため帰宅したピンキー(藤咲彩音)を除くでんぱ組の5人はラップで参加。アニメ声の高周波ラップがノイズの嵐を引き裂く。えいたそ(成瀬瑛美)がフリースタイルでN'夙川BOYSとBO NINGENのメンバー紹介。これが上手い。ラップは意外に難しいしアドリブのフリースタイルは熟練なくては出来ない。えいたそ流石!凄い!ただモンじゃねぇ!Taigenがこの3組でロンドン公演すると宣言。どのバンドがお目当てかは関係ない。会場にいる全員がでんぱ NINGEN BOYSになりきり最高の笑顔が弾けた一夜だった。




<Set List>
En1.Jinsei Ichido kiri(BO NINGEN×N'夙川BOYS)
En2.△(BO NINGEN×N'夙川BOYS×でんぱ組.inc)

→ライヴ写真はコチラ

この3者
ハンパじゃないぜ
サンカクだ

BO NINGENは3月20日渋谷タワーレコードでライヴ。その模様はTower Recordommuneで生配信される。
<BO NINGEN“Line The Wall Play All”>
日時:2013年3月20日(祝・水) 20:00 開演
会場:タワーレコード渋谷B1F「TOWER RECORDOMMUNE SHIBUYA STUDIO」
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ハーフコインの花園 第4回~Shibuya KAWAii!!再評価。渋谷系特集 Part 1

2013年03月15日 00時23分55秒 | こんな音楽も聴くんです


俺の庭を探検していてあまり興味のなかった種類の音楽と遭遇する機会が増えてきた。先日来ハマっているビートパンクもそのひとつと言えるが最近いわゆる「渋谷系」に興味を惹かれている。1990年代半ば渋谷HMVやWAVEなどの大型輸入盤店を発信源にJ-Waveのオンエアとクラブクアトロのコンサートの相乗効果で日本ポップスの最新型として隆盛を誇った。ニューウェイヴ、ネオアコ、ハウス、ヒップホップ、ソウル、ラウンジなどマニアックな音楽をごった煮にしたサウンドは面白くはあったがファッションを含め表面をなぞっただけのお手軽感とバブル崩壊に起因するあっけらかんとした諦念がいまひとつ心に刺さらなかった。大型CDショップに新譜と同列に過去のカタログが並ぶようになりそれまでのようにマニアじゃなくても幻の名(迷)盤が容易に入手できるようになったこと、DJカルチャーとサンプラーやMTRなど演奏・録音機材の普及により自分で演奏しなくてもコピー&ペイストで音楽が作れるようになったこと、そんな時代の変化が生んだスタイルだといえる。音楽的に特定のジャンルに限定されるものではないが現在「渋谷系」と括られるサウンドには共通した時代の匂いが染みついていることは間違いない。90年代当時はのめり込まなかった渋谷系の音楽に懐かしさと共に新鮮な息吹を感じるこの頃である。

ピチカート・ファイヴ

小西康陽率いるおしゃれなクリエイティヴ音楽集団。1985年デビューだが「おしゃれ」のパブリック・イメージは1990年に野宮真貴が3代目ヴォーカリストとして加入してからのもの。信藤三雄のスタイリッシュなイメージ戦略によるレトロかつフューチャリスティックなデザインも相まって時代の寵児として君臨する。多くのフォロワーを生んだがやはりオリジネイターは別格。現在小西はレディメイド・ エンタテインメント代表取締役で売れっ子プロデューサー/作曲家、野宮はシンガーとして活躍中。小西のこだわりにあふれた才気溢れる名曲多し。



●フリッパーズ・ギター

オザケンこと小沢健二コーネリアス=小山田圭吾によるデュオ・ユニット。日本ポップス史で「フリッパーズ以前/以後」という区分けをされるほど重要な存在。アルバムは3作しか残さなかったがネオアコを起点として様々な音楽要素を昇華した完成度の高いサウンドとベレー帽・ボーダーシャツ・ホワイトジーンズといった渋谷系を象徴するファッションセンスは高く評価したい。解散後オザケンは人気シンガーになり小山田はコーネリアスとして実験色豊かなポップサウンドを追求。J-POPシーンに多大な影響力を持つふたりの原点がフリッパーズであった。



オリジナル・ラヴ

1985年に結成されたネオGSバンドThe Red Curtainを前進とする田島貴男によるポップグループ。ネオアコ、ギターロック、ネオソウル、ハウス、アシッドジャズ、ワールド・ミュージックなど様々な洋楽に影響された雑食スタイルで渋谷系の代名詞となる。作品によって音楽性が大きく異なるので注意されたい。おススメは「LOVE! LOVE! & LOVE!」(1991)「結晶 SOUL LIBERATION」(1992)「ELEVEN GRAFFITI」(1997)「L」(1998)「ビッグクランチ」(2000)。田島は現在ソロ弾き語りで活動中。



カヒミ・カリィ

個人的に最も再評価しているのがカヒミちゃん。ウィスパーヴォイスが萌え系アニメの1000倍の破壊力で直激。これは犯罪、ヤヴァすぎ。レコ倫は即座に18禁指定にすべし!!!



キュートな女性シンガーが多い渋谷系を代表する歌姫カヒミ・カリィは1990年同じくカワイイ系シンガー嶺川貴子とのデュオでデビュー。1992年渋谷系インディーレーベル、クルーエル・レコーズから小山田圭吾プロデュースでソロ・デビュー。小山田のレーベル、トラットリアからも作品をリリースする。毒のある発言とフレンチファッションスタイルとエキゾチックな美貌を持ったサブカルアイドル。アニメ「ちびまる子ちゃん」主題歌でちびっ子にも人気。2000年以降は大友良英や菊池成孔、ジム・オルークなど前衛ジャズ/ロック方面での活動も多い。夫はタップダンサーの熊谷和徳。



●ラヴ・タンバリンズ

カヒミちゅわんと並ぶ渋谷系の歌姫ELLIEを擁するR&Bユニット。ELLIEの黒汁迸るヴォーカルが人気で1995年のデビュー・アルバムはインディーズでは異例の10万枚ヒットとなるが、ELLIEとギターの斎藤圭市との夫婦間の不和(表向きはメンバー間の音楽性の違い)により同年末に解散。ELLIE(現在eli)ははソロ・デビュー。のちのMisiaやUAを筆頭にした「ディーヴァ系」の元祖的存在である。R&Bは個人的には守備範囲外であるが渋谷系括りと思えば意外に楽しめる。ELLIEのダイナマイト・ボディはカヒミちゃんとは違った意味で刺激的。



渋谷系
電波系とは
違います

Part 1となっているのでお察しの通りPart 2もありマス!よりディープなShibuya-Kの世界にご案内いたします。
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人気アイドル「PASSPO☆」のイベント企画「二階から目薬を落とす」がシュールすぎて笑った

2013年03月14日 00時18分03秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


今、時代はまさに「アイドル戦国時代」! 日本には数多くのアイドルグループ・ユニットが存在し、それぞれしのぎを削っています。

そんななか、2009年から活動している人気アイドルグループ「PASSPO☆」(ぱすぽ)が、抽選イベントでトンでもない企画を行いました。それは二階から目薬を落とすというもの。いくらファンとのコミュニケーションとはいえ、目薬落とすって意味わからんッ!

これは応募抽選特典として実施されたものです。2013年3月9日、東京・中野サンプラザに当選したファンを招待して、さまざまな企画が行われました。用意された企画は実にバラエティに富んでおり、たとえば「岩村捺未(なちゅ)によるDance Lesson(初級編)」や「安斉奈緒美(なおみん)のPHOTO SESSION」など。しかもこれらはごく少数を対象に行われるとあって、ファンはこの日を待ち望んでいたはず。

きっとファンにとって一番魅力的に感じられたのは、メンバー全員と直接お話できる「メンバー9人全員との3分間面接」だったのではないでしょうか。メンバーを3分間独占できるのは最高のぜい沢。面接を受けたファンからは、昂揚感はひしひしと伝わってきました。


さらに気になったのが、目玉企画の「二階から目薬」です。このために会場には、わざわざ高さ約5.5メートルの足場が組まれていました。その上からメンバーが目薬(中身はただの水)を下のファンに落とすのです(ファンは専用のゴーグルで滴を受けます)。

それうれしいかな? まだ握手の方がマシのような気がするけど……。ちょっとバカにしていたのですが、私(記者)も実際にやってみたところ、意外な事実に気づきました!

やってみると……結構楽しいッ! 「お~い! 落とすよ~!」とかメンバーに言われて、「は~い! イイですよ~ッ!」とか言っちゃって、気が付けば私は、「もっと~ッ! もっとかけて~ッ!! 目薬くださいィイイッ!!」となっていたわけです。ちなみに目薬は一人三滴まででした。


もしかしたら、2013年のアイドルは握手会から脱却して、二階から目薬会へと移行していくのかもしれません。とにかくアイドル戦国時代、今後の動向から目が離せませんよ。目薬だけに(笑)。
(Rocket News 24/Report:フードクイーン佐藤)






目薬を
お酒に混ぜると
眠くなる  

って噂ホントかな?
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灰野敬二×スガダイロー@代官山 晴れたら空に豆まいて 2013.3.11 (mon)

2013年03月13日 00時15分06秒 | 灰野敬二さんのこと


プロジェクトFUKUSHIMA!自主連動企画第2弾 “08∞08∞3.11後の世界,音楽の虹の橋”
灰野敬二×スガダイロー
中山晃子(Live Painting VJ)

Frags Across Borders
20130311

黒は本当は青かもしれない。色を無くしたあとは。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震から2年後。
一人としての意思だけを集めた夜。
映画「ドキュメント灰野敬二」(2012)公開中のギタリスト・灰野敬二。ピアニスト・スガダイローは2011年2月22日中筋純写真展『黙示録チェルノブイリ』の為にスタジオ録音された初のソロ作品「春風」を、今や現実となってしまった原発事故から2年後の姿で再現。二人はソロとして互いに初対面。

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

突然この日に私が昨年9月に投稿した不失者の新アーティスト写真のツイートが10人を超えるフォロワーにリツイートされ驚く。何故今頃半年前の呟きが?--まったく謎だがこういうことが時々ある。

2011年3月11日灰野敬二は高円寺HIGHでの静寂ワンマン・ライヴが震災で延期。それからちょうど2年後に代官山で震災支援のイベントに出演することとなった。自他共に認める「フリージャズピアニスト」スガダイローとの初顔合わせである。昨年11月同じ会場でメルツバウと共演したスガを観て凄まじいプレイと自己を貫く意志の強さに感嘆したので今回の組み合わせは今年前半の灰野のライヴのハイライトになる予感がした。灰野に尋ねたらどうなるかは当日まで判らないという気を持たせる返事だったのでなおさら楽しみでもあり不安でもあった。灰野がピアニストと共演することはあまり多くはない。2000年以降の10数年で思いつくのは千野秀一、清水一登、黒田京子、金澤美也子、石橋英子の5人くらいである。それだけにこのガチンコ勝負は貴重な機会でもある。

最初はスガのソロ。震災前に原発をテーマにレコーディングした作品「春風」。昨年リリースされたこの作品のCDは聴いていない。ドビュッシーやラヴェルなど印象派風の流麗な旋律が浸食されるように崩れてゆき猛烈なフリーフォームに突入しエクスタシーを迎えたあと徐々に醒めてホンキートンク調の賑やかなリズムに至るが破調=狂気と調性=正気の間を行きつ戻りつする混沌状態が続く内に再びリリカルなメロディーに回帰する。作曲と即興の見事なハーモニーの中に頭を垂れて没入するスガのプレイにすっかり心奪われた。途中で灰野が楽屋から出てきて客席でスガの演奏をじっと見つめていた。最後まで観ていたので何らかの手応えを感じたのではなかろうか。


→スガダイロー・ソロの動画はコチラ
(写真・動画の撮影・掲載については主催者・出演者の許可を得ています。以下同)

続いて灰野ソロ。ステージに吊るしたシースルーの布の後ろに潜み歌だけでスタート。初めて観る灰野のコンセプチュアルなパフォーマンス。中山晃子のライヴ・ペインティングを最大限に活かした声と映像のコラボレーションに新鮮な感動を覚える。10分ほどでセットチェンジし布を取り払ったステージでギター演奏。いきなりの爆音にビクッと驚く観客の反応が面白い。歌の節々に震災や原発を連想させるフレーズが散りばめられているがいつもの灰野の世界でもあるので意図したものかどうかはわからない。ダイナミックに色を撒き散らす中山のペインティングが灰野ワールドを妖しく彩りいつもは気づかない官能性を暴き出した。


→灰野敬二ソロの動画はコチラ[3/13追加]とコチラコチラ

照明効果もあり両者ともに普段と異なる持ち味を垣間見せたので期待が否が応にも高まる中デュオ・セッションがスタート。灰野はパーカッション→ヴォーカル→ギターと持ち替える。中盤のピアノとヴォーカルの組み合わせはロスト・アラーフに通じる狂気のピアノ歌曲で往年のシャンソニエやブレヒト劇、キャシー・バーベリアンのベル・カントを想起させる創造力に満ちた世界が広がる至福の演奏。このスタイルでアルバムをレコーディングしたら面白いかも。凄まじかったのは後半のギターVSピアノ。クリアな音質のアブストラクトなフレーズで始めた灰野に対しスガが細かい打撃音で挑みかかる。直ぐに音量マックスの爆音対決に突入。唸りを上げる灰野の轟音ギターに手の動きが見えないほど凄まじいプレイで煽るスガ。お互いに一歩も引かない死闘は正真正銘の解体的交感。ライティングが変わると場面転換するようなストーリー性に酔い痴れる。真っ赤な絵の具が撒き散らされるがジョン・ダンカンの血飛沫とは違って深紅の薔薇の如き情熱を描き出す。灰野・スガ・中山が三者三つ巴で描き出す空間には死の匂いはなく生の歓びが溢れていた。


→灰野敬二×スガダイロー・デュオの動画はコチラコチラ

ピアノとの
変幻自在の
睦み合い

2年目の3.11に生命礼賛の素晴らしい交感が実現したことに驚嘆するのみである。




コメント (4)
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ジョン・ダンカン/非常階段/ジム・オルーク@六本木SuperDeluxe 2013.3.10 (sun)

2013年03月12日 00時34分12秒 | 素晴らしき変態音楽


ジョン・ダンカン 2013 東京
ジョン・ダンカン/非常階段/ジム・オルーク

1980年代の一時期ジョン・ダンカンは東京在住で私がバイトしていた吉祥寺Gattyに何度も出演していた。当時はLAFMSとの関係もさることながらピナコテカ・レコードとの関わりが印象に残っている。ピナコテカ発行のフリーペーパー「アマルガム」にはしばしばジョンの活動・リリース情報が掲載され、実際ピナコテカ経由でカセット「Music You Finish」、クリス&コージーとの共演EP「憂国」、ソロLP「Riot」を出している。地下1Fの湿り気を帯びたGattyで取り憑かれたように短波ラジオをチューニングしている姿が記憶に焼き付いている。彫の深いゴツい顔にいつも不機嫌そうな表情を浮かべているので何を考えているのか計り知れない不気味さがあった。1990年代にはヨーロッパへ拠点を移し時々音楽雑誌やサイトに近況がレポートされた。G-Modern誌で1996年アムステルダムで行ったパフォーマンス(インスタレーション?)で参加者と共に全裸で真っ暗な地下室に一晩中閉じ込もったという記事を読みアクション派芸術家のジョンらしいなと思った。

それ以降あまり情報が入らなくなったが2008年横浜トリエンナーレでヘルマン・ニッチェやマシュー・バーニーの血飛沫と肉欲に満ちた展示を観た時ジョンのことを思い出した。昨年FacebookにJohn Duncanの名前を発見しもしやあのジョン?と思い調べると1953年生まれカリフォルニア芸術大学卒業、職業アーティストとあり間違いなくジョン・ダンカン本人だった。それにより現在でも精力的に各地でアート活動をしていることが分かった。今回20年ぶりにジョンの来日公演が決まり非常階段と共演するというのはなかなかに感慨深い。非常階段とジョンは1984年に共演しセッション音源はアルケミーのコンピLP「錬金術」に収録されている。当時の非常階段はスキャンダラスなパフォーマンスから脱し純粋ノイズ・バンドとして活動を始めた頃だった。そんな時期に純粋実験芸術家のジョンと共演したことはその後の非常階段の方向性に影響を与えたように思う。

会場に入るとステージに向かって椅子席が準備されていて意外だった。スーパーデラックスの非常階段といえば客との乱闘騒ぎもあった2011年のライヴ(動画参照)の印象が強い。物販コーナーに座っていた広重に尋ねたら「今日は静かな演奏」とのこと。静かな非常階段って???狐につままれた気分で開演を待つ。

まずは壁面にフィルムが投射される。ガタイのいい白人男性がパソコンを破壊しベッドを切り裂き部屋中に血糊のようなペンキを塗りたくるショッキングな映像。最後のクレジットでこれがジョン・ダンカンによるパフォーミング・アートであることが判明。破壊衝動に駆られたハプニングではなく周到に用意された芸術であることになおさら恐怖がつのる。何とYouTubeにその動画があった。



●非常階段+ジョン・ダンカン

(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

ジョンの映像が産み出した重苦しい空気の中、非常階段の4人(コサカイフミオは欠席)とジョン・ダンカンが登場。てっきりトリだと思い込んでいたがイベント・タイトル通りこの日の主役はジョン・ダンカンであることに思い当たる。それにしても美術展のようにしつらえたステージをギャラリーが見守るライヴ形態は非常階段にとって極めて異例。広重が言ったように地を這うように陰鬱なノイズをJunkoのスクリームが引き裂く演奏でスタート。ジョンは体型こそコサカイに似ているが微動だにしない演奏スタイルは真逆。エアシンセなのか手をかざして演奏しているがPAから出る音ではどれかわからない。演奏は次第に熱を帯びドラムが激しく乱打し広重もギターを振り上げ叩き付けるが抑圧的な息苦しさは変わらない。最初はジャンプして騒いでいた数人の観客も鳴りを潜めてしまった。勿論演奏は素晴らしくそれをじっくりと鑑賞できたのも嬉しかったが会場全体を出口のない閉塞感が支配していたように感じたのは私だけだろうか。






●ジム・オルーク


続いてジム・オルークのソロ。シンセとエフェクターによる電子ノイズ。ジムの演奏はハーシュノイズではなくアンビエントである。微弱音の通奏低音の上に様々な電子音が重なり消えていくサウンドはクラウス・シュルツェやタンジェリン・ドリームの浮遊電子トランス音響を継承している。ジムがノイズではなくポストロックの出自だということがよく 判る。アンビエント的演奏家は日本では杉本拓やSachikoMくらいであまり多くないが欧米では根強い人気を持つスタイルで、サーストン・ムーアなども実験作品ではギタードローンによるアンビエント演奏が多い。といったことは理解しているが実際に聴いて面白いかといえば個人的にはちと辛い。40分間の演奏中何度か意識を失いかけた。



●ジョン・ダンカン


最後にジョン・ダンカンのソロ。一見ジムと同じテーブル・ノイズ演奏だが似て非なるものとはまさにこのこと。非常階段の時と同様にテーブルの上に手をかざして音をコントロールする。その音はエアシンセではなく鈍い低音ホワイトノイズの音高が微妙に変化するだけ。CDJを使用し時々ディスクを取り換えるがサウンドに大きな変化はない。気が塞ぐようなズーンと沈み込んだ重圧的な音響が続く。暗い照明に彫塑のような顔が不気味に浮かび上がる。非常階段の時の閉塞感の元凶がジョンにあったことが分かった。音楽家というより美術家・芸術家であるが故に冷酷にして無慈悲。芸術のためなら笑顔で人も殺しかねないほどの残忍さが滲み出ている。ジョン・ダンカンという孤高のアーティストの存在感の大きさに打ちひしがれる思いを抱えて戸外に出ると昼間の春の陽気とむせ返る煙霧が一転し凍えるばかりの冷風。人生はかくも辛いものだったろうか。



▼ジョン・ダンカンの機材


暖寒に
ダンカンと振り
納得す

4月のJAZZ非常階段featuring山本精一に急遽大友良英の参加が決まったそうな。自分がいないと広重×山本コンビに何を言われるかわからないから心配になったのかな?








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グンジョーガクレヨン/BIGスパゲティ/川口雅巳ニューロックシンジケイトetc.@国立地球屋 2013.3.9 (sat)

2013年03月11日 00時23分54秒 | 素晴らしき変態音楽


「池田ゴッホの実験室」
【 LIVE 】BIGスパゲティ/グンジョーガクレヨン/川口雅巳ニューロックシンジケイト/L’eclipse Nue

ロックバンドBIGスパゲティのVo.Gでありオーガナイザーでもある池田ゴッホ企画イベント。昨年12/15新大久保Earthdomで開催された「雑煮音鍋セッション祭」の企画者である。ひょんなことからグンジョーガクレヨンの組原正を紹介したがその後フォローしてなかったので突然グンジョー出演イベントの案内が届き驚いた。組原は年明けからも精力的にライヴ活動をしているが都合が合わず観れなかったのでラッキーだった。

地球屋は久々だが中央線ヒッピー文化のメッカ国立の雰囲気は変わっていない。行きがけに覗こうと思ったディスク・ユニオン国立店が閉店になったことに気付く。地球屋は気さくな奥さんの「いらっしゃい」の声が嬉しいアットホームなライヴハウス。こじんまりした小さなハコだが意外な大物が出演することもある穴場である。組原は前日の千野秀一との初セッションがとても面白かったと言っていた。


トップは新宿在住アメリカ人のソロユニットL'eclipse Nue。テーブルに並べたエフェクターの電子ノイズにアジテーションヴォイスが重なるスタイルは俗に言うパワー・エレクトロニクス。ホワイトハウスやジェノサイド・オーガンなど英米に多い。ノイズ部分はジャパノイズも引けはとらないがヴォイスだけは日本語では無理。やはり英語かヨーロッパ系言語じゃないと上手く行かない。ネイティヴ・アメリカンならではのワイルドなアクションもいい感じ。アーミージャケットにG.B.H.のパッチが貼ってあったので根はハードコアなのだろう。80年代インダストリアルを彷彿させる演奏はとてもよかった。


(写真・動画の撮影および掲載については出演者・主催者の許可を得ています。以下同)


続いてお馴染み川口雅巳ニューロックシンジケイト。開演時間ギリギリにドラマーが到着したのでサウンドチェックなしでいきなり本番。百戦錬磨の彼らはまったく動じない。フリーフォームな即興からビートのあるサイケロックに突入。いつもながら三人が自由奔放なプレイを繰り広げつつバンドとしてのグルーヴを産み出す演奏に惚れ惚れしてしまう。メジャーマイナーを問わずサイケの要素を取り入れたバンドは数多いがこのトリオ程自家薬篭中のものとしているバンドは他にはいないと思う。もっと脚光を浴びていい。音源リリースについて尋ねたら既にマスターはレーベルに送付済みでリリースを待つばかりとのこと。




3番めはグンジョーガクレヨン。この日は組原と前田隆のデュオ編成。前田の激しくうねるベースと組原のヴォイス&ギター。PCで変調しサンプラーで循環させた音響は声とは判別出来ない畸形のトーナリティとなって空間を満たす。30年以上の付き合いだから手の内を知り尽くした熟練のパフォーマンスは卓越とか見事とか月並みな言葉では表現出来ない。こればかりは生で体験していただきたい。幸いなことにグンジョー完全復活につきライヴ・スケジュールはかつてなく充実している。




トリは池田ゴッホ率いるBIGスパゲティ。この日のイベントはアヴァンギャルドで固めた(だからタイトルが「実験室」)と言うが自分のバンドだけは前衛ではなく祭典である。お囃子やサンバのアゲアゲビートで祝祭的に盛り上げる演奏に否応なく身体が反応する。最後は観客総立ちで盆踊り大会。組原はサックス奏者のフリーキーなプレイが気に入ったらしく終演後「今度共演しましょ」とアプローチしていた。



国立の夜が熱く燃えた一夜だった。

実験室
風営法は
関係ない

次の池田ゴッホ企画にご注目!
6/30(日)「雑煮音鍋セッション祭VOL.4企画」@ 新大久保アースダム 詳細未定(大物出演交渉中!)
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ブラ・ファン必読~三つ巴の仁義なき闘い!ランジェリーCM徹底解剖

2013年03月10日 00時16分01秒 | 動画の歓び


全国百万人のブラジャー・ファンの皆様お待たせしました。下着メーカー各社の2013年新作が発表されそれぞれ工夫を凝らしたキャンペーンがスタートしました。本日はブラ研究家のワタクシが「外すだけがブラじゃない」をテーマに各社CMを徹底解説いたします。

ピーチ・ジョン~こじはるに衝撃のハプニング!? ピンチを孕んだパンク的逆説キャンペーン

2011年にAKB48の大島優子、小嶋陽菜、河西智美を新商品「ハートブラ」のキャンペーンキャラクターに起用したピーチ・ジョンが今年は引き続き「ワークブラ」のキャンギャルに小嶋陽菜を起用しキュンキュン大胆な新CMを放映中。こじはる本人の舌足らずなフランス語もカワイイ誘惑作戦に骨抜きにされたお父さんも多いだろう。おっさんをトキメかして商品が売れるのかという疑問はあるが、女子ファンも少なくないAKB48は最近ではNTT DocomoのCMにも登場。最初はソフトバンクの白戸家のパクリかと思ったがAKBに歌わせることで犬のお父さんとの差別化を図っている。それに対抗しソフトバンクは元AKBの前田敦子を起用、ソフトバンクvsドコモのガチンコ勝負はまさに仁義なき闘いに突入した。ケータイ界のことはさておき、女子向け商品にアイドルを使うことで大きなリスクが生じることはピーチ・ジョンは覚悟の上か?

小嶋陽菜出演 ワークブラCM 30秒版





ワコール~谷間にこだわる外人モデルの脱力ダンスのミニマル効果

日本でNo.1のシェアを誇るランジェリーメーカー、ワコール傘下には多くのブランドがあるが胸当てに関してはラランが最注目だと言える。これまでも「マシュマロフィットの谷間ブラ」「くっきり谷間ブラ」と「谷間」への執着を明らかにしてきたが、本年度は谷間シリーズWラインアップ攻勢をかけてきた。とはいいつつそこは王者の貫禄。芸能人や有名モデルではなく無名の外人モデルをCMに起用、コンセプチュアルな映像と音楽で女性の心を掴むマス情報化戦略で迫る。2011年のマシュマロフィットで話題になった脱力テクノソング+外人モデルの謎のダンスを継承し「朝の谷間、ながもち、リボンブラとクロスブラ」をアピール。歌詞を聴けば商品特徴もバッチリわかるCMソングの基本を押さえたラウンジィでモンドなサウンドの反復手法も見事というしかない。有名人キャンギャルを使うことによるリスクも回避されている。ラランのCMシリーズからは目を離せない。

ワコールLALAN『リボンブラとクロスブラ』



トリンプ~アリスとアリサとアリサの複雑怪奇なコンセプトはまるでプログレ

世界のランジェリーシェアNo.1ながら日本ではワコールに水を開けられ2位に甘んじているトリンプは「カワイイ!を楽しむ女の子のための」ブランドAMO'S STYLE by Triumphのイメージキャラクターに若手女優の広瀬アリスを起用し王座獲得の闘いの狼煙を上げた。昨年のアモスタイル・キャラクターはトリンドル玲奈が務めカワイイ女の子を演じていたがイマイチ印象が薄いのは否めない。トリンプはアモスタイルとは別にトリンプ・イメージガールを毎年選出している。2013年度は渡辺アリサとALISAという二人のアリサでアモスタイルの広瀬"アリス"とゴッチャになり紛らわしいことこの上ない。トリンプとアモスタイルの違いも男性にはわかりにくいが女性はどう感じているのか?イメージを統一したほうがNo.1奪取の近道だと考えるのは半可通のおせっかいだろうか。

AMO'S STYLE by Triumph 2013年新イメージキャラクター広瀬アリスちゃん登場!


「2013トリンプ・イメージガール」発表会 13年は"Wアリサ"


胸の地位
競って争う
熾烈ブラ

ランジェリー道は蛇の道。心してかかるがよい。


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