おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

夕張「攻めの廃線」の末路と、ご当地山線のバス転換

2024年08月14日 | Weblog

眠れぬ夜を過ごしてただいま午前5時。

しとしと雨降りで、気温はプラス21度。

台風5号から変わった熱帯低気圧の影響で不安定な状態が続くそうです…

写真は廃墟となった市立夕張図書館(櫛田泉さん撮影)。

さて、

「攻めの廃線」をご存じか?

鈴木直道知事が夕張市長時代にJR夕張支線の廃止を、JR北海道に自主的に提案するという前代未聞の出来事があった。

JRに7億5千万円を拠出させて、バス網を整備したことなどで「住民の利便向上を図った」とした。

そこで「攻めの廃線」と称したのだ。

そしてJR夕張支線は2019年に廃止となりバスに転換した。

ところが昨今はバスの運転手不足だ。

おかげさんで、夕張から札幌への直通バスは9月末で廃止が決まった。

いよいよ夕張は陸の孤島か?

市の人口はというと、廃線時の8033人から6348人(今年6月)で、たった5年間で20%以上も減った。

「攻めの廃線」とは名ばかり、どっからどうみても大失敗ですわ。

さらに夕張市所有の観光4施設「ホテルマウントレースイ」「マウントレースイスキー場」「ホテルシューパロ」「合宿の宿ひまわり」を格安で中国系企業に売却した。

その後、この中国系企業は香港系ファンドに高値でこれらの施設を売却、「泥棒に追い銭」ですわ。

鈴木市長が誕生する前まで、夕張市は観光が基幹産業でしたけど、おかげさんで完全にアジャパー。

そんなこんな、我が函館本線の長万部~小樽間の通称「山線」も、北海道庁の強い意向があってバス転換が決まった。

ですが、バス転換を決めた「平行在来線対策協議会」は、去年5月を最後に開催されておりません。

決まったけど、転換しようにも「バスはない」とバス会社が申しているから転換のしようがないのだ。

しかも、「バス転換した地域は全国的に乗客が5~7割減少してマイカーになりました。そこから予約制のデマンド交通になると、さらに乗客が減っています」というのは岩内町在住の経済ジャーナリストの櫛田泉さんだ。

その岩内町には、国鉄岩内線があったけど、1985年に廃止となった。

そこから岩内町の衰退はすさまじいものがある。

鉄道廃止の1985年の人口は21378人だったけど、今年7月末の人口は10963人と、約40年で半減。

町はさびれて、すっかりシャッター街だ。

鉄路が廃線となれば、攻めもへったくれもない。

町や村はただただ衰退するだけ、というお話でした…