グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

磯の貝達3

2009年06月02日 | 海の生物
あっという間に6月になってしまいました。
これから、梅雨に入るわずかな時間こそ
アウトドアを満喫するには、最高でしょう。

私が紹介している磯の生き物達も、この時期には最高です。
春程は潮も引きませんが、大潮の時を狙えばまだまだ十分磯観察を楽しめます。

磯は海と陸とを繋ぐ貴重な空間です。
陸の影響は、まず磯に現れそして海へと繋がっています。
潮の干満によって、海になったり陸になったりするというのは
考えてみると非常に面白い空間です。

そんなどちらにも属しきらない、異空間だからこそ
不思議な生き物達がいるのです。
今日、ご紹介するのは「カラマツガイ」です。

先週、紹介した「ヨメガサ」と似た形をしていますが
全く、違う生き物だと思って下さい。
皆さん、貝と言えば水中の生き物のイメージが強いはずです。
水中の生き物と言えば、普通「エラ呼吸」をしていると思うでしょう。
ところが、このカラマツガサは有肺類なのです。
写真の左上やや飛び出した部分(肋)に呼吸孔が開いています。
どちらかと言うと、カタツムリに近いのかも知れません。

しかし、ちゃんと鰓もあると言うのがこのカラマツガイ科の特徴です。
なので、潮が引くと藻を食べに動き回ります。
しかも帰家習性を持ち、ちゃんと動き回った後は自分の場所に戻るから面白いです。

春~夏にかけて黄土色の卵を指輪型に産み付けます。
先日、磯で見た時もいっぱい産んでいました。
今度、このカラマツガイの帰家行動をジックリ観察してみたいですね。

コメント
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