グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

イヌツゲの花

2009年06月04日 | 植物
大島は今、花のシーズンです。ちょっと外を歩くだけでも様々な花を見ることができ、とても楽しいです。

先日、友人と海岸通りを歩いていたら、イヌツゲの花が満開でした。

イヌツゲは地味で、普段は誰からも注目されない植物なのではないかと思いますが、たくましさの点では目を見張るものがあります。

冬の三原山を歩いていると、カルデラ内の多くの植物達が葉を落としヒッソリと春の訪れを待っている中で、緑の葉を茂らせて堂々と太陽の光を受け止めているイヌツゲの姿を見ることができます。噴火の影響が大きく、限られた植物しか生きていけない環境の中で、しっかりと生きているのです。

また、同じカルデラ内でもここ最近の噴火の際に溶岩が覆いかぶさらなかった場所では、イヌツゲがヒョロヒョロと5~6mにまで伸び、昼なお暗い“樹海”と呼ばれる独特な環境を作り出しています。

そうかと思うと山の中腹の森の中や、海岸沿いでもしっかりと生きています。

イヌツゲについて調べてみると、すごいです!光の少ない環境でも生きられるのに強い光もOKで、痩せ地でも湿地でも生きられ、成長は遅いくせに切られても再生する力が強く、病害虫にも、煙害にも、潮風にも強いのだそうです。これなら日本中、どんな場所でも生きていけそうですよね!

そんなたくましいイヌツゲの花は、一見小さくて目立ちませんが、近づいて良く見ると、とても可憐で魅力的です。私が虫だったら絶対この花の魅力に勝てず、フラフラと寄って行ってしまうに違いありません(笑)

地味で目立たないけれど、コツコツと成長し、どのような環境でもたくましく生きていく、そんなイヌツゲの美しい花たちは、これからがシーズンです。ぜひ散歩の足を止めて、花を眺めてみてくださいね。

(カナ)


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