グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ジオパーク全国大会(室戸大会)報告、最終回

2012年11月08日 | 火山・ジオパーク
ジオパーク全国大会(室戸大会)報告、最終回です。
今日は大会を通して「これはいい!」と思ったものでツアー以外のものを報告します。

まず初日に訪れた「室戸ジオパークビジターセンター」
様々なポスターや資料が置いてあって、スタッフの方からの説明もありました。

貼ってあるものの多くが、写真、地図、絵入り図解で、文字が少なくわかりやすかったです。


例えば、地下で冷えたかたまったマグマが、どうやって地上にあがってくるか…

なるほど~。

ビジターセンターにいる若いスタッフの方が、室戸の海岸の岩がシマシマであるわけを、教えてくれました。でっかい地図を前に…

海のプレートが陸のプレートの下に沈み込む時に、海底にたまっていた砂や泥が寄せられてシワのようになるので、室戸岬の海は急深になっているとのこと。

このことを説明するために、使われていたのがこれです。

水を入れた瓶の中に、ブルーの粒(粒が比較的大きい砂を表す)と白の粒(粒が小さい泥を表す)が入っていて、振ると混じり合いますが、すぐにブルーと白に別れていきます。
(この小道具、ガイドさん達も持っていました!)

さらに「腕を出してみてください。」とスタッフの方。「?」と思って腕を出したら、上着の袖を手首から肩に向かって寄せていきます。ちょうど室戸岬の下、海底のシワ(?)と同じ状態を再現してくれました。

こうやって海底のシワ(?)が地震で地上に出てくるから、室戸の地層は方向がバラバラなのですね。(これ、一昨日のクイズの解答です)

さて、ビジターセンターを出て室戸岬のジオツアーに行った時の野外看板です。

目の前の景色がどうやってできたかわかると、歩き方が違ってきますよね。

遊歩道の上には、この看板。

何カ所も見かけました。
地図上に常に現在地が示されているので、自分の位置を確認できます。

ツアーの途中には、休憩所があってお茶やコーヒーのサービスがありました。

今回の室戸大会では、このようなツアー中の休憩所の他に、会場移動時には、道に案内人が立っていました。少し肌寒いくらいの気温の日もありましたが、みなさんずっと路上で案内をしてくれていました。

大会中は約200人の人が、ボランテイィアとして参加したと聞いています。
(室戸のみなさん、ありがとうございました。)

近くの商店はジオバーガー以外にも、様々な商品の割引をしていました。

黄色い札には「祝・全国ジオパーク大会開催中 期間限定」と書いてあります。
素敵な応援ですね。

5つに別れた分科会では、多くのグループ討議が行われたようです。私が2日目に参加した分科会では、三陸、沖縄本部、四国の伊予の3つのジオパーク申請準備中の地域の方達と一緒の机でした。

会話の中で、伊予の方は「地域の自然(石灰岩の地形やブナ原生林)や文化(郷土の相撲など)を子ども達に伝えたい」と語り、沖縄本部の方は「サンゴ礁や石灰岩の大地など、本部半島を見ることで地球の営みを伝え、防災につなげたい」と語り、三陸の方は「津波で被害を受けたが、三陸には豊かな海、山の恵みがある。防災(減災)、地域振興などジオパークは各地域が合意形成をするため手段だと思っている」と語りました。

皆さんのジオパークにかける思いに触れて、同じ方向を向いて頑張っている人が日本の各地にいることが実感できて、そのことに感動しました。

ジオパーク、面白い!

今回の大会には高校生の分科会もあって、地元を含めて6つの地域から来た高校生達が、ジオパークについて議論しました。最後のまとめの「高校生宣言」。


え?字が読めない?
では…

高校生達がジオパークを自分も当事者であるという意識で、考えだした言葉です。

そして、最後の大会宣言。
一昨日も載せましたが、全員で意見を出しながら作っていきました。

黄色や赤の変更個所がいっぱいです。
全体で500人という人数なのに、参加感のある(他人事ではない)素敵な大会でした。

1年後の全国大会は隠岐で開かれます。
参加可能な方は、ぜひ時間を作って、第4回全国大会にお出かけください。

(カナ)
コメント (2)
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