グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

大島町総合防災訓練

2012年11月22日 | 火山・ジオパーク
昨日(11月21日)は、大島町の防災の日。
26年前山腹で割れ目噴火が起こり、全島民が島外に避難した日です。

島では表題の防災訓練が行われました。
でも、今回は火山噴火ではなく地震津波に対しての防災訓練でした。

「巨大地震の発生で大島町でも震度5強の揺れが観測され、数分~10数分後に8mの津波が到達した」という想定の訓練には、420名が参加したようです。(七島新聞データ)

私も朝から、全行程参加しました。

朝9時の島内放送で、まずは近所の集合場所へ。
4名の方が先に集まっていました。

ここから歩いて全員で次の集合場所へ行くのかと思ったら、バラバラで車で行って良いとの事。
「遠いから」というのがその理由のようでしたが、ちょっと意外…。

次の集合場所は標高41mの、廃校になった小学校。
地震津波災害を想定して一時避難場所に集合する、ということのようですが…

私の自宅は、ここよりずっと標高の高い山の上。
予想される津波の高さが41mより低いとはいえ、わざわざ山から下りてくるのは嫌ですねぇ…。

この場所から、訓練会場の小学校へバスで移動しました。

2台のバスでは乗り切れずに、20分ぐらい待った後、折り返して来たバスで会場へ。

避難訓練会場の小学校は標高87m。

現在大島町では、島内の様々な場所にこの標識を立てています。
(スミマセン、何カ所立てる計画だったか忘れました…)

会場では、以下の訓練が行われました。
最初に消火器を使って火を消す訓練。


竹(物干竿でも代用可)と毛布を使ってタンカを作り、ケガ人を運ぶ訓練では…

中学生が参加して、上手に人を運んでいました。

消防のポンプ車を使っての消火訓練も行われました。

大島では各地域の青年が消防団員として活動していますが、全員で341名の団員がいるそうです。

消防車は全部で22台とのこと。

そういえば、ポンプ車はどこから水を運んでいるのでしょう?
疑問に思ったので、近くにいた消防団の人たちにあれこれ質問してみました。

その結果わかった事は…
1、水は各地区にある水源からくみ上げる
2、近くの農家の水源を借りる事もある。
3、元町には一台だけ大きな消防車があり、それには水を積んでおける。
4、海水も利用可能。海水を使った後は、真水(大島のは少し塩っぽいけれど)を通しておけば、壊れてしまう事はない。

フムフム、なるほど~。

訓練には、消防関係者、地域住民、中学生の他、小学生も参加していました。

みんな心臓マッサージの訓練を、真剣に見つめていました!

婦人会によるアルファ化米の炊き出し訓練もありました。


参加者のほとんどが試食。

すこし味が濃くて「塩っぽい」という感想が多かったです。

今日の訓練には黄色いジャンバーを着た人が、何人も参加していました。
その人たちの役割は…

“班長”です。
実際の避難の時に、班長さんが誰かがわかるのは良いですね!

訓練は11時半に終了し、バスで各地域に帰ることになりました。
島内3カ所の避難訓練会場から島民を運んでいるバスは、帰りもピストン輸送。
通常に営業している中で、バス会社の方は大忙しですね。

バスを待つ間に残った方たちと「実際に地震が起きて津波が予想されたらどうするか」を話しました。近所の方達と津波避難について話す機会が持てた事は「訓練に参加して良かった」と思った事の1つでした。

私には今回の訓練は「津波」よりも「噴火」に対する訓練のように感じられました。
でも昨日は「噴火記念日」だし、火山噴火は将来かならず起こることだし、それを忘れないためにも島民参加の昨日のような防災訓練は大切なのだと思います。準備する方はとても大変だと思いますが…。

事前に配られた資料を見ると、島内275の「自主防災組織」の一時集合場所は、一部以前よりも高い標高の場所に変更されていました。でも地震発生後数分から数10分で到達すると予想される津波に、どこで遭遇するかは全くわかりません。私はそのとき、山の上の自宅ではなく、海岸沿いを歩いているかもしれないのです。

活発な火山の島に暮らす私たちは「地震、津波」と「火山噴火」の両方の災害を減らす方法を常に考えていなければいけないのだと、そんな事を感じた防災訓練でした。







コメント
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