グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ジオ菓子旅行団とめぐる南伊豆のお菓子な風景

2013年03月21日 | 火山・ジオパーク
昨日、伊豆半島ジオパークで行われた表題のモニターツアー(伊豆半島かかりつけ湯協議会http://www.kakaritsukeyu.jp主催)に柳場と2人、参加してきました。

ジオ菓子は伊豆半島ジオパークで開発された、今話題の地層そっくりのお菓子です。
そして味もおいしい!(詳しくはこちらをご覧下さい。http://geogashi.com)

そのジオ菓子を、モデルとなった景色の前で食べられるというのです!
すっごい楽しそう!

…ぜひ参加してみたい!と思ってスケジュール調整して、突然参加することにしました。
(いつも突然です・笑)

昨日の午後の3時間ツアー。
ガイド役は、このお菓子を作っている「ジオガシ旅行団」のお2人。
団長の寺島さんは伊豆半島ジオパーク認定ガイドでもあります。

バスの中で、さっそくガイドさんの説明が始まりました。

ジオ菓子は、「見て、食べて、行ってみる」ことを目的に作られたのだそうです。

最初に訪ねたのは「爪木崎の俵磯」「バスに乗る前に配られたクッキーと、これから見られる景色をぜひ見比べてください。」とガイドさん。


眼下にはこんな美しい、柱を奇麗に並べたような風景が広がっています。

これは、南伊豆を作った火山がまだ海の底で活動していた時代、地下からあがって来たマグマが噴火せずに地層の中で固まってしまったものだそうです。それが地殻変動で地上に出てきたとか…。

説明看板の図の「シル」と書かれている部分が、目の前の柱のような溶岩なのだそうです。

海水に触れて急冷されることがなかったので、奇麗に割れたのだとか…。
伊豆大島の海岸線にここまでキレイな柱模様ができないのは、急冷されるせいなのかなぁ…。

お菓子な風景を求めて、一行は磯へ。

6角形の頭が見えてきました!

割れた柱の上が平らなので、階段みたいです。

こんな場所を歩けるだけでも楽しいです。
下りて、登って、そして高台から見下ろしてみたら…

うわ~!
そっくりです!

写真中央やや下の四角が、地元のひじき入りのチョコレートクッキーです!

皆さん、代わる代わる写真を撮っています。

何枚も撮りたくなる気持ち、わかります~。

「割れて落ちている溶岩も四角いね~。大島と違うよね」by柳場。

「座りやすい椅子がいっぱいだね~。」by私。

さて、6角形を堪能したあとは、恵比須島へ。

大昔の海底火山がふりつもらせたものでできている島ですが、一周すると全然違う表情が見られるのだそうです。

歩きはじめは、火山灰が美しい壁を作っていました。

「どこを見ても、お菓子にしたくなるような風景がいっぱいある」とガイドさん。
納得です。

こんなお菓子があったら…

いやお菓子ではなく、部屋に飾るオブジェでも良いかも…。
「不思議ですね~地球。」との声も聞かれました。(同感です)

「このあたりは、いつの時代かね?」
参加者の質問に「数100万年前頃ですかね。サメが出て来た時代ですね。」とガイドさん。

ガイドさんは「ジオが面白くて、色々な人に教えたくてしょうがない」とも語っていました。

海側に平らな岩が出てきました。

浅い海底が地殻変動で陸上に出て来た部分で、昔石切り場としても使われていたのだそうです。
写真でも四角くくりぬかれた部分に、水が溜まっているのがわかりますよね。

海に見とれていたら、いつのまにやら壁側は流線形の模様の入る滑らかな地層からゴツゴツの地層に変わっていました。

過去に水中で大きな爆発があって岩盤を砕き、粉々になった岩を巻き込みながら降り積もった地層…
でも、待ってください。

水中ってかなり浮力があるんですよ~。←元ダイバー。流れるスピードだって水の抵抗を受けて弱まるはず…それでもこんなものを流すって、いったいどんな出来事なのでしょう?

磯では地元の方が、何かを採っていました。
「何採っているんですか?」の問いかけに「ここは民宿発祥の地だからさ」と返事が返ってきました。

あ、民宿で出すおかずを採っているのですね。
地元の方は我々のことを「ジオパークかね?」ピタリと言い当てていました。(スバラシイ~)

さっさと歩けば5分ぐらいで回れそうな小さな島なのに、様々な表情を持つ恵美須島。
誰かから「ひとつのミュージアムみたいだね」という声があがっていました。(これまた同感です!)

さて、続いて訪れたのは“弁天島”
バスを降りてすぐのところに、お菓子のモデルになった地層がありました。

「では、お菓子を元に説明します」とガイドさん。

「水や風の作用で、ここがこうなって…」

お菓子で地層の説明をするという手法が、斬新でした~!

「この部分がお菓子のモデルです」という場所の前で…
「美味しい~!」と本物の地層をパクリと食べる、伊豆半島ジオパーク推進協議会事務局の鈴木さん。

大サービス!

ここでも、皆さん激写。

ジオ好きの皆さんと一緒に歩けるのは、楽しいです!

さて、最後の訪問先は白浜神社。白浜神社は三島大明神(恵比寿さま)の妻、伊古奈比咩命(いこなひめのみこと)が主神として祀られる伊豆最古の神社でそうです。

三島大明神は、伊豆七島(+3島)を創りだしたと言われる神様なので、大島とかなり縁のある神社です。

神社の裏手には白砂の海岸があって、鳥居がひとつ建っていました。

伊古奈比咩命が暮らしていたことがある三宅島に向かって建っているのだそうです。
神話もジオで楽しそうです。

ところで、砂浜がずいぶん白いので、「大島とずいぶん違うな~」とつぶやいていたら、鈴木さんが「伊豆半島には黒い砂浜と白い砂浜があるんですよ。ここの砂浜は残念ながら他地域の砂を入れていると思うんですけれど。」と説明してくれました。

「新しい火山がある東伊豆は黒い溶岩が流れているので黒砂、西伊豆や南伊豆など海底火山の時代にできた地形のところにある砂浜は白いんです。」とのこと(白くなる理由は、熱水に触れることで変色していくためのようです…他にも理由があったかもですが、忘れてしまいました…)

ひとつのジオパークの中に、黒い砂浜と白い砂浜がある…伊豆半島は古い古い歴史を持つジオパークなんですね。(伊豆大島の地面が1歳だとしたら、伊豆半島は200~400歳!)

火山がどんどん地面をつくる現場を見られる伊豆大島。そして、火山の噴火、プレートの動き、波や風という地球の動きが、長い時間をかけてどんな景色を作ったかを見ることができる伊豆半島。

これって単独で見るよりも、絶対に両方見た方が面白いです。

各地のジオガイドさんと一緒に、この多様なジオを伝えていけたらいいなぁ~と思いました。

(カナ)















コメント (2)
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