グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

リス村の花々

2013年04月04日 | 植物
来週160名の中学生が、修学旅行で伊豆大島に来島します。

初日は自転車やビーチコーミングなどのメニューの中に、リス村と動物園(大島動物公園)に立ち寄るメニューがあり、ここを私ともう1人のネイチャーガイドが担当することになりました。(2日目は三原山、猛スピードツアーです…)

で、今日、新スタッフの辛島と2人で、リス村と動物園に下見に行ってきました。
リス村では、忙しい村長さんが時間を割いて、私たちを案内してくれました。

リス村には、リスやウサギもいるけれど、椿もいっぱい植えられています。

花が終わりのものもあったけれど、まだまだにぎやかに咲いていました。


遊歩道には溶岩が敷きつめられています。

「椿には島の岩が合うんだよ。」と村長さん。
ご自身で作られたとのことです。(さすが!)

村長さんのおすすめの椿は、「世界を一周した椿」

日本からヨーロッパに持ち出された椿がアメリカに渡り、少しずつ姿を変えて日本に帰って来たという説明にある椿が、隣あって植えられていました。

この説明文にあるように、違う花をつける枝が出ることがあり(枝変わり)、それを挿し木や接ぎ木で育てると違う椿になるとのこと。

赤い花の中に白い花が咲いているのも「枝代わり」だそうです。

椿は自家受粉を嫌い、他家受粉を好むから多様なタネができ、突然変異もあるのでどんどん違う椿が作られて、今では世界に3万種類以上の椿があるとのこと。

リス村にも、たくさんの種類の椿が咲いていました。
同じ木に、模様の違う花。


霧吹きしたような模様のピンク。

「吹きかけ絞り」と言うそうです。

控えめ。


でかっ!

椿は花が大きくて美しいだけではなく、こうしてどんどん変化するから愛好家が多いのですね。私は園芸種にはほとんど興味がわかないのですが、椿を愛でる人の気持ちが少しわかったような気がしました。

昔の人は花のみならず、つややかで美しい葉も楽しみ、万葉集の中には葉を詠んだ歌もあるとのこと。

確かに椿は常緑の木の中でも、ツヤツヤ度ナンバーワンですものね。

村長さんは「椿と虫との関係や人と椿の関わり」なども説明してくれました。
楽しかったです~。

園内にはこんな看板も立っていました。

「根性ザクラ?」

台風で2つに裂けた桜の木は、今年も立派に花を咲かせたそうです。
そして裂けた部分からは、新しい根が生えていました!

「植物って逞しいよね~。」BY全員。

この状態で花を咲かせる桜はとても素敵ですが、この紹介の仕方も素敵だなぁと、私は思いました。

この木を見続けて来た人でなければ、書けない文章ですから…。
その土地に生きる生物の歴史を語れる…これってまさに私が理想とするガイド像なんです!

ところでリス村は、広々とした芝生の広場でも有名です。
今日はその芝生にうっすらと紫の色がついていました。

案内されるままに近づいて、驚きました。

あたり一面、スミレの花が咲いていたのです!
こんな見事な、スミレのお花畑は見たことがありません。

ええと~、スミレはねじれてタネを飛ばすか蟻に運んでもらうんでしたよね?
「自然に増えていった」ということですが、ここまで増えるんですね~。

さて、すっかり自分たちが楽しんだリス村の下見…現在「動物園はクイズを作って回ることにして、リス村では村長さんに話してもらおう」と計画中です。

リス村さんはホームページでも花や動物たちの情報を随時更新しています。
興味のある方はぜひ一度お訪ねください。
http://www10.ocn.ne.jp/~risumura/

(カナ)
コメント (4)
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