グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

自分がダンゴムシだったら…

2016年01月29日 | 火山・ジオパーク
昨日は、第5回ジオガイド養成講座「伊豆大島の動物2」の日でした。

講習講師として長谷川雅美先生(東邦大学)が来島。
ガイド仲間に声をかけ、空き時間に一緒に島を歩きました。

最初の訪問先は、夏の学生さんの合宿下見を兼ねて「砂浜と岩場が両方ある海岸」へ。

「天気も良いし、私のお気に入りの岩でお弁当を食べよう!」という企画だったのですが…

相当海が荒れたらしく「座り心地の良い岩」は下の砂が掘れて、足が届かなくなっていました!

…なんだか落ち着きません(^_^;

…で、場所をこちらに移し…

ランチタイム!
ここは、と~っても座り心地が良かったです!

食後に散策が始まりました。

「こんなところに生きてるよ!」と長谷川先生。
何を見つけたのかな?…と思ったら…

穴の中の小さな緑でした。

みんなで観察した結果「シダの子どもかね?」ということになりました。

そのほか、固く結ばれた(?)流木や…


土石流に巻き込まれた木の痕。(たぶん)


「天然の配水管みたいだね」…という「!」な風景。

(丸い穴は、たぶん木の跡)

何か見つける度に、長谷川先生の目が嬉しそうにキラキラ輝くのが、とても印象的でした。

次に、一見生き物がいないように思える冬の海岸で、生き物をさがすコツを教えてもらいました。湿度のある石の下が狙い目だそうです。

「この石の下に、ハマトビムシとハネカクシとゴミムシダマシがいましたよ」と長谷川先生。

黒い20cmぐらいの石をめくって見ると…

ええと~(^_^;

砂粒しか見えないのですけれど…。←細かい物が見えない(^_^;

…と思ったら、動き出しました!
ゴミムシダマシ!!

(名前を調べたら、ハマヒョウタンゴミムシダマシという砂浜の生物のようです)

こちらはハマトビムシ。(ピントがあっていませんが細長い透明感のある虫です)

ハネカクシの仲間は、素早すぎて撮れませんでした(T-T)

そして別の石の下からは「何者かのさなぎ」


同じサイズの「ハマダンゴムシ」

完全に砂粒サイズ!
これを瞬時に見つけるって…スゴすぎます。

この後場所を移し、伊豆大島で一番長いビーチ「砂の浜」へ。

砂浜に着くなり「ここの海の中は砂地ですか?」と長谷川先生。
「どういう意味かな?」と思ったら「砂地に住むアサリの仲間の貝殻があるから…」とのこと。

そう言われて見れば、この貝殻がある海岸は限られているような…

今まで、あまりそういう見方をしたことって無かったなぁ…と気づきました。

最後に、巨木の森の様子を観察しに「薬師堂」へ行きました。
森の中から空を見上げた時の風景。

スダジイの木々が、葉が重ならないように同じ太さの隙間を空けて共存しているのを感心して見上げていたら…

「空が開くと木は光を求めて、葉をいっぱい出して競争するんですよ。たとえば…」…と社の上の空を説明してくれました。

1本の木でも、右と左で葉のつきかたが違っています!

空が広く開いている場所は、葉が一杯ついていて色が濃い…

競争が激しいのですね!

「いつも自分がダンゴムシだったら…とか、木だったら…とか考えるんですよ」と楽しそうに語る長谷川先生。

私にもその傾向はありますが、今日初めて気づかせてもらったことがいっぱいありました。
楽しかったです。

「知識と経験が多ければ多いほど、不思議を楽しめるようになる」ということを、ますます実感しました。

さあ、この楽しさを、次のツアーでお客様にお裾分けしなければ!

(カナ)



コメント
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