グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

鳥海山・飛島ジオパーク構想 報告その3

2016年07月01日 | 火山・ジオパーク
昨日に続いて6月28日後半の報告です。

海岸から鳥海ブルーラインを上がり車窓から移り変わる植物の姿を眺めながら、五合目(標高1,150m)の鉾立(ほこだて)へ。

霧で鳥海山山頂は見えなかったけれど、雨に削られた深い谷を見下ろせました。

所々に木が生えていない場所があって、硬そうな溶岩がむき出しになっています。
鳥海山は溶岩流を流すタイプの噴火を繰り返してきた火山らしいから、大島とはまた違う個性の「シマシマ」が見えるのではないでしょうか?近くで見てみたい〜!←切望。

ガイドさんは写真や絵などたくさんの資料を用意されていました。

(^_^)

さて、続いて訪ねたのは「元滝伏流水」

100%湧き水の滝で、最近観光客が増えているとのこと。(クマに注意の看板が(^_^;)

苔むした岩と水の流れ。

は〜、ため息が出るほど美しいです。

ガイドさんは時々、途中で止まって解説。

切りすぎたブナを植え戻し、森作りを進める人達の活動も、紹介されていました。

そしてついに、勢いよく流れる滝に到着!

この100%伏流水の滝は、冬でも凍ることが無いのだそうです。
(この滝に水を流し続ける鳥海山…どれだけ大きいんでしょう!)

次に行ったのが「上郷温水郷」という、人が作った水路。

水路に段を作ることで水がゆっくり流れ、太陽の光で水を暖めて農業に利用する…という仕組みのようです。スバラシイ!(この工事に携わった人の苦労話とか工夫などが語り継がれていたら、聞いてみたいです)

看板の絵が可愛くて思わず写真を撮りました。

こういうイラストがあると、中身を読みたくなりますよね。

そして最後に訪ねたのが「象潟(きさかた)」

ここは今から2500年ほど前、鳥海山がくずれて土砂が海まで達し、小さな丘が点在する風景ができた場所…

最初は海とつながる大きな湖に丘が点在する風景だったのが、1804年の地震で2mも高くなり陸になった場所だそうです。

丘の一つに上ってみることになりました。


山がくずれてきたことを証明するような、大きな岩の前でガイドさんの説明が始まりました。

背景に見えているのが鳥海山です。

ガイドさんは目の前が湖だった頃を再現した絵を披露。

「おお〜!」という賞賛の声があがっていました(^_^)

そして言葉での説明だけでなく、文字でもキーワードを見せてくれます。

これ、耳で聞くだけよりも、ずっとわかりやすかったです。
(長時間ツアーには資料が多くなりすぎて無理でしょうが、短時間の説明には良いかも!)

過去には畑にするために丘を崩そうという動きもあったけれど、蚶満寺(かんまんじ)の住職の呼びかけで保存運動が高まり、今の風景が保たれたそう。


ところで目の前には、松の木以外の様々な木が生えた緑の島がありました。

これは、人が手を入れない状態で植物が競い合って自然にできた島でしょうか?
伊豆大島でいつも、手つかずの植物の移り変わりを見ている私には、これはこれで貴重なもののように思えます。

(実はこの後「松の木のある風景を残してきたのはなぜだろう?」という疑問がずっと残っていたのですが、翌日ジオパークの事務局長から「この地域は松を燃料にしていて、生活に欠かせないものだったので、タネを撒いて松を育ててきた」と教えてもらい納得しました)

最後に象潟の景観を守った住職さんがいた蚶満寺(かんまんじ)の前で、みんなで写真を撮りました。

(^▽^)

…ということで明後日に続きます。

(カナ)


コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする