グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

鳥海山・飛島ジオパーク構想報告 最終回!

2016年07月05日 | 火山・ジオパーク
一昨日の続きです。
ブナの森の散策を終え,次の訪問先は象潟郷土資料館でした。

屋外に、2500年ほど前の鳥海山がくずれた時の岩なだれで土中に埋まり、近年掘り出された「埋もれ木(杉の大木)」が展示されていました。

こんな巨木が全て埋もれてしまう土砂の量って…すごいです。

こちらも「埋もれ木」
なんだか焦げた木を積み上げてあるだけのようにも見えますが…(^_^;

長い年月をかけて炭化が進み、人工的には作り出せない渋い色となった埋もれ木は、その希少性もあって高級木材なのだそうです。

近くに素敵な看板が立っていました。

ジオパーク推進協議会・事務局長のSさんによると「看板は普通左から読むけれど、地元の若いデザイナーさんとも相談してインパクトのある写真を中央に持って来た」とのこと。確かに中央の写真が目を引く、わかりやすい看板でした。

資料館の中には、埋もれ木と普通の(今の)木材の色を比べた資料もありました。

上の黒っぽい6枚が埋もれ木…確かに全然色が違います。

館内は、外とは別のガイドさんが案内してくれました。

わかりにくい言葉を、わかりやすい言葉に代えて、伝えてくれていました。

館内には、1804年の象潟地震で海底が隆起し陸地化する前の風景を再現した模型が置いてありました。

海とは水路でつながっていて、普段は海の方から海水が流れ込んでいたそうです。
この小さな島が点在する静かな湖での江戸時代の舟遊び、かなり楽しそうです(^_^)

今も田んぼに水をはる時期には、当時の風景に近い状態を見ることができるそうです。
(見てみたい〜)

他に屏風絵や版画家の作品、貝殻、民具等々の展示がありました。
面白かったのが、これ。

秋田の女性は色白で有名だから「日焼けは“御法度”だった」のだそう。
今でも、このように顔を覆って歩いている人がいるそうです。

頭に手ぬぐい巻いて健康的に日焼けをしていたはずの大島の女性を思い浮かべ
「ずいぶん違うなぁ」と驚きました。

昼食後、「十六羅漢岩」に連れて行ってもらいました。
海で命を失った人々の供養と海上安全を願って掘られたという,16羅漢を含む22体の磨崖仏。

実は私、海岸の溶岩に掘られた仏像を見たのは、初めてです。

周囲を見渡すと、あちらにもこちらにも仏様。

明治元年に完成したとのことなので、150年近く風雨や波にさらされながら存在していることになります。(スゴイ!)

事務局長のSさんが、岩の上に登って行きました。

足元には…

空を見上げる仏様!

150年間の空の変化を、ずっと見続けてきたのですね。

なんて素敵な風景!

時間があれば横にならんで、一緒に空を見上げたかったです。

大島よりもずっと年上で、大きくて、水の豊かな鳥海山。
そしてその上にある、ここならではの人の暮らし…

日本のジオパーク、本当に多様で個性的で面白いです。

そして短時間の滞在でその個性を楽しめるのは、
日頃から地域の物語をさがし、伝えてくれるガイドさんがいるから。

もちろんわかりやすいパンフレットや看板も大切ですが、
パンフレットを読み込まなくても、下調べをしなくても、
その地域の本物の物語を楽しめるジオツアーは、やはりスバラシイです!

あ〜〜楽しかった!
鳥海山・飛島ジオパーク満喫しました。

お世話になった皆様、ありがとうございました!

…いや、しかし…
私はガイドの皆さんにアドバイスをする立場で呼んでもらったはずなのですが…
少しはお役に立てたのか、心配です〜(^_^;

(カナ)
コメント
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